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知っておきたい!独立・起業のノウハウ集

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決算日は戦略をもって決めましょう

そもそも、決算日は会社を設立した時期によって決められているのではないか?と思っている方もいるかもしれません。3月を決算月、31日を決算日にするケースが多いようですが、会社を設立した場合、決算日は必ずしも1年後に設定する必要はないのです。決算日に関しては自由に決めることができると覚えておきましょう。 決算月だけでなく、日にちに関しても自由に決められますが、こちらに関しては月末でないと、会計処理や法務上で面倒な状態になるため月末を選択するのが一般的だといえるでしょう。 自由に決められる決算月をどうやって決めたらよいのか、今回は決め方をご紹介します。

決め方1・繁忙期は避ける

常識的に考えて繁忙期がある場合は、それを避けて決算日を決めるというのは当然の選択ではないでしょうか。特に会社設立して間もないころは、本業と兼ねながら決算準備をしなければならない場合も出てきますので、繁忙期がある事業の場合、その期間は避けるのが無難です。

決め方2・利益を考慮する

売り上げが多い月を決算月にしてしまうと、年間の利益の予想が決算月の売り上げで大きく変化してしまうため、法人税の節税の観点から見て不利になってしまいます。ですから、決算月を決める場合は利益が大きく出そうな月の前月の月末に合わせて決算日を設定するのがよいでしょう。

決め方3・会社設立の恩恵を受けられそうな時期を選ぶ

資本金が1,000万円未満で、前々期の売り上げが1,000万円以下の場合、消費税の免税事業所となります。新設法人の場合、2期目までは売り上げが0円となるので、資本金さえクリアできていれば免税の対象となります。これを考慮し、設立した年の期間をなるべく長くするように決算日を決めると免除期間が延び、有利に働く場合があります。 ただ、売り上げが少額になる場合や、設立半年後の給与・役員報酬などの支払いが1,000万円を超える場合は恩恵を受けられる期間が変わる場合もあるので、そのような場合は税理士さんなどに相談して決めるとよいでしょう。 なんとなく決めてしまいがちな決算日ですが、期間によっては大きな違いが出る場合もあります。決算日は会社設立後に変更することもできるので、会社の規模や成長に合わせてのちのち変更することも視野に入れておくとよいでしょう。

会社設立についてもっと詳しく知るには

一口に会社設立と言っても、そこには様々なやり方、種類があります。実際に起業する前に、どのような選択肢があるのかを把握しておくことが大切です。 このガイドでは、まずは会社の種類から設立にかかる費用まで、会社設立の前に必要な情報をご紹介。その上で、電子定款の作成方法や登記など、実際の設立の流れを最短で終えられるよう、実務的な知識をご紹介しています。 本ガイドがお客様のビジネスの第1歩としてお役に立てれば幸いです。

目次

  1. 1.個人経営主と法人のメリットを比較
  2. 2.会社の種類は?4つの形態の違いを比較
  3. 3.新会社法は会社が守るべきルール
  4. 4.会社は6万円の費用で設立できる
  5. 5.最短時間で会社を設立するための流れとは?
  6. 6.会社設立の際に決めるべき5つのこと
  7. 7.定款の作り方とは?定款は会社のルール集
  8. 8.電子定款の作成手順を完全解説
  9. 9.オンラインで電子定款を送信してみよう
  10. 10.紙で行う定款作成・認証方法まとめ
  11. 11.これで完了、登記の手順
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5分でできる会社設立 https://www.freee.co.jp/launch 開業手続きが無料・簡単・最速 https://www.freee.co.jp/kaigyou 元記事はこちら https://keiei.freee.co.jp/2016/03/30/kessanbi-kaisyasetsuritsu/
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前回、「「人生年表」でアピールポイントを洗い出そう」では、職歴と自分の能力や経験の棚卸しについて、自力で起業する場合を中心にご説明しました。
 フランチャイズに加盟する場合はどうなる?
では、フランチャイズ(FC)に加盟する場合はどうでしょうか。 基本的にFCで起業する場合は、そのビジネスに関して全く経験がない、または経験が少ない場合が多いかと思います。その場合、経験の要件を満たさないので創業融資の利用はできないかというと、そうではありません。 FCで起業する場合、経験については、ほかの業種での職業経験も含めて判断されます。例えばほかの業種で営業成績がよかったり、高いポジションで長く勤めてきた実績があったりすれば、審査上、プラスに働きやすいでしょう。 そのため、前回(「「人生年表」でアピールポイントを洗い出そう」)でお話ししたような自分の能力・経験についての棚卸し作業を、一層念入りに行うことをオススメします。そして、今までの経験をFCでのビジネスにどのように活かせるのかを猛アピールすることになります。 また、FCに加盟することに対する「姿勢」も問われます。自立志向が低く、「本部に任せていれば成功するはずだ」というような他力本願の姿勢が見え隠れするようでは、金融機関は不安になってしまいます。 経験を語る際は、「本部が全部提供してくれるから大丈夫です!」というような伝え方は避け、ほかの業種で経験してきたことを活かしながら、「FC本部の完成されたノウハウを取り入れれば、さらに成功の確率が上がる」というロジックで語るようにしてください。 自分の意思で積極的に参加していくという姿勢や意気込みを見せることが、何より大切なことです。 あなたの周りには、どれだけの協力者がいますか? これまで、創業融資の審査について起業家本人の経験や職歴が重要だということを説明してきました。ある程度の経験をしてきたことであれば、起業後に失敗する確率は低くなるであろうというのがその理由です。 ただ、よくよく考えてみると、経営するには、自分が経験してきた以上に幅広い知識や技能が要求されます。それを全て経験できている人なんていないですよね。例えば、大企業の社長であっても、経理や営業の経験がないといったことはありえます。起業家だって同様なのです。つまり、一人のチカラには限界があるということです。 なので、起業家自身の経験やノウハウ以外にも、参考にされることがあります。それは、周りにどれだけの協力者がいるか。周囲をどれだけガッチリと固めているかも問われるのです。 例えば、顧客開拓協力、技術ノウハウ提供、顧問税理士などです。各分野で優秀な人達に支えられているのであれば、金融機関としては安心して融資をすることができます。また、それだけ優秀な人達に応援してもらえるような人であれば、人物的にもきっと信用できる好人物だということが想像できるというわけです。 事業計画書の書式に以下のような協力者を書く欄があれば、なるべく書いてアピールしましょう。書く欄がないとすれば、事業の概要などの文中に登場させて、アピールすることをオススメします。せっかくなので、この記事を読んだあとに、さっそく書き出してみてはいかがでしょうか?以下のそれぞれについて、協力してくれそうな人はいますか? じっくりと検討してみましょう。もし、見つかっていないのなら、これを機に、意識しておいた方がいいですよ。 ●出資者/ ●借入先/ ●顧客開拓協力/ ●仕入先開拓協力/ ●技術・ノウハウ提供/ ●税理士顧問/ ●社会保険労務士顧問/ ●コンサルタント/

【まとめ】 ・フランチャイズに加盟する場合は、積極的な姿勢や意気込みを見せましょう! ・協力者は絶好のアピールポイント。きちんと意識していきましょう。

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今回から、あなた自身の職歴や経験、持っているノウハウ、資格などについてどのように記載していくかを取り上げたいと思います。
 経験年数は起業の成功と結びつく?
まずはじめに、認識していただきたいことがあります。 それは創業融資の審査では、その人の職歴が非常に重視されるという現実です。 例えば、その仕事の経験年数、職位、役職、転職回数、1社あたりの勤続年数、過去の年収、営業成績、業種、職種、独立前の空白期間に何をしていたか、などです。 「起業するんだし、転職するわけじゃないんだから、そんなこと関係ないでしょ!」と思われた方もいるかもしれません。しかし、転職同様に、あなたの職歴が創業融資の審査の合否に大きな影響を与えるのです。 その理由は明確です。経験年数と起業の成功、この2つの間に、ある程度の関連性があるからです。 起業家には一人一人の人生があり、起業して成功する人もいれば成功できない人もいます。ただ、成功している人は、その業界の経験者が圧倒的に多いのです。 逆に苦戦する人に多いのは、その業界の未経験者です。当然といえば当然かもしれません。このことは、金融機関側も過去のデータからおさえているため、非常に職歴を気にするというわけです。もちろん、これはフランチャイズ(FC)ではなく、自力開業の場合のお話。FCの場合は、本部のサポートやノウハウ提供があるわけですから、話は少し違ってきます。 金融機関も、自力で起業する場合とは違う尺度で経験年数を審査することになります。たとえ未経験でも趣味として長年培った知識がある場合は、それをしっかりアピールしましょう。

アピールできる経験とは?

では、どれくらいの年数がアピールになるのでしょうか。基本的には3年以上の経験が欲しいところです。最低でも1年くらいは経験していないと厳しい戦いとなります。全くの未経験だと門前払いに近い対応をされる場合が多いのが通常です。 経験が大事とひと言でいっても、年数だけではなく、その経験の中身を問われます。例えば、飲食店で起業する人が、今までアルバイトだけを経験してきたのか、社員だったのか、店長まで経験したかで経験の質が違いますよね。
さらには店長だったとしても、関東エリア1位とか、就任後1年で前年比130%の売り上げを達成したとか、輝かしい実績を残してきたかでは、これもまた経験の質が違うということなります。

職歴欄はかなり重要なアピールの場

どうでしょうか。 ここまでお話ししてきて、ピンときた方もいるかと思いますが、大事なのは、事業計画書の職歴欄を書くときに、上記のような誇れる経験や職歴をアピールすることなのです。 間違っても、何年何月に入社、何年何月に退職…などと、普通の履歴書を書くような文章にならないようご注意ください。 そのためには、まず、過去の職歴や経験を一度棚卸ししてみてから書き始めることです。そして、自分で読み返して「恥ずかしくなるくらい」のアピールをしてください。意識的にです。そのくらいでちょうどいいのです。奥ゆかしい文章を書いちゃダメですよ。

たまに素晴らしい実績を持っているのに謙虚すぎるという人もいますからね。十分にアピールできているか、誰かに一度、読んでもらうのもいいですね。
 アピールできる職歴や経験を見極める方法とは?
ここまで読んで「自分の経験では借りられないのではないか」といったように、読んで不安になってしまった方もいるかもしれません。でも、その気持ちはとてもよくわかります。起業相談でも質問の多い項目の1つですから。 そんな不安を打開するため、ヒントを書いていきます。 業種未経験というケースでは、その業界に転職してから起業するとか、経験豊富な人を連れてきて共同経営者にするなど、いくつかの方法はあります。一方、全然足りないのではなく、十分な経験として認められるかどうかがやや不安だというケースもよくあります。そんな場合、一度やってみたほうが良いのは、自分の人生で培ったことの「棚卸し作業」です。 ぜひ、まずは以下をやってみてください。 1)生まれてから今に至るまでの自分の人生を、年表のように書き出します。 2)年表を見ながら  ●今までの人生で経験してきたこと  ●自分が持っている属性(スキル、資格、性格など)  ●自分が持っている人脈  ●その他(好きなこと、趣味、特技など) をそれぞれ書き出していきましょう。 その中で気になる言葉をキーワードとしてチェックします。出現するキーワードの中からあなたの強みを発見しましょう。 例えば、 ・50代の人生経験豊富な自分には、若者にはない説得力がある ・趣味のトレーディングカード集めでは、誰にも負けないノウハウがある ・人事部長として社員研修選びについてはかなりの自信がある などといったように。 つまり、自分の強みは何かや、経験としてアピールできることがほかにはないかを探し当てるための作業というわけです。自分にとっては当たり前にできることでも、ほかの人からみたら「スゴイ!」と思われるような経験だって実はたくさんあるはずです。それも経験としてアピールしてしまいましょう。

【まとめ】 ・借入金の返済が始まる時点での「利益」に注意。 ・資金繰りは融資の観点だけでなく、経営においても重要!かならず計画をたてましょう。

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 重要なのは「売り上げ」ではなく「利益」

起業するときに借りたお金を、その先きちんと返していけるか。金融機関は、そのことをどこで判断していると思いますか? すごく単純化してしまうと、「利益」が上がるかどうか、その見込みがあるかどうかです。 当然といえば当然ですよね。 利益が上がらず赤字が続けば、当然、会社の現預金は減ります。最後には支払いができなくなって、破綻してしまうでしょう。 逆に、利益が継続的に生み出せる会社であれば、会社を維持し、追加の投資も行うことができます。 当然、借りたお金も安定的に返すことが可能です。 1つ、ポイントとして意識しておくべきことがあります。 金融機関は「売り上げ」の予測だけで見ているわけではないということです。 売り上げ予測が説得力を持っていたとしても、仕入れや家賃、人件費、豪華な設備投資などで、それ以上のコストが掛かってしまえば赤字になるからです。まずは、この点を十分に意識する必要があります。 繰り返しますが、大事なのは利益です。 具体的にいうと、借入金の返済が始まる時点で、以下の状態になっているかどうかです。

税引き後の単月の利益 > 月々の借り入れ返済額 ※厳密にいうと、減価償却費も加味する必要がありますが、単純化するためにココでは無視します

創業融資の場合、借りてからだいたい半年後の返済開始が多いため、その時点で上記のような利益が上がるかどうかです。税金は個人事業か法人かなどで違ってきますが、だいたい税金として利益の半分を持って行かれるとして計算しておけば、堅めの予測で良いと思います。 予測の損益計算書を書くとき、上記の点を意識して、書く必要があります。もちろん、事業計画書を書くための数字合わせでもなく、実際にそのような事業展開が可能なようにビジネスを構築しておくことが必要なのはいうまでもありません。このことがわかっていないと、トンチンカンな予想損益計算書が原因で、審査で落ちてしまうという失敗につながってしまいます。
 黒字なのに倒産、はなぜ起こる?
起業するときに借りたお金を、その先きちんと返していけるか。金融機関の数字上の判断基準としては、もう一つ、大事な視点があります。 それは、キャッシュの残高推移、つまり、資金繰りの予測です。 一度は聞いたことがあるかと思いますが、黒字倒産という言葉があります。たとえば、売り上げが好調だとしても、売上代金を回収するまでの間に、仕入れ資金の多額の支払いや給料などでキャッシュが枯渇してしまう計画だとしたら、会社を維持できませんよね。その場合、金融機関としては貸せないという判断をせざるを得ません。 その逆に、あまりにもキャッシュが豊富で、毎月1000万円も残高が残り続ける計画だとしたら、創業融資など借りる必要がないですよね。金融機関としては、借り入れ希望金額から減額する必要があると判断することになります。 このように、利益があがるかどうかに加え、キャッシュの残高推移が適正かどうかも審査の重要な要素なのです。 よくある失敗例としては、全くこの点を考えずに作った事業計画書を提出してしまうパターン。 または、そもそも事業計画書のフォーマットに「キャッシュ残高の推移をあらわす表(資金繰り表)を添付していない」ことです。事業計画書を作成するときには、必ず、キャッシュ残高の推移を月ごとに予測した資金繰り表を作成して説明しましょう。 もちろん、事業計画書上のみならず、起業後の経営においても、キャッシュが足りるどうかが非常に重要だということは、いうまでもありません。 【まとめ】 ・借入金の返済が始まる時点での「利益」に注意。 ・資金繰りは融資の観点だけでなく、経営においても重要!かならず計画をたてましょう。
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最初に問題です。「事業計画書」の中で、一番重要な箇所はどこだと思いますか? ぜひ、考えてみてください。
 「数字」は経験や、能力、経営センスまですべてを語る

理念?起業の目的?競合分析?いろんなことが思い浮かんだと思います。 この解答は、ズバリ!「数字」の部分です。 いくら良い文章を書いても、数字の部分がダメなら融資審査は突破できない。それが真実です。 銀行や公庫などは、数字を重視します。数字は正直であり、ごまかすことができないものです。そして、その人の経験や能力、経営センスまで、どんな数字の予想をするかを見れば、一目瞭然となるからです。また、予想した各数字が、審査を突破できる最低ラインをクリアできているかも非常に重要です。各数字同士のつじつまが合っていることも求められます。 ここまで聞くとたじろぐ人もいるかと思います。 会社員時代ではあまり数字に触れることがなかったためか、実際に、文章の部分はスラスラ書けるのに、いざ数字の部分に入ると全く書けない……などの声はよく聞きます。ですが、心配しないでください。最初は書けないのが普通です。 そんな方のために、事業計画書で書く数字の部分の基本についてお話ししたいと思います。
 損益と資金繰りは別々にきちんと押さえる

まず、覚えておいてほしいことがあります。経営上、数字として予想しておく必要がある数字には2種類があります。 一つは「儲かるかどうか(損益)」 もう一つは「お金が足りるかどうか(資金繰り)」です。 この2つを別々に押さえる必要があることを覚えてください。 「勘定足りて銭足らず」「黒字倒産」といった言葉を聞いたことがあるかと思います。 いくら儲かっていても現金がなくなったら倒産します。 儲かるかどうかと、お金が足りるかどうかは、別々に把握しておく必要があるのです。ごっちゃにしてしまうと融資の審査も経営自体もうまく行かなくなるのでご注意ください。まずはここを頭に入れておきましょう。

【予想しておくべき数字その1】損益

言い換えれば、「きちんと利益が出せる事業かどうか」です。 融資をする金融機関側から見れば、事業から生み出される利益が返済の原資。利益が出せない事業であれば、貸したお金を返してもらえる可能性が低くて貸すのはキケンということになります。貸して欲しい側の起業家としては、きちんと利益が出せる事業だということを、何としても金融機関に理解してもらう必要があります。 具体的には、起業後1カ月目から毎月の損益を予想し、最低でも1年間の損益予想を示す必要があります。さらに進んで2年目、3年目と損益の予想も示すことで長期的な展望を示すことをしていきます。

【予想しておくべき数字その2】キャッシュフロー

言い換えれば、「お金の入出金をベースとして、途中で資金の残高がマイナスになる(足りなくなる)ことがないかどうか」です。いくら利益が出る事業だとしても、途中でお金が枯渇するシーンがあれば、事業が破綻してしまうからです。起業家としては、予測損益計算書などで、きちんと利益が出ることを証明しつつ、途中でお金が足りなくなることがないかどうかを、資金繰り表などを使って説明することが求められます。 キャッシュフローについても、1カ月ごとの入金、支出、残高を予想し、金融機関に示すことが必要です。こちらは最低でも半年から1年分は予想しておきたいところです。

【まとめ】 ・「事業計画書」の中で一番重要なのは数字。 ・予想しておくべき「数字」は別々に考えてきちんと押さえておこう。

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前回まで「事業コンセプト」とその9つの要素について見てきました。 今回から事業計画書上に記載する各項目について、ヒントを書いていきたいと思います。説明書的な記事だとおもしろくないので、実際に事業計画書を書くときの「気付き」になるエッセンスをちりばめていきますね。
 「人員計画」は事業計画書の中でも重視されるポイント

前回、(「競合分析から自社の強み・弱みをあぶりだせ【独立・起業のノウハウ集 第10回】」)で、 事業の規模感について説明しました。目指す方向性や資金力によって事業規模が決まってくるというお話です。 その事業規模には、「人員計画」も含まれてきます。 自分一人だけで事業をするのか、アルバイトは採用するのか、従業員を積極的に採用して拡大していくのかなどです。 事業計画書でも、人員計画について詳細に記載する欄があります。どの時点で、何人採用するか、役職、職種はどんなで給料はいくらなのか。どういった手段で採用するのかなどです。 あまり意識しないかもしれませんが、創業融資や補助金の審査のために提出する事業計画書では、人員計画は重視される項目のひとつです。なぜなら、公的創業融資や補助金は、国民の血税を投入したうえで行われる公的支援だからです。 起業家が新しい事業を作り出したときに得られる社会的なメリットのひとつに雇用創出効果があります。雇用が創出できるならば、税金を投入する公的支援としてさらに意義深いものとなるからです。 例えば、融資制度によっては、正社員などの雇用の拡大、維持を図る場合には金利が優遇される場合もあります。このようなこともぜひ意識してくださいね。
 「市場環境」欄は、"熱意"を伝えるチャンス

事業計画書には、市場環境の調査状況について書く欄があることが多いです。 非常に大事なところですので、ココを書く際の注意点を整理します。 事業計画書は乱暴に言えば「作文」ですよね。ただ、魂が入っていなければ、読み手にそれが伝わってしまうわけです。 市場環境の調査状況を書かせるのは「本当にその人がその業界に詳しいのか」「どれだけ熱意をもって調べているのか」について、融資担当者が探ろうとしているからなのです。この点を必ず意識してください。 例えば、こんな感じで書きます。

「現地周辺を調査したところ、○○駅周辺には競合店は2店舗しかなく、しかも弊社が提供するような高付加価値なサービスを提供するところは皆無であった。」

いいですね。ちゃんと熱意をもって調査したうえで、冷静に判断している感じが伝わります。 逆に、よくあるダメな事例としては、市場環境の調査状況と言われると図書館やWeb検索などで統計データを集めてきて、もっともらしく「作文」としてまとめてしまうパターンです。 例えばこんな感じ。

「日本の人口高齢化により○○市場はこれから20年~30年の間、○%の伸びが期待できる…」

など、マクロ経済のような机上の空論だけに終始してしまうケース。 確かにそのビジネスの市場がこれから伸びるのか、伸びないのか、そういったデータも重要です。書けば多少の説得力は増すでしょう。ただ、そればっかりではダメなのです。どこかから引っぱってくるだけのデータでは魅力はないですし、たいして読んでもらえません。それどころか、熱意を疑われます。 大事なのは、 - どれだけ業界経験が豊富か - がんばって調査した上で冷静に判断しているか、準備しているか - それをPRできているか です。 逆に考えると、業界を詳しく知っていること、熱意があることを伝えるチャンスです。 どのように伝えるべきか是非考えてみてください。

【まとめ】 ・公的融資の観点では、雇用拡大につながる可能性のある「人員計画」は重視されるポイント。 ・市場環境調査欄は、きれいにまとめるのではなく「熱意」を伝えよう。

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前回の続きで事業コンセプトの9つの要素を一つひとつ見ていきます。 今回は「何のために」「いつ」を詳細にお話しします。
 あなたの商品・サービスで競合に勝てますか?

あなたはその商品・サービスを「どのように」提供するのでしょうか?

事業を始めるのに最適な時期は? 【独立・起業のノウハウ集 第9回】では、 「何を」提供するのか、 イメージをかなり詳細に決めておくことが大事だというお話をしました。 さらに一歩進んで、他社に勝つために「どのように」提供するのかも考えておく必要があるというお話です。 例えば、ライバルに勝つための「仕掛け」や「武器」など、「なるほど!」と唸らせる何かがありますか? 先行する他社がウヨウヨといるマーケットに、初心者が殴り込むわけですから、メッタ打ちにされないように、練りに練った入念な準備と対策をしてから臨まなくてはならないのです。 そのためには、まずはライバルを知ること。競合分析です。 その結果から、自社の強み、弱みを見つけましょう。 打ち勝つためには、強みを活かして、他社とどう差別化するかの検討が重要です。 さらには、通常の場合に期待されるよりもさらに付加価値をつけた商品・サービスの提供が可能かどうかも検討するべきです。 高付加価値の商品・サービスを提供できるのであれば、ライバルよりも有利に展開できる可能性が高まるからです。 逆に起業して失敗するときは、いつも同じパターン。 こういったことを深く考えず、とにかく普通の商品・サービスしか提供できない状態で起業してしまったという場合です。それだと、生き残るために最後は「価格」で勝負するしかなくなってしまいます。そうならないためにも必要なのです。 繰り返しますが、「敵を知ること=競合分析」です。 そして、そのうえで差別化、付加価値を徹底的に考えること。 ここら辺は創業融資の審査のうえ、かなりキモの部分になってきます。
 事業の規模感を最初からきちんと考えていますか?

あなたはその商品・サービスを「どれだけ」提供するのでしょうか?

言い換えると、どんな規模で、どのくらいの資金で、どれだけの売り上げを見込むのでしょうか? これを決めるには2つのアプローチがあります。 1つは経営方針としてどこを目指すかです。例えば、あなたはこれから整体サロンで開業するとしましょう。

1) ・自分一人が食べていけるだけの売り上げでいい。 ・基本的に施術は一人で行うか、アルバイトを一人雇用する程度で考えている。プ ・ライベートの時間とバランスを図りつつ、ガツガツと売り上げを伸ばすことは考えていない。
2) ・どうせやるなら、会社をどんどん大きくしていきたい。 ・なるべく早い段階で社員をたくさん雇用してみんなが幸せになれることを目指したい。 どちらも「あり」ですよね。どちらが正解ということもないです。 その人が人生において何を目指すかで違ってくるということです。

もう一つは、資金力からのアプローチです。 「自己資金が少ない」、「借入れができない何らかの理由がある」、「借金までしたくない」などです。 資金的な限界があれば、自ずと、展開できる事業規模が決まってきてしまいます。 上記の例でいけば、自己資金内で自宅で開業するとか小さなマンションの1室で開業するなどです。 借入れをするにしても、借入可能金額によって、都心か郊外か? 地上階か高層階か? 面積は? 内装は? 雇用する人数は? 雇用形態は? などが変わってきますよね。 このようにして、事業の規模感を決め、事業コンセプトに反映する必要があります。 規模感により、展開するビジネスは全く異なるものになるからです。 目指す規模感が明確になっていないと、当然ながら、目指す方向があいまいになり、事業コンセプトも、ボヤけたものになってしまいます。それでは伝わらないどころか、審査を突破できません。 4回に分けて、「事業コンセプト」の9つの要素についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか? 「事業コンセプト」は独立・起業で失敗しないために何度も熟考を重ねたいポイントです。 これらを深めることで、事業そのものが決まってきますので、ぜひ考えてみてください。

【まとめ】 ・「競合分析」をした上で、付加価値や差別化ポイントを徹底的に考えよう。 ・規模感によって展開するビジネスは全く異なる。最初に決めておこう。

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こんにちは。創業融資の獲得を前提とした事業計画書の書き方のお話を続けます。 前回、「失敗する事業計画書に共通する『なんとなくビジネス』の落とし穴」では、「誰に」「どこに」「何を」についての説明をしました。 今回は「何のために」「いつ」を詳細にお話しします。
 その商品・サービスを「何のために」提供するのでしょうか?
単に自分のお金儲けの手段としてだけ提供するのではないですよね? 質問の仕方を変えましょう。 「あなたからその商品・サービスを提供されたユーザーは、地域は、世の中は、どのように変わるのでしょうか?」「どんな価値を手にできるのでしょうか?」 便利になる、コストダウンになる、楽しくなる、笑顔になるetc. その最終目的のために、その手段として商品・サービスを提供するはずです。 事業で一番大切なのは「目的」です。その目的はハッキリと認識して表現しましょう。 目的がハッキリとしていれば、一本すっと筋が通ります。社会的意義が加わり、説得力が増します。そして、経営判断に迷いが生じません。 失敗事例として多いのが、目的が定まらない場合です。 目的がはっきりせずに起業したところで、うまくいくはずがありません。自分が何のためにやっているのかわからないため、あっちへこっちへと、迷走してしまいます。 「ビジネスチャンス」という言葉がありますが、使い方次第では微妙な言葉です。 単に儲かりそうだからやるというマインドで使うのなら起業はやめた方が無難です。そんなマインドでうまくいくほど、ビジネスは甘くはないからです。 そうではなく、世の中に不満や不足、不便などのニーズがあると確信したうえで、その商品・サービスを提供することで世の中の役に立ちそうだ、何かを変えられそうだという信念をもとに発する「ビジネスチャンス」という言葉だとしたら、起業してもきっとうまくいくでしょうね。
 あなたは、その商品・サービスを「いつ」提供するのでしょうか。
事業は参入するタイミングが非常に大事です。 タイミングがピタリと合えば先行者メリットを享受しつつ大きな利益を上げることができるのです。 そのためにも、市場の成長カーブを意識しましょう。 あなたが始めようとしているビジネスは、以下の4つの段階のどこに位置していると思われますか?
1)黎明期 全然世の中に知られていないけど、ひっそりと良い商品・サービスが生まれて存在している状態。 2)成長期 その商品・サービスに注目が集まり、爆発的に売上、利益が伸びている状態。 3)ピーク 儲かっている様子を見て、さまざまな会社がどんどん参入してきている状態。 供給過剰気味で、激しい価格競争へと移行している。 4)衰退期 競争についていけないところは脱落してきている状態。 商品・サービス自体も古くなりつつあり、消費者も買わなくなってきている
起業する際、ピークを過ぎてからの参入がダメなのは誰でもわかることですが、1の黎明期にある商品・サービスで起業する場合も注意が必要です。 まだ誰もやっていない商品・サービスに目をつけ、いち早く始めた時、先行者メリットはあるでしょう。 将来、業界をリードできる存在になれる可能性もあります。 ただ、潜在ニーズがあるのに消費者がニーズに気づいていないとか、そもそもPRすることにお金や労力がかかるといった壁があります。その間、会社の維持費もかかりますし、自身の生活費も必要です。いつか芽が出る時を待ちながら、じっと持久戦を繰り広げる必要も出てきます。 金融機関としては、返済が始まるころに返済できるだけの利益が上がるかどうかを重視します。 具体的には、融資を実行してから返済据え置き期間が終わる「半年後」の時点です。 長いスパンでのビジネスを考えている場合は、即時に売上が立つビジネスと組み合わせるなど、金融機関を説得する材料も考える必要がありますね。

【まとめ】 ・「何のために起業するのか」目的はハッキリと認識して表現すること。 ・「いつ参入するのか」早くても遅くてもダメ。時期を見極めよう。

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終身雇用、年功序列――これらが崩れ始めて以降、1つの会社に勤めあげるというケースは減り続けています。このような時代を生きていると頭に浮かぶのが「今の会社でできることではなく、やりたい仕事をしたい」との思い。 独立、起業が選択肢になるわけです。 でも、やりたいことをするにはどうすればいいのか、何に気をつけるべきなのか? 経営コンサルタントを行う傍ら、複数の企業を経営する本田健さんのお考えや発言から、新しい時代における独立の軸を見ていきます。
PROFILE
本田健 氏
作家。経営コンサルティング会社、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房)をはじめとする著書は全てベストセラーで、累計部数は700万部を突破している。本田健公式サイト http://www.aiueoffice.com

ギリシャ危機、イギリスのEU離脱。不透明な時代こそ独立を

多くの人がある日突然命を落とした東日本大震災は、我々の心の中に大きな変化をもたらしました。それが“人はいつ死ぬのかわからない”ということ。 だからこそ、自分がやりたいことをしようと、人生を見つめ直す風潮が出てきたのではないでしょうか? 変化したのは人々の心だけではありません。本田さん曰く、「リーマンショック以降から悪化した日本経済の流れが、震災を経て表面化された」といいます。 「震災以前から資本主義社会は崩壊しつつ、力の弱い資本主義国が財政危機に陥り、多くの国に影響をもたらしている」と本田さんは感じているそうです。 資本主義の行き詰まりは、ギリシャ危機(2010年以降の経済と政治の混乱)やイギリスのEU離脱問題でさらに表面化しています。世界規模でも経済の悪化が囁かれているのです。 世界規模で先行きが不透明な中では、独立するのは難しいことなのでしょうか? 答えは、ノーです。ブログ「まだ東京で消耗してるの?」で生計を立てているイケダハヤトさん(以下、イケハヤさん)は震災直後にフリーになっています。 「先が見えない時代ではありますが、大きな変化を迎えた時代だからこそ、ビジネスチャンスがあると捉えることができる」と、難しいどころか今こそチャンスだと本田さんも言います。 では、その変化の中でどのようなことに注意して独立していくべきなのでしょうか。

二極化するビジネスと中流層。消えたビジネスを反面教師にすればあなたは大丈夫!

注意すべき点は、ビジネスと中流層の淘汰で起こる“二極化”という流れ。 「今後は必要なものと不必要なものに分かれ、不要なものは淘汰され、二極化の時代を迎えます。ビジネスはこれまでとは違う販売方法と新しい提案。労働は雇用が生まれにくいので、中流階級はなくなる可能性がある」とこれからの厳しい時代を示唆する本田さん。 しかし、多くのビジネスが消えることに尻込みせず、逆にチャンスとして捉えるべきです。 「どんなことをすれば、そのビジネスが死ぬのか。失敗事例を100通り集めておけば、それをカバーする対処方法を考えることができます」。本田さんが言うように、独立する前に、消えていくビジネスを知り、その対策が打てるのは、この時代の特権かもしれません。 前述のイケハヤさんも、起業家にとって日本市場はおいしいと言います。 英語圏で起きていることを学ぶことで、先が読めるとのこと。これも、先に起きている現象を学べるからこその良さです。

独立で成功するには、自分・時代・人の3つの流れを読むだけ!

大きな変化ともに、無限のチャンスが訪れています。やりたいことをしたいと考える反面、失敗した時のことを考えると心配になる人もいるでしょう。では、やりたいことをやり、かつ長続きするためには、どうすればいいのか、本田さんはこう答えます。「まず自分のビジネスに関する、明確なビジョンを持つことが大切」。 そして、そのビジョンをしっかりと自分の中に落とし込むために、読むべきなのが3つの流れ。 第一は、“自分の流れ”。「人生の流れを振り返り、やりたいことやワクワクすることを改めて考える」。 第二は、“時代の流れ”。「消費者の動向がどう変化しているかを掴み、ニーズを探す」。 第三は、“人の流れ”。「ライフスタイルの変化で、どこにどんな人が集まるか、ニーズのある場所を考える」。 最後に本田さんはこう言います。 「この3つの流れを融合し、この事業を通じて達成したいヴィジョンを明確にすることができれば、ビジネスとしてうまくいく可能性が高いでしょう」。

万が一失敗しても、それを経験に次のチャレンジ

本田さんは、ビジョンを明確にできれば「どんな厳しい変化が訪れたとしても、おのずと人が集まり、そのビジョンをもとに次の手を打つことができる」と言います。 別の著名人で同じ意見の方がいます。それは、起業家の堀江貴文さん。 堀江さんは『堀江貴文という生き方』で、「世の中のほとんどの人は、他人の失敗や挫折に興味はない」と言っています。その上で「経験こそが社会人の最強のアイテム」とも。 独立しても、最初は失敗の連続かもしれません。しかし、堀江さんが言うように、失敗しても気にする人は少なく、それは経験として積まれていきます。明確なビジョンを持ちつつ、次のチャレンジをできる気持ちを持てば、明るい未来がきっと開けることができるでしょう。
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こんにちは。創業融資の獲得を前提とした事業計画書の書き方のお話を続けます。 前回「『コンセプト』は事業の要!仮説と検証を繰り返して、磨きこもう!」では、 事業コンセプトは9つの要素から成り立っていること、9つの要素のうちの一つ、「誰が」についてお話ししました。 今回は「誰に」「どこに」「何を」について詳細にご説明します。
 「誰に」その商品・サービスを提供するのでしょうか?
個人向け? 会社向け? 個人だとしたら、何歳で、どこに住んでいて、どこに通勤していて、どんな職業で、 どんな趣味で、どんな性格で、どんな家族構成で、何を目指していて、どんな悩みがあって、何を必要としているか・・・など。 会社だとしたら、社歴何年くらいで、どこにあって、どんな業種で、どのくらいの規模で、社長はどんな人で、従業員は何人いて、どんなことを目指していて、何が課題で、何を求めている会社か、などなど…。 できれば、個人向けビジネスなら1人、法人向けなら1社というふうに、「仮想ターゲット客」にまで落とし込みましょう。 想像を最大限に膨らませて、刑事ドラマのようにターゲット客層の「プロファイリング」をするのです。 ここが明確に見えていれば、事業計画全体の軸が決まることになります。 ビジネスを展開する場所、探す不動産物件、商品やサービスの名称や内容、イメージカラー、広告方法、そして必要な資金などなど。軸がしっかりと決まっていれば、ターゲット客層の趣向とズレる可能性も減らすこことができます。 逆に失敗事例として多いのは、この軸がブレブレなケース。 項目によってあちこちバラバラに飛び、結局、何がしたいのかわからないような魅力のないビジネスモデルができあがってしまうのです。そうならないためにも想像力をフル回転させましょうね。
 「どこに」その商品・サービスを提供するのでしょうか?
「対象となる市場はどこか」「参入する業種・市場の中での自社の位置づけはどこか」 市場全体で見たときのポジショニングの確認作業です。 例えば、価格は平均より高いのでしょうか、低いのでしょうか?  商品・サービスのクオリティは良いものでしょうか、普通でしょうか?  扱っている商品・サービスは珍しいものでしょうか、ありきたりなものでしょうか?  その他の項目も市場の競合他社と比較して、どんな位置を目指すのでしょうか?  このことを事前に決めておく必要があります。 当然ながら、ライバルがひしめき合うゾーンを目指してはいけません。 激しい競争の中で起業したばかりの会社が生き残るのは至難の業だからです。 できる限りライバルがいないゾーンを模索し、そこで勝負をしましょう。 失敗事例としてありがちなのは、ポジショニングを考えずにライバルだらけのゾーンで勝負してしまうケースです。 例えば、大手企業が多数参入している安価が売りの居酒屋と競合するような店を、すぐ近隣で出店してしまうというようなケース。何の工夫もなく大手企業と張り合っても勝てる見込みは少ないですよね。 そのようにならないためには、市場全体の今の情勢や近未来の情勢をよく分析しましょう。 そして、競合他社がどんな展開をしているのか、市場をよく見極めましょう。 ポイントは他社にないような自社の強みを生かしたときに勝てるゾーンを見つけることです。
 「何を」提供するのか?
その商品・サービスの「具体的な内容」です。これはかなり具体的になっていなければなりません。 例えば、スペイン料理のレストランだとすれば、他店に負けない一番の「売り」のメニューは何か。 本場スペインで修業をしてきたパエリアはイチオシの自信作で、東京のどのレストランにも負けない自信があるなど。 コンサルタント業であれば、具体的にクライアントに提供するメニューは何で、使う手法はどんなもので、価格はいくらで、何カ月かかって、それはクライアントにどんなプラスの効果をもたらすかなど。 失敗事例でありがちなのは、客観的に見て「何となく」それを提供しようとしているような状態です。 例えば、「何となく」スペイン料理のレストランを開業したい、経験を活かせば「何となく」コンサルタント業ができるんじゃないかなど。こういうのを「何となくビジネス」と言っていますが、「何となく」で起業してうまくいくほど甘くありません。考えが浅い状態で起業すれば失敗が待っているといえるでしょう。 そのようにならないためにも、提供したい商品・サービスについて詰めが甘い点がないかどうか、 起業前の早い時期に客観的にチェックしてもらうことをオススメします。 お世辞を言われてしまう可能性がある知人や友人よりも、専門家などの第三者に、完全に客観的な意見を言ってもらう方がいいでしょう。 さて、次回も事業コンセプトについてのお話を続けて行きます。

【まとめ】 ・「誰に」は、想像を最大限に膨らませて、「プロファイリング」。 ・「どこで」は、他社にないような自社の強みを生かしたときに勝てるゾーンを見つけること。 ・「何を」は、起業前の早い時期に客観的にチェックしてもらおう。

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独立をするにあたって必ず考えることになる、事業計画。自分がどんなビジネスをしようとしていて、どんなことを成し遂げたいのかを記す事業計画書は、自分のビジネスプランを他人に知ってもらう上でとても重要なツールです。 特に銀行やベンチャーキャピタルから資金を調達する際には、事業計画書の内容がほぼ決め手となるといってもいいほど、とても重要な書類になります。故に、中途半端な出来の事業計画書では融資を受けることはとても難しいでしょう。 そこで今回は重要な事業計画書を作る際に必ず考えておきたい「本質」について、株式会社HRインスティテュートのフェローである野口吉昭氏の意見を元に解説します。これからの時代のビジネスに必要な本質とは、一体どのようなものなのでしょうか?
PROFILE
野口吉昭 氏
(株)HRインスティテュート フェロー。ビジネスコンサルティング会社を経て、ビジネスコンサルティング&研修プログラムの企画・開発・実施を業務とする株式会社HRインスティテュートを設立。『遺伝子経営』(日本経済新聞社)、『コンサルタントの「質問力」』(PHP研究所)など、著書多数。

自分のためだけでなく、誰かのためのビジネスを?震災を経験して変わった、独立の本質的な意味

ビジネスは、世の中の変化や流行、風潮などによってその形を大きく変えます。日本においてここ近年、社会情勢が大きく変わったことといえば、やはり2011年に起きた東日本大震災です。 周知の通り、震災の影響で変わったもの、変わらざるを得なかったものは数知れません。その中で、独立について考える人の価値観も変わったと、野口さんは語ります。 これまでは「会社や組織から飛び出して、誰からも雇われずに働きたい」「収入をもっと上げたい」「もっと自由な時間を増やしたい」と、自分の生活をより豊かにするために独立を考えるケースが非常に多かったのに対し、現在は人のために何ができるのかを真剣に考えて、社会貢献に繋がるような要素を取り入れている人が増えています。 これは、震災が起こったことで人々の死生観が意識されたからです。「自分は何のためにその事業で何ができるのか、なんのために独立するのか」と、ビジネスの本質的な意味について深く考えることが、必然的に多くなりました。

LINEから学ぶ「誰かのための」事業の本質とは?

画像出典:https://linecorp.com/ja/ 震災後にリリースされ、爆発的に人気になったサービス「LINE」においても同様の意識が感じられます。 LINEは「いつでもどこでも素早く簡単に友人にメッセージが送る、モバイルメッセンジャープラットフォーム」というコンセプトの元に開発されました。これは、震災時に簡単につながらなかったメールや電話の教訓を活かしたサービスとも解釈することもできます。 このように震災後のサービスは何かしらの教訓を得ていることが多く、「誰かのために」を意識しているサービスはそれなりに結果を出しています。なので独立を考える際にも、事業の本質を考えることが重要です。

ロードマップを駆使して、あなただけの事業の本質の見つける!

では、自分の事業を考える際に、事業の本質を考えていくにはどうすればいいのでしょうか?野口さんは、自分の事業の本質を明確にするには、ロードマップを活用すると良いと言っています。 まずやりたい事業について「それは一体何なのか」を考えて、自分の中から出てきた言葉を掘り下げていきます。それを連想ゲームのようにつないでいけば自分が考える「その事業の本質」にたどります。 例を紹介します。ある海辺のコンビニは、彼らの本部の許可を得て自分たちの手作り弁当を販売しました。なぜならその地域には、肉体労働に従事するお客が多く、塩気のある漬け物を入れ、ご飯を大盛りにしたところ大ヒットしたのです。 お客さんの立場になって、彼らが何を欲しているかを考えた結果、コンビニ業態に「愛」のこもった弁当で付加価値をつけることができたんです。このように、フランチャイズであっても本質をきちんと見据えてサービスや商品展開をしていけば付加価値をつけることができる、というわけです。

【自分の目標×事業の本質】上手に掛けあわせて、あなただけの事業に!

ここまで事業の本質について解説してみましたが、実際に自分がやりたい事業とどう結びつければいいのでしょうか?本質は最初からポンと出てくるものではなく、なかなか掴みづらいです。ですのでまず「自分のため」にやりたいこと、実現したいことを考えて書き出すことを、野口さんはおすすめしています。 次に「人のため」という軸で、家族や従業員、顧客など直接関わりを持つ人々にとってそれがどうためになるのか、さらに「人々のため」として世の中にどう役立つかを書き出していきます。 この3つが重なる事業なら、自分のためだけでなく、他人や社会に貢献できる事業として本質的な意味を見つけることができます。また、自分のやりたいことから市場のニーズを結びつけることで、さらに魅力的な事業を生み出すことができるかもしれません。

事業の本質が見えれば市場のニーズが分かる!あなたが始める事業はどうですか?

本質をきちんと捉えられていれば、それは必然的に市場のニーズを捉えていると言っていいでしょう。もし、書き出しても人々のために何ができるかがうまく想像できない場合は、実際に自分が始める事業のターゲットになりうる人に相談してみるのも手です。 今後も、世の中の仕組みや構造に変化が起こり、そのたびにビジネスのやり方が変わっていくことが予想されます。これまでの価値観や方法論に囚われずに消費行動の本質を理解していくことが大切なのです。 自分のやりたい事業に本質をうまく掛けあわせて新しい価値を生み出していければ、その事業は、あなたにしかできない事業へと生まれ変わるはずです!

2016年8月24日

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東日本大震災から5年以上が経った今でも、不況だと感じてしまうことが多々あるのではないでしょうか?日本の大企業が買収されるなど、先行きが不安な状態が続いている印象です。 こんな状況の中にいると、やりたいことをやってみようと独立する決心がつきにくいのでは。 そこで、ソニー・ミュージックエンタテインメントを勤務後に独立をし、スマホアプリやWebサービス開発などで知られる面白法人カヤック代表取締役CEOになった柳澤大輔さんのお話を参考に、これからの時代の独立について見ていきたいと思います。
PROFILE
柳澤大輔 氏
面白法人カヤック代表取締役CEO。ソニー・ミュージックエンタテインメント勤務を経て、合資会社カヤックを設立(後に株式会社に組織変更)。ユニークな社内制度や、毎年100以上の新サービスを世に送り出すクリエイティブな組織づくりで注目を集め、講演活動も行う。著書に『アイデアは考えるな』(日経BP社)、『空飛ぶ思考法』(サンマーク出版)など多数。

そもそも人生は予測不能。だからこそ、スタートを切る覚悟を決めるべき

東日本大震災は、全く予想されているものではありませんでした。そのため、「これまでの経験則では、判断できない状況が訪れている」と柳澤さんは言います。 関連倒産という言葉をご存じでしょうか?震災後にぜいたくを自粛したために、飲食業、観光業で多くの会社が倒産してしまった現象を指します。これこそ予測不能な事態から生まれた現象であり、独立を考えている人にとっての不安材料になってしまっているように思います。 しかし、そんな思いを持つ人に対し、柳澤さんは「そもそも人生というものは予測がつかないもの。独立しようとしまいと、その先がどうなるのかはわからないもの」と述べます。 何が起こるのか、もともとわからないという言葉は「あ、なるほど」と心にすっと入ってきます。 そして「先がわからないことを再認識できたという意味では、独立への覚悟ができるいい時期かもしれない」とも続けます。 それでも不安に感じ、物事を深刻化してしまう人には、「深刻化すると冷静な判断力、気力を失います。逆に、様々な角度から物ごとを見て、アイデアを量産していけば、打つ手を見つけることができるはず」とアドバイスをしています。 なるほど。先がわからないことを確認できた今だからこそ、独立をする決心がつきやすいのは納得です。では、アイデアを出したいけれど、やり方がわからないという人はどうすればいいのか。

アイデア出しの助け船、『マンダラチャート』はこう使う!

行き詰まってしまい、アイデアが浮かばない…… と入り口で悩んでいる人に、柳澤さんがオススメするのが、『マンダラチャート』。気軽なアイデア発想方法とのこと。 では、その使い方を紹介します。 ① 3×3のマスを描く。 ② 中央のマスにアイデアを出したい事業を書き込みます。 ③ ここからキーワードを連想し、周りのマスを埋めます ④ マスが全部埋まったら、周囲のマスから新しいマンダラチャートを作ります ⑤ 最初のマンダラに戻ってもいいので、とにかく量産 コツとしては「頭の中に浮かんだことをどんどん書いていくこと」と柳澤さん。まずはマスを埋める、すなわちアイデアを量産することが大事のようです。 さらに、マンダラのポイントとして「中央のテーマから全方位にアイデアを広げていく書き方にあります。 中央のテーマに集中したり、俯瞰して見るなど、視点の切り替えをすることで、より柔軟な発想ができます」と柳澤さんは説明します。 思考を停止することなく、アウトプットし続けることで自分が満足するアイデアが生まれるのかもしれません。
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こんにちは。創業融資の獲得を前提とした事業計画書の書き方のお話を続けます。 前回「人が応援したくなるようなビジョンを持とう」では、 「起業の動機」「 理念や将来ビジョン」は、人に応援してもらえるように。 「事業コンセプト」は、とにかくシンプルでわかりやすいことが重要、とお話ししました。 それでは、「事業コンセプト」は具体的にどのように決めていくのでしょうか。 今回はその話をもう少し掘り下げていきます。
 事業コンセプトの9つの要素とは?
事業コンセプトを決めるには、思いついたアイデアについて 誰が・誰に・どこに・何を・何のために・いつ・どこで・どのように・どれだけ・・・ というような要素を一つひとつ検証して整理していくことが必要です。 では、これらを順に見ていきましょう。

(1)「誰が」とは、会社名(屋号)、役員、出資者、法人か個人か? (2)「誰に」とは、ターゲット客層はどんな人々(会社)か? (3)「どこに」とは、対象となる市場、参入する業種、分野は何か? (4)「何を」とは、提供する商品・サービスは何か? (5)「何のために」とは、事業を起こす理由は?(市場や商品環境を含む) (6)「いつ」とは、起業時期はいつか? (7)「どこで」とは、店舗などの立地は?本店所在地は? (8)「どのように」とは、他社との差別化は?付加価値は何か? (9)「どれだけ」とは、どれだけの資金でどれだけの売上を見込むのか?

どうでしょうか? これって、事業計画書の内容そのものですよね。

検証と見直しを繰り返そう

そうなんです、事業コンセプトを固めるには、事業計画書に書くほとんどの項目の検討が済んでいなければなりません。 - まずは仮説を立てて検証する。 - そして検証をする中で見直し、修正したら仮説を立て、また検証する。 - それを繰り返しながら事業計画書を何度も書き直す。 そんな作業です。 産みの苦しみではありますが、この過程をどれだけ経ているかで、事業そのものも、融資の可否も決まってくるのです。 思いつきのまま、じゃんじゃん進めるというのが、起業の失敗事例に多い“失敗パターン”です。そうならないようにご注意を。
 9つの要素を掘り下げてみましょう
先ほど事業コンセプトは9つの要素から成り立っているというお話をしましたが、各要素を順に見ていきましょう。

(1)「誰が」その商品・サービスを提供するのか

「誰が」の中には、役員や出資者が誰で、法人にするのか個人事業かということも含みます。 この辺りは起業するうえでは非常に重要ですが、事業コンセプトという意味ではズレてきますので、詳細は割愛しますね。 事業コンセプトを考えるうえでの「誰が」には、どんな社名・屋号で、自分がどんな立場で関わるかを考えることも重要です。 例えば、 「社名とサービス名は変えるのか」「ターゲット客層から見て響く社名・サービス名はどんなものか」、「ドメインは取得可能か」、「ありきたりでないか」、「聞き取りにくくないか」、「覚えやすいか」、「イメージが軽すぎたり重すぎたりしないか」、「SEO上有利なものか」、「既に商標登録されていないか」などです。 自分が社長として前面に出るかどうかも考えておく必要があります。 「キャラ立ち起業」と呼んでいますが、社長自らが「○○コンサルタント」などと名乗り、積極的にPR展開することも流行っています。ブログやSNSで個人が容易に情報発信できるようになったことの産物でしょうね。 こういったことを事前に意識するかしないかで、起業後に大きく差がつきます。「何でもありきたり」というのが一番ダメです。起業すればまずは無名の存在からのスタート。インパクトを持たせて、わかりやすく発信して、ターゲット客層に覚えてもらってナンボなのです。肝に銘じましょう!

【まとめ】 ・「事業コンセプト」を固めるためには、9つの要素を漏れなく検討し、繰り返し検証しよう。 ・「誰が」では、どんな社名・屋号で、自分がどんな立場で関わるかを考えよう。

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独立、起業に必要となるヒト・モノ・カネ。独立を考え始めた方の中には、それらが足りないし、どうやったら手に入れられるかもわからない、という方も多いでしょう。実は、それらの多くは公的機関(地方自治体・公益法人・公益経済団体である商工会議所)などで入手できるのです。 公的機関はお堅いイメージを持たれがちですが、実際はそんなことはありません。相談してみると、独立に必要なたくさんの情報や人脈を親身に提供してくれます。更に、モノやカネのお世話までやってくれることも。 独立や起業を考えた時に足りなくて困りがちなヒト・モノ・カネを、「お金」「設備」「人」「知識」の4種に分けて、公的機関で入手する方法を今回ご紹介します。独立や起業を考えている方、既に一歩を踏み出した直後の方は必見です。

【お金の支援】0.4%の低金利で起業の資金を得る!

独立するには多くのお金が必要となります。しかし、事業の将来性がまだ見通せない起業初心者が銀行などの金融機関からお金を借りるのはハードルが高いかもしれません。もちろん金融機関でも、地元密着の信用金庫の中には、創業支援制度を用意するところもありますが数は少ないです。 そこでご紹介するのが制度融資。中小企業が金融機関からお金を借りる際に次の3つの機関が連携して中小企業へお金を貸す仕組みです。 ・市区町村などの地方自治体(制度融資の利用を申し込む) ・全国各地にある公益法人の信用保証協会(保証人と同じように債務の保証をする) ・金融機関(お金を貸す) 信用保証協会が債務の保証をしてくれるので、起業初心者でも金融機関からお金を借りやすくなります。 制度融資の魅力はそれだけではありません。自治体が利息の一部を肩代わりしてくれるケースもあり、一般の金融機関よりも低金利でお金を借りられます。もちろん地方自治体によって制度融資の仕組みや利率は異なりますが、東京都の中央区であれば年利が0.4%と低金利で融資を受けられるのは大きな魅力といえます。 しかし、制度融資を受けるには、信用保証協会の審査を通らなければなりません。その審査を受けるためには信用保証協会へ創業計画書を提出する必要があります。創業計画書には、事業内容やビジネスの強み、開業後の収支計画など多くの情報を記載する必要があります。 「でも、創業計画書なんて書けない」と思った方がいるかもしれません。そんな方サポートする支援として、創業計画書の書き方を教えてくれる仕組みもあるのです。支援をするのは、各地にある信用保証協会の相談窓口。どのように書けば事業計画書がより良いものになるかを、担当者が親身に、わかりやすく、無料でアドバイスをしてくれます。 無料のアドバイスで創業計画書を作成して審査を通り、制度融資を受けて、独立や起業に必要なお金をお得に手に入れましょう。公益法人である信用保証協会の債務保証や自治体が利息を補ってくれるこの仕組みを使わない手はありません。

【設備の支援】相場より安くオフィスを使い、低い利率のリースで生産設備も得る!

事業を始めるには、仕事場であるオフィスや店舗が必要です。しかし、一般のオフィスや店舗用物件だと賃料が高くて借りたくても借りられない、と悩みがち。店舗の場合は、自治体が商店街と提携して空き店舗を有利な条件で貸し出していることがあります。一般よりもはるかに安い賃料で手に入れられるのが特徴です。 オフィスの場合は、インキュベーションオフィスの出番です。創業支援施設の代表格ともいえるインキュベーションオフィスは、相場よりも格安でオフィスを起業家に提供しています。また、メリットはそれだけではありません。インキュベーションオフィスには、入居企業の経営者から寄せられる経営相談に応じるインキュベーションマネージャーが常駐していることもあります。入居起業家同士のネットワークが広がりやすいことも利点といえるでしょう。 製造業や飲食業だと、オフィスを手に入れるだけでなく、生産設備(製造装置・包装機器・厨房機器など)も整えなければなりません。そんな時におすすめなのが、東京都中小企業振興公社の「中小企業設備リース事業」。低いリース料率で生産設備をリースしてもらえます。東京都が企業に代わって設備を買い入れて、リース会社を経由して、中小企業が設備を導入できる仕組みです。初期費用を抑えて設備を導入できる点がメリットとなります。 他の自治体でもリース制度を行っていたりしますので、調べてみてはいかがでしょうか。ただし、自治体の設備リース事業は独立直後の起業家が利用できる可能性はあまり高くありません。事業が軌道に乗ってきたら活用を検討してみましょう。

【人の支援】販路開拓でお客さん、異業種交流で人脈も得る!

「どうやったらお客さんを獲得できるのか?」と悩んでいる人向けの支援もあります。例えば、東京都中小企業振興公社の「ニューマーケット開拓支援事業」は、中小企業が生んだ優れた商品やサービスの国内販路開拓を支援してくれるのです。この支援では、マーケティング戦略を立て、より売れる製品やサービスにするためのアドバイスをもらえ、取引先のマッチングで販路の開拓もできます。 また、起業した後には、創業期特有の悩みを持つかもしれません。起業家特有の悩みを経験済みである先輩経営者や起業家仲間との人脈ができれば、悩みを相談する機会も生まれます。仕事で助け合うこともできるでしょう。 そうした人脈を築くことができる出会いの場が、各地の商工会議所が開く「異業種交流会」。多いに活用すれば、先輩経営者や仲間に助けてもらえることもあるはずです。

【知識の支援】少人数の勉強会も、専門家派遣でのアドバイスさえも0円で得る!

全国にある信用保証協会のうち、東京信用保証協会では、独立や起業に必要な情報や知識を学ぶことができる「創業スクール」が開かれています。年に2期、各7回開催。しかも、無料です。20名程度の少人数ゼミナール形式で行うスクールとなっています。そのスクールでは、ディスカッションを交えながら事業プランをより具体的に考えていき、事業計画を立てられるまで指導してくれるのです。 専門家の知識をすぐに借りたい時は、東京都中小企業振興公社の「ワンストップ総合相談窓口」。中小企業診断士には創業相談を、弁護士には契約や債権回収の相談ができます。他にも、デザイナーや税理士、社会保険労務士などの専門家も常駐して、来訪者の相談に無料で応じてくれます。 中小企業庁が運営しているWebサイト「ミラサポ」で申し込める支援「無料派遣専門家」は逆に、専門家が企業へ訪問してくれます。経営コンサルタントや公認会計士、フードコーディネーターなど専門家がやってきて、プロの知識や意見を直接聞くことができるのです。

無料、お得な公的機関の起業支援で独立準備を加速!

今回、ご紹介した公的機関のさまざまな支援制度でわかるように、独立志望者を公的機関は大歓迎しています。なぜなら、起業者が増えれば、地域が活性化し日本の経済を支える企業もその中から生まれていくからです。 起業に必要となるヒト・モノ・カネをどうするかで一人で悩み、時間をかけすぎると商機を逃してしまうかもしれません。今回ご紹介した支援を利用すれば、あなたの起業を全力でサポートしてくれる人がそこにはいます。 無料またはお得な公的機関の起業支援をフルに活用して、あなたも独立準備をお得に加速させましょう。
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前回、「事業計画書の入手と重要な項目」では「事業計画書」の入手方法と 特に注視したい重要項目 - 代表者の経験やノウハウ - 起業の動機 - 理念や将来ビジョン の1つめ「代表者の経験・ノウハウ」についてお話をしました。 今回は、残りの2つ「起業の動機」、「経営理念、将来ビジョン」についてです。
 起業の動機 ・ 経営理念、将来ビジョン

なぜ起業をするのか?

まず、ひとつ質問させてください。 「あなたは、なぜ起業したいのでしょうか?」  お金持ちになりたいから? 会社員を辞めたいから? 世の中の役に立ちたいから?・・・ その答えは人それぞれだと思います。正解なんてないですよね。 ただ、考えてみてください。創業融資の場合は別です。なぜならその原資が、税金だからです。 単にお金を儲けたいから起業する? そんなことに税金を投入するでしょうか? 目的がそれだけだとしたら、何も税金を使って支援するようなことではありませんよね。 そう、税金を使ってお金を貸すには大義名分が必要なのです。このことをまず強く意識する必要があります。

応援したくなる理念をもとう

もう一つ大切な視点は、理念なき会社に発展はないという事実です。理念から始まり、目的や将来目指す方向性などに一本筋が通った会社というのは、起業後にメキメキと発展していくものです。事業全体に統一感があり、その思いがお客様にストレートに伝わるからです。 金融機関の職員だって同じこと。応援したくなるような理念を持つ会社であれば、応援せずにいられないものです。事業計画書を書くことをきっかけとしてもう一度、理念、将来ビジョンなどについて、じっくりと考えてみましょう。 たまに、「今、どんなビジネスをすれば儲かりますか?」という質問を受けます。 それは、大事な視点が抜けていると思うのです。「あなたの残りの人生を使って起業して、最終的に何を実現したいですか?」この質問に対する回答が理念や将来ビジョンともいえるでしょう。とことん考えましょう。そして、魂を込めて書いてみてください。
 事業コンセプトの説明
続いて、「事業コンセプトの説明」についてです。

わかりやすく、シンプルな説明を

このあたりは、起業して成功する人とそうでない人の差が、はっきりと現れてくるところです。その違いは何か? 一言でいうと「わかりやすいか」「わかりにくいか」です。 名刺交換をする際、自分の事業をどうやって説明しますか? 優秀な人は自分の事業を30秒以内でスパッと説明します。いや、10秒で説明できると思います。 逆にダメな人は、これを2分、3分とダラダラ説明し、話が飛んでまとまりのない内容に。 そう、話した相手は結局、あなたのアピールポイントは何で、どんな特徴のビジネスかを、後で思い出せないのです。 まさに事業計画書においても同じこと。まずはズバッとひとことで言い表しましょう。その後、補足として端的に説明すればいいのです。 事業計画書を書くこと、融資担当者との面談、補助の審査、名刺交換、営業、プレゼンなどなど。今後あらゆるシーンで相手の印象に残るシンプルな説明が求められます。これを機に、徹底的に考えることをオススメします。 もし、どうしてもシンプルな説明が思い浮かばないようなら、ビジネスモデルそのものがありきたり過ぎるか、あるいは逆に複雑すぎて説明が難しいのか、そのどちらかかもしれません。 他との差別化、優位性、付加価値、シンプルな説明などについて、もう一度練り直してみることが必要となるでしょう。

【まとめ】 ・事業計画書の動機・理念は、人に応援してもらえるよう、魂をこめよう。 ・「事業コンセプトの説明」はシンプルでわかりやすい説明を心がけよう。

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 前回「事業計画書はなぜ必要? 」では、事業計画書のフォーマットとしてはビジュアル主体、数値主体、どちらがいいかについてお話ししました。 一つ補足すると、数値主体の事業計画書を作る際は、できればエクセル等の表計算ソフトをお使いください。何度もシミュレーションし直して、リスクの洗い出しや方向性の決定をする際に便利です。
 事業計画書のフォーマットの入手と見極め方法

■フォーマットを入手する方法は?

 入手する方法として一番多いのは、 Web上で無料提供されているものを利用する方法です。 事業計画書と検索しただけでもたくさんのフォーマットが提供されています。 その際に気を付けるべきことは、創業融資の獲得を前提として作成されたものかどうかを確認することです。事業計画書といっても、既存の会社が新規事業を始めるために使用するものを含め、汎用的なものが多いのです。 分量的にはあまりにもあっさりしていて内容が薄いのもよくないですし、逆に余計な項目ばかりでポイントがわからないようなものでもダメです。 大事な見極めポイントとしては、 予測損益計算書や資金収支表・資金繰り表など、数値の部分。 特に起業して1年目の数値を月ごとに書けるようになっているかどうか。が大事です。 年ごとだけのものはダメです。金融機関から見たら、1年目のどこで軌道に乗る計画なのか、1年目の途中で資金ショートしないかが極めて重要な情報なのです。 起業して1年目がそれほどまでに厳しい局面だということの裏返しでもあります。
 各記載項目の記載内容
一般的な事業計画書フォーマットで最初に書くのは、 - 会社名 - 代表者 - 本店所在地 - 資本金 などの企業情報です。 ここは問題なく、事実を淡々と書けばいいだけです。 そのあと、 - 代表者の経験やノウハウ - 起業の動機 - 理念や将来ビジョン などの項目へと続くのが通常です。 多くの人は何も考えずにさらっと書いてしまう部分なのですが、実はここが非常に重要なポイントです。 これからお話しする視点で戦略的に書くようにしてください。

重要な項目①「代表者の経験・ノウハウ」

 特に代表者の経験・ノウハウは重要です。 以前、創業融資の審査項目の話の中で、創業融資の場合、通常の融資と違って過去の経営実績を見ることができないため、今までの職歴が非常に重視されることをお話ししましたよね。  例えば、日本政策金融公庫であれば、今回の事業内容に関連する職歴が6年あることが一つの目安です。6年とまでいかなくても3年くらいは経験があることが求められるのです。それも密度の濃い経験であればあるほど、評価は高くなります。   例えば飲食店であれば、ホールのアルバイト経験より、正社員として店長経験がある方が評価が高くなるといった具合です。他の職種でも、「自分の提案によって会社の業績が上がった」とか「個人の営業成績が関東エリアで1位になった」など、アピール材料はいろいろありますよね。 そう。履歴書と同じ要領なんです。持っているノウハウ・資格・知識・経験など、自分のやってきたことや強みを最大限にアピールしましょう。 ここは淡々と事実だけを書くのではなく、少し大げさなぐらいで丁度いいのです。 謙虚にしているとアピール不足で失敗します。あつかましいくらいでいきましょう! 残りの2つについては次回以降お伝えします。

【まとめ】 ・事業計画書のフォーマットは、「予測損益計算書や資金収支表・資金繰り表など、数値の部分」で見極める。 ・事業計画書の項目で、代表者の経験・ノウハウは特に重要。最大限にアピールするべし!

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突然ですが、質問です! 「事業計画書」はなぜ書くのでしょうか?
「事業計画書」は何のために書くの?
答えは2つあります - 金融機関や出資者など、自分以外の人に事業内容を知ってもらうため。 (融資の際に事業計画書を書いて提出するのもこのためです。) - 自分自身が事業の計画についてこれでいいかどうかを細部にわたるまで確認するため   です。 順序で言えば、自分自身がコレなら行ける!というところまで調べ抜き、考え抜いて事業計画書を書き上げる。 そしてそれをもとに外部の人に説明することになるでしょう。   大事なのは「自分自身が自分の事業をどれだけ深く理解し計画しているか」です。      そのレベルに達することができれば、融資審査の面談の際にどんなことを聞かれても答えられるようになります。 そして、面談の際に、経営者らしいどっしりとした態度が自然と醸し出され、高評価へとつながるでしょう。 よく「事業計画書はコチラで書くので大丈夫です!」といった専門家の宣伝文句を見ることがあります。   確かに起業前の忙しい時期ですから、それも含めて丸投げしてしまった方が楽だと感じるかもしれません。 ただ、そうしてしまうとよくある失敗に陥ります。 自分で書いていない内容で、面談本番で堂々と語れるわけがありません。 必ず自分で書いてみて、そして専門家にチェックしてもらう。これが王道です。  
「事業計画書」のフォーマットは?
よく質問されるのが「事業計画書のフォーマットにはどんなものを使えばいいのか」という点です。

■融資制度ごとに書式が異なる

 まず押さえておきたいのは、創業融資を借りるにあたり「融資制度ごとに所定の書式がある」ということ。 日本政策金融公庫、各都道府県、各市区町村など、借りる場所や融資制度ごとに書式が決まっています。 例えば、公庫でいえば「創業計画書」という書式が存在しています。 この所定の書式を入手するとわかりますが、非常にあっさりとしています。 だいたいA4判で2枚から4枚程度。ここで一つ疑問が浮かびます。 そんな分量で事業内容をちゃんと正確に伝えられるのか、と。 無理ですよね。そう、無理なんです。  ですので、これとは別に詳しい内容の事業計画書を自分で作成して添付するのがセオリーです。 詳しい事業計画書を別に添付しないと不利になるということです。 でも、制度概要にはそんなことは書かれていません。専門家など誰かに相談せず、自力で融資申込みをする場合、所定の書式だけで勝負してしまうことがあります。 すると、その情報だけに基づいた審査が行われるため、必然的に失敗する確率が上がってしまうのです。 ある意味、仕方ないのかもしれません。   ○所定の書式だけで勝負せず、必ず自分で作った事業計画書を添付資料として提出する。 これが大きなポイントなんです。  

■オリジナルの「事業計画書」どう書くの?

 形式として大きく分けて2通り。 ひとつはパワポなどで作成するビジュアル主体のものです。主に大勢の人の前でプレゼンをする時のようなものですね。 内容的には概念的でざっくりとした感じになります。 もうひとつはエクセル、ワードなど、文字や細かい数値を主体としたもの。 内容的には細かくて、一目見るだけでは理解できないようなものとなります。 さて、どちらがいいのでしょうか? ビジネスプランコンテストなどではパワポなどビジュアル主体のものがいいですよね。 でも、創業融資の借り入れとなると、やはり文字や細かい数値の説明が欠かせません。 金融機関にとっては、詳細な数値の"根拠"がなにより重要なのです。 ですから、必ず作るべきなのは、エクセル、ワードなどで作成する詳細な事業計画書です。

【まとめ】 ・事業計画書は、必ず自分で書いてみて、そして専門家にチェックしてもらう。 ・事業計画書は、所定の書式だけで勝負せず、必ず自分で作った事業計画書を添付資料として提出する。 ・創業融資の借り入れの際はエクセル、ワードなどで詳細な事業計画書で作成する。

次回は、「事業計画書」を書く際のコツ・ポイントについてご紹介します。
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前回、『2 審査項目「自己資金割合」って?では、創業融資でおさえるべき1つ目のポイント、「自己資金割合」についてお伝えしました。 今回は残りの3つのポイントについてお話をします。
 「経験と能力」
創業融資の審査基準4つのポイント2つ目は「経験と能力」です。

 ■経験とは

一般的な企業の融資審査では、過去の事業の実績から融資の可否判断が行われます。ところが創業融資では、これから起業するので過去実績はありません。 そこで代わりにその人の履歴書データから、今回のビジネスをやっていく上で必要な経験を積んできているかを重視するというわけです。経験は量と質、いずれも大事です。 例えば、飲食業の経験が6年の場合、アルバイト経験で6年か、店長経験で6年かでは後者の方が断然有利となります。

 ■能力とは

ズバリ経営者としての資質があるかどうかです。 面談での態度、信用できる人物かどうかなどが問われます。 能力として、もう一つ重要なのが「お金の面での能力」。つまり、お金にだらしない人かどうかです。 審査をする際には、本人の過去の銀行通帳の提出を求められ、税金、光熱費などの滞納がないか調べられます。 また、カード会社など金融機関が共通で管理する「個人信用情報網」でブラックリストに載っていないかどうかも調べられます。 カードローンを組んで滞納してきてしまった、電話代を払わずによく電話を止められているなど、過去のことが原因で融資不可になる失敗事例も多くあります。 起業・独立を決意した時点から、お金の管理は慎重にしたいですね。

 「返済の可能性」

創業融資の審査基準4つのポイント3つ目、は「返済の可能性」です。

 ■返済の可能性とは

創業融資の財源は、たどっていけば税金です。 金融機関としては、その大事なお金を起業家に貸すのですから、確実に回収する責任があるわけです。 なので、これから起業家が手掛けるビジネスが、ちゃんと返済できるだけの利益を上げられるものか、厳しく審査されるのです。どんなに情熱をもっていても、どんなに社会に有益なビジネスだとしても、融資が返済できるだけの利益がなければ貸せない。そういった視点で見られます。

 ■具体的にはどうすればいいのか

返済の可能性があるかないかは、事業計画書上の利益の推移とその妥当性を審査していくことになります。 ざっくりいうと、
- 「税金を引いたあとの月の利益>月々の返済額」になっているか - そのプランに説得力があるかどうか
です。 よくある失敗例としては、このことを考えずに、赤字続きの事業計画書を作成してしまうケース。 金融機関としては、貸したくても貸せないということになってしまいます。

 「資金使途」

創業融資の審査基準 最後の4つ目のポイントは、「資金使途」です。 資金使途とは、借りたお金の「具体的なつかいみち」。創業融資を受けるには、この使い道を説明する必要があるのです。 つまり、形式上の借入枠があっても、使い道を説明できなければ借りる名目がないため、本当に必要な分までしか借りられないということです。 例えば、事業に必要な資金が1500万円の計画書をもとに、自己資金500万円、借り入れ希望額1000万円の申し込みをする場合。 事業全体でかかる1500万円の内訳を示し、それぞれの項目について見積書などで数字の根拠や資金の必要性を説明しなければならないのです。 一方、コンサルタント業など、多額の資金がかからないビジネスで起業する場合はどうでしょうか。 自己資金が500万円あって、形式的には最大1000万円の借入枠が期待できても、総額1500万円もの資金使途、見積書は示せないはずです。 このケースも、やはり本当に必要な金額までしか借りられないということなります。 あまりお金を必要としないビジネスを想定しているにも関わらず、多額の創業融資を受けられると勘違いしている方も多いのでご注意ください。

【まとめ】 ・「経験」は量と質、いずれも大事。「能力」は特に「お金の面での能力」を問われる。 ・「返済の可能性」は、事業計画書上の利益の推移とその妥当性を審査される。 ・「資金使途」では、必要な金額以上の多額な融資は受けられないので注意。

次回は、「事業計画書」の書き方についてご紹介します。
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前回、

「1 創業融資とは」

で「創業融資」とその種類についてお伝えしました。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」。経営は情報戦です。 創業融資に関していえば「審査基準」を知ることが、融資の勝敗を分けるといってもいいでしょう。
ところが、審査基準について知る機会もないまま勢いに任せて突撃していって惨敗してしまう「イタイ失敗事例」が数多く発生しています。基本的に創業融資は一発勝負の厳しい世界。敗者復活戦はありません。
一度審査に落ちてしまったら、事業内容や経営体制などに余程の変更がない限り、再審査はありえないのです。まずはそこを覚悟してくださいね。

 創業融資の審査基準となる「4つのポイント」

皆さんはどんな業種で独立開業を検討していますか? 仕入れを伴わない商材の代理店だとしたら、人件費や携帯電話、PCなどがあれば、すぐにでも始められますよね。
一方、飲食店など店舗系の場合、開業するにはかなりのお金がかかります。 物件取得費用、内装、給排水電気設備工事費、看板、人件費、仕入れ、広告宣伝費…などがあげられます。
まず、目指す業種で開業する際にかかる「お金の総額」をイメージしてみましょう。
創業融資でおさえておくべき基本、それは「審査基準となる4つのポイント」。

1.自己資金 2.経験・能力  3.返済可能性  4.資金使途 です。


今回はその中の1つ「自己資金割合」についてお話をします。

「自己資金割合」とは

創業融資の審査では「全体でかかる総額」のうち、自己資金(借入れ以外に自分で用意した初期資金)をどれだけ用意したかという「自己資金割合」という考え方があります。



自己資金とは、借入れ以外に自分で用意するお金のこと。
融資審査をクリアするには、「事業全体でかかるお金の総額」のうち、自己資金をどれだけ用意したかという「自己資金割合」を満たしているかどうかが重要となります。
通常の経営での融資と創業融資との大きな違いがここにあるといってもいいでしょう。 そして、起業家がこの自己資金でつまずくケースが非常に多いのです。


 融資審査における「自己資金割合」の基準


自己資金割合は日本政策金融公庫、自治体、それぞれで基準が異なります。


■日本政策金融公庫の「新創業融資制度」※の場合、1/3の自己資金割合が必要。
■自治体の創業融資の場合、場所により多少異なりますが、だいたいは1/2の自己資金割合が求められます。

※無担保無保証の創業融資制度


つまり「全体でかかるお金の総額」が1200万円だとしたら、日本政策金融公庫の新創業融資では400万円、自治体の創業融資だと600万円の自己資金を用意する必要があります。


まずは、手掛けたいビジネスで必要となるお金の総額と、自分で用意できる金額をイメージする。そうすれば、どちらを選べばよいかの基準となります。

 自己資金を金融機関はどのようにチェックするか


自己資金は創業融資の審査の中でも特に重要な位置づけで、厳重なチェックがなされます。
まずは事業主個人の、「過去1年分の預金通帳」の提出を求められ、「蓄積」を確認します。 例えば、自己資金として300万円があると主張する場合、その300万円がどういう過程で貯まったのかを追います。


 自己資金としてOKなパターン

○毎月の給料の手取りが30万円で、うち10万円をコツコツと貯めた ○退職金として300万円を受け取った ○生命保険を解約して解約返戻金として300万円の入金があった ○父親から300万円が振り込まれ、贈与されたものと確認できた


 自己資金としてNGなパターン

○通帳上、現金300万円の入金があり、たんす預金として貯めたと主張した ○母親から300万円が振り込まれているが、これは借りたものと説明した 上記は、自己資金がネックで創業融資調達に失敗するときに多いパターンです。
つまり、 1)自己資金の出所があいまいで説明できない 2)自己資金といいながら、本当は誰かから借りたお金 という場合は、チェックに引っ掛かり審査をパスできないのです。


【まとめ】 ・創業融資の1つめのポイント「自己資金割合」の基準は融資によって異なる。 ・「自己資金」は額だけではなく、出所や、自分のお金かどうかも審査されるため要注意。


次回は、審査項目「経験と能力」「返済の可能性」「資金使途」についてご紹介します。


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起業するにはお金がかかります。これはホントに想像以上にかかります。 多くの人が起業後に気づくことですが、資金は最初に想像した額の「3割増」から「倍」くらいは必要になると思っていてよいかと思います。店舗の保証金、内装、車輌などの設備資金、賃料など店舗・事務所の維持費、人件費、広告宣伝費、その他諸経費……。

「融資」が大事なワケ

自己資金でカバーできないのは普通のこと。では、これをカバーするためにどうやって資金を調達するか。
1つは、起業時に受け取ることができる助成金・補助金。

これは、国や自治体が中小企業振興や雇用促進のために支給する返済不要のお金で、数百万円という高額のものもあります。
要件や手続きは各助成金・補助金によってさまざまですが、ただ、1つ覚えておいてください。 仮に助成金・補助金が受けられたとしても、入金されるのは数カ月後~半年後くらい。
しかも、お金を先に使い、それから受け取るという制度が大半です。 ということは最初に頼るべきは助成金・補助金ではなく「融資」です。

「創業融資」とは

「創業融資」とは、起業したばかりの会社や個人事業を対象とした公的融資制度のことです。
まだ実績と信用の少ない起業家に対して、金融機関がお金を貸してくれることはほとんどありません。そこで国や自治体が起業家のために用意しているのが「創業融資」なのです。
「創業融資」は大きくわけて2つあります。1つ目は政府系金融機関である日本政策金融公庫の創業融資。2つ目は各自治体(都道府県、市区町村)が扱う創業融資制度です。
この両者は同じようでいて、実は以下のような大きな違いがあります。

(1)日本政策金融公庫の創業融資

◎メリット ・申し込みから審査までが早い。(通常1カ月程度) ・自己資金の要件は厳しくない(自己資金が少なくてOK) ・無担保無保証(担保・保証人なし)で融資が受けられる新創業融資制度がある(起業家に非常に有利!)
△デメリット ・金利が若干高い

(2)自治体の創業融資

 ◎メリット ・金利が低い。自治体により利子補給(利息の一部を自治体が補助)制度を用意している。 その場合は、より低い金利で借りることが可能。
△デメリット ・申し込みから審査まで時間がかかる(通常2~3カ月ほど) ・自己資金要件が厳しいことが多く、自己資金を多めに用意する必要がある

 

このような違いがあるため、どこから資金調達するのが最適なのか、よく見極める必要があります。

公庫と自治体、どちらの融資を選択したらいい?

起業するにあたり、大切な感覚の1つに「スピード感」があります。チャンスを掴む人は何でもスピードが速いです。 まさに機を見るに敏。チャンスを逃しません。
例えば店舗が必要な業態の場合、どれだけ良い物件を獲得できるかが勝負の分かれ目。 全ての面で納得できる優良物件というのはそうそうあるものではありません。
では、目の前に超優良立地で格安賃料の物件を見つけたらどうしますか? すぐに押さえて契約したいですよね。
ただ、保証金、前家賃、仲介手数料などの費用を考えると、融資が実行されてからでないと無理だとしたら…。
そんなとき選択すべきはズバリ、日本政策金融公庫の創業融資。 申し込み、審査、融資実行まで1カ月前後(場合によっては1週間くらい)で完了します。 一方、自治体の創業融資は2~3カ月くらいかかるのが当たり前。 それを知らずに融資を申し込んでいたら、もたもたしている間に超優良物件がなくなってしまう可能性もあるのです。

【まとめ】 ・「創業融資」とは、起業したばかりの会社や個人事業を対象とした公的融資制度。 ・「創業融資」は大きくわけて2つあり、それぞれメリットデメリットがある。

 

次回は、「創業融資」の審査のポイントについてご紹介します。

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