“カレカノ”の通称で親しまれる「彼氏彼女の事情」(庵野秀明監督)の宮沢雪野や「ふたりはプリキュア Splash☆Star」の美翔舞を始め、声優として活躍し、歌やテレビ、ゲームに写真集など幅広い活動を経てフリーとなり、現在は報道番組「ABEMA Prime」(ABEMA)のナレーションを担当する榎本温子さん。フリーで長く活動し、新しいことに挑戦し続ける榎本さんに仕事に対する考え方、アイデアをどのように形にされているのか詳しくお伺いしました。
わずか18歳でデビューし、ロケットスタートでたくさんの仕事を任されてきたからなのか、視座が高く、ものの見方・考え方が「榎本温子」という会社の経営者そのものでした。会社経営には興味がないとのことでしたが、自身の状況を客観視できる冷静な目と一緒に働く周りの方への心遣い、自分云々ではなく業界を良くしたいという想いを持たれていて、フリーで長く活動されているのが当然で、今後もやりたいことをカタチにしていかれるのだろうと感じました。
わずかデビュー半年で「彼氏彼女の事情」主演
ー声優になられたきっかけは何ですか?
高校2年生の時に受けた新人育成オーディションのようなものに受かって、高校3年生でデビューしました。
子どもはみんなアニメが好きだと思うんですけど、私も小学生の時からアニメが大好きで、初めて“何かになりたい”と思ったのが声優だったんです。
中学生になると声優さんのラジオも聞くようになって、声優さんがアニメだけでなく、歌も歌い始めた時だったんで、「色んなことができて面白そう」みたいな感じで、その頃から声優になってみたいなぁという夢を抱くようになりました。
オーディションは3、4個、受けましたね。落ちちゃいましたけどテレビ東京のバラエティ番組「ASAYAN」オーディション(※)なんかも受けてました。
※1995年~2002年に放送されたバラエティ番組「ASAYAN」(テレビ東京)
―すぐに声優になる夢が叶ったのですね
そうですね。アニメにも出演したしエイベックス・エンタテインメントさんからCDも出しましたし、色んなことができましたね。
でも、学業の方は時間がなくなっちゃいました。アメリカの大学の日本校でTOFEL育成クラスというところに入ったんですが、1年目の2学期ぐらいでもう「彼氏彼女の事情」出演が決まって、仕事がポンポン入ってきたので休学したんです。
今考えるとスケジュールをフルオープンにしていたから、仕事が入ってきてしまっていたので、フルオープンにしなくてよかったかなとも思いますけどね(笑)。
10年後を考えてキャリアの幅を広げるために事務所を移籍
―順風満帆にキャリアを積む中、なぜ事務所を移籍したのですか?