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フリーランスが消費税を納めるのはいつから?手続きや条件は?

フリーランス

フリーランスは事業用の備品購入時の支払いとは別に、年間売り上げの合計額から算出した消費税を納めなければなりません。ただ、消費税を納めるのは原則として、年間売り上げが1,000万円を超えてからです。

本記事では
・フリーランスの消費税はいつから払えばいいのか
・納税時にはどのような手続きが必要なのか
・請求書に消費税を含めてもいいのか
・源泉徴収税とは何が違うのか
などを解説・ご紹介します。

売り上げがいくらを超えたらフリーランスは消費税を納める?

個人事業主やフリーランスは、売り上げから「消費税」を納めなくてはならないことがあります。これは一般消費者として買い物をするときに払う消費税とは別で、事業者として納める消費税です。

個人事業主やフリーランスが消費税を納めるのは、売り上げがいくらを超えてからなのか、納税義務が生じるのはどのような場合なのかを確認しましょう。

原則として、売り上げ1,000万円を超えたら消費税を納める

個人事業主やフリーランスは原則として、「年間売り上げ1,000万円」を超えたら消費税を納めることとなります。この年間売り上げとは、2年前の売り上げを指します。

例えば「2024年に開業した場合」は原則として、2026年まで消費税の納税義務はありません。開業前は事業による売り上げがないからです。2024年以降も、売り上げが1,000万円以下なら消費税の納税は必要ありません。

ただし、売り上げ1,000万円以下で消費税を納めない場合でも、確定申告は必要です。もちろん、所得税や住民税の納付は発生します。

なお、2023年より開始の「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」によって、課税事業者となる場合、免税期間途中であっても免税は終了することになりますので、注意しましょう。

インボイス制度の“インボイス”とは、売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。インボイス制度は、売り手である登録事業者は、買い手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付し、写しも保存しなければならないものです。買い手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売り手)である登録事業者から交付を受けたインボイスの保存等が必要となります。買い手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。詳細は、国税庁の特設サイトなどで確認してみてください。

こちらもおススメ!

「消費税のしくみ」(国税庁)

「インボイス制度の概要」(国税庁)

「インボイス制度 特設サイト」(国税庁)

3つの条件で、消費税の納税義務をチェックしよう

“売り上げ1,000万円を超えたら消費税を納めなくてはいけない”というのは、あくまでも原則です。以下のうち、どれか1つでも当てはまるものがあったら、消費税を納めなくてはなりません。

【消費税の納税義務がある人(いずれか1点でも該当する方)】
・2年前の課税売上高が1,000万円を超えている
・1年前の1月1日~6月30日までの課税売上高もしくは給与の合計が1,000万円を超えている
・「消費税課税事業者選択届出書」を提出している

「消費税課税事業者選択届出」とは、消費税納税の免除を受けられる免税事業者が、自らの意思で消費税を納める課税事業者になるための手続きです。課税事業者は消費税の還付が受けられるため、消費税の納税額よりも還付額が大きくなる場合は、課税事業者となった方がメリットはあります。

「No.6501 納税義務の免除」(国税庁)

「D1-4 消費税課税事業者選択届出手続」(国税庁)

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フリーランスの消費税は何%?いつ納める?

商品の販売やサービスの提供に対して支払う消費税という制度は1989年に税率3%から始まり、1997年に5%(地方消費税1%含む)、2014年に8%(地方消費税1.7%を含む)、2019年から10%(地方消費税2.2%を含む)へと引き上げられてきました。2022年以降は、酒類・外食を除く飲食料品と定期購読契約があり週2回以上発行される新聞は8%、それ以外は10%を、会計時に支払っています。

では、フリーランスの消費税は売り上げの何%を、いつ納めればいいのでしょうか。消費税の計算方法と、納税時期について解説していきます。

消費税額の計算方法(本則課税)

フリーランスの消費税も、基本的には10%です。ただ、軽減税率の対象物(酒類や外食を除く飲食料品、定期購読契約をしている週2回以上発行される新聞)は8%となります。フリーランスはこの税率に基づき、課税の対象となる売上高の中から消費税を納めます。

フリーランスをはじめとする事業主の消費税額は「本則課税」という方法で計算され、計算式は次の通りです。

【本則課税の計算式】
課税期間中の課税売上にかかる消費税 ― 課税期間中の課税仕入れにかかる消費税 = フリーランスが納める消費税額

課税仕入れとは、簡単にいえば経費にかかる消費税のことです。経費でパソコンや食材を購入する場合、その購入費には消費税がかかり、購入時に支払っているはずです。そのため、課税仕入れにかかる消費税を差し引いて計算をするのです。

フリーランスは消費税をクライアントから一時的に預かり、後でまとめて納税することとなります。請求書に「消費税」という項目を入れているケースも多いでしょう。

例えば報酬は5万円という話だったのに、請求書は5万5,000円で出すようにクライアントから言われたなら、この5,000円が“クライアントから預かる消費税”にあたります。

消費税額の計算方法(簡易課税方式)

基準期間(個人事業者は前々年)の課税売上高が5,000万円以下の事業者が、事前に届出書を提出している場合は、「簡易課税方式」で消費税額を計算できます。簡易課税方式は事業者の消費税計算を簡略にするための制度です。

課税仕入額(実際に支払った経費)に関わらず、業種ごとに定められた「みなし仕入率」を課税売上高にかけて消費税額を算出します。

【事業区分とみなし仕入率】
フリーランスが消費税を納めるのはいつから?手続きや条件は? 

【簡易課税の計算式】
課税期間中の課税売上にかかる消費税 ―(課税期間中の課税売上にかかる消費税×みなし仕入率) = 消費税額

「No.6505 簡易課税制度」(国税庁)

「No.6509 簡易課税制度の事業区分」(国税庁)

申告と納税の時期

個人事業主やフリーランスの消費税は、「翌年3月31日まで」に消費税と地方消費税を併せて所轄税務署に申告して納めなければなりません。このタイミングまでに“消費税の確定申告”を行い、金融機関か税務署、インターネットバンキングなどのキャッシュレス納付で納税することとなります。なお、直前の課税期間の消費税額が48万円を超える事業者は、中間申告と納付をしなくてはいけないので、よく確認しましょう。

「消費税のしくみ」(国税庁)

「納税・納税証明書手続」(国税庁)

「消費税及び地方消費税(個人事業者)の中間申告と納付」(国税庁)

フリーランスが消費税を申告し、納税する流れ

フリーランスの消費税納税は、原則として毎年3月31日までです。期限までに何をすればいいのか、消費税をどのように納めればいいのか、納税の流れを確認しておきましょう。

【フリーランスの消費税納税までの流れ】
STEP1.
2年前の年間売り上げ、もしくは1年前の1月1日~6月30日の売り上げが1,000万円を超えているか確認する。もし、超えなければ納付義務はありません。

STEP2.
本則課税または簡易課税の計算式で、消費税額を算出する

STEP3.
申告書に必要事項を記入する

STEP4.
金融機関か税務署、インターネットバンキングなどから納税する

フリーランスの消費税に関するよくある質問

フリーランスが消費税を納めるのはいつから?手続きや条件は? 

フリーランスになりたての人にとって、消費税や確定申告は分からないことだらけでしょう。「確定申告が毎年、面倒だ」「計算を間違えたら大変なことになる」などの話を聞いて、不安を感じている人も多いはずです。

そこで、フリーランスの消費税に関するよくある質問にお答えします。不安を解消できれば、目の前の仕事にも集中しやすくなるはずです。

【フリーランスの消費税に関するよくある質問】
Q1.売り上げ1,000万円以下なら、消費税は納めなくていいの?
Q2.納税義務のない消費税を、クライアントが振り込んでくれるの?
Q3.消費税は、源泉徴収税や確定申告とは違うの?
Q4.消費税を支払わないと、どうなるの?
Q5.消費税の計算が難しいのですが何とかならないの?

Q1.売り上げ1,000万円以下なら、消費税は納めなくていいの?

2年前の課税売上高、もしくは1年前の1月1日~6月30日までの課税売上高もしくは給与の合計が1,000万円以下のフリーランスは、原則として消費税の納税義務はありません。ただし、次のような場合は納税義務がありますので、よく確認しましょう。

【売り上げ1,000万円以下でも消費税を納めなければならないケース】
・「消費税課税事業者選択届出」を出し、課税事業者となっている
・事業年度開始の日における資本金もしくは出資金が1,000万円を超えている
・自社株式の過半数を保有している親会社がある
・自社が特定新規設立法人等である

フリーランスの場合、大体の方が確認すべきは「課税事業者となっているかどうか」くらいでしょう。

「特定新規設立法人の納税義務免除の特例(特殊関係法人の範囲)」(国税庁)

「特定新規設立法人の納税義務免除の特例(特定要件の判定)」(国税庁)

Q2.納税義務のない消費税を、クライアントが振り込んでくれるの?

年間売り上げが1,000万円以下のフリーランスは、原則として消費税の納税義務はありません。そのため、消費税を含めた金額をクライアントに請求することに抵抗がある人もいるでしょう。

納税義務のないフリーランスは、本来かかるはずだった消費税分の金額をクライアントに請求することも、しないこともできます。これは、クライアントにあらかじめ確認しておきましょう。

“消費税の納税義務がないのに、クライアントが消費税分を上乗せした報酬を支払ってくれている”という場合があります。わざわざ「わたしは消費税の納税義務がないため、この分のお金はいりません」という必要はありませんが、「消費税額もお支払いいただいているようなんですが」と、お申し出をする方が誠意は伝わるでしょう。

事業用の備品や電気、交通費などにも消費税はかかっています。消費税分をもらわないと、これらの経費にかかる消費税分の金額を値下げしてしまうことになると思う方もいるかもしれませんが、業務にかかる経費、それにかかる消費税を含めての発注額となっています。

なお、企業によっては、消費税分もお支払いするという社内規定があるケースもあるようです。

Q3.消費税は、源泉徴収税や確定申告とは違うの?

フリーランスの発行する請求書には、消費税とは別に「源泉徴収税」が記載されていることがあります。これは消費税とは別の税金です。

消費税は“消費税分のお金をクライアントから預かり、後でフリーランスがまとめて納税するもの”ですが、源泉徴収税は“クライアントがフリーランスへの報酬額から差し引くことで預かり、クライアントが支払うもの”です。

また、消費税の申告は年間売り上げ1,000万円以下などの条件に該当すればしなくて構いませんが、確定申告は必ずしなければなりません。確定申告が必要になるのは売り上げから経費を引いた所得が48万円を超えた場合です。ただし、合計所得金額が2,400万円以下の場合なので、それ以上の方は控除額が少なくなります。詳しい条件や手続きの流れは、こちらの記事で解説しています。

こちらもおススメ!

「No.1199 基礎控除」(国税庁)

Q4.消費税を納めないと、どうなるの?

消費税に限らず、税金を納付せずにいると、“脱税”になります。脱税すると延滞税や無申告加算税などの“ペナルティとしてのお金”がかかるうえ、督促がきたり差し押さえになったりすることもあります。

クライアントと取り交わす契約書には、たいていの場合“差し押さえになった場合、無条件に契約を解除できる”と書かれています。仕事を失わないためにも、税金はしっかり納めましょう。

Q5.消費税の計算が難しいのですが何とかならないの?

消費税の計算や確定申告は、慣れるまではなかなか難しく感じるものです。フリーランス歴が長くなり、作業に慣れてきたとしても、それなりの手間がかかるでしょう。事務作業を減らし、事業に集中するためにも、次のようなソフトウェアを使って“作業の効率化”を図るのがおすすめです。

「クラウド会計ソフトfreee会計」
確定申告をはじめとする経理関係の処理を自動化、効率化できます。クラウドで利用でき、登録は無料なので、まずはどのような機能があるのかを試してみると良いでしょう。

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「マネーフォワード クラウド確定申告」
こちらも、確定申告や経費の処理を自動化、効率化するクラウドサービスです。クレジットカードや銀行口座と連携して明細を自動取得することもできます。

マネーフォワード クラウド確定申告

2023年から始まった「インボイス制度」で、消費税はどう変わった?

2023年10月1日から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)とは、複数税率(8%・10%)に対応したものとして開始された、仕入税額控除の方式のことです。

フリーランスや個人事業主の消費税にも関わる制度で、インボイス制度がでは消費税の納税控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」が必要となり、請求や経費関連の処理がやや複雑になりました。

「インボイス制度ってやっぱりよく分からないな」と感じる方は、インボイス制度について知る前に、「消費税」「仕入税額控除」について理解が深まると、もう少し分かりやすくなるかもしれません。

「適格請求書等保存方式の概要」(国税庁)

P.5より
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消費税と仕入税額控除

「消費税」とは、商品やサービスを購入したときにかかる税金のことです。買い手が負担し、売り手が納付しています。この消費税はいろいろな業者を通して、“最終的な販売価格の10%分だけ”納付することになります。

普段の生活でイメージしてみましょう。スーパーマーケットで買い物をすると、10%の消費税を上乗せされた金額で、購入します。その消費税は、売り手であるスーパーマーケットが購入者の代わりに国に納付しているのです。

「仕入税額控除」とは、消費税が多く徴収されすぎないように、仕入れにかかる消費税を控除する(差し引く)ための仕組みです。スーパーマーケットも、商品を揃えるためにいろいろな業者から商品を購入しています。

例えば、わたしたちが1,000円の魚を購入しようとすると、10%の消費税がかかり、1,100円を支払います。その魚はスーパーマーケットが魚屋から800円で仕入れたとすると、そこでも10%の消費税がかかっていて、880円支払っています。

もしここで、スーパーマーケットがわたしたちから預かった消費税100円、魚屋さんがスーパーマーケットから預かった消費税80円を納めると、トータルで180円の消費税を納税することになります。

最終的な購入者であるわたしたちが支払った税込み1,100円の、消費税100円分だけを国に納付すれば良いところを、これでは80円分多くの消費税を支払ってしまいます。この二重課税を避けるために、「仕入税額控除」という仕組みがあります。

スーパーマーケットの立場で考えてみると、購入者から預かった100円の消費税のうち、80円分は魚屋が納付するため、20円分だけ納付すれば良いという仕組みが仕入税額控除にあたります。

【スーパーマーケットが国に納める消費税】
課税売上に係る消費税額 ー 課税仕入等に係る消費税額 = 消費税額
スーパーマーケット 売り上げ:1,000円+消費税(1):100円
魚屋    売り上げ: 800円+消費税(2): 80円
消費税(1)100円 ー 消費税(2)80円 = 20円

「消費税のあらまし(令和5年6月)」(国税庁)

P.3より
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インボイス制度とは?

先述したように、年間売り上げが1,000万円以下のフリーランスは、原則として消費税の納税義務はありません。しかしインボイス制度下では、課税業者であるクライアントが「仕入税額控除」を利用するためには、適格請求書(インボイス)の保存が必要になります。

この適格請求書を発行できるのは、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行業者」のみで、この登録ができるのは「課税事業者のみ」です。つまり、これまで免税事業者であったフリーランスも、消費税を納める課税事業者になる必要があります。

インボイスは、「売り手が買い手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」です。例えば、非課税業者(免税事業者)の売り手が消費税込みの価格を請求したにも関わらず、消費税を支払わなかったとしましょう。すると課税事業者である買い手だけが、仕入税額控除がされたと思っている消費税額だけを支払うことになり、本来納めるべき消費税が納められていないという状態が生じてしまいます。

先ほどの、スーパーマーケット(買い手)と魚屋(売り手)の例で考えてみましょう。お互いが課税業者であった場合、税込み880円で魚を仕入れて税込み1,100円で販売したスーパーマーケットは、仕入税額控除がされた後の20円だけ納税すれば良いのです。このとき、80円分は魚屋が納付します。

【スーパーマーケットが国に納める消費税】
課税売上に係る消費税額 ー 課税仕入等に係る消費税額 = 消費税額
スーパーマーケット 売り上げ:1,000円+消費税(1):100円
魚屋さん    売り上げ: 800円+消費税(2): 80円
消費税(1)100円 ー 消費税(2)80円 = 20円

【正しく納められている消費税額】
魚屋が納める80円 + スーパーマーケットが納める20円 = トータル100円の消費税

しかし、魚屋(売り手)だけが非課税業者(免税事業者)だとすると、魚屋が支払うべき消費税80円分が納税されないため、スーパーマーケット(買い手)の20円分しか納税されないということになってしまいます。

【正しく納められていない消費税額】
スーパーマーケットが納める20円の消費税だけ
※魚屋が納めるべき80円分が納められていない

この消費税額のズレが生じないために、売り手も課税事業者となって、インボイス制度に対応した請求書でやり取りをすることで“正しく消費税を納めましょう”という取り組みがインボイス制度です。

「適格請求書等保存方式の概要」(国税庁)

P.5より
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売り手(フリーランス側)の影響は?

インボイス制度に対応した適格請求書の発行が必要です。適格請求書に記載するべき項目は後述します。

適格請求書の発行ができるのは、税務署長から登録を受けた“課税事業者のみ”のため、これまで消費税を免税されていたフリーランスも消費税を納めなければいけなくなります。

すべてのフリーランスが課税事業者にならないといけないわけではありません。しかし、インボイス登録をしないと、クライアントからの仕事が依頼されなくなる可能性が高くなります。

フリーランスが免税事業者のままだと、適格請求書の発行ができないためクライアントは「仕入税額控除」を利用することができません。本来であればフリーランスが納めるべき消費税分を、クライアントが支払わなければならなくなり負担が大きくなってしまいます。

「適格請求書等保存方式の概要」(国税庁)

P.5より
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買い手(クライアント側)の影響は?

フリーランス(売り手)からインボイス制度に対応していない請求書を発行されると、「仕入税額控除」が利用できなくなります。仕入税額控除ができなければ、本来フリーランス側が支払うべき消費税を負担しなければいけなくなります。

また、フリーランスが“インボイス制度に登録している課税事業者であるか”、発行されている適格請求書は正しい記載がされているかなどのチェックが必要です。

適格請求書は買い手であるクライアント側が作成したものでも良いとされているため、フリーランスから作成してもらうのではなく、買い手側で発行するところもあるでしょう。

フリーランスが必要なインボイス制度の準備

すべての事業者やフリーランスが、自動的に適格請求書発行事業者になるわけではありません。税務署への申告や、その後の事業活動の中で発行される適格請求書に関する準備が必要です。適格事業者となるために必要な手続きをよく確認しておきましょう。

・税務署への登録申請
適格請求書発行事業者になるためには、税務署への登録が必要です。

詳細や登録申請書のダウンロードについては、国税庁の公式ホームページを確認してみてください。

・クライアントへ登録番号の通知
インボイスの登録番号を、クライアントへ通知する必要があります。登録番号は、税務署長の登録を受けた場合に事業者に通知されます。登録番号は、以下のような構成になっています。
法人番号を有する課税事業者:「T」(ローマ字) + 法人番号(数字13桁)
上記以外の課税事業者(個人事業者、人格のない社団等):「T」(ローマ字) + 数字13桁(注)
(注)13桁の数字には、マイナンバー(個人番号)は用いず、法人番号とも重複しない事業者ごとの番号になります。

・適格請求書の準備
適格請求書とは、次の項目が記載された書類やデータのことです。

【適格請求書の記載項目】
・適格請求書を発行する事業者(自分)の氏名または名称、および登録番号
・適格請求書を送付する相手(クライアントや顧客)の氏名または名称
・取引年月日
・軽減税率の対象品目が分かるようにした取引内容
・税率ごとの合計請求額と適用税率
・消費税額(端数処理はインボイス当たり税率ごとに1回ずつ)

買い手が作成した仕入明細書等による対応もできるため、クライアントが準備する可能性もあります。インボイス登録をすると決めたら、すぐにクライアントに確認してみるのも良いかもしれません。

「D1-64 適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)」(国税庁)

「インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答」(財務省)

P.13より
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「登録番号とは」(国税庁)

「令和5年10月1日から消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます」(国税庁)

P.2より

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フリーランスが消費税を払うのは、売り上げ1,000万円を超えてから!

フリーランスが消費税を納めなくてはならないのは、原則として売り上げ1,000万円を超えてからです。フリーランスになったばかりなら、消費税のことで悩むよりも、まずは売り上げアップを目指しましょう。

ただし、2023年から始まったインボイス制度に登録して、正しく消費税を支払うのであれば準備が必要です。手続きに抜けや漏れがないように丁寧に準備しておきましょう。

また、フリーランスになる際には「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」いわゆる開業届を出さなくてはいけません。年間所得が48万円を超えたら確定申告も必要になります。これらは消費税とは関係なくやらなければならないことです。忘れてしまうと、本来納めるべき納税額よりも多く納めることにもなりかねません。

フリーランスの確定申告に関しては、こちらの記事が参考になります。確定申告は少し複雑で面倒ですが、いつ、何をしなければいけないのかだけは把握しておきましょう。

「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(国税庁)

こちらもおススメ!
こちらの記事では、確定申告について解説しています。

「フリーランスの確定申告はいくらから?確定申告をしないとどうなる?」

<監修>
村上 年範さん/クレディ・テック株式会社 代表取締役
金融商品や不動産を活用した経営コンサルティングを得意とし、前職のプルデンシャル生命保険株式会社在籍時より担当したクライアント数は年間200社にのぼる。2013年クレディテック株式会社設立。金融と不動産を軸とし、税務・法務の観点から知識提供を行う、資産形成および財務のコンサルティングサービスを展開。海外不動産についても強いコネクションと発信力を持ち、これまでの取扱高は150MM以上。現在、「幻冬舎GOLD ONLINE」にて、幅広い資産形成ノウハウを連載中。【村上年範 運営】金融・不動産にまつわるYoutubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCDq3bojqCvTnRXKu7Aur_Kg

<文/ちはる>

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