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個人事業主が意識しておくべき貯金と節税について

個人事業主が意識しておくべき貯金と節税について

個人事業主で仕事を始めたら、最初に考えておいたほうが良いこと。

それは、事業計画と一緒に事業と個人のマネープランを立てることです。

創業当初は、継続的に売上を確保することも難しく、お金のやりくりが大変かもしれません。

だからこそ、できるだけ早めに計画を立ててお金の備えておくことが大切です。

自営業のライフプラン

自営業者の公的年金はいくらでしょうか。

会社員、公務員として、厚生年金の加入期間がある人は厚生年金がプラスになりますが、公的年金は基本的に国民年金だけになります。

2018年の基準でひと月あたり65千円、2カ月置きに2カ月分が振り込まれます。

これで生活費は大丈夫でしょうか。

個人事業主は、定年がないため元気なうちは幾つになっても働くことができ、年金がなくても大丈夫と思っている方も多いかもしれません。

しかし、事業環境の悪化や個人事業主の健康上の問題や、家族の看護や介護が必要になるなど、事業の継続を阻む要因は多くあります。

会社員や公務員であれば、休職制度や傷病手当金を受け取ることもできます。

残念ながら、個人事業主には、このような保証は一切ありません。全て自己責任になります。

どんなリスクがあるか、あらかじめ想定した上で、個人事業主に役立つ蓄財方法について紹介します。

リスクに備える

事業が継続できないリスク

個人事業主本人の病気・ケガや家族の看護・介護で事業が継続できない場合のリスクです。

本人の病気・ケガについては、医療・がん保険、傷害保険もしくは収入保障保険などで備えることもできますが、あくまでも病気の治療費や一時的な収入減少を補うための保険です。

あってはならないことですが、1カ月、3カ月、半年、仕事ができない場合も考えておきましょう。

1.資金繰りのリスク

事業がある程度、順調に進んでいても思わぬ落とし穴があります。

売上は上がっていても回収が遅れ、お金が回らなくなる資金繰りのリスクです。

これは、現金決済でないB-to-Bの事業でよく起こります。

売り上げた商品を納品後、請求書を発行し、翌月もしくは条件によっては3カ月後や手形決済という場合もあります。

もし、仕入れた商品の支払いが同じように1カ月後や3カ月後なら大きな問題はないかもしれませんが、現金仕入れや仕入れ後、短期間で支払いする条件になっている場合は、売上が上がっていても支払いや給与払いができない、黒字倒産になる場合もあるかもしれません。

これらは、個人事業主に起こりうるリスクの一例ですが、どんな場合でも頼りになるのは現金預金です。

上記のリスクに対応できる個人事業主に最適な蓄財方法があります。

2.小規模企業共済

“小規模企業共済”は、個人事業主など小規模企業の経営者のための“退職金制度”です。

小規模事業者の経営者が国民年金に加えて老後資金を準備することを目的に、国の機関である中小機構が運営しています。

退職後に備えて長期積立するのに最適な制度で、毎月千円〜7万円の掛金を積み立て、一定の年齢に達した時、または廃業時に受け取る事ができます。

税制メリットもあり、お得で安心な制度です。

小規模企業共済は経営者のための退職金制度のため、下記の老後に備える目的にも合致していますが、一般的な年金・貯金とは異なる機能があります。

これは、解約手当金の95%を上限として借入できる一時貸付金制度です。

借入利息の金利は、理由により異なりますが、0.9%から1%と、一般の事業用の貸付に比べると非常に低金利です。

解約手当金の95%以内という制限はあるものの、手続きも簡単です。

万一の資金不足に備える事ができるので、まず、第一に検討すると良いでしょう。

また、規模企業共済は、個人事業主の個人の積立ですが、一般の預貯金とは違い、節税効果が大きいのも特徴です。

年間積立の全額が非課税扱いになり、課税所得から控除されます。

例えば、年間上限の7万円を積立していると、年間の課税所得が7万円x12カ月控除されるので、課税対象の利益が84万円少なくなり、大きな節税効果があります。

また、受け取り時にも、退職所得や公的年金と同じように非課税枠が大きいため、受け取り時の税負担も最低限と言えます。

退職金積立のつもりで、毎月コツコツと長期に渡り積立をすることで、退職後だけでなく、一時的に働けない場合の備えとすることができます。

実際に退職の計画はなくても、65歳で退職という前提で退職金の目標額を定め、しっかり準備しておきましょう。

老後に備える

1.個人型確定拠出年金(iDeCoイデコ)

公的年金を補完する個人年金の準備を推進するため、国が力を入れている年金制度です。

個人事業主が、金融機関で個人型確定拠出年金の口座を設けます。

60歳まで毎月一定の掛け金を積立て、投資信託などの金融商品を選んで運用します。

60歳以降、または事業を廃止した時に、運用した資産を受け取ることができます。

個人事業主は、国民年金基金と合わせて、月額6万8千円を上限として積立てることができます。

また、確定拠出年金以外にも、公的年金を補完する制度として、国民年金基金があります。

2.国民年金基金

国民年金の受取額を増やすために、任意で加入できる国民年金に上乗せして積立できる公的年金制度です。

終身年金のA型、B型のどちらかに加入することが条件で、さらに各タイプの確定年金の加入口数を追加できます。

小規模企業共済と国民年金基金の大きな違いは、自分で運用するかしないかです。

なお、上記の2つはいずれも個人で積立てるものです。個人事業の経費にすることはできませんが、個人事業主の自助努力を応援する国の制度のため、様々な税制優遇を受けることができるのです。

個人事業主でも、節税しながら退職金を貯めることができます。

ただし、年金という性格上、60歳まで積立をやめることはできません。

無理のない金額で長く続けること、ライフプランと合わせて、いくら準備すればいいかを考え、確実に積立てる事が重要です。

3.つみたてNISA

つみたてNISAは、確定拠出年金と同様、投資信託に積立てるものです。

こちらは、年間40万円まで、最長20年間積立てる事ができます。

特徴は、運用利益が非課税となることで、年間40万円x20年間で最大800万円の投資を非課税で行う事ができます。

一般の預貯金は、低金利な上、運用利益は利子所得として、約20%長の税金がかかります。

つみたてNISAは、運用益が非課税のため、長期的な積立をする場合は税制面で有利です。

こちらも老後資金として積立てることができますが、確定拠出年金との違いは、いつでも解約できる点です。

まとめ

以上、個人事業主の事業リスクに備える貯蓄方法についてまとめました。

個人事業主で事業を始めたときは、事業の継続と生活資金を確保するだけで精一杯かもしれません。

しかし、人生100年時代、いつまでも事業を継続できるわけではないのです。

ご紹介した中で、“確定拠出年金iDeCo”と“つみたてNISA”は、元本が保証されたものではありません。

ただし、長期的な積立方法としては、リスクを軽減する効果があり、税制優遇の効果も大きい商品です。

低金利の預貯金だけでなく、運用という視点でも節税効果の高い積立方法を使って、長期的な財政基盤を固めることを考えるといいでしょう。

PROFILE

経営コンサルタント 奥野美代子

外資系の高級消費財ブランドで、日本進出の子会社立ち上げから26年間、マーケティングマネジャーとして、ブランドPR、販売促進、店舗開発、リテール支援を行うなど幅広い経験を持ちます。
独立後は、中小企業診断士とFPのノウハウを生かし、経営者の法人と個人の財務コンサルティングやリスクマネジメント、事業計画策定、マーケティング支援など幅広い支援を行っています。

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