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【290万円】個人事業主が確定申告で控除できる税金について

個人事業主は、毎年確定申告を行い、税金を納めます。支払う税金は基本的に、所得税、住民税、および個人事業税の3種類です。

また、開業から2年以上経過し、課税売上が1,000万円を超える場合、消費税を納付する必要があります。

税金は、収入額に直接課税されるものではありません。税額を計算する際、一定金額を控除することができます。

今回は、個人事業主が確定申告で控除できる税金についてご紹介いたします。

税金の控除とは

税金の控除といっても、直接、税金が還付されるわけではありません。

例えば、所得税ならば、売上から経費を引いて出た事業所得から、一定金額を控除することにより、課税所得を算出します。

所得税額は、この課税所得に税率を乗じ計算するのです。

税金の控除とは、一般的に、課税所得を一定金額控除することで、課税所得を減額することで納める税金の額を少なくできます。

税金は、課税の公平性を保つため、能力に応じて負担する仕組みとなっています。

納税者のさまざまな事情を鑑み、収入に対して税負担が過大にならないよう、税金の控除を行っています。

控除できる税金一覧

所得税や住民税の所得割を計算する際の所得控除は次の通りです。

・基礎控除
納税者は一律、38万円控除することができます。

・配偶者控除
配偶者の所得が38万円以下の場合、配偶者控除が受けられます。

配偶者の年齢が70歳未満の場合、配偶者控除の金額は38万円、70歳以上の場合、48万円です。

・配偶者特別控除
配偶者の所得が38万円超、123万円以下の場合、配偶者特別控除が適用されます。

配偶者特別控除の金額は、配偶者の所得および納税者の所得により異なります。

なお、納税者の所得が1,000万円を超える場合、配偶者控除および配偶者特別控除は受けられません。

・扶養控除
配偶者以外に、生計を一つとする年間所得が38万円以下の扶養親族がいる場合、扶養控除が適用されます。

扶養控除の金額は、扶養親族の年齢により異なり、16歳以上19歳未満の場合は38万円、19歳以上23歳未満の場合は63万円、70歳以上の親族で同居する場合58万円、同居しない場合48万円控除が可能です。

ただし、配偶者控除、配偶者特別控除および扶養控除について、個人事業の専従者として給与の支払いを受けている場合、控除の対象になりません。

・障害者控除
納税者自身、または配偶者、扶養親族が所定の障害者に該当する場合、障害者控除が受けられます。

金額は障害状態などで異なり、27万円、40万円または75万円です。

・寡婦控除、寡夫控除
配偶者と死別または離婚した後、婚姻をしていない場合で、一定条件を満たす場合、寡婦または寡夫控除が受けられます。

寡婦控除の金額は27万円または35万円、寡夫控除の金額は27万円です。

・勤労学生控除
働きながら学校に通う場合など、勤労学生控除が受けられます。

勤労による所得が65万円以下、かつ、勤労以外の所得が10万円以下である場合、27万円の控除を受けることができます。

・社会保険料控除
国民健康保険や国民年金、社会保険料を支払った場合、その年の掛金全額の控除が可能です。

・小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済や確定拠出年金の掛金などを支払った場合、その年の掛金全額を控除することができます。

・生命保険料控除
一定条件を満たす生命保険や医療・介護保険、個人年金の掛金を支払った場合、掛金の一定金額(最大12万円)の控除が可能です。

・地震保険料控除
地震保険の掛金を支払った場合、掛金の一定金額(最大5万円)を控除することができます。

・雑損控除
災害や盗難などにより損害を受けた場合、一定金額の控除が可能です。

控除される金額は次のいずれか大きい金額です。

(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

・医療費控除
納税者、または生計を一つとする配偶者や扶養親族のために支払った医療費について、次の式で計算した金額(最大200万円)を控除することができます。
(実際に支払った医療費の合計額-補填される金額)-10万円

・寄附金控除
国や地方公共団体などへ「特定寄附金」を支払った場合、寄附金控除が受けられます。

控除される金額は次のいずれか少ない金額です。

「特定寄附金」の合計額-2千円
総所得の40%-2千円

・青色申告特別控除
青色申告を行っている事業者で、簡易簿記を行っている場合は10万円、複式簿記を行っている場合は65万円の控除が受けられます。

なお、個人事業税を計算する際の控除は次の通りです。

・事業主控除
1年間、個人事業を行っている場合、一律290万円の控除が受けられます。

事業を行っている期間が1年に満たない場合、月割りにより控除が受けられます。

まとめ

今回は、個人事業主が受けられる税金の控除についてご紹介しました。より詳しい情報は国税庁のホームページで確認できます。

ぜひご参照ください。

PROFILE

ファイナンシャルプランナー 富田 浩司

ゴールドマン・サックス証券などの勤務を経て2007年に富田FP事務所を設立。主に、子育て世帯のマネープランをテーマに、講演、執筆活動などを行い、金融リテラシー向上に努める一方、FP相談では本音で話し、本気でサポートするFPとして、多数の顧客から支持を得ている。
<コンサルティングの得意分野>
ライフプラン(マネープラン)、子育て・教育資金、長期分散投資、保険新規見直し、不動産購入・不動産投資、節約経費削減、法人税金対策

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経済のグローバル化や産業構造変化の高速化が進む経営環境において、事業規模の拡大による事業競争力の強化や、新市場の開拓などを目的としたM&A投資が増加しています。

ここでは、投資として考えた時のM&Aについて解説します。

M&Aと株式投資の違い

M&Aも株式投資も、ともに企業の株式を取得するという形での投資ですが、「直接ビジネスに関与するのか、しないのか」という点で異なります。

M&Aが目指すのは、特定の企業や事業を買収したあとに、買収先の経営に積極的に関与し業績を向上させることで、企業や事業の価値を高め、株価の上昇による時価総額の向上をはかることです。

株式投資の場合は、株式を購入するという方法で特定の企業に事業資金を提供し、業績が向上することによる配当額の増加を期待します。

M&Aでの投資のやり方

M&Aに関しては、買収、合併、分割、資本提携という4つの分類があり、その中の買収が、M&A投資としての意味合いを持ちます。

・買収
買い手側が売り手側の事業を買い取り、もしくは売り手側の経営権を取得する方法でM&Aを実施すること

・合併
複数の企業を一つに合体させる方法でM&Aを実施すること

・分割
事業に関する権利や義務などを新たに設立する企業や事業に引き継がせる方法でM&Aを実施すること

・資本提携
企業同士が強固な関係を築くことを目的として、いずれかの企業が相手方に対して資本を拠出、もしくは相互に株式を保有し合う形でM&Aを実施すること


買収によるM&Aでは、以下のような方法で株式の取得がおこなわれます。

・売り手側が株式の一部もしくは全部を買い手側に譲渡し、対価を得ることで買い手側に経営権を移行する“株式譲渡”

・買収代金を、現金で支払うのではなく買い手側の株式の一部と売り手側の株式の全部を交換する形で精算する“株式交換”

・売り手側が新規に株式を発行して、新規発行分の株式を買い手側が買い取る“第三者割当増資”

M&Aにおける株価への影響

1.売り手側への影響

買い手側からの評価が高く買収額にプレミアム価格が上乗せされた場合や、買い手側の経営が良好で投資家からの期待が高まった場合は、株価が上昇するケースが多いです。

反面、M&A実施後に買い手側が期待していた事業のシナジー効果が得られなかった場合は、投資家からの期待が低下することで株価が下落することがあります。

2.買い手側への影響

M&Aを実施したことで業績が向上した場合は、投資家からの期待が高まり株価も上昇しますが、業績が伸び悩んだ場合は投資家からの期待が低下し株価も下落します。

また、買収額が買収する企業や事業の正味の価値より著しく高かった場合には、投資家が投資リスクに対する不安を覚えることで株価が下落するケースもあるでしょう。

投資としてのM&Aのメリット

買い手側にとって、次のようなメリットを期待できます。

1.短時間で新規事業へ参入することができる

M&Aを実施することで、新規事業の参入に必要な人員、技術力やノウハウ、ブランドや販売市場などの資源を入手することができ、新規事業に参入するまでの時間を短縮化することができます。

それにより、販売機会の逸失リスクを減らすことが可能となります。

2.新規事業の不確実性に伴うビジネスリスクを回避できる

既に存在する新規事業の参入に必要な資源を活用することで、新規事業の不確実性に伴うビジネスリスクを回避することができます。

3.新規事業参入時の障壁課題を回避できる

M&Aを実施することで、新規事業の実施に必要な許認可や特許使用許諾の取得をおこなう必要がなくなるため、新規事業参入時の障壁課題を回避することが可能となります。

4.既存事業との相乗効果を得ることができる

M&Aにより新たに手に入れた事業と自社の既存事業との連動をはかることで、市場におけるシェアや事業活動エリアの拡大、製品の分野数やアイテム数の増加、サービスの拡充などといった相乗効果を得ることができます。

投資としてのM&Aのデメリット

買い手側にとって、次のようなデメリットの発生が想定されます。

1.期待していた事業成果を得られないことが財務面に悪影響を及ぼす

M&Aの実施に伴う投資を、M&A実施後に獲得する事業成果の中から回収していくことを買い手側は期待していますが、期待どおりの事業成果を得ることができなかった場合は財務面への悪影響が生じてしまいます。

2.買収した企業の人材が流出してしまう

M&Aの実施による経営方針や組織の風土、雇用の条件などが変わってしまうことが原因で、買収企業に在籍していた優秀な人材が辞めてしまうことがあります。

変化が生じることで働きにくくなってしまうと感じるためです。

3.想定外の債務発覚が財務面に悪影響を及ぼす

M&Aを実施したあとに、買収企業に簿外債務や訴訟リスクが存在していたことが明るみに出ることがあります。

その場合、会計上の減損処理をおこなわなければならないほど、財務面への悪影響が生じてしまうので注意しましょう。

まとめ

M&Aは、既存の事業や資源を手に入れることで投資としての確実性や高い投資効果を期待することができる反面、投資が高額化することによる財務面への悪影響を引き起こすリスクも存在します。

M&A投資をおこなう際は、M&A実施後の事業戦略を明確にしたうえで、買収企業の査定(デューデリジェンス)を綿密に実施することが求められるのです。

PROFILE

大庭経営労務相談所 所長 大庭真一郎

東京生まれ。
東京理科大学卒業後、民間企業勤務を経て、1995年4月大庭経営労務相談所を設立。
「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心として、企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。中小企業診断士、社会保険労務士。

2019年7月17日

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