【この記事を読んでわかること】
- 中古車販売に失敗する理由
- 失敗するフランチャイズオーナーの特徴
- 失敗しないための注目ポイント
車が好きな方の中には、中古車販売に携わりたいと感じる方もいるかもしれません。しかし、フランチャイズに加盟して開業する中古車販売はうさんくさいといわれてしまうことも…。本記事では、フランチャイズの中古車販売で失敗する理由や失敗する人の特徴、失敗しないためのポイントを解説していきます。
中古車販売市場の動向
2023年度の中古車販売市場は3.9兆円と過去最高でした。近年、中古車販売には安定したニーズがある上、新車生産の遅れなどの背景もあり中古車の需要はさらに高まっています。
参照：リクルート｜中古車購入実態調査2023 中古車市場規模が前年より増加の3兆9062億円に
”中古車販売＝うさんくさい”？？中古車販売の独立で失敗する理由
活況といわれる中古車市場でも、資金繰りが上手くいかずに廃業、つまり失敗するケースは多々あります。中古車販売の独立で失敗してしまう理由としては主に以下の4つがあげられます。
それぞれの失敗理由について、詳しく解説していきます。
資金が足りない
中古車販売の事業で独立して失敗してしまう1つ目の理由は資金が足りないからです。
上記の通り、中古車市場全体は活況なため、中古車そのものの仕入れ価格が上昇しています。しかし競合も多いため、大幅に高い額で中古車の販売ができない状態が続いています。
仕入れコストに利益を上乗せした額で取引ができないと赤字になってしまうだけでなく、売れなければそのまま手元に負債として残ってしまいます。
信頼が得られない
中古車販売の事業で独立して失敗してしまう2つ目の理由は信頼が得られないからです。
中古とはいえ、車の販売は高い買い物です。そのため、中古車を販売してくれる仕入れ業者と購入してくれる顧客の双方から信頼を得られなければ、中古車を買うことも売ることもできず、取引ができません。
ましてや個人で中古車販売の事業を始めようと思っても、知名度はおろか社会的信頼もありません。ゼロから信用を獲得していくのは難しく、そもそも取引ができる状態に持っていくことすらままならない可能性があります。
詐欺に遭ってしまう
中古車販売の事業で独立して失敗してしまう3つ目の理由は、詐欺に遭ってしまうからです。
前述のとおり、安心して中古車の仕入れ業者と取引を行うためには、信頼の獲得が必要不可欠です。個人で信頼を獲得するためには、取引を実直に繰り返し行っていくしかありません。
しかし、早く事業を大きくしようと焦って仕入れ業者を見極めずに取引をしてしまうと、誤って詐欺に引っかかってしまうこともありえます。さらには知らないうちに反社会的組織の資金洗浄に使われてしまい犯罪に巻き込まれてしまうリスクもあります。
どんな相手と取引をするのかは、十分に吟味して行うようにしましょう。
コミュニケーションや人付き合いが苦手でビジネスチャンスを逃してしまう
中古車販売の事業で独立して失敗してしまう4つ目の理由は、コミュニケーションや人付き合いが苦手でビジネスチャンスを逃してしまうからです。
仕入れ先と顧客の双方と信頼関係の構築が必要な中古車販売の仕事では、コミュニケーションを取ったり、人付き合いを円滑に行ったりすることが重要です。
また、フランチャイズに加盟することで本部から仕入れルートを紹介されたり、集客の恩恵を受けることはできますが、その効果を継続させられるかどうかは加盟者の努力によります。
ここでコミュニケーションや人付き合いが苦手な側面が出てきてしまうと、せっかくのビジネスチャンスを逃し、事業の継続にも影響が出てきてしまいます。
フランチャイズの中古車販売で失敗する人の特徴
フランチャイズの中古車販売で失敗してしまう人には、以下のような共通した特徴があります。
それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。
本部を信頼しきっていない
フランチャイズに加盟して中古車販売の事業を開業して失敗してしまう人の1つ目の特徴は、本部を信頼しきっていない人です。
フランチャイズで成功するためには、いかに本部の経営方針に共感し、確立された経営のノウハウに乗っかれるかが重要なポイントとなります。
本部を信用できていないと、せっかく提示してもらえたノウハウも十分に活用しきれず、成功のための策を立てきれなくなってしまいます。
なるべくたくさんのフランチャイズを比較検討し、自分が信用できる本部を見つけられるようにしましょう。
連絡をまめに行わない
フランチャイズに加盟して中古車販売の事業を開業して失敗してしまう人の2つ目の特徴は、連絡をまめに行わない人です。
フランチャイズに加盟すると、本部のブランド力を使ったり、ノウハウを提示してもらったりするための対価としてロイヤリティを毎月支払います。
ロイヤリティを払う以上、その分のサポートは余すことなく受けておきたいものです。本部のサポートをいかに余すことなく受けられるかで吸収できる知識やスキルにも差が出てきます。
また、現状を共有するためにも積極的に本部と連絡を取り合い、どこに課題があるのか、どのように解決して成功に導くべきなのかをともに探ってもらいましょう。
本部としても連絡がないと状況が把握できず、成功のためにどのようなサポートをするべきか判断できなくなってしまいます。
本部に頼りきりになっている
フランチャイズに加盟して中古車販売の事業を開業して失敗してしまう人の3つ目の特徴は、本部に頼りきりになっている人です。
本部を信用できないのも失敗の原因になりますが、頼りきりになるのも失敗につながります。本部の恩恵が受けられる点においては思い切り頼るべきです。
しかし、現場に立ち最前線でお客様と関わりを持っているのはオーナーです。そのため、本部の戦略に頼りきって判断が遅れたり、現場が求めている情報と合っておらず誤った行動をとってしまったりするリスクがあります。
店舗のオーナーとして、運営のために何が必要で、何が不要なのかきちんと取捨選択ができるようにしましょう。
販売員の育成ができない
フランチャイズに加盟して中古車販売の事業を開業して失敗してしまう人の4つ目の特徴は、販売員の育成ができない人です。
本部のサポートがあるとはいえ、販売員の育成はオーナーが責任を持って進めなくてはいけません。マニュアルは本部が用意してくれますが、それについての周知や教育、モチベーションの維持はオーナーの仕事です。
本部主催の研修が実施されるのであれば積極的に送り出すなど、販売員全員が最新の情報をインプットできているか、モチベーション高く業務に当たれているかなどは注意深く観察しましょう。
フランチャイズ加盟で中古車販売を失敗しない！注目ポイント3選
フランチャイズに加盟して中古車販売店を開業し、失敗しない経営をするためには、以下の3つのポイントに注意する必要があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
十分な資金調達
フランチャイズの中古車販売店の経営に失敗しないためには、十分な資金調達をしておかなくてはいけません。
中古車の仕入れには大きな金額が必要です。また、開業費用以外にも、思うように事業が伸びなかったときのための生活費や運転資金を最低でも6ヵ月分は用意しておきましょう。
手元にある資金に余裕があるだけで、中長期的な目線で経営に取り組めるようになります。
情報収集は欠かさない
中古車販売に関わらず、経営で失敗しないためには情報収集は欠かせません。
特に中古車市場はクローズドな市場です。そのため、積極的な情報収集が重要になります。
フランチャイズに加盟することで自力で情報収集するためのルートがなくても、本部や他の加盟者など情報収集しやすい環境に身を置けます。気になることは積極的に質問し、解決していきましょう。そうすることで、知見が広がり、経営に対する能力も向上するでしょう。
信頼できる本部を探し出す
フランチャイズは良くも悪くもブランド力があるため、他店舗の風評被害に遭ってしまうリスクとは常に隣り合わせの状態であることを意識しておきましょう。
フランチャイズ本部を選ぶ際には「利益を上げられる」だけではなくリスクの低い会社がどこなのかにも焦点を当てて比較検討してみることをおすすめします。
財務・法務的にクリーンな会社か、従業員や加盟店、近隣住民からの評価はどうか、会社の理念に共感できるか、信頼できるかなど、契約前にあらゆる角度から確認するようにしましょう。「法務審査を行っている情報サイト」を利用して本部探しをするのも、ポイントです。
中古車販売で失敗しない秘訣とは？ フランチャイズで中古車販売を成功させた先輩オーナーの声を紹介
中古車販売で失敗しないためにも、先輩オーナーたちの声に耳を傾けてみることが重要です。先輩オーナーの声を2つご紹介していきます。
営業開始以来、右肩上がりで売上を伸ばし続けている辻本 吉輝さん
ディーラーで働いていた辻本さんは、いつか自分で買取系の事業で独立したいと考えていました。しかし、中古車販売は車を置いておくための広い敷地が必要など、イメージしているものとはかけ離れていたそうです。
そんなときに見つけたハッピーカーズは大きな店舗や敷地も必要がなく、スマホ1台で始められる点に惹かれたそうです。自分がどのような形で事業を展開していきたいのかが見えていたからこそ、自分に合ったビジネスモデルのフランチャイズが見つけられたのでしょう。
手頃な開業資金とスマホ1台、 そこに自分の査定経験をプラスして開業した小貝 竜也さん
自動車の査定経験が10年間ある小貝さんにとって、楽天カーオークションの仕事はピッタリでした。自分の経験を活かせることはもちろん、個人がネットでオークションに参加して中古車を在庫として引き取らない仕組みも画期的で将来性を感じたようです。
まとめ
中古車販売にはうさんくさいイメージがある方も多いかもしれません。
しかし、失敗しないポイントを押さえて真剣に事業と向き合えれば、中古車販売は怖いものでもうさんくさいものでもありません。
新規参入が難しい中古車販売でも、フランチャイズに加盟することで本部の知名度やブランド力、ノウハウを活かせるため、競合と戦っていけるでしょう。
＜文／ちはる＞