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自営業の年収=サラリーマンの年収ではない?自営業の年収の隠れたカラクリとは

2017年11月14日

年収とは、1年間の収入のことですが、自営業とサラリーマンでは単純に数字の比較はできません。
例えば、自営業の年収が1,000万円で、サラリーマンの年収が500万円の場合、単純に比較すれば、「自営業の方か儲かっている」となるでしょう。

しかし、本当にそうでしょうか?
個人事業主の場合、年収が1,000万円あったとしても、仕入れ代金や経費で赤字になるケースもあります。
そうなると年収の少ないサラリーマンの方が儲かっていることになります。

なぜこのようなことになるのでしょうか?
ここでは、それを説明していきましょう。

自営業者の年収と手取りとは

例えば、年収1,000万円と聞くと一般的には「結構もうかっているな」ということになるでしょう。

しかし、商品の仕入れ代金がないとしても、経費(事務所代、光熱費、人件費、備品代等)が多額にかかれば赤字になってしまい、手取りはゼロです。

赤字のために自分の貯蓄をから事業のためにお金を持ち出ししている場合もあり、特に開業2~3年は赤字になるケースが多いものです。

反対に年収が500万円あったとしても、自宅で仕事をし、1人で事業を行って、経費がほとんどかからなければ、いくら税金や社会保険料(国民年金・健康保険)を支払っても手取りは500万円に近い数字になります。

なので、自営業者の場合は、単純に年収を見て「儲かっている、儲かっていない」とは言えないのが事実です。

サラリーマンの年収と手取り

サラリーマンの年収は、1年間の給与とボーナスを足したものです。
そして、年末に会社からもらう源泉徴収票の「支払金額」です。

つまり、それが会社がその人に支払った総支払額です。

年収から社会保険料や税金が引かれ、その残りが手取りとなります。社会保険料や税金は収入が多くなるほど高くなります。

例えば年収が500万円の場合、家族の人数等によっても異なりますが、だいたい400万円から350万円くらいの手取りになります。
つまり年収がわかればある程度の手取りもわかるのです。

自営業者とサラリーマンの年収の大きな違い

自営業者とサラリーマンの年収の大きな違いとは、何でしょうか?
それは「年収でその人がどれだけ稼いでいるのかがわかるかどうか」です。

サラリーマンの場合は、年収がわかれば社会保険料や税金はほぼ決まっていますので、これくらいもらっているのだろうとすぐに推測できます。

ところが、自営業者の場合は、年収がわかってもどれくらい儲かっているのかはわかりません。

赤字になっているのか黒字になっているのかは、仕入れ代金や経費によって変わってくるからです。

そのために自営業者の場合は、年収を見るのではなく所得で判断をします。

所得とは、年収から仕入れ代金や経費を引いたものです。
この所得から社会保険料控除や扶養控除等を引いた課税所得に対して、税金がかかります。

なので、税金を少しでも安くするために経費を増やして所得を減らしている自営業者もいるほどです。
だから自営業者が「うちは儲かっていない」と言ってもそれが真実かどうかは実際のところわからないのです。

サラリーマンが自営で副業をした場合の驚きの年収とは

自営業者の年収と所得が大きく異なるという説明をしましたが、実はこのカラクリを利用してサラリーマンが税金を安くすることができます。
つまり、自営で副業をしてうまくいかなかった場合、その赤字をサラリーマンの所得から引いて所得を減らすことができるのです。

ただし、会社の年末調整ではなく、自分で確定申告をしなければなりません。

ライターとして報酬をもらったり、自営でネット販売等をしたりした場合、給与ではありませんので、事業所得として申告します。

事業所得ですので売上から経費を引くことができ、赤字となった時には、その数字を給与所得から引くことができるのです。

つまり、年末調整で確定した給与の税金を確定申告によって還付を受けることになります。

給与プラス副業で大きくなった年収ですが、実は大きくなった分だけ税金が増えるのではなく、反対に税金が少なくなる(=還付を受ける)という驚きの結果です。

ただし、副業で儲かっている場合は、当然のことですが、税金も高くなりますので注意が必要です。

まとめ

自営業者とサラリーマンの年収と手取りの違いがある程度わかったかと思います。

サラリーマンの年収や手取りは自分で操作することはできませんが、自営業者の場合は、同じ年収でも経費をたくさん使うかどうかによって手取りは異なってきます。

つまり、経費は全てではありませんが、ある程度自分で操作ができるものなので「高い備品を買う」とか「経費を切り詰める」ということができるのです。

そのため自営業者の年収はほとんど参考にされず、所得で「儲かっているか、儲かっていないか」で判断されます。

自営業者の場合は、所得が非常に重要となりますので、この数字に注目してください。

PROFILE

社会保険労務士 菅田 芳恵

愛知大学法経学部経済学科卒業後、証券会社、銀行、生保、コンサルティング会社勤務後、独立開業。
49歳から2年間で社会保険労務士やファイナンシャルプランナーの資格など7つの資格を取得。
現在は13の資格を活かして、コンサルティングや研修、セミナーの講師、カウンセリング等幅広く行っている。
最近では企業のハラスメントやメンタルヘルスの研修、ワークライフバランスの推進、女性の活躍送信事業等で活躍している。

[保有資格等]
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)、産業カウンセラー、2級福祉住環境コーディネーター、キャリアデベロップメントアドバイザー(CDA)、ハラスメント防止コンサルタント、DCプランナー、知的財産管理技能士、見まもり福祉相談員、三重県金融広報委員会金融広報アドバイザー、あいち産業振興機構相談員、岐阜県産業振興機構相談員、名古屋市中小企業振興センター相談員、名古屋市新事業支援センター相談員

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