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齋藤雄史

会社から独立・開業して個人事業主となる上で、ついつい後回しにしてしまいがちなのが、リスクへの対策です。 会社員であれば、黙っていても会社が書類を用意してくれて、手続きも行ってくれました。一方で、独立すると自分で行うことも増えていくために、誰に聞いたら良いか分からない、とお困りの方も多いのではないでしょうか。 独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 (さらに…)

2019年6月18日

3月15日。 毎年必ず行われる、確定申告の締め切り日です。個人事業主の方にとってはおなじみの日付です。 膨大な領収書の山に翻弄され、税務署に書類を持ち込んだのは締め切りギリギリ…。という方も多かったのではないでしょうか? 独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 (さらに…)

2019年5月30日

独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 今回は、資金調達時の融資を受けるために必要な、創業計画書の項目を1つずつ丁寧に解説していただきます。 「創業計画書をどう書けば良いのわからない!」「そもそも創業計画書ってなに?」と感じている方は、是非参考にしてください。

創業計画書の書き方を徹底解説!

創業計画書とは、日本政策金融公庫から資金調達を受ける際に提出する審査書類のこと。創業計画書はいわば、事業のプロフィールのようなものです。 創業計画書を通じて、融資担当者は「あなたにお金を貸して、返済してもらえるか?」をチェックします。 だからこそ、誠意を持って”あなたの事業をきちんと理解してもらえる”創業計画書を作成していきましょう。 今回は日本政策金融公庫の創業計画書を例に、各項目別に何をどのように記載するのかを解説していきます。 実際に書くときは、公庫のホームぺージから創業計画書のExcel形式のファイルをダウンロードして編集するとよいでしょう。 最初は何回も書き直すことが多いため、手書きよりファイルを編集することをおすすめします。

1.創業の動機

まずは「創業の動機」についてです。あなたが事業を立ち上げるに至った経緯を書きます。 「ただなんとなく事業を立ち上げたい」など、動機がふわっとしている人にお金を貸したくありませんよね? ポイントは「実績となる事実」をおさえておくと、より説得力が増していくということです。 例えば、「不動産会社に勤めていた」→「仕事が評価されて、顧客が付いてきた」→「知識・経験を生かして独立」という流れですと、すでにお客さんがいる状態からスタートしているというのが伝わりますよね。 簡単な例ではありますが、ストーリーを持つことは、とても重要な要素と言えます。

2.経営者の略歴等

略歴についても重要なポイントは「ストーリー」です。”創業の動機”で書いた内容を裏付けるような略歴になっていれば、よりベストですね。 先程の例に合わせると「不動産業を行いたい」→「不動産会社に努めていた」や「宅地建物取引士取得」があると、事業に対する意欲、能力について実績をアピールすることができます。 略歴と言っても、必ずしも出身高校・大学などを書く必要はありません。あなたの事業に直接関係するものを記入できていれば良いでしょう。

3.取扱商品・サービス

取扱商品・サービスでは、ズバリあなたが”誰に””何を”売って売り上げを作るのかを記載します。 ポイントとなるのは、「数字」と「独自性」です。 飲食店の例をあげて考えてみましょう。
例) ①100種類のオリジナルビュッフェ(夜限定)@5,000円 ②スペシャルランチセット(昼限定) @3,000円 ③お土産用セット @1,000円~@5,000円
上記のように料金単価を入れることで、売り上げ計画の裏付けにもなり、説得力が増します。商品やサービスに独自性(セールスポイント)を入れることで、戦略が融資担当者に伝わりやすくなります。 加えて、見込み客があるようでしたら、必ず記載をしておきましょう。この後の「事業の見通し」欄の裏付けにも繋がります。

4.取引先、取り引き関係等

事業における重要な販売先、仕入れ先を記載する箇所になります。重要なポイントとなるのは「具体性」です。 創業当初は信用も少なく、取引先の記入には苦労するかもしれません。 そのため具体的に書けば書くほどプラス材料になる、ということです。 融資担当者の目線に立ってみれば、具体的に仕入れ先・販売先が明記されていて、支払いの条件も整っている。 あとは動かしていくだけの状況が分かれば、高評価につながることは容易に想像できますよね。 ただ創業当初は、販売先・仕入れ先等、具体的に決まってないケースも多いと思いますので、具体名を書くのが難しい場合は、個人や法人と書きましょう(見込み先も可)。 具体的に内容を埋めていくためにも、「取引先との契約条件を整えておくこと」「契約書や発注書など書類を整えて、証拠を作っておくこと」は心がけておきましょう。

5.従業員

創業にあたり、現在の従業員数を記載していく欄になります。※印にもありますように、3カ月以上継続して雇用する予定があれば合わせて記載してきます。 この後「8.事業の見通し」で人件費を記載する箇所がありますので、整合性が取れている必要があります。

6.借入の状況

続いて借り入れの状況欄についてです。ここでは書き漏れに注意が必要です。というのも、創業融資に限らず、融資では信用情報機関への問い合わせが行われるケースがあります。 この問い合わせで、現在あなたには借り入れがどこから、いくらあるのかが分かってしまいます。審査を有利にしようと安易に考えて、隠すことは絶対にやめましょう。 あなた自身が借り入れについて、把握しきれていない場合は、信用情報機関(CICやJICC)に問い合わせてみましょう。利用手数料1,000円で情報を取得することができます。 「携帯代を割賦で購入していて、支払いが遅れていた」など、自分でも状況を把握していないといったケースがよく見受けられます。一度調べておいて損はないでしょう。

7.必要な資金と調達方法

こちらの欄は、「設備資金」「運転資金」「調達方法」の3つを記載していきます。特に重要な項目ですので、しっかりと確認してください。 「設備資金」では、事務所費用や内装費など事業を始めるのに必要な設備を記入していきます。賃貸の敷金や、パソコン、ソフトウエアなども該当します。 「運転資金」は、設備投資以外の費用が該当します。人件費や仕入れ費用など事業運営のために必要な経費を記載していきます。おおよそ3カ月〜4カ月程度の経費を記載していくとよいでしょう。 設備資金も運転資金も、適切な金額を入れていくために、見積書をもらって証拠を取っておきましょう。融資担当者もそれぞれ相場は知っていますので、不適当な金額を入れてしまうと悪印象につながります。 次に資金の調達方法です。ここで注意するのは(調達資金=設備資金+運転資金)になるようにすることです。つまり、「事業をするのに、自己資金だけでは足りないのでこれだけ貸してください」という表になるわけです。 ちなみに、日本政策金融公庫の新創業融資制度では、自己資金は融資額の1/10以上保有していなければなりませんので注意してください。 特に一時的に口座にお金を入れておくという、いわゆる「見せ金」は絶対に行わないようにしましょう。 実際に見せ金でなんとかならないかと相談される方がいらっしゃいますが、通帳の6カ月ほど前分はチェックの対象となります。確実にバレてしまいますので、やめましょう。

8.事業の見通し

最後に事業の見通しについてです。こちらも重要な欄になります。特に事業の見通しについては上記の欄だけでは不十分です。必ず別途資料を用意するようにしましょう。それだけ重要な項目である、ということをご理解ください。 ここで作成するのは、1年分の「売り上げ計画」「費用予測」になります。 ポイントになるのは、「実現可能で、客観的な数字」であること。 売り上げ計画の場合、例えば、飲食店の売り上げ予測であれば、座席数と回転数、平均単価があれば1日の売り上げが測定できます。これに営業日数をかければ、売り上げ予測が立てられます。
売り上げ予測 例) 10席×5回転×1,000円(平均単価)=5万円
参考にする数字には、業界平均値を使用していきましょう。日本政策金融公庫のホームページに掲載されていますので、ご参考までに活用いただければと思います。 日本政策金融公庫|国民生活事業 そして最後に利益となる部分です。この利益となる部分が、毎月の返済額を下回っていると融資を受けることはできません。 その他、納税資金や個人の場合にはご自身の生活費も考慮した上で「無理なく返済ができる計画ですよ」ということを示していきましょう。

まとめ

今回は日本政策金融公庫の創業計画書を例に取り上げて、書き方・ポイントについて順序立てて解説してきました。 商品やサービスの説明、事業の見通しについては、創業計画書のフォーマットのみで伝えきるのはなかなか難しいのではないかと思います。必ず別途資料を作成しましょう。 これまで紹介してきたように、創業計画書はいかに「自分の事業を相手に理解してもらえるか」がとても重要になります。 様々な資料や情報、数字を使うため、煩雑で面倒に感じられる方も多いかもしれませんが、全ては自分の事業を応援してもらうための準備です。根気よくがんばっていきましょう。
<プロフィール> 齋藤雄史さん 税理士/公認会計士 宮城県仙台市出身。 高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。 合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。 法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。 ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

2018年12月28日

「起業したいけど、お金をどうやって準備したらよいのか」 「起業するには、いったいいくら必要なのか」 独立・起業に関して考えるべきポイントはいくつかありますが、1番頭を抱えるのはやはり「お金」に関する悩みではないでしょうか。 前回からスタートした「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 このシリーズでは、前回アントレ STYLE MAGAZINEに登場していただいた税理士の齋藤雄史先生にお金という側面から、起業に必要な知識を解説していただきます。 第2回は、起業時におすすめの資金調達方法について解説していただきました。 これを知っているか知らないかで、事業拡大に大きな差が生まれるようです。 「自分(自社)に最適な資金調達方法ってなんだろう? そもそもどんな資金調達方法があるのだろう?」と考えている方は、ぜひ御覧ください!
税理士が教えるお金と起業シリーズ、第1弾記事はコチラから! お金がなくても起業できる? 起業に必要な3つの知識【税理士が教えるお金と起業①】

起業してすぐの資金調達方法なら「日本政策金融公庫」一択!

税理士の仕事をしていて、お客さまから受ける相談の中でダントツに多いのが、創業時における資金調達に関する相談です。 創業時は事業をした経験も実績もない上に、資金調達した経験もないという方がほとんどです。今では上場している会社を経営している社長でも、創業時は「資金調達で苦労した」というお話もよく耳にします。 「資金調達」と一口でいっても、その方法はいくつもあります。 例えば、銀行での融資や会社からの投資といった出資。また国が行っている、補助金・助成金も広い意味で資金調達といっても良いでしょう。 自分の貯金(ポケットマネー)でと考えている方も多いかもしれませんが、借り入れや出資などをうまく使って資金を調達することで、早い段階で事業を拡大できるかもしれません。 また事業開始時は予定外の出費が増えたり、売り上げが順調に伸びなかったりといったトラブルもよくあります。 そんなときに手元に資金がないと、事業はあっという間に成り立たなくなってしまいます。 もしもの時のために、ある程度の資金を備えておくことが重要です。 では、起業直後におすすめする資金調達方法は何か。 私が多くの方におすすめしているのが「日本政策金融公庫」からの融資です。

日本政策金融公庫だからできること。税理士が太鼓判を押す、3つの理由

日本政策金融公庫とは、国の政策のもと民間金融機関の補完を目的とし、社会のニーズに対応して政策金融を機動的に実施する、金融機関です。 ここでは、なぜ私が日本政策金融公庫をおすすめしているのか、その理由を列挙していきます。

①他金融機関と比べて、融資を受けやすい

正直ここに尽きます。 起業したばかりで、会社(や個人)そのものに信用力があまりない場合、他の金融機関では融資が難しい場合でも、日本政策金融公庫でなら積極的に支援してもらえます。(もちろん、信用に足る事業なのか審査はありますが) 日本政策金融公庫でしかないような、魅力的な制度も多数あります。例えば「新創業融資制度」。これは新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方に、無担保・無保証人で利用できる制度です。 政府系金融機関だからこそできる施策ですね。

②長期借り入れや資金計画を立てられる

資金調達方法を選ぶコツは「調達までの期間」「難易度」「調達コスト」「返済の有無」「有の場合は返済期間」という5つの基準を元に考えていきます。 「難易度」に関しては①で紹介したとおりですが、日本政策金融公庫は低金利で貸し出ししてくれますので「調達コスト」も優れています。 また「返済の有無」「有の場合は返済期間」に関しては、融資なので返済しなければなりませんが、長期返済も可能ですので長期的な資金計画が立てられます。 ちなみに「調達までの期間」は、申込みから約1ヵ月程度です。即日融資などはされませんので、ご注意ください。

③事業計画書を、プロの目線で客観的に見てもらえる

事業計画書の作り方を相談することもできます。しかも数多くの事業計画書を見てきたプロに、直接アドバイスもいただけます。 これは融資を受けるための相談ではありますが、自分の立てた事業計画を客観的に評価してもらえる機会でもあります。 事業計画が優れているなら審査も通りやすくなりますし、逆に見通しが甘いなら指摘を受けて再考できる。融資を受ける受けない以前に、事業を軌道に乗せるためのアドバイスが受けられるのはとても貴重な機会です。 以上の理由から、私は日本政策金融公庫からの融資を受けることをおすすめしています。 ここで資金調達のノウハウや実績、返済を通して信用を積み上げてから、他の手段で資金調達し、さらに事業を大きく成長させた方は多くいらっしゃいます。 また融資の申し込みにおいて事業計画書の作成や、公庫の面談等を通じて事業のプレゼン力が格段に上がるでしょう。 そして借り入れしたことにより、良い意味で緊張感をもって事業を取り組むことができます。 起業後にはぜひ日本政策金融公庫からの融資を検討するとよいと思います。融資を受けるか迷っている方は、ぜひ最寄りの支店に一度足を運んでみてください。

事業計画書、自己資金、そして事業への熱意を伝える。融資を成功させるための秘訣

融資を受けるためには、日本政策金融公庫の所定の審査があります。それは書類による審査や、面談です。 いずれも、しっかり審査のポイントを確認し、準備することが大切です。日本政策金融公庫の融資を成功させるためには、以下にあげる3つのポイントがあります。

①事業計画書(創業計画書)を作りこむ

日本政策公庫で融資を受けるにあたり、必須となる書類の1つが事業計画書(創業計画書)です。 事業計画書には、事業を行う代表者や会社の経歴、取引先、人員計画、資金計画、収支見込といった項目で構成されます。 ちょうど転職活動における採用面接の、履歴書に近いものと考えるとよいでしょう。 あなたの事業計画書は、審査においても重要な判断材料の1つになることは間違いありません。 とはいえいきなり「事業計画書を作る」といっても、記入方法や記載するべきポイントは分からないものです。 融資担当者が事業計画書の何を見ているのか、そのポイントについては次回詳しくお伝えすることにしますね。

②自己資金を貯める

自己資金とは、事業を立ち上げる人が借り入れ以外に自分で用意した資金のことを言います。 借り入れの審査では必要な資金全体のうち、自己資金をどれだけ用意したか、という「自己資金割合」が重要な指標となります。 起業に向けて資金をコツコツ貯めたのであれば自己資金の割合が大きくなり、それだけ事業に対して本気であるということをアピールする材料となるのです。 ちなみに審査では、資金を貯めてある通帳の原本を確認されますので、見せ金は通用しません。ご注意ください。

③事業への熱意・情熱を伝える

最後は、事業への熱意・情熱です。 日本政策金融公庫の審査には面談があります。事業計画書など、書面では表すことのできない事業への熱い想いを、融資担当者へアピールする場とも言えます。 融資担当者とはいえ、相手は人間です。熱意や志を持って事業を立ち上げようと思っている人は、それだけで応援したくなるものです。 私も多くの方の融資サポートをしてきましたが、熱意と情熱がある方はやはり心から応援したくなりますね。 以上が、日本政策金融公庫で融資を受けるためのポイントになります。 次回は「事業計画書」について詳しく解説していきますので、楽しみにしていてください。
<プロフィール> 齋藤雄史さん 税理士/公認会計士 宮城県仙台市出身。 高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。 合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。 法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。 ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

2018年11月27日

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