令和5年4月1日より新しい年度がスタートしました。
私も税理士として仕事をする中で「新年度は色々な補助金にチャレンジしたい!」という声をよく耳にします。
https://entrenet.jp/magazine/39826/
そんな方に今回おすすめなのは、「小規模事業者持続化補助金」について。
※以下、「持続化補助金」と言います。
「持続化補助金」は小規模事業者の「販路開拓」を支援してくれる国の補助金制度。
https://r3.jizokukahojokin.info/
「既存の営業力・販売力の維持強化をしたい」「新規顧客の開拓や新しいマーケットに進出したい」と、このような売上アップの取り組みに幅広く活用できる補助金です。
“補助金”のため、原則返済不要となります!
補助金初心者の方に注目する理由は、主に3つにあります!
2.補助額・補助率・採択率が高い!
3.補助金初心者でも安心!商工会等に相談ができる!
名前は聞いたことがある補助金だけど、具体的に何に活用できる補助金かイメージできない方が多いと思います。
また、チャレンジしてみたいけど、手続きが面倒そうで今までずっと躊躇していた、という方も安心してください。
今回は補助金の概要から具体的な申込手順、そして実際の活用事例についてお届けします!
まずは概要をチェック!
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r4/r4_jizoku.pdf
<概要>
小規模事業者等が今後複数年にわたり、相次いで直面する制度変更等に対応するために取り組む販路開拓等の取り組みにおける経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。
本補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、地道な販路開拓等の取り組みや、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。
<スケジュール>
◆第12回
申請募集終了日時:2023年6月1日 ※郵送で申請の場合は当日の消印有効
補助事業実施期間:交付決定日から2024年4月30日(火)
※上記期間内に発注、支払いを完了したもののみが補助金の対象です。交付決定前に発注や支払いをしないように注意しましょう。
◆第13回
申請募集終了日時:2023年9月7日(木)
補助事業実施期間:交付決定日~2024年7月31日(水)
<補助上限>
[通常枠] 50万円
[特別枠]200万円(賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠)
インボイス特例(新設):「通常枠」or[特別枠」+50万円
※インボイス特例の要件を満たしている場合は、上記補助金限度額に50万円を上乗せ
よって、最大250万円の補助金の受給可能性があります!
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_guidebook_ver7.pdf
<補助率>
2/3(「賃金引上げ枠」のうち赤字事業者については3/4)
<対象経費>
補助対象経費科目の細かい説明をみたい方は、補助金事務局「公募要領」を御覧下さい。
この補助金は、ウェブサイトの構築や更新に係る経費や、臨時に雇用したアルバイトの人件費など、幅広い経費が認められています!
汎用性が高く、目的外となるようなもの(車やパソコン等)は補助対象外となります。
その点は、注意しましょう!
注目のポイント
①多くの事業者が活用できる!
補助金の補助対象者は、法人、個人事業主等が対象です。
さらに、次の3つをクリアしているか確認しましょう!
2.受付締切日の前10ヶ月以内に持続化補助金を利用していないこと
3.直近過去3年分において課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
従業員数の規定は、下記を参照下さい。
補助金事務局:公募要領より
従業員を雇用していない法人や個人事業主の方も対象です!
また個人事業主(会社員だけど開業届出を提出している副業の方も含む)の方も、他の要件を満たしていれば申請OKなのが嬉しいですね。
創業1期目の方も申請できます!
②補助額・補助率・採択率は高め!
<補助最大:3/4!>
賃金引上げ枠の赤字事業者については、補助率3/4です!
<補助額:最大250万円> インボイス特例の要件を満たす場合は、補助上限額250万円となります!
①支払額 320万円
②補助額 320万円×3/4=240万円
③実質負担額 ①-②:320万円-240万円=80万円
なんと、本来320万円の負担が、実質80万円の負担で済んだことになります!
※消費税の計算は別途必要です。
③補助金初心者でも安心!商工会等に相談ができる!
持続化補助金における相談は、管轄の「商工会」もしくは「商工会議所」にて、無料で受けることができます。
※申請の際には「商工会」または「商工会議所」から「事業支援計画書」の交付を受けることが必要になります。
申請の流れを解説!
補助金申請で大事なのは、まずは全体の流れをつかむことです!
ここでは大まかな流れを抑えておければOKです。
補助金事務局の「ガイドブック」に申請の流れの記載があります。
大きな流れとスケジュールを押さえたら、ガイドブックにて詳細を確認しましょう!
説明をわかりやすくするため、実際のスケジュール例も記載します。
※あくまで例ですので、実際の交付決定日等がずれることもありますので、ご注意ください。
まずは補助金のルールを確認します。次に、必要書類の準備を進めます。
※商工会議所や商工会から発行してもらう書類も必要です。
STEP2 申請の手続き (2023年9月7日)
郵送かWEB上で必要書類の提出や必要項目の入力を行います。
STEP3 申請内容の審査 (2023年9月8日~11月15日)
提出した書類等を事務局が審査します。
STEP4 採択交付決定 (2023年11月16日)
審査の結果発表がされます。採択された方は事務局ホームページで確認が取れます。
また、結果はメールでも送られてきます。
STEP5 補助事業の実施 (2023年12月1日~2024年6月30日)
STEP6 実績報告書の提出(2024年7月10日)
STEP7 確定検査・補助金額の確定(2024年7月11日~8月31日)
STEP8 補助金の請求(2024年9月1日)
STEP9 補助金の入金(2024年9月30日)
STEP10 事業効果報告(2025年7月31日)
ステップを進めるに連れ、分からないことが出てきたときは、適宜補助金事務局の「ガイドブック」や「公募要領」と呼ばれる補助金のルールブックを見ることが大切です。
※下記は「商工会議所」地区の申請にかかる手続きとなります。
ガイドブック
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_guidebook_ver7.pdf
公募要領
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_koubo_ver7.pdf
よくある質問
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_qa.pdf
※「商工会」の管轄地域で事業を営んでいる方は、こちらのホームページを御覧下さい。
これらで解決できない場合は、補助金事務局や商工会等の窓口に問い合わせしてみましょう!
活用事例を見てイメージしよう!
実際の活用事例をみると、自社で使えそうなツールはないかイメージできるかと思います!
経済産業省のホームページにある「中小企業向け補助金・支援ポータル ミラサポplus」内にて、補助金の事例検索が可能です!
実際の活用事例を見て、取組の参考にしましょう。
今回のまとめ
今回は個人事業主が可能な「小規模事業者持続化補助金」について、注目の3つの理由と活用事例をお伝えしました。
初めての補助金申請者にとっても、採択率が高くチャレンジしやすい補助金です!
<実際の声>
実際に補助金を活用した方からも、下記のような声が届いています。
・補助金は前払いでお金を支払うため、初めて融資を受けるきっかけとなり勉強になった!
・補助金のおかけで新たな市場への進出にも予算をかけてチャレンジできた!
このように、メリットは補助金がもらえる経済的なことではありません。
補助金の申請を通じて、さまざまなメリットがあることが伺えます。
<専門家に頼ってみよう!>
小規模事業者補助金の公式ページを通じて、補助金の制度趣旨を正しく理解しましょう。
しかし、補助金独特のルールを理解する事や、書類を一から準備をするのはハードルが高いように思います。
そこで、補助金を初めて申請する方は、補助金の専門家に依頼を検討することをオススメします!
もちろん「商工会」や「商工会議所」や「補助金事務局」の相談窓口のみで解決できそう!という方は、問題ないです。
・補助金の活用方法を教えてくれる
・スケジュール管理をしてくれる
・面倒な「計画書の作成」や「書類の準備」など伴走支援してもらえる
・相応の報酬が発生する
専門家との相性も重要ですから、次に挙げるタイプ別の専門家をネットで検索してみましょう!
<補助金の専門家>
①税理士や行政書士、中小企業診断士など、補助金の取扱いをしている士業
②民間のコンサルティング会社
③認定経営革新等支援機関
※国が経営の専門知識のある個人や団体を認定する制度であり、税理士・社会保険労務士・中小企業診断士などの専門家が認定支援機関として登録されています。
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文=齋藤 雄史
編集=内藤 祐介
齋藤雄史さん
税理士/公認会計士
宮城県仙台市出身。
高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。
合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。
法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。
ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。
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