いよいよ令和4年度がスタートします。
年度が変われば国の予算も変わります。
ということで今回は、新年度に絶対押さえておくべき、初心者におすすめの補助金・給付金を5つに厳選してご紹介します。
新型コロナウイルス感染症の影響が続いているため、令和3年度に引き続いて今年度もコロナ対策関連の補助金が豊富です。
昨年度と違う点は、賃上げやデジタル化等を進めるための施策が、補助金においてもより一層増えてきたところ。
一度補助金を使ったことがある人でも、年度を超えれば同じ補助金の対象となる可能性もあります。
新年度の補助金をしっかり確認しておきましょう。
令和4年度注目の補助金・給付金はこれだ!
① 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路開拓などの取り組みを支援するための補助金です。
公式サイトはこちら
小規模事業者持続化補助金(一般型)
令和4年度からは申請類型などの内容が大きく変わりました!
下表のとおり現行枠に加えて、5つの特別枠が用意されました。なお、これまであった「低感染リスク型ビジネス枠」はなくなりました。
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_gaidobook.pdf
補助対象となる経費は、チラシ作成、広告掲載などで、たとえば以下のようなものが経費になります。
ポイント:
特別枠ができたので、それぞれ要件を満たすか、またどの枠で申込をするかよく検討したいところです。
令和2年度でも人気が高かった「ウェブサイト関連にかかる費用」は、補助金交付申請額の1/4を上限とされました。
過去補助金を活用された方も、再度申請が可能な場合があります。
公式ページ別紙参考資料:https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_koubo_sanko.pdf
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓を目指す小規模事業者の人に使いやすい補助金ですので、積極的な活用を検討してみてください。
② ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うために必要な、設備投資などを支援するものです。
公式サイトはこちら
https://portal.monodukuri-hojo.jp/
また、業況の厳しい事業者や、デジタル・グリーン分野で生産性向上に取り組む事業者に対して、一般型通常枠とは別に、[回復型賃上げ・雇用拡大枠] [デジタル枠] [グリーン枠]を設け、補助率や補助上限額を優遇することで積極的な支援をしています。
一般型[通常枠]の内容について、下表でご紹介します。
補助上限額や補助率は申請類型などによっても異なります。申請内容に合わせて確認するようにしましょう。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/hosei/mono.pdf
今回新設されたデジタル枠・グリーン枠の活用事例について、経済産業省は以下のような内容を想定しています。
出典:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/hosei/mono.pdf
なお、これまであった新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)は終了しているので、注意してください。
サービスの開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資をしようとしている人は、ものづくり補助金の活用を検討してみてください。
③ IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者がITツール導入に活用するためのものです。
公式サイトはこちら
https://www.it-hojo.jp/2022/
令和3年度補正からは、これまであった通常枠(A・B類型)に加え、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)が追加されました。
インボイス制度への対応も見据えて、クラウド利用料を最大2年分補助するなど、企業間取引のデジタル化を強力に推進する内容となっています。
それぞれの枠をみていきましょう。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/hosei/IT.pdf
A類型よりも補助額が大きいB類型では、4以上のプロセス数と賃上げ目標が必須要素で、要件が厳しくなっています。
目玉はデジタル化基盤導入類型において活用できるクラウド利用費、PC等や、レジ等です。
IT導入補助金の具体的な活用事例のイメージは、以下のとおりです。
出典:https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/ithojo/
また、今回追加された「複数社連携IT導入類型」では、複数の事業者が連携してITツールやハードウェアを導入するための取組を支援します。
具体的な取り組みイメージは、以下のとおりです。
出典:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/hosei/IT.pdf
IT導入補助金は新年度になって大きく変わっているので、ITツールを導入しようと考えている人は、制度変更などをよく確認したうえで利用するようにしましょう。
④ 事業再構築補助金
事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の社会の変化に対応するため、新分野展開、事業転換・再編などの事業再構築に意欲をもつ、中小企業等の挑戦を支援するものです。
公式サイトはこちら
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
主な申請要件としては、コロナ以前と比べて売上が一定以上減っていることや、事業計画を認定経営革新等支援機関と策定することなどが必要になります。
事業再構築補助金の申請類型別の補助上限額・補助率などは、以下の表のとおりです。
令和3年度と大きく変わりました。
また、補助対象経費は次のとおりです。
・建物費
・機械装置・システム構築費
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・外注費
・知的財産権等関連経費
・広告宣伝・販売促進費
・研修費
上記一部の経費については、上限等の制限があるため注意が必要です。
事業再構築のうち、たとえば新分野展開の製造業の場合には、次のような活用が期待されています。
出典:https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/cases/zentai.pdf
事業再構築補助金は、新年度の公募から事業類型や要件が大きく変更になっています。
たとえば事業類型については、「回復・再生応援枠」や「グリーン成長枠」が新設され、これまであった「緊急事態宣言特別枠」「卒業枠」「グローバルV字回復枠」が廃止されました。
制度の変更内容をよく確認して、利用するようにしましょう。
⑤事業復活支援金
事業復活支援金とは、新型コロナウイルス感染症の拡大や長期化に伴う需要の減少・供給の制約により、売上が大きく減少している中小法人等・個人事業者などに対して、事業全般に広く使える資金を給付するものです。
公式サイトはこちら
https://jigyou-fukkatsu.go.jp/
事業復活支援金の対象は全国ですので、要件を満たせば地域や業種を問わず給付されます。
コロナの影響を受けた事業者の方は、事業復活支援金の申請を忘れないようにしましょう。
また予算が余るとのことから、4月以降に後継の支援金がでる可能性もあります。
最新情報をチェックしましょう。
また各地方自治体で事業復活支援金の受給者に上乗せの支援をしているところもあります!
各自治体のホームページを検索してみましょう。
補助金が使えるか分からない人は、「専門家派遣制度」を活用しよう!
今回ご紹介したおすすめの補助金や給付金が使えるかもしれないと感じた事業者の方は、「専門家派遣制度」を活用して、まずは相談をしてみてください。
https://mirasapo-plus.go.jp/supporter/
専門家派遣制度は、中小企業などが抱える課題を解決する専門家を派遣する制度ですので、自社が利用できる補助金の活用などを含めて相談に乗ってくれるでしょう。
補助金や給付金は申請しないと受け取ることができないため、知らなければ事業に必要な資金調達の機会を逃してしまいます。
行動している事業者としていない事業者ではどんどん差が広がるので、積極的に情報を取りにいくようにしてみてください。
令和4年も補助金・給付金を上手に活用して、事業に必要な資金を確保し、コロナ禍の状況を乗り越えていきましょう!
文=齋藤 雄史
編集=内藤 祐介
齋藤雄史さん
税理士/公認会計士
宮城県仙台市出身。
高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。
合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。
法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。
ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。
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