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事業収入を得る扶養家族が注意すべきこと~副業を始める前に知っておきたい基礎知識

2018年3月15日

事業収入を得る扶養家族が注意すべきこと~副業を始める前に知っておきたい基礎知識

2017年は働き方改革の一貫で副業を解禁する企業が出てくるなど、「副業」に注目が集まった年でもありました。これから副業を始める方に向けて、税金面で気を付けることについてプライムファイナンシャルパートナーズ会計事務所の菅 彰裕さんにお話を伺いました。菅さんは世界4大国際会計事務所のメンバーファームの1つであるPwC税理士法人を経て独立開業された税理士さんです。非上場企業から上場企業まで、幅広いクライアントの業務を担っている菅さんだからこそ知りうる税金の話をたっぷりお伝えします!

ちょうどこの時期、前年度の確定申告が終わってほっと一息ついている方も多いのではないでしょうか。また、今年度から独立開業したり、副業を始めたりして事業収入を得る方もいらっしゃると思います。

今回は扶養家族が副業を始める際に抑えるべきポイントについてご紹介します。

「150万円」ではなく「売上-経費=38万円」を意識

2018年1月から配偶者控除が103万円から150万円に引き上げられました。 配偶者控除とは、配偶者の収入が150万円以下である場合、世帯主の収入の最大38万円分にかかる税金を払わなくて済むというもの。年収150万円までの配偶者は、扶養家族として扱われます。

改めて配偶者控除に該当する要件を見てみましょう。

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
(2) 納税者と生計をひとつにしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)。
(4) 青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと又は白色申告者の事業専従者ではないこと。
※ 平成30年分以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。
(引用:国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm

中でも注目すべきは「38万円」という金額です。配偶者控除というと、「150万円」という金額が先行してしまっていますが、正確には「年間の合計所得金額が38万円以下」という要件になります。

パートやアルバイトとして給与収入を得る場合は特に問題ありませんが、フリーランスとして事業収入を得る場合は「売上-経費=38万円」としなくてはなりません。

例えばパートをしている主婦の方が、配偶者控除が103万円から150万円に引き上げられたことでもうプラス47万円稼ぎたい! となったとき、副業としてハンドメイド作品をネットで売り始める、というのは考え得るケースです。こういった際は「売上-経費=38万円」となるように注意を払うようにしましょう。

なお、もし150万円を超えた場合は201万円までなら段階的に配偶者特別控除を受けることができます。

対象となる要件は以下になりますので、併せて確認しておいてくださいね。

(1) 控除を受ける人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
(2) 配偶者が、次の5つの要件全てに当てはまること。
イ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
ロ 控除を受ける人と生計をひとつにしていること。
ハ その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払いを受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
ニ 他の人の扶養親族となっていないこと。
ホ 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満(注)であること。
(注)平成30年分以後は、配偶者の年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であることが要件になります。
(引用:国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm

世帯主の給与収入・1120万円以上から制限あり

もうひとつ注意すべき点は、所得控除を受ける主たる所得者が年間合計1220万円以上給与収入のある方は、配偶者控除を受けることは出来ないということ。また、1120万円以上1170万円以下の場合は26万円、1170円万以上1220万円以下の場合は13万円にかかる税金を控除されるなど、少しずつ制限がかけられています。こちらも念頭に置いておくのが良いでしょう。

配偶者控除について考えるとき、まずは自分の収入が給与収入なのか・事業収入なのかということ、そして世帯主の給与年収がいくらかということ、この2点を確認することをおすすめします。

たかが副業、と思わずにきちんと知識を身に着けた上でスタートするようにしましょう。

PLOFILE
プロフィール写真

プライムファイナンシャルパートナーズ株式会社
税理士 菅 彰裕

世界最大級のPwCグローバルネットワークのメンバーファームであるPwC税理士法人より独立開業。非上場企業、上場企業、日本居住者、非居住者と幅広いクライアントの業務を担当する。
業務内容は、オーナー企業の事業承継対策の検討、組織再編によるグループ会社の整理、事業承継のための株価対策、国内および国外のIPO支援、国内買収案件における税務デューデリジェンス、非居住者の国内投資にかかる税務コンサルティング、その他執筆サポートなど。

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安田祐輔さん(35歳)

キズキグループ/東京都渋谷区
DVや一家離散、発達障害によるいじめを経験。偏差値30からICUに合格、大手商社への就職を果たすも4カ月で退職、引きこもり生活。2011年、不登校や中退などでブランクのある人のための「キズキ共育塾」を開塾。生活困窮者の支援や、うつや発達障害で悩む人の就労支援も行う。
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