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仕事が片づかない人へ。「すぐやる」が身につくメソッド【独立に役立つ心理学・第9弾】

仕事が片づかない人へ。「すぐやる」が身につくメソッド【独立に役立つ心理学・第9弾】

仕事が片づかずにあれもこれも溜まってしまう…。

独立・起業を考えている方だけでなく、多くのビジネスパーソンが抱えている悩みだと思います。

今回、心理学者の内藤先生に伺ったのは、仕事を「すぐやる」ようにするためのメソッドです。

人はなぜ「すぐやる」ことができないのか。そしてどうしたら「すぐやる」ようにできるのか。心理学の知見から解説いただきます。

アナタが「すぐやらない」理由は、怖いから? 「リスク認知」を乗り越えろ!

人が行動できない理由は「その行動に対して、リスクを感じている」から、だと言われています。

この現象を心理学では「リスク認知」と言います。この「リスク」という言葉を言い換えると、怖い、恐怖、不安といった感情のことになります。

ある行動に対して、そういった感情が根底にあると、人間はなかなか行動しづらいのです。

例えば「男性が女性に対して声をかける」という行動についてお話しましょう。

女性と話すことが苦手な人は「何か変なことを言ってしまわないか」「嫌われたらどうしよう」といろいろ考えてしまい、結果的に「女性に対して声をかける」という行動のハードルが高くなってしまいます。

一方で、そもそも女性と話すことが苦手ではなく、得意な人はそんなリスクは考えず(もしくは苦手な人と比べてリスクを感じづらく)、難なく「女性に対して声をかける」という行動を取ります。

今回のテーマである「すぐやる」人、つまり仕事を意欲的にこなそうとする人というのは、仕事に対する「リスク認知」が低い人であるということが、言えるのです。

自分が仕事に対してどれだけ「リスク」を感じているかで、自分がすぐにやれる人かどうかが分かるでしょう。

魅力的なリーダーは、「リスク認知」を感じていない

ここで1つ、データをお話しましょう。

カリフォルニア州立大学のケビン・グローブスは、64の企業の108人のリーダー(もしくはマネジャー)と、そのリーダーの直属の部下325人を対象に、2つの調査を行いました。

1つは、直属の部下たちに、自分のリーダーは「カリスマ的であるか」「仕事に対して意欲的に挑戦しているか」といった質問の回答を得点化し、数値化しました。

一方、リーダーたちに対しては、仕事における「リスク認知」をどれだけ感じているか、新規のプロジェクトや案件に対して、どれくらいの「リスク認知」をするのかといった質問の回答を得点化し、数値化しました。

この2つの調査で出た得点には相関が見られ、すなわち「リスク認知を感じていないリーダーほど、部下から魅力度が高いリーダーであった」という結果になりました。

本来「リーダーシップ」とは、チームを率いるという意味だけでなく、「率先して行動できる人」という意味もあります。

そういう意味でも、「リスク認知」が低く率先して行動できる人が魅力的なリーダーであると言う結論は、納得できます。

新しいことに挑戦して、「リスク認知」を低下させる!

ここまでお話してきたように、「すぐやる人」になるためには、仕事に対する「リスク認知」を低くする、必要があります。

ではどうしたら「リスク認知」を減らせるのでしょうか?

人間は、自分にとって経験のない、初めての出来事に対して特に「リスク認知」を感じやすいと言われています。

だからこそ仕事以外で、自分が挑戦したことのないことを見つけて、1つずつ挑戦してみる、というやり方をおすすめします。

仕事と直接関係のない、遊びや習い事でも「新しいことに挑戦する」という経験こそが、大切なのです。

これまでバンジージャンプを飛んだことがないなら、バンジージャンプでもいいですし、新しい外国語の勉強でも、何でも構いません。

その経験が多ければ多いほど、自分の中で新しい出来事に対する「リスク認知」が下がっていきます。

ここで留意していただきたいのは、肝心なのは「挑戦する」ことであって「上手くやる」必要はない、ということです。

上手くやろうとすると、多かれ少なかれ理想と現実の間のギャップに苦しむことになり、結果的にせっかく挑戦しても、途中で辞めてしまったり、モチベーションが下がることになりかねません。

「新しいことに挑戦する」。そしてその挑戦を楽しむ、という習慣が仕事における「リスク認知」の低下につながるのではないかと、私は思います。

新学期、新年度がスタートする、この4月。「すぐやる」を身につけるためにも、新しいことに挑戦しては、いかがですか?

【独立に役立つ心理学シリーズ:バックナンバーはコチラから!】
麻雀で経営を学んだ? 有名経営者から学ぶ勝負の仕方【独立に役立つ心理学・第8弾】
https://entrenet.jp/magazine/12957/

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プロフィール:内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。
大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。
ビジネス心理学を実践的に応用するアドバイスには定評がある。
新刊に、「心の闇」をパワーに変える心理術(すばる舎)
「人前で緊張しない人はウラで「ズルいこと」やっていた」(大和書房)など。
講演会・セミナーの依頼は、システムブレーンまで。

システムブレーン(講演・セミナー情報問い合わせ先)
http://www.sbrain.co.jp/

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