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経営者はギャンブルが上手? 独立して稼げる人と稼げない人の違い【独立に役立つ心理学・第6弾】

経営者はギャンブルが上手? 独立して稼げる人と稼げない人の違い【独立に役立つ心理学・第6弾】

独立をする時に1番懸念することはなんでしょうか。

おそらく多くの方にとってそれは、「独立後もきちんと稼いでいけるかどうか」ということだと思います。

心理学者の内藤誼人先生に学ぶ、独立に役立つ心理学シリーズ。

第6弾は、独立して「お金を稼げる人と稼げない人の違い」についてお聞きしました。

内藤先生は独立に必要なものは圧倒的な自信、そしてその自信を鍛えるためにはギャンブルが有効であると解説します。

一体、なぜでしょうか?

「自信」を持つ。独立して成功するために必要な、たった1つの秘訣

独立してお金を稼ぐために必要なことは、とてもシンプルです。

それは「自分は成功する」という、自信を持つこと。

なぜ、自信が必要なのか?

成功するために自信が必要不可欠であることを裏付ける、アメリカのメリーランド大学のロバート・バウム博士が行った調査をご紹介しましょう。

ロバート博士は230人の起業家に対して、6年にわたりアンケート調査を行いました。

半年後、1年後、2年後…6年後と一定の期間を空けて、

・従業員の増加率
・売り上げの増加率

の2つを「会社の成長」とみなし数値化しました。

そして「会社の成長」の度合いと、起業時のアンケートの結果を照合したところ、成長している会社を立ち上げた起業家ほど、当初から「自分はこの事業で成功する」と回答していたことが分かりました。

つまり、起業時から圧倒的な自信を持っていることが、独立して成功するための重要なポイントなのです。

自信=”自己効力感”を鍛え上げろ! 「私はできる!」と思える、3つの源泉

ロバート博士の調査から、成功している起業家ほど、自分の事業に対する自信の強さが重要なことが分かったのです。

しかし、どうしたら自分の事業に自信を持てるようになるのでしょうか。

普通自信とは、事前準備に大きく左右されます。

独立・起業で言うなら、資金的な準備もしかり、独立・起業後に必要なスキルを前もって身につけておくことなども、自信の裏付けとなります。

ここでは心理学の観点から、自信を持つためにより効果的な方法をお教えしましょう。

そもそも“自信”とは、なんでしょうか。

自信という言葉を心理学の世界で置き換えると、「自己効力感」という言葉になります。

「自己効力感」とは「ある結果を生み出すために、適切な行動を遂行できる」という自己確信の程度、と定義されています。

この「自己効力感」をどれほど強く持てているのかが、成功を左右する重要なポイントになるのです。

カナダの心理学者である、アルバート・バンデューラ博士は「自己効力感」がどのように醸成されるのかを明らかにしています。

その中で皆さんが使えそうなものを、いくつかご紹介しましょう。

①自分自身が「ある結果」(=独立・起業での成功)を達成する

これは当然といってしまえば当然ですね。

つまり1度独立・起業をして成功させてしまえば、次に独立・起業するときはもっと自信がついて行動のハードルが低くなる、ということです。

とはいえ独立・起業をしたことがない人にとって、その“最初の独立・起業”が大きなネックになりますよね。

そこで、その「ある結果」のスケールを小さく設定してみると、より「自己効力感」を上げやすくなります。

例えば、今の会社で新規プロジェクトを成功させた、ゼロから何かを作り上げた、といった経験を積むこと。

独立・起業ほど大きな行動でなくても、疑似体験として貴重な経験になりますよね。

②自分ではない他人の成功を「代理経験」する

実際に独立・起業で成功した人の話を聞いたり、成功のノウハウを知ることでも「自己効力感」が醸成されます。

成功した人に話を聞きに行くのも良いですし、不安なら1度、まだ立ち上がったばかりのベンチャー企業にジョインして、成長していく様子を間近で見ていくのも良いでしょう。

その仕事を通して、①のように疑似体験をして成功すれば「自己効力感」はどんどん上がっていきます。

③自分が成功できる要因を「言語化」する

自分が独立・起業で成功できる理由を可能な限り、言語化してみてください。

例えば、
「自分はこの仕事のために開業資金◯◯万円を集めるだけの力がある」
「今まで◯年間、スキルを磨いてきた」
「独立・起業に必要な人脈を前職で培ってきた」
「同じ志を持つ、頼もしい仲間が◯人いる」

など、自分が成功するために必要な要因を可視化することで「自己効力感」を上げることができるのです。

また、すでに成功している先輩起業家と会話をした際などに、自分の優れている能力について、客観的に聞いてみると新しい発見があり、なお良いですね。

やり手の経営者ほど、ギャンブルをする? リスクと上手に付き合う方法

ここまでは、バンデューラ博士が提唱した「自己効力感」の源泉の中でも、特に使えそうなものを紹介しました。

最後に「自己効力感」を強く持つことが大切な反面、独立・起業における「リスク」をどう捉えるか、ということについてご説明しましょう。

リスクと上手に付き合うには、リスクを背負う経験をたくさん積むことが重要です。

そこでおすすめなのは、ギャンブルです。

大の麻雀好きとして知られる、株式会社サイバーエージェント代表取締役社長・藤田晋さんは、自身のブログでギャンブルを「精神修行である」と述べています。
https://ameblo.jp/shibuya/entry-11754864717.html

ここで重要なのは、単純に本能のままギャンブルを楽しむことではありません。

大切なのは、今の自分にツキがあるのか、冷静で客観的な視点で戦況を観察し、勝負に出るべきタイミングを見極める力を養うこと。

これをビジネスに落とし込むと、今、自分が提供しようとしているサービスは時代(タイミング)に合っているのか、自らが持つ資金やリソースを客観的に捉え、勝負に出るべき時はいつなのかを見極めること、と解釈できます。

そして何より、勝負に出るべきでない時、すなわち「引くべき時」にはきちんと引くことも重要なのです。

人間は、勝っている時に「調子が良すぎるから」と自ら勝負を降りてしまい、逆に負けている時にこれまでの負けを取り返そうと、無理に勝負を挑む傾向があります。

勝負に出る時は思い切り出て、引くべき時はきちんと引く。

このスキルは、勝ち負けを競わない日常生活ではなかなか養うことができません。勝負の世界に手軽に参加できるのが、ギャンブルの良さなのです。

ギャンブルを上手に活用して、ぜひリスクを飼い慣らす練習を積んでみてください。

ただし、くれぐれもやりすぎは禁物です。月いくらまで、と上限を決めて練習してくださいね。

【独立に役立つ心理学シリーズ:バックナンバーはコチラから!】
※ただしイケメンに限らない! 自分を魅力的に見せる、3つの「モテ力」【独立に役立つ心理学・第5弾】
https://entrenet.jp/magazine/11940/

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プロフィール:内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。

大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。

ビジネス心理学を実践的に応用するアドバイスには定評がある。
新刊に、「リーダーのための『貞観政要』超入門」(水王舎)
「ヤバすぎる心理学」(廣済堂)など。
講演会・セミナーの依頼は、システムブレーンまで。

システムブレーン(講演・セミナー情報問い合わせ先)
http://www.sbrain.co.jp/

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