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経営者に必要な「着眼点」の鍛え方 第19回・10年後の自動車

起業家、経営者にとって大事なのは、世の中を見抜く力です。1つの事象をどう捉えるかで、ものの見え方も、そこから得られる情報も大きく変わります。そうした「着眼点」、実はトレーニングによって鍛えることができるのです。累計20万部を超えるベストセラーとなった『戦略思考トレーニング』シリーズでおなじみの経営コンサルタント・鈴木貴博氏に解説してもらいましょう。

いきなりですが、クイズです!

5年後には電気自動車や自動運転車の時代がやってくると言われます。自動車業界のエンジニアの人が予測する未来の話として、さらに次世代の自動車はモーターがホイールの中に入ってしまうそうです。つまり、四輪それぞれにモーターが積まれ、人工知能による運転が行われる時代が来るかもしれないという話です。さて、私の友人はその話を聞いてあるビジネスを始めようと準備を始めたのですが、それはどんなビジネスでしょうか?

ヒントは、今まで大変だったビジネスがこの技術革新によって簡単になり、市場が大きくなる可能性がある、ということです。今回はちょっと難しいかもしれませんが、頭をフル回転させていろいろな可能性を考えてみましょう。

クイズの答えの中に、着眼点を鍛えるポイントがある

自動車の売り上げが減っていると言われています。自分の車を持っていることがモテる男の条件だった時代は、はるか昔のことになってしまったようです。

若者の所得が減っているとか、携帯電話にお金がかかるからだとか、シェアビジネスが普及したので持つ必要がなくなったとか、いろいろな理由が言われていますが、やはりかつてのように「車を持っているのがかっこいい」というような価値観がなくなっているのが大きいのかもしれません。

冒頭のクイズでも触れましたが、電気自動車の次のテクノロジーとして考えられているのが、タイヤとホイールの中にモーターが全部入ってしまう自動車です。それが自動車業界のエンジニアが予測する自動車の近未来の話で、もしかしたら10年後くらいにはそうなる可能性があるのだそうです。

それでは解説します!

さて、車のエンジンが全てタイヤやホイールに積まれるようになると、何が変わるのか。一番大きな変化として考えられるのが、「車の主要部品がタイヤになる」ということです。

そうなると、1つの大きな可能性が考えられます。それは、車がファッションアイテムになるということです。

もう少し具体的にお話ししましょう。車の主要部品がタイヤになれば、言ってみたら本体は何でもよくなるわけです。車を買ってしばらく乗って、「もっと居住性の高い室内に変えようかな」と考えて本体だけ丸ごとスイッチする、そんなことが可能になるわけです。

おそらく、この技術革新が進む頃は自動運転が当たり前になっているでしょうから、人々は車にただ乗っているだけで目的地へ行けるようになるはずで、車に求めるのは居住性の高さや、居心地の良さになる。つまり、自宅のリビングにあるソファを買い替える感覚で、車の本体を新しくする時代がやってくるのではないか…ということです。

この話を聞いた私の友人は、ならばビンテージカーのセールスができるのではないかということで、準備を始めました。ビンテージカーは人気がありますが、いつもネックになるのがエンジンで、エンジンが復活できなければ車は動きません。

ところが、次世代自動車の時代がくれば、タイヤとホイールだけを取り替えれば、本体は何でもよくなるわけですから、たとえばゴミ置き場で朽ち果てている古い車であっても、簡単に復活させることができるのです。

そうなると、人気のある定番のビンテージカーはもちろん、初代プリウスや90年代のカローラ、スバル360といった高いお金をかけて復活させるほどではないような懐かしい車であっても、この先、意外と値段がつくかもしれない…というのが、友人の考えです。

そもそも車の形をしていなくてもいいかもしれない

もちろん、電気自動車であれば、車を動かすためのモーターが本体に積まれる可能性はあるでしょう。それでも、本体を変えればいいという発想がもたらすものは、想像以上に大きいわけです。

ビンテージカーや、先に挙げたような懐かしい車はもちろんですが、T型フォードのようなちょっと特殊な車も、気軽に乗れる時代になるかもしれない。居住性や居心地の良さで考えたら、そもそも車の形をしていなくてもいいのかもしれませんよね。

今まで当たり前だったことが変わるだけで、実は皆さんが思っている以上に大きな革新が起こることがお分かりかと思います。

そして、そうした変化の本質をうまく見抜くことができれば、そこにチャンスがあることに気付けるかもしれないのです。

10年後の自動車業界で、あなたならどんなビジネスをしたい?

自動車のマーケットは、あと5年くらいで自動運転車や電気自動車が主流となるなど、この先は激変するだろうと言われています。Uber(ウーバー)の自動車配車サービスも、その先駆けの1つでしょう。

そんな中でも、意外と起業できるチャンスは潜んでいるのかもしれません。皆さんなら、10年後の自動車業界でどんなビジネスをしたいですか? ぜひ考えてみてくださいね。

最後に、もうお分かりだと思いますが、冒頭のクイズの答えは「ビンテージカーのセールス」でした。味のあるビンテージカーもいいですが、東京モーターショーに出てくるようなコンセプトカーや、外観がかっこいい車が街中を走るなんて時代も、そう遠くないうちにくるかもしれませんね。自動車が若者に人気になったりしたら、それはそれで新たな一大市場です。どんな未来になるのか、楽しみです。


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プロフィール写真

経営戦略コンサルタント
百年コンサルティング株式会社
代表取締役
鈴木貴博

東京大学工学部卒業後、ボストン・コンサルティング・グループに入社し、数々の大企業の戦略立案プロジェクトに従事。1999年にはネットイヤーグループの創業に取締役として参加。2003年に独立し、百年コンサルティングを創業する。大手企業の経営コンサルティング経験を元に2013年に出版した『戦略思考トレーニングシリーズ』(日本経済新聞出版社)が累計20万部を超えるベストセラーに。現在はビジネスをエンタメクイズ化する経済エンタテナーとしても活動中。『パネルクイズアタック25』(優勝)、『カルトQ』などのクイズ番組出演経験も豊富。近著に『仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』 (講談社+α新書)。

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現在、労働基準監督署では企業に対し、長時間労働を是正するための監督指導を強化しており、指導に従わない場合は労働基準法違反となって罰則が科せられます。

では、労働基準法とはどんな法律なのでしょうか?

労働基準法とは

労働基準法は、労働者における労働条件の最低基準を定めた法律で、1947年に制定されました。

労働条件の内容は、労働時間・賃金・休日・安全と衛生など多岐にわたりますが、労働時間を例にとると原則は週40時間となります。

労働者保護の観点から労働基準法を下回る労働条件は無効となり、労働基準法の条件が適用となります。

ちなみに、労働基準法9条による"労働者"は、どのような人があてはまるかというと、"職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者"を指します。

簡単に言い換えると"会社に雇われて給料をもらう者"となります。

個人事業主に労働基準法は適用される?

では、個人事業主は労働者にあたるのでしょうか?

個人事業主の場合は、従業員としてではなく業務委託契約を締結した上で仕事を受け、その対価は賃金ではなく報酬として支払われます。従って、労働者ではないので労働基準法の適用はありません。

しかし、実態が労働者派遣であるにも関わらず、形式として業務委託契約を締結している場合も見受けられます。

これを"偽装請負"と呼びます。

労働者派遣と業務委託の区別は、注文主と受託会社の労働者との間に指揮命令関係が生じているかどうかによって判断されます。

具体的な事例がないと分かりにくいと思いますので、判断の基準として1つの目安となる判例をご紹介します。

最高裁で適用されると判例が出た。INAXメンテナンス事件

住宅設備機器の修理補修会社(以下、A社)と、A社と業務委託契約を締結して修理業務に従事するカスタマーエンジニア(以下、CE)の労働組合(以下、B)との間の事件です。

BがA社に団体交渉を申し入れたところ、A社は「CEは個人事業主であり、労組法上の労働者ではない」との理由で拒否。

これに対し、Bは団体交渉を拒否することは不当労働行為にあたるとしました。

この件に関して最高裁判所は以下の理由により、CEは労働組合法上の労働者であるとの見解を出しました。
(なお、労働基準法でいう“労働者”と、労働組合法でいう“労働者”はほとんど同じ意味だと解釈して良いでしょう。)

(1) A社が行う住宅設備機器の修理補修等業務の大部分は,能力,実績,経験等を基準に級を毎年定める制度等の下で管理され,国の担当地域に配置されたCEの業務日及び休日はA社が指定していた。

(2) 業務委託契約の内容はA社が一方的に定めた「業務委託に関する覚書」により締結されており,その内容についてCE側で変更する余地はなかった。

(3) CEの報酬は,A社による個別の業務委託に応じて修理補修等を行った場合に,A社があらかじめ決定した顧客等に対する請求金額にA社がCEにつき決定した級ごとの一定率を乗じ,これに時間外手当等に相当する金額を加算する方法で支払われていた。

(4) CEは,A社から修理補修等の依頼を受けた場合,業務を直ちに遂行するものとされ,承諾拒否をする割合は僅かであった。また、業務委託契約の存続期間は1年間でA社に異議があれば更新されないものとされていた。

(5) CEは,A社が指定した担当地域内においてその依頼に係る顧客先で修理補修等の業務を行い,原則として業務日の午前8時半から午後7時までA社から発注連絡を受け,業務終了時に報告書をA社に送付する等,作業手順等が記載された各種マニュアルに基づく業務の遂行を求められていた。また業務の際には、A社の制服を着用し名刺を携行していた。

出典:裁判所「最高裁判所判例集」

上記の項目をまとめると、CEは、A社の指定する業務遂行方法に従い、その指揮監督の下で労務の提供を行っています。

それに加えて、その業務についての場所や就業時間等、一定の拘束を受けていたことになります。

この場合、CEはA社の従業員であるとされ、当然、労働基準法の適用を受けます。

個人事業主の場合、仕事を依頼した企業と業務委託契約を締結する際には、将来のトラブル防止のためにも、契約書の内容はよく確認しておきましょう。

まとめ

個人事業主は基本的に労働基準法の適用はありません。従って時間無制限で働くことは可能かもしれません。

しかし、働きすぎて身体と心の健康を損ねてしまう場合もあります。

長い期間ベストコンディションで働くためには、労働時間を自分自身でコントロールすることが必要です。

PROFILE

FP・社会保険労務士 木村政美

2004年に、行政書士・社会保険労務士・FP事務所の「きむらオフィス」を開業。2017年より、ダイヤモンドオンラインにてコラム連載を持つ。年金や個人のマネープランの相談・講習、企業向けのメンタルヘルス研修など幅広い分野で活動している。

2018年12月17日

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