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夫婦円満な開業準備。秘訣は“心遣いと伝え方” 年間密着取材Ⅱ ~橋爪夫妻編 第11回~

夫婦円満な開業準備。秘訣は“心遣いと伝え方” 年間密着取材Ⅱ ~橋爪夫妻編 第11回~

「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズン。開業までのプロセスや想いを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリー。

橋爪夫妻プロフィール
ご主人さまは、山梨県出身の33歳。東京の大学を卒業後、都内の新聞社に就職。その後、保育園の管理事務職に就く。体調を崩した祖父を想い山梨県へUターンするも、勤めていた保育園から、新規園の立ち上げスタッフにと声がかかり再度、東京へ。新規園が軌道に乗ったのを見届けたのち退職。2016年に山梨県へ移住し地元企業に勤めるが17年3月末に退職し、現在は開業準備に専念。奥さまは神奈川県出身の44歳。大学卒業後は、大手学習塾、塾経営など教育業界や企業に勤務し、保育園管理事務職に。現在は長野県内の教育機関で働く。山梨県産のフルーツを用いたゼリーを主力商品としたショップの開業を予定している。賃貸の店舗物件を探していたものの、希望に合うものになかなか出合えず、土地を購入することに。

――前回お伺いした、購入のために調整中だという土地ですが、進展はいかがですか?

今、不動産屋、銀行と条件面などを話し合っています。無事に調整がつけば、
DIYでログハウスの店舗を建てたいと思っています!

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――2017年1月から店舗を探し、たくさんの店舗や土地を見てこられましたが、土地購入の決め手は何だったのでしょう?

今までは、素材にこだわった商品に合わせ、自然に囲まれたところに店舗を構えるイメージだったのですが、自然にこだわり過ぎず、人の往来があって集客のしやすい場所でも良いのではないかと考え始めたときに出合った土地でした。相談をしていた両親や銀行の方も「ここならいいんじゃない!」と言ってくれました。それが後押しになりましたね。

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――気に入った物件に出合えてよかったですね! 過去に塾を経営されていた経験のある奥さまですが、今回の開業準備で旦那さまに対して「もっとこうしたらいいのに」「私だったらこうする」と思うことはありますか?

開業の経験はありますが、異業種での開業だったので、経験者として私が前に出るのではなく、主人の楽しさをサポートするつもりで動いています。過去に開業した経験を生かして何か伝えることがあるときは、成功したことよりも失敗したことを例に出すほうがいいとは思っています。
開業準備では、ささいなことでも、2人で話し合うようにしていますし、物件探しはもちろん、説明会や打合せなど、何でも一緒に参加するようにしています。本当は銀行の勉強会も、2人で受講しようとしていたのですが、代表者1名しか受講できなかったので、主人に任せたんですよ。

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――では、今度は旦那さまに伺いますね。経験者の奥さまにアドバイスを求めることはありますか?

分野が全然違う開業を予定していますから、アドバイスを求めるというよりは、何でも都度都度、話し合って決めるようにしています。何かを決める際は、いきなりポンと意見を言うのではなく、「こうしたいんだけど、どう思う?」と、相手に意見を求めるようなやりとりを心がけています。
元経営者だからではないのですが、妻がどう思っているのか気になる部分はあります。だからこそ、大事なことだけでなく、小さなことも情報を共有しながら進めていくのが一番だと感じています。忙しいと、ついつい後回しにしがちですが、夫婦だからと言い訳して話をしないのでは、2人で始めた意味がありません。経営者としても失格ですよね。

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――夫婦で楽しく開業準備を進めるための秘訣ですね! 土地購入が決まり、出店スケジュールに変更はありましたか?

冬の出店になるようであれば春以降に延期するつもりでいましたが、土地購入の調整に入ったので、すべてが順調にいけば3月にはオープンできるのではないかと思っています。

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――出店も現実的になり、何か心境の変化はありましたか?

いよいよだな、と思います。
3月の開業にこだわっているのは、観光客が増えるゴールデンウィーク前にオープンさせて、現場での作業に慣れておきたいというのもあるんです。まだ自宅でしかゼリーを作ったことはないですから。作業に不慣れで、お客さまを待たせてしまうようでは、がっかりさせてしまいますし、一日の生産量の目安もつくようになれば、繁忙期に入る前にムダもなくせると思っています。

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――本当にいよいよですね! 出店までに何かほかに準備しておきたいものはありますか?

はい。ネットショップの準備にも取り掛かりたいです。あと、ゼリーの消費期限を調査機関で調べるつもりです。私たちの商品の検査は1週間ほどでできるので、オープンの日が決まったら、そのときに販売する季節のフルーツから調査をする予定です。

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――山梨中央銀行主催の勉強会で発表した事業計画書が最優秀賞となり、次の大会へ進むとおっしゃっていましたが、その後はいかがでしょう?

ビジネスプランコンテスト第4回全国創業スクール選手権ですね! 今、事業計画書を手直し中です。銀行にアドバイスをもらいながらやっています。まずは書類選考だそうです。

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――それでは今後の具体的なスケジュールを教えてください。

土地の条件面での折り合いが付けば、スケジュールも必然的に決まってくると思います。融資が下りて、ログハウスに着手する。早ければ年内には建て始められるでしょうね。来年2月中には完成させて、告知などをスタートします。保健所への申請、検査や備品の準備などがすべて順調に進めば3月にはオープンできるかと!

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今回の取材を終えて

店舗の土地が決まったことで、出店スケジュールや開店までに準備しておきたいことが、より具体的になってきました。これまで銀行などへ相談にいくときは可能な限り夫婦で同席し、小さなことでも決めるべきことを相談するときは、相手に尋ねるような聞き方を心がけて夫婦二人三脚で1つずつ決めてきていたからこそ、楽しそうに準備ができているのだと感じました。

「-Season2-長期密着取材! 独立開業への道365日」シリーズ
次回の更新は、2017年11月6日(月)。
神奈川県に学習塾を開業した山本さん編(第12回・最終回)予定。
2017年4月開校にして既に黒字化&2校目の準備を進める山本さんに、
塾開業で気を付けるべきポイントを伺いました。お楽しみに!

更新日:2017/10/27
文:篠原舞 撮影:三谷治

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