「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズン。開業までのプロセスや想いを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリー。
ご主人さまは、山梨県出身の33歳。東京の大学を卒業後、都内の新聞社に就職。その後、保育園の管理事務職に就く。体調を崩した祖父を想い山梨県へUターンするも、勤めていた保育園から、新規園の立ち上げスタッフにと声がかかり再度、東京へ。新規園が軌道に乗ったのを見届けたのち退職。2016年に山梨県へ移住し地元企業に勤めるが17年3月末に退職し、現在は開業準備に専念。奥さまは神奈川県出身の44歳。大学卒業後は、大手学習塾、塾経営など教育業界や企業に勤務し、保育園管理事務職に。現在は長野県内の教育機関で働く。山梨県産のフルーツを用いたゼリーを主力商品としたショップの開業を予定している。開業準備の傍ら、実家の農業経営の手伝いや地元商工会の創業塾・銀行の創業者向け勉強会への参加など、精力的に活動中。
――6月下旬から参加されていた北杜市の商工会の創業塾に加え、7月からは銀行の創業者向けの勉強会にも通われたとのことですが、参加してみていかがでしたか?
商工会の創業塾(全5回、各3時間)は少人数制のため、分からないところがあれば都度講師の方に質問できたので、創業時に必要な知識をじっくりと身につけることができました。また、カリキュラムも画一的なものではなく、私たち生徒の状況を見て変更していただいたので、私のクラスでは開業後に役立つ助成金の話もしていただけました。
山梨中央銀行の勉強会(全4回、各4時間)では、経営とはどういうものかという話や、販売戦略・マーケティング・財務・クラウドファンディングの有効活用など、基礎からしっかり学ぶことができました。また、参加者は約30名で、講義の合間に参加者同士コミュニケーションをとることが人脈形成に一役買いました。
――事業計画書の発表をされたとのことですが、手応えはどうでしたか?
けれど、これらの経験を通して、計画立案時に“より多くのデータを見る”習慣がつきました。
――例えばどのようなデータを参照されているのですか?
また、改めて自分のお店の強みをどう生かしていくか、競合の商品との差別化についてなども、ほかの受講者と一緒に考えることができました。
――改めて事業計画書を作成したことで、開業準備に変化はありましたか?
8月中に土地が決まって、ログハウスの発注や保健所の許可など全てがスムーズに進められれば10月半ばのオープンも可能ですが、もしずれ込んだ場合、冬のオープンは避けるつもりです。先ほども言ったように、観光客が激減してしまうので。冬はマルシェなどの出店イベントもありませんしね。
――土地購入のタイミングとデータに基づいた適切な時期とを併せてオープン時期を決定される、ということですね。その他、どういった準備を進めていますか?
また、マルシェや朝市、フリーマーケットなどに出向き、イベントの規模や集客、出店料を下調べしています。来場者でにぎわう花がメインのイベントなどにも、飲食店が少し出店していたりするのを見て、こういうイベントに出店するのも良いなぁと思ったり。意外と来場者の少ないイベントなどもあったので、見極めているところです。
取材を終えて
開業準備を進める中、創業塾や勉強会などに通うことは多忙を極めます。橋爪さんも、仕事のあとに宿題をこなしたりと睡眠時間を削って勉強をしたとおっしゃっていました。しかし、それをやり切り、銀行の勉強会では約30名の受講生の中で最優秀賞を受賞した橋爪さん。さらに「みんなにおめでとうと言われたけれど、いい計画を立案できたからゴールではない。書類上は何とでも書けるものだから、計画と現実がいかにリンクするかが重要で、ここからが本当のスタートです」と、気を緩めることなく開業準備に黙々と取り組まれているその姿勢は、これから独立・開業を志している方にとって学ぶべき点が多いと感じました。
「-Season2-長期密着取材! 独立開業への道365日」シリーズ
次回の更新は、2017年9月8日(金)。
神奈川県に学習塾を開業した山本さん編(第10回)予定。
ほぼチラシのみの集客に成功している理由を聞いてみました! お楽しみに!
更新日:2017/9/1文:篠原舞 撮影:中村公泰、橋爪卓
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