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ベンチャーやスタートアップ企業が資金調達をするには何がベスト?

設立間もないベンチャー企業やスタートアップ企業においては、設立時、設立後すぐの時期、事業が拡大する過程において、先行して多額の事業資金が必要となる場合があります。
業種、業態によって必要な時期、必要な金額が違う部分もありますが、事業による売り上げ実績が作れ、資金が回収でき、その資金で必要な経費を支払う・・・というように事業の収益で資金繰りが安定的にまわるようになるまで最低でも数か月の運転資金は必要となってきます。この必要な資金を調達する手段についてその種類と内容をみていきたいと思います。

資金調達方法の種類とその内容

資金調達の方法として大きく分類すると出資、個人借り入れ、融資、補助金・助成金などがあり、その内容、特徴については以下のとおりです。

<出資>

出資は借り入れとは違って、返済を伴わない資本(資本金)として取り扱われます。
出資の種類・方法としては以下のものがあります。

自己資金・・・代表取締役をはじめとする役員等によって出資されて経営陣、経営陣に近い方が出資されますので安定した経営ができます。

社員持株会・・・社員の方に会社に出資していただく方法ですが、設立間もない企業よりは、ある程度事業が安定しつつある状態となったときに取り入れる場合が多いです。

他企業からの出資受け入れ・・・取引先、関係先等の他企業からの出資で事業に理解・協力してくれる意思があることで実現できます。
出資(資本金)には変わりありませんが、経営に近しい方ではない外部の方であるため、出資を受けた後継続して詳しい経営状態を報告する必要があります。

ベンチャーキャピタル(VC)・・・ベンチャーキャピタル(ファンド)からの出資でこちらも経営に近しい方ではない外部の方であるため、出資を受けた後継続して詳しい経営状態を報告する必要があります。

<個人借り入れ>

代表取締役等の役員が個人で借り入れた資金を企業に貸し付ける(融資する)方法で、消費者金融などからの借り入れや親族・知人から借り入れる方法があります。

経営陣等の個人と企業の取引については、資金のやり取りについて契約書を交わす、記録を残すことが不足することがありますので、きちんと契約書を交わす、取引の書類を残すことを忘れないようにしてください。また、代表取締役等の個人が借りたものを借りているため返済計画もきちんと立てていただく必要があります。

<融資>

銀行、信用金庫等の民間金融機関から融資を受ける(借り入れ)場合と日本政策金融公庫等の公的金融機関から融資を受ける場合とに分けられ、公的金融機関からの融資については国の各種制度融資が受けられる(低金利、融資額増額等)場合があります。

金融機関からの融資を受ける場合には、融資に必要な事業計画書をはじめとする融資を実行していただくための各種書類や融資実行までには時間も必要となりますので、融資で資金調達を行う場合には早めの準備が必要です。

こちらも金融機関からの借り入れであるため、返済計画通りの返済の実行が求められます。
融資実行後、定期的に金融機関に状況を報告するなど日頃からのコミュニケーションにも気配りも必要です。

<補助金・助成金>

国や地方自治体などが行っている創業補助金をはじめとする各種補助金・助成金で、補助金・助成金の内容・趣旨に合っており、申請期間内に申請が行えることが最低条件とはなりますが、事業を拡大するにあたって活用できるものはぜひ活用していただきたいと思います。

こちらも国等の税金を使用していますので、申請書類や申込期間等の締め切りには十分注意していただき、金融機関等の外部の専門家を必要に応じて活用することも検討していただきたいと思います。

また、補助金や助成金は補助等を受けた後の報告を求められるものが多いことや途中で補助等の条件に合わなくなった場合には補助金等を返還しなければならなくなることもありますのでこの点にも注意していただきたいと思います。

資金調達における注意点

事業計画や事業の進捗状況に応じて必要な資金額を必要な時期に調達できるよう早めの対応、準備を行うことを心掛けていただき、資金が必要になりそうになった時にある一部の方法だけでなくあらゆる資金調達方法を検討していただきその中からベストな資金調達方法を選択できるようにしていただきたいと思います。

また、資金調達方法に関係なく外部から資金を調達した場合には、その後の事業進捗状況について定期的に報告することを忘れず、報告できるための体制作りの基礎となる企業内部の管理体制を強化することも同時に行う必要があります。

他方、外部からの出資を多額に受けることにより、経営陣の思うような経営が出来なくなる可能性もありますので資金調達に際しては経営権という視点からも注意して資金調達を行ってください。

経営と資金調達

企業経営において資金は潤滑油のようなもので、なくてはならない非常に重要なものです。
必要な時に必要な金額が調達できることがベストですが、資金調達方法については資金調達実行後も現経営陣が経営しやすいよう複数の種類の資金調達方法で行うことを検討していただきたいと思います。

まとめ

資金調達は事業を継続して行う上で経営陣にとって重要な仕事の1つではありますがあまりにも資金調達のみに注力してしまって、資金調達後経営陣の思うように経営できなくなってしまうのも本末転倒です。無理のない事業計画とともに現経営陣が主導して経営できるような資金調達方法プラス事業計画をきちんと理解して応援してくれる資金調達先を複数選択することが大きなポイントとなります。

PROFILE

ファイナンシャルプランナー 大間 武

飲食業をはじめ多業種の財務経理、株式公開予定企業などの経理業務構築、ベンチャーキャピタル投資事業組合運営管理を経て、2002年ファイナンシャル・プランナーとして独立。2005年株式会社くらしと家計のサポートセンター、NPO法人マネー・スプラウト設立。
「家計も企業の経理も同じ」という考えを基本に、「家計」「会計」「監査」の3領域を活用した家計相談、会計コンサル、監査関連業務、講師・講演、執筆など幅広く活動。

[保有資格等]
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)、プロフェッショナルCFO、証券外務員二種、日商簿記一級

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「どこの事務所がいいのか分からないから、とりあえず先輩起業家から紹介してもらおう」といった考えから、税理士を選ぶ人が非常に多いです。

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理由は2つあります。

まず②にもある通り、アナタが税理士に依頼したい目的とその税理士がマッチングしない可能性もあるからです。

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もちろんお知り合いの方である以上、可能な限りリーズナブルな価格にしたいのが本音ですが、どうしても難しい場合もあります。

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ですので、最後は必ず税理士と会ってから判断しましょう。

「信頼できそう」と思えるか。私なら、こんな税理士を選びます!

ここまで税理士の選び方を考えてきましたが、最後に私自身が税理士を選ぶならどうするのかをお話しましょう。

私は税理士事務所を開業して、4年になります。

自分の事務所の状況を客観的に見てもらいたい、という意味でも、この業界で20年以上キャリアを積んでいる税理士の方に経営的観点からアドバイスをいただきたいです。

後はとにかくなんでも相談できる雰囲気があって、電話やメールなどで連絡してもレスが早いことでしょうか。事務所の大小は特に気にしていません。

逆に、自分の目的とあまりにかけ離れている場合や、何か困ったときの連絡が遅かったりする税理士は注意が必要です。

最後は「この人なら信頼できそう」と思えるかどうか、でしょうか。

私自身も「この人なら信頼できそう」と思っていただける税理士を、今後も目指していきたいと思います。

皆さんの目的に沿ったステキな税理士が現れるよう、応援しています!

<プロフィール>
齋藤雄史さん
税理士/公認会計士
宮城県仙台市出身。

高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。

合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。
法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。

ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

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