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フランチャイズとは
22件のまとめ

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新卒で通信会社に就職して安定した生活を手に入れながら、独立してバイオリン工作教室を立ち上げた「キットバイオリン教室」の中井里さん。 今回は、“安定”を断ち切ってまで好きなことを仕事に選んだその背景と、独立・起業をするうえで意識したポイントを伺いました。

会社員だった中井さんが、脱サラしてバイオリン製作に情熱を注いだワケ

―まず、バイオリン製作を仕事にするまでの経緯を教えてください。
中井里さん(以下、中井さん) 大学生のときにたまたまバイオリンに触る機会があって、そこから少しずつバイオリンに興味を持ち始めたんです。クラシックのコンサートに行ったり、見よう見まねでバイオリンを弾いたりもしていました。 ただ、当時はまだ趣味の1つでしかなかったので、楽器業界ではなく、大手の通信会社に就職したんです。最初の3~4年間は仕事を覚えたりするのに必死でしたね。 ただ、何年か働いていく中でお客さまの顔が見えない上流工程の仕事に対して疑問を持ち始めて。「何のためにこの仕事をやっているのか?」「世の中のためになっているのか?」と、自分の仕事とやりがいにギャップを感じて葛藤するようになりました。 そのとき、好きだったバイオリンについてネットで検索していたら、楽器製作学校を偶然見つけました。 初めは遊び半分だったのですが見学に行ったら、同世代の人が一所懸命に勉強していて、アメリカ人の先生がいちから丁寧に教えていて、すごく雰囲気がよかったんですね。 その光景が忘れられず、自分の中でもバイオリン作りを仕事にしたいと思うようになりました。
―なるほど。実際に楽器製作を学んでいって、「楽器業界で食べていく!」と決意した決め手は何だったのでしょうか?
中井 決め手は、自分自身の中でバイオリン製作に情熱を感じることができたからです。 今振り返れば、当時は死んだように生きていたなぁと思います(笑)。会社員という安定はありましたが、当時は仕事に対して燃えるものが何もなかったんですよね。 でも、バイオリン製作に対しては情熱が感じられた。 自分の作ったバイオリンを誰かに大切に弾いてもらう。こんなに誰かの役に立ってるなぁと感じることってそう多くないと思うんです。 そのとき実感したんですね。こっちのほうが自分の生き方に合ってるんじゃないか、と。 でも、だからといってすぐに決心できたわけではありません。 安定を捨てて独立することを決意するまでに2~3年ほど悩みました。最終的には自分の手でモノを作りたい。その思いが、安定した生活よりも上まわったということです。

バイオリン製作の厳しい現実と挫折―。それでも諦めきれなかったバイオリンへの想い

―次のステップに一歩踏み出すまでなかなか決心をつけられない人も中にはいると思いますが、実際に行動に移されたことは本当にすごいと思います。 とはいえ生活のことを考えるとかなり勇気がいりますよね。通信会社に勤めながら副業としてバイオリン作りをするという選択肢もあったかと思いますが、両立は考えなかったのでしょうか?
中井 まったく考えてなかったですね。 バイオリン製作を始めたのが当時30歳を過ぎてからだったので、年齢的に遅かったというのもあります。さらに楽器製作というのは職人の仕事ですから、生半可な覚悟や時間の使い方では到底習得できません。 生活は厳しかったですが、楽器関係の仕事以外はアルバイトなども何もやりませんでした。
―失礼ですが、そうなると収入はどこから…?
中井 実際、当時はマネタイズの方法だったり起業後の収入に関しては何も考えてなかったんですよ(笑)。だから始めたばかりのときはそれこそ収入がなかったですね。 学校の先生にも「楽器製作って儲かるんですか?」って習っていた頃に聞いてみたら、「バイオリンは高価なものだから、いい楽器を作って売れれば生活できるよ」と言われたので、ただただその言葉を信じてやっていたんです。 “なんとかなる”と、すごく安直な考えでしたね。 結局、楽器製作家として専業でやっていくのは非常に難しく、3年経ったときに「このままでは生活できない」と、ようやく気づいたんです(笑)。 そこで楽器製作の道は一旦諦めてまたサラリーマンに戻りました。
―え!?再就職したということですか?
中井 はい。もうお金なくて死にそうだったので(笑)。その会社には4年間勤めました。 会社には申し訳なかったのですが、やっぱり私はバイオリン製作に携わりたくって。 ある程度区切りがついたときに辞めさせてもらって、現在に至ります。
―ワンクッション置いたということですね?
中井 そういうことですね。こういうのは人によるとは思いますけれど、2度サラリーマンをさせてもらいましたが、どうしても自分には合わなかった。 バイオリン製作という生計がたてられるか未知数な中でも、やっぱり自分らしい生き方がしたいという思いが強かったんだと思います。
―そして今度はバイオリン製作の「職人」ではなく、バイオリンの工作を教える教室として独立されていますが、それはなぜでしょう?
中井 プロの製作家として食べていくのは無理だと、最初に独立したときに痛感したんです。現在の日本で生計を立てるのは本当に難しい。 そこで2度目の独立では「自分ができることは何だろう?」と考えました。 自分ができること。それはバイオリン製作の技術や知識を活かして、誰でも気軽に楽しくバイオリンに触れられる場所なら作れる。 そう信じて工作教室を開きました。

何度でもやり直せる。自分の直感を信じて、起業してほしい。

―自分のできることで収益につなげるにはどうしたらいいか、という視点で考えたんですね。現在の生徒さんの集客はどれほどなのでしょうか?
中井 そうですね。もちろん工作教室をメインにやっているのですが、収入が0になっては元も子もないので、IT開発の仕事も副業という形で継続してやっています。 そして本業のバイオリン工作教室では、集客の仕方をはじめ、全てがゼロからのスタートでした。 なので最初の頃は折り込み広告をポスティングしたり、駅前でチラシを配ったりと地道な活動を繰り返してきました。 その甲斐あって、起業して3年経ちますが、次回開催される教室で延べ300人ほど来てくださるくらいになりました。 今では、今回のように取材もしていただいたり、ラジオで紹介していただくこともあるので、そうした宣伝効果も大きいと感じています。 また教室に通ってくれた生徒さん方から「自分で作ったバイオリンで弾いてます!」という嬉しい声も届くので、やっていてよかったなと思いますね。
―着実に実績を積まれているんですね。今後の課題や挑戦したいことはありますか?
中井 私の工作教室では、バイオリンを作ることがメインで、演奏はあまりタッチできていないんですね。 なので、「楽器製作+演奏」という一貫の流れで楽しんでいただくために、ほかの音楽教室や楽器屋さんと連携して、一貫したビジネス形態を作っていきたいですね。 また、楽器の工作教室はそう多くありません。たくさんのお子さんや大人の方に実際にバイオリンを触ってもらって、新しい気づきや興味を持ってもらいたい。 バイオリン工作教室がそんな1人ひとりの可能性を広げるような入り口になっていければと思っています。
―ありがとうございます。最後に、これから独立・起業を考えている方たちに向けてメッセージをお願いします。
中井 私がそうだったように、「これが自分らしい道なんじゃないか」という直感があったら、それを信じてほしいなと思います。やはり、後悔だけはしてほしくないので。 それと、今とはまったく違う世界で起業するならば、その新しい業界の調査や事前準備はしっかりやっておいたほうがいいですね。 たとえば、その業界で働いている知り合いに「仕事の内容は?」「どうやって生計を立ててるの?」と聞いて、それを自分に置き換えたときに大丈夫かどうかシミュレーションしておけば、独立してからある程度余裕は持てると思います。 自分のやりたいことに正直に、人生は何度でもやり直せるので希望を持って独立を考えてみてください。

2017年3月23日

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警備業の会社員として働く傍ら、襖や網戸、障子の張り替えを専門とするFC「金沢屋」のオーナーとして副業をする大塚裕樹さん。 本業にも副業にも共通するのは、「誰かのためになる仕事」ということ。特に副業のFCでは、圧倒的に仕事のやりがいを感じるといいます。 今回はそんな大塚さんに、本業と副業についての考え方を聞いてきました。

開業の決め手は、金沢屋社長のアツい想いとビジネス感覚の鋭い奥さまのお墨付き!

―大塚さんは副業としてこの「金沢屋」のFCオーナーを務めていらっしゃいますが、本業は何をされているのでしょうか?
大塚裕樹さん(以下、大塚) 普段は警備業で会社員をしています。本業は、24時間勤務→24時間休みという特殊な勤務時間なのですが、休みを使ってこちらの副業をしています。
―なぜ副業として金沢屋のオーナーを選んだのでしょうか?
大塚 副業をしたいなあと考えていた時に、リクルート主催のFCフェアに足を運びました。そこで金沢屋さんに出会ったのが最初ですね。
―FCフェアではたくさんのフランチャイズを展開している企業さんがいらっしゃいますが、どうして金沢屋だったのでしょうか?
大塚 最初から「金沢屋で仕事がしたい!」と思ってFCフェアに行ったわけではなかったのですが、私が金沢屋のブースへ足を運んだ時に、金沢屋の社長が直々にいらしてたんです。 そこで社長とお話していると、とても魅力的な人柄だったんです。なんというか、自分のやっている事業に対して、自信と信念を持っていて。 特に「困っている人(顧客)がたくさんいる。ビジネスを通してその人たちに価値を提供したい」というアツい想いにとても感銘を受けたんですね。「ああ、この人は本気でそう思ってるんだな」と。
―それで加盟したんですね。
大塚 はい。それから横須賀店のオーナーのところで業務を見学させてもらったのですが「これはイケるな」と思いました。 昔、便利屋とか掃除屋といった業種のアルバイトをしていたので、まったくのゼロからのスタートではありませんでしたし、何より妻に相談してOKが出たので。
―奥さまのジャッジが大きかったのですね(笑)。
大塚 そうですね(笑)。というのも、私は妻の意見をとても信用しているんです。 私は熱しやすいところがあるので、スイッチが入ってしまうとどうしても客観的な視点になりにくいところがあるのですが、妻はいつも冷静にアドバイスをしてくれます。 よくこの仕事をしていると「和室が減っているから、障子や襖の張り替えって需要あるの?」という声を聞きます。 妻はそういった周りの声や私からの話、FC本部の話の本質を見抜いて話をするんですよ。 今回の場合、和室の数は減っていても少子高齢化の社会の中で、障子や襖の張り替えの需要そのものが減っているわけではない、だから問題ないんじゃないか?というのが妻の意見でした。 妻の実家も商売をやっているので、ビジネスの嗅覚が優れているのかもしれません。なので何か始めようかなと思った時や困ったことがあると、必ず妻に相談するようにしていますね。

会社員ではなかなか経験できない「責任とやりがい」。それが個人で働くことの楽しさ

―そんなビジネス感覚の鋭い奥さまのお墨付きを得て開業に至ったわけですが、ほかにも金沢屋のオーナーを副業として選んだ理由はありますか?
大塚 これは本業でも同じことがいえるのですが、私は「誰かのためになる仕事」がしたいんです。人から「ありがとう」と感謝されることって、やっぱりとても嬉しいんですよ。
―本業も副業も「誰かのためになる仕事」をしていらっしゃいますが、何か違いは感じますか?
大塚 やはり本業は会社員なので基本的には「組織」単位なんですよね。反対にFCは基本的に「個人」単位です。なので責任の大きさもやりがいもまったく異なります。 組織だと、良くも悪くも責任は組織に帰属します。 逆にいえば、どれだけ個人の能力が秀でていても、劣っていてもどうしても「組織の中の1人」という扱いになるので「自分が誰かのために仕事をしている」という感覚が薄くなるんですね。 ただしFCオーナーは個人です。業績が良いのも悪いのも全て自分の責任ですし、何よりお客さまからの「ありがとう」の度合いがまったく異なります。
―たしかにFCオーナーは会社員と違って、責任もやりがいも全て自分のものになりますよね。
大塚 だからこそのおもしろさがあるんです。FCの本部はサポートしてくれますが、そのマニュアル通りに仕事をしているだけではうまくいきません。 その場所に応じた客層や地域柄や風土もあるでしょう。そうした多角的な面を考慮しつつ発想力や想像力、顧客とのコミュニケーションをうまく取っていく必要があります。 そうした課題を乗り越えた時に初めて、組織ではなかなか味わえない達成感ややりがいを感じることができるんです。

副業をするうえで1番必要なことは「自分をよく知ること」。

―本業もありながら副業もこなすのは、とても大変だと思います。両立をさせるために何か心がけているポイントはありますか?
大塚 うちの場合は、家族の役割を分業制にしているところですね。 たとえば私は本業と副業の仕事に専念して、家事や子育ては基本的に妻にお願いしています。もちろん休みの時は家事や子育てを私が手伝うこともありますし、妻に金沢屋の電話対応をお願いすることもあります。 要するに、家族が一丸となってやりたい仕事をやっている、という感じです。私には私の、妻には妻のいいところや得意なところがあるので。
―自分の得意なところを知って、活かすというのはとても重要なことなんですね。
大塚 それは副業をするうえで必要なことだと思います。たとえば金沢屋のオーナーの場合、ものづくりしかできない職人になってはいけません。 顧客の要望をきちんと理解する傾聴力だったり、時には売るための営業力だったり、ものづくりに限らずさまざまなスキルや能力が必要になってきます。 ちなみにその点では妻はあまり得意ではありません(笑)。 ですが、電話対応は上手ですしビジネスの本質を見通す力があります。金沢屋のオーナーには向かないかもしれませんが、ほかの仕事でなら大成する可能性を十分に秘めていると思います。 自分が何が得意なのか。そしてビジネスを通して何がしたいのかを明確にすることは、副業をするうえで絶対に必要なことだと思っています。 そうした意味で「自分をよく知る」ということは非常に大切ですね。
―今後挑戦したいことや、やりたいことはありますか。
大塚 昔からずっと空手をやっているんで、子どもたちに空手の指導をやりたいなと思っています。 本業と副業でだいぶ時間が取られてしまっているので、なかなかやりたくてもできないのが本音なんですが(笑)。 それでもやっぱり、自分に正直に生きていきたい。だからは時間はかかっても、自分のやりたいことは必ず実現していきたいですね。

2017年3月22日

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菊池 保人 株式会社リクルートキャリア アントレ編集長 1962年、愛媛県生まれ。東京工業大学卒業後、87年、リクルート入社。01年より新卒・中途・アルバイト、住宅、進学、学び、結婚、自動車、旅行、飲食、美容領域にてメディア・商品リニューアル・業務BPRを推進、事業のIT戦略立案・実行部隊責任者。09年、リクルート横断のネットマーケティング戦略立案・実行責任者。12年、リクルートキャリアにて新規事業開発を担当。13年『アントレ』編集長就任。
2017年2月27日、アントレは創刊20周年を迎えました。 数多くの方が手に取ってくださった雑誌『アントレ』やご利用いただいた「アントレnet」、足もとが悪い中でもおこしいただいた様々なアントレ主催のイベント。アントレがなければ作れなかった機会の数々と、カスタマ一人一人に生まれた独立への物語の拡がりを想うと胸が熱くなります。そして、ここまで支えてくださった関係者の皆さま、深く感謝いたします。 21年目が始まる今日、「アントレnet」のトップページを刷新しました。これからもデザイン・内容・構造、全て積極的に変化させていくつもりです。そして独立を考えて行動されているカスタマの皆さまから、常に選んでいただけるメディアであり続けたいと考えています。世の中の変化に対応するため、変化を仕掛けるため、スピードアップして走り続けたいと思います。「雇われない生き方」が特別なことではなく、普通の選択肢として考えられる世の中へ、その実現に向け、21年目へ新たな一歩として踏み出す決意です。 この20年、社会や経済の構造変化にともない、独立・起業に関わる多種多様な変化が起きています。中小企業庁がとりまとめている「中小企業白書」には、5年に一度、起業に関する調査の結果が掲載されているのですが、最新の調査結果が掲載されている「2014年版中小企業白書」(※1)によると、『アントレ』が創刊された1997年以降、起業希望者は減少傾向にあり、2012年は約84万人と97年からほぼ半減しています。これに対し、自営業主となった起業家数は大きく変化しておらず、97年から12 年にかけて、毎年20万人以上の方が起業にチャレンジしているとあります。 起業という選択肢を身近なものにするため、まず取り組まなければならないことは「独立を選択しチャレンジする人」への支援です。支援を充実させ独立希望者が増えていく構造に転換していくことが求められます。ここにこそ、アントレの存在価値があり、我々が情熱を注ぐ意味があると想いを強くしました。 さらに分析していくと「シニア」と「女性」というキーワードが見えてきます。60歳以上の起業家は、12年に約32%と、97年の約1.5倍に増加しています。50歳以上でみると、2年では約47%。実は実起業家数のほぼ半分をシニアが占めているのです。50歳以上の方で「自分で起業したいと思っている人」は約31%しかいませんから、様々な都合があり、結果として独立を選択したともいえるかもしれません。シニアは年金支給開始年齢が引き上げられ、支給額そのものも減っていくことが目にみえているため、元気なうちは積極的に働きたいと考えるのではないでしょうか。さらに現実的に転職が難しいため、独立の動機ははっきりしており、開業のための自己資金もあって社会経験も豊富、その意欲が高くなるというのは想像に難くありません。この傾向は今後も加速すると容易に想像できるでしょう。 最新のアントレ独自データもそれを裏付けています。アントレnet会員における60歳以上の割合はこの5年で倍増し、資料請求・説明会予約等のアクション総数は2.3倍にまで伸びています。 シニアと逆の傾向にあるのは女性です。女性の起業希望者の割合は年齢を重ねるごとに高くなっているのですが、実起業家における女性の割合は減少傾向にあります。ご家族の都合に合わせることも少なくないなど、男性よりもまだまだ障壁が高く、独立を目指しても現実として選択できないケースが多いのではないでしょうか。 「シニア」が活躍できる世界をつくること、「女性」の前に立ちふさがる壁を取り除いていくことこそ、我々が改善していくべき社会課題であり、アントレが今後も世の中へ変化を仕掛けるために、取り組むべきメインテーマだと認識しています。 リクルートワークス研究所のリポート「Work Model 2030 - テクノロジーが日本の『働く』を変革する」(※2)からは、アントレの次の20年へ向けた役割や未来の方向性が垣間見えます。このリポートの中で、最初に出てくるその象徴的なセンテンスが「職業寿命50年、企業寿命25年」です。この2つの寿命の違いは、人が働き続ける中で、転職を前提とするキャリア作りが必要で、その変化が全ての人に起きることを意味しています。 リポートでは、これが所得の低下やキャリアの断絶へとつながらないための提言が展開されています。これまでの「企業が個人のキャリアを考える」という構造から、個人が自分のキャリアを考え、人のモノサシではなく、自分の個別性に向き合って生きていく、そういう社会へ転換していく必要性を説いています。さらに、これまで企業と雇用契約を結び、企業が所有する資源(生産設備や店舗)を使って製品・サービスを提供してきた構造から「テクノロジーの発達によって、国・企業・業態・タスク、あらゆる境界が曖昧になっている」「一人ひとりのアイデアや個性の価値がますます高まっている」と指摘しています。シンプルにいうと、雇用契約に縛られず、実質的な距離や規模の大小に関係なく、個性を発揮できる時代がくるといっているのです。アントレは、企業競争のグローバル化が叫ばれている頃から、ローカルでの独立開業・サービス業での雇われない生き方を支援してきました。人同士の接点で価値を生む仕事や、生活圏でのローカルな地域固有の情報や行動が求められるサービスが重要になっていきます。これは今後ますます加速することでしょう。 アントレの調査からは、「独立を選択する人」は「職を変えようとするときに、職を変えられなかった人」とは、仕事選びにおいて重視する軸に違いがあることが判明しました。「職を変えようとするときに、職を変えられなかった人」が「収入・知名度・安定・福利等働く条件」を重視していたのに対し「独立を選択する人」は「仕事内容・やりがい・仲間・貢献感」に重きをおいていたのです。 これは一人一人の個別性、自分らしさに向き合ってみて、初めて変化できることです。誰かの価値観ではなく、まわりからの見え方でもなく、自分が何を重視するか、自分らしさの軸を真剣に考えた時にたどり着けるシンプルな結論。それを言葉にして覚悟した人が変化できているのでしょう。 自分らしさ、自分の個別性に向き合っていくのは、いろんな衝突があったり辛いことも多くなります。自由になるのは未来だけ、その未来に続く今をどう変えていくか、自分の個別性を生きていくチャレンジはこれからも拡がっていきます。一人一人の個別性の物語がたくさん生まれ、その目標へ向かい、一歩一歩進んでいけるように、我々はそれを最大限支援し続けるメディアであり続けたいと考えています。 20周年を迎えた今、積み重ねてきた皆さんとのつながりを大切にして、次の20年に向け、新たな決意のもと、勇気をもって力強く踏み出していきたいと考えています。我々アントレは「雇われない生き方」に全力で向き合っていきます。 これからも、どうぞよろしくお願いいたします。 【出典】 ※1「中小企業白書(2014年版) 第2章 起業・創業―新たな担い手の創出―」 (中小企業庁) ※2「Work Model 2030 - テクノロジーが日本の『働く』を変革する」 (リクルートワークス研究所)

更新日:2017/2/27 撮影:中村公泰

2017年2月27日

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「フランチャイズチェーンへの加盟を考えている」「事業拡大・多角化・新市場参入を検討している」など、今後の第2の人生を考えるにあたって、次の1歩を踏み出せない方もいるのではないでしょうか? そういった方々に情報を提供する場として設けられたのが、日本経済新聞社主催の「第33回フランチャイズ・ショー2017」。 フランチャイズ本部が企業PRを行うブースを設置し、出店支援、そして胸の中の不安・疑問に対して相談にのってもらえるなど、フランチャイズ経営のノウハウを知りたい方にとっては夢のようなイベントです! そこで今回、『アントレ』もこの場にブースを出展しているということで、早速、潜入取材してきました! どういったサービスを行っているのか、細部にわたって紹介していきます!

祝「アントレ創刊20周年」!気合いの入った充実感あふれるブースに来場者多数!

各社のブースが集まって活気づき、冷える冬の季節でも来場者の熱で会場は温まっています。そんな中、少し歩いたところに我らが『アントレ』のブースを発見! 実は、『アントレ』は今年の2月27日に創刊20周年を迎えるということで、ご覧の通りとても気合いが入った装飾をしていますね!一般の来場者だとしても、自然と足が向いてしまいます。 受付の横には『アントレ』の2017年冬号が並べられています。冬号のテーマは「あきらめない!」。40、50代で独立・起業を考えている方のお役に立てるセンパイ事例や情報を集めた1冊です。 あの、前人未到のオリンピック3連覇を果たした柔道家・野村忠宏さんのインタビュー特集もあるので、是非お手に取ってみてください! ブースの手前で来場者をお出迎えしてくれているのは、『アントレ』公式キャラクターのアントラくん。こう見えても46歳なので、アントラさんとお呼びした方がいいですね、先輩! 独立を考えていても、なかなか1歩踏み切れずに情報を模索中ということなので、同じ立場のカスタマーと一緒になって考えてくれる我らの心強い味方です。 では早速、『アントレ』ブースの受付へ! スタッフの方が『アントレ』の冊子を手に取りながら、丁寧に説明をしてくれています。来場者のご要望・相談によってブース内におけるサービスを紹介していました。 来てくださった方にはもれなく、アントラさんのイラストが可愛らしいチロルチョコを配布していました。なんだか食べるのがもったいないですね…(笑)。

【アントレブース担当・田中さんインタビュー】中には『アントレ』読者の来店も!? 独立に関する相談も無料でのります!

ここまで来たら、具体的にどのようなサービスをこのブース内で行っているのか、そしてどういった方が訪ねてくるのか、知りたいですよね? そこで、この『アントレ』ブース担当の田中さんに直接インタビューしてきました!

―本日はよろしくお願いします。この「フランチャイズ・ショー」ではどういったことに重きを置いているのですか?

田中さん
まず、「今年で『アントレ』は、20周年を迎えます」「いろんな独立を見てきたからこそ、支援できることも多いですよ」ってことを1番に伝えようと思っていますね。これは、このイベントに限らず、全ての面で「20周年」をキーワードにPR活動をしています。

―なるほど。このブース内ではどういったサービスを行っているのでしょうか?

田中さん
フランチャイズの起業・独立に関して相談に乗ってほしいという方に対してマンツーマンで教えることができるよう、「アントレ独立カウンター」というスペースを設けています。
田中さん
実際に担当の相談員の方に来てもらっていて、どんな不安や疑問もその場で解決できるようにしているんです。

―いろんな出店企業を見たうえで、無料でフランチャイズ選びのノウハウを教えてもらえるなんて最高ですね!具体的にはどういったお話をされるのですか?

田中さん
例えば、「そもそもフランチャイズとは?」という根本的な部分から、「起業するまでにどのように進めていけばいいか」という独立・起業までしっかりと基本的な流れをお伝えして、サポートにまで結び付けていけたらと思っています。

―なるほど。では、そういった相談目的の方も含めて、このイベントではどういった人が来られましたか?

田中さん
独立を考えている会社員の方をはじめ、個人事業主の方の相談も多いのですが、それ以上に法人の方が多い印象ですね。 私たちは、普段のイベントではフランチャイズの起業・独立を検討している方に向けてブース出展しているんですけど、「アントレに掲載したいです」っていう法人の方も多くいらっしゃっています。 その場合は、「どういったメディアなのか」「どのような媒体なのか」というのを説明して、事業のお手伝いをする提案をさせていただきます。

―フランチャイズに加盟したい人、フランチャイズ加盟を募集したい人のお悩みを同時に解決できるなんて魅力的なお話ですね!それ以外の要件で来られる方もいるんでしょうか?

田中さん
やはり20年もやっているので、『アントレ』の読者の方が「いつも買ってます」って、顔を出してくれることがあります。それは本当に嬉しいことですね。 また、普段『アントレ』に掲載してくださっている企業の方々がこのイベントに一堂に集まっているので、皆さんとコミュニケーションが取れますし、さらに気合いを入れてやろう!っていう感じになりますね。

不安・疑問があれば即相談!フランチャイズイベントの出展企業から知識を学び、自信を持って独立へ!

『アントレ』20周年ということもあり、出展ブースからサポート環境に至るまで、スタッフの力の入れようがとても伝わってきましたね。 2月1日~3日まで開催された「第33回フランチャイズ・ショー2017」ですが、合計で3万6,912人もの起業・独立を志す方々が来場されたようです!実際に中を歩いてみても、来場者は老若男女幅広く、夢や目標に向かっていくのに年齢や性別は関係ないと、改めて感じさせられるイベントでした。 普段から、独立・起業に向けて勉強に励んでいる方もいると思いますが、やはり実際にフランチャイズ加盟店の経営に携わっている方々にお話を聞くことで、必要な知識を一気に得ることができます。 今回、残念ながら参加できなかった方は、次回のフランチャイズ・ショーに是非行ってみてはいかがでしょうか? あなたの独立への未来が必ず拓かれるはずですよ!

2017年2月21日

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「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズンがスタート。開業までのプロセスを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリーを公開!
山本さんプロフィール 大学卒業後、学生時代にアルバイトをしていた大手の学習塾に入社。退職後、フランチャイズの学習塾を開業。雑誌の取材を受けるなど経営は順調だったものの、理想とする塾のスタイルと違うと感じ塾を閉める。その後、大手の個別指導塾に入社し、個別指導の運営方法などを勉強。現在は退職し、個人の学習塾開業に向けて準備を進めている。開業場所が2016年12月に決まったばかり。現在仮契約中。

――新年に入ったところですが、昨年は年末までいろいろ準備を進めていらしたんですか?

ずっと物件探しをしていたのですが、12月下旬にいいところが見つかったんですよ。自宅から車で10分くらいの場所にあって、広さは27坪。全面ガラス貼りでおしゃれな雰囲気がとっても気にいりました。 この物件に出合うまで、10軒ほど見て回ったのですが、不動産屋さんにお願いして内見までしたのはここだけでした。

――そうなんですね。その物件に決められた理由はなんだったんでしょう

カフェのような雰囲気…全面ガラス貼りだから、とにかく明るいんですよ。これなら生徒さんたちも入ってきやすいんじゃないかと思いました。場所は、商店街の一角にあって、教室の半径1km以内に小学校・中学校・高校が4、5校あるので、立地としても最適だと思います。融資の結果がわかるのはこれからなので、いまは手付金を支払って仮契約の状態です。

――それでは、もう融資の申請はされたんですね。どんな内容で申請されましたか?

はい。教室の場所が決まったので、昨年12月下旬に日本政策金融公庫に融資の申請しました。今年の1月中旬くらいに融資審査の面談をして、1月下旬に決まったら2月頭に物件の本契約をするつもりなんです。 申請した融資の主な用途は、敷金・礼金・手数料・家賃の物件費用と内装、看板費用です。開業資金は自己資金と合わせ約500万円くらい。内装や看板制作については、すでに打ち合わせを進めているのですが、見積もりを先に出してもらっていて、その金額を合わせて申請しました。今年の3月に開校をしたいのですが、融資がおりてから動き始めるのでは間に合いませんからね。

――なるほど。着々と開校に向かっていますね。内装や看板の準備はどんな風に進めているんですか?

内装は自宅近くにあった地元の店にお願いしました。照明をダウンライトにして、壁紙をおしゃれな感じに貼りかえる予定です。床も少し傷んでいたので修復しようと思っています。 看板屋さんは、インターネットで検索して見つけたんですよ。まだ打ち合わせをしたばかりなので、正式な見積もりがくるのはこれからです。デザインは自分で考えたんですが、何度か打ち合わせをして、1カ月程度で完成する予定なんです。内装工事も併せて2月中にできれば、開校に間に合うと思います。

――塾名も決まったってお聞きしましたが…。

そうなんです。「子別指導塾らぼ」に決めました。普段からずっと頭の中で考えていたのですが、いくつか候補があったわけではなく、パッと思いついて、これにしよう!って。 「らぼ」という言葉には研究所や研究室という意味があるのですが、僕は理系ですし、ぴったりかなと思っています。言葉の響きが軽くて優しいし、なにより覚えやすいでしょう?

――そうですね。開校の告知・宣伝はいつごろからはじめる予定ですか?

融資が無事におりることが決まったら、内装と看板制作を本格的に進めます。告知のチラシについては、先にデザインを進めておいて、最後に完成した塾の外観写真をはめ込んで完成!という風にする予定です。 すでにお願いする業者も決まってるんですよ。ホームページの制作も予定していますが、それは開校してからでもいいかな…。

――それではスタッフの面接準備もそろそろ必要ですよね?

スタッフですが、実はいま2、3名の知り合いに声をかけていて、一緒に働いてもらえる予定なんです。最初はそれくらいの少人数でスタートして、おいおい生徒さんが増えていったら、新聞折り込みや就職情報誌、インターネットなどで募集をかけようと思っています。 まずは、融資が無事におりて、内装や看板制作の作業を本格的に進め3月に開校することを目標にしています。

次回の更新は、2017年2月3日(金)お楽しみに!

更新日:2017/1/16
文:堀家かよ 撮影:中村公泰

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2017年1月16日

編集長

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『アントレ』が創刊されたのは、1997年2月27日。 そして、来年2月27日、本誌は20歳の誕生日を迎えます。 人間でいえば成人式を迎える『アントレ』は、どのような変遷を経て、みなさまの独立開業をご支援し続けてきたのか、そしてこれからは、どのような価値をご提供できるのか――4人の歴代編集長に聞きました。

新しいロールモデルとなる独立実例をどんどん増やし情報提供し続けよう。読者の最適な羅針盤となることを願って

大野 誠一 株式会社ローソンHMVエンタテイメント取締役 1982年、リクルート入社。『ガテン』『とらばーゆ』『アントレ』『ダ・ヴィンチ』編集長などを歴任。2001年、パナソニック(株)入社。06年パナソニック、ソニーなどの出資などにより設立された(株)アクトビラの代表取締役社長に就任。11年、(株)ローソンHMVエンタテイメント取締役、12年、(株)ハッツアンリミテッド代表取締役、14年、Beatrobo,Inc.取締役兼任(すべて現任)。

――まずは、皆さんが『アントレ』編集長を務められたころのお話をお聞かせください。

―大野
『アントレ』の創刊日は1997年2月27日。 96年の年末、突然上司に呼び出され「来年2月に『アントレ』を創刊させるが、まだ表紙も決まっていない。お前に編集長を任せる」と。 それで急遽、担当していた別の2誌の編集長を副編集長に任せ、年明け1月1日付で異動しました。よく無事に創刊できたなと(笑)。

――そのときの『アントレ』編集部はどんな状況でしたか。

―大野
それはもう、とても“荒れて”いました(笑)。 ターゲットとするマーケットや読者像、そのほかもろもろ意見が分かれていたのです。 また創刊から数号は個人の事業資金募集などの情報も掲載しており、その審査業務も大変でした。 僕は99年まで編集長を務めましたが、その2年で徐々に方針が整理され、現マーケットの土台がつくれたと思います。

――振り返られて、97〜99年はどんな時代でしたか?

―大野
国内の第三次ベンチャーブームといわれていました。 経済産業省がエンジェル税制を始め、日本でインターネットの商用利用が本格化したのもこのころです。 当時、エイチ・アイ・エスの澤田秀雄さん、ソフトバンクの孫正義さん、パソナの南部靖之さんが“ベンチャー三銃士”として、たびたびメディアに取り上げられていました。ほかにも、CCCの増田宗昭さんとか。 徐々に「ベンチャーってカッコいい!」といった雰囲気が醸成され始めた時期でもありました。

変えるべきこと変えてはいけないこと。そこをしっかりと見極めながら、常に読者に寄り添う姿勢を貫いてほしい

高城 幸司 株式会社セレブレイン 代表取締役 1987年、リクルート入社。情報ネットワーク事業部門にて営業として活躍。その後、『アントレ』の創刊に携わりベンチャー企業の支援にも広く関わる。2001年、アントレ事業部長、02年、『アントレ』編集長に就任、事業部長と兼務。05年、リクルートを退社。同時に人事コンサルティングを行う(株)セレブレインを立ち上げ、代表取締役に就任。

――その後、高城さんが編集長を引き継がれたのですね。

―高城
『アントレ』には、創刊準備から営業企画として携わっていました。 その後、01年に事業部長に就き、編集長に就任したのが02年。そこから2年くらい“発行人”と“編集人”を両方やって、自分も混乱状態でした(笑)。

――個人に向けたフランチャイズ(以下FC)・代理店を主とした独立開業支援誌に方向性を定めたのは高城さんのときですか?

―高城
01年ですね。 当時『アントレ』を、個人読者と法人読者のどちらに比重を置くか議論を何度もしました。 結果「雇われないで生きていく」というキーワードが生まれ、個人の独立希望者にフォーカスすることを決めたのです。 実はセブン-イレブンのFC1号店オーナーって1店舗だけで終わっていません。 同じように1店舗から始めて複数店舗を経営する起業家になるケースは結構ある。つまりFCや代理店はビジネス・スタートアップの入り口であると考えました。

――当時、世の中的にはどんなことが起こっていましたか?

―高城
創刊前後に生まれた有名ベンチャーは結構多かったんですよ。 楽天、サイバーエージェント、タリーズコーヒーなどバリエーションも豊富で、先の“ベンチャー三銃士”のニュータイプが登場しそうな気運がありました。 また、銀行や商社が“冬の時代”に突入し、一部の人たちが安定を捨て、独立を目指すようになった。その一方、“ナナロク世代”といわれる若手起業家候補たちが行動し始めた時期でもあります。

独立開業は誰にとっても大きな決断。“事前のお試し”と“事後の支援”、両方の充実を模索・推進していくべき

藤井 薫 株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT編集長 1988年、リクルート入社。以来、人材領域のプロデュースに従事。『B-ing』『TECH B-ing』『Tech総研』の編集、商品企画を担当。『TECH B-ing』編集長、『Tech総研』編集長、『アントレ』編集長・GMを歴任。2016年4月『リクナビNEXT』編集長就任。『リクナビNEXTジャーナル』編集長、リクルートワークス研究所、リクルート経営コンピタンス研究所兼任。

――06年、会社法改正で、最低資本金制度が撤廃され、創業のハードルが一気に下がりました。藤井さんが編集長を引き継がれたのは、それより数年前ですよね。

―藤井
僕は副編集長を経て04年に編集長となり、13年まで9年間務めました。 04年以降、起業の目的は「自分のため」というより「社会のため」という雰囲気が強くなっていったように思います。 「地域に恩返しがしたい」「先人がつくった価値を残したい」とか。 「フェラーリに乗って、六本木のマンションの最上階に住みたい」といったセレブ志向の起業はもうカッコよくないと、多くの人たちが思い始めたのです。 このころ『アントレ』では、独立を推奨するというより、「雇われない生き方」という、独立することで見つかる「あなたらしい生き方」を伝えることを、編集方針としていました。

――NPOブームが起こったのもこの頃でしたね。

―藤井
はい。とりわけ、フローレンスの駒崎弘樹さんが注目されていて、全世界対象のアワード「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」日本代表選考会でも、駒崎さんのプレゼンは大喝采を受けました。 元インテル会長の西岡郁夫さんをはじめ、ビジネス界のイノベーターといわれる審査員たちが、たった1人が始めた病児保育の変革を、「社会を変える取り組み」と共感し支援したのです。 『アントレ』でも、「金なし、コネなし、経験なし――でも、志あり」。そうした特集をたくさんやりました。「共感資本さえあれば、知的資本や関係資本はほかの誰かが補ってくれる」

――同時期に、“副業”や“週末起業”も発信し始めています。

―藤井
05年には“プロワーカー”という言葉をつくりました。 雇われないけど雇わない、たった1人で働く人々のこと。「プロワーカーから初めて、忙しくなったら人を雇えばいい」というような独立スタイルを提案していました。

――独立の選択肢を増やしていったわけですね。

―藤井
そうですね。“起業”というよりは、あなたらしい“新しい生き方と働き方”。 世の中のためになることをする社会的起業を目指す人たちを、応援していました。

――その後06年、08年と立て続けにライブドア・ショック、リーマン・ショックが起こりました。

―藤井
これらの事件によって人々の仕事観が、より公的な方向に傾いていったと思います。 スタンフォード大学を首席で卒業した学生が、グーグルを蹴ってNPOのティーチ・フォー・アメリカに行く。そうした話も聞かれました。 その後、東日本大震災を経て、誰かのためになりたい、お金よりも生きがいを、と考える人がさらに増えていったのです。

最後に決断するのはいつも自分。常にその時の一助となれるよう、『アントレ』を進化させていきたい

菊池 保人 株式会社リクルートキャリア アントレ編集長 1987年、リクルート入社。2001年より新卒・中途・アルバイト、住宅、進学、学び、結婚、自動車、旅行、飲食、美容領域にてメディア・商品リニューアル・業務BPRを推進、事業のIT戦略立案・実行部隊責任者。09年、リクルート横断のネットマーケティング戦略立案・実行責任者。12年、リクルートキャリアにて新規事業開発を担当。13年『アントレ』編集長就任。

――そしてバトンは、13年に現編集長の菊池さんへ。

―菊池
僕自身はもともとITやネットマーケティングの仕事をしてきた人間で、雑誌もネットメディアも未経験。 まずは実際にどんなカスタマーがいるのか知るために2つのことをやりました。 1つ目は、リアルイベントを開催して読者と実際に会うこと。 そこにはスーツ姿の人たちだけではなく、ドクロマークのTシャツを着たおじさん、キャップのツバがまっすぐな野球帽を浅くかぶった若者など、本当にいろいろな人がいて「我々は、こういう人たちを支援しているのだ」と実感することができました。 2つ目は、意識調査です。 5年以内に仕事を変えた読者に「生き方の軸となるもの」を聞いたところ、彼らには共通点がありました。軸となる価値観が「収入」から「それ以外の何か」に変わったということです。 独立開業を果たした人たちには、そういった価値観の変化が起こることが見えてきました。

起業へのインフラが整い、シニアの独立が増加傾向

――最近のカスタマーには、どんな傾向が見られるのですか?

―菊池
独立せざるを得ない人たちというのでしょうか。 大企業に勤めたていたミドル層が、早期退職者制度を利用して独立するケースが増えています。 数年前から、再就職支援を行っている会社がリストラ候補の人たちに「転職ではなく自分で独立するという道もある」という選択肢を提案しています。 それで『アントレ』にたどり着いたという流れもあるようですね。 やはり50〜60代の独立が目立ちます。 そもそも我が国の人口動態を見ても、そうなるだろうという予測が立つとは思いますが。
―藤井
早期退職による割増の退職金をもらっても、65歳までは満額の年金支給がされないし、自分を活かせる働き口がない。 であれば、独立してみようか、という人が一定数いるのでしょうね。
―大野
逆に、最近の若い人たちの独立はどうなのですか?
―菊池
ちょうど1年くらい前に、京都にある私大のビジネスコンテストで審査員をしたのですが、起業を目指す学生は優秀だという実感を得ました。 ところが、コンテストのテーマ「京都を元気にする」について、テーマが広範囲すぎてか、あまりうまく深掘りできていないんです。大学で学ぶことと起業が、うまくつながっていないのだと感じました。
―大野
今の大学生は、『アントレ』が創刊した頃、2、3歳くらい。 つまり、“失われた20年”といわれた時代をずっと生きてきた。 そして大半の学生が就職活動に今も必死になっている。大学を出てすぐ独立起業の道を選ぶ人はそれほど増えていないのでは? 

――とはいえ、大手企業が欲しがるような大学生が、ベンチャーを選んで数年後に起業する、というパターンも増えていませんか?

―高城
確かに。企業やNPOなど、起業修業を歓迎する“稽古場”のバリエーションは増えています。 加えて、クラウドファンディングによる資金調達など、インフラ的には、昔に比べ独立に有利な仕組みが格段に増えたと思います。
―菊池
12年以降、日本政策金融公庫が創業融資の件数を増やしています。 シニア、女性、若者でも、かなり有利な条件で多額の資金が借りられるようです。
―藤井
全体的に独立をする人は増えていて、開業に必要となる資金も下がっています。『アントレ』の募集広告もそうですよね。
―菊池
“0円開業”もたくさんあるし、開業資金100万円未満のFC・代理店募集も増えています。 各社、独立希望者の獲得競争が激しくなっていますから、開業資金が高いとやはり希望者は減ります。 一方で最近目立っているのは、募集企業に入社してから独立するというパターン。 いったん組織に属して学べるためリスクが少ないんですね。特にコンビニエンスストア(以下コンビニ)で増えています。
―藤井
ところで、独立・起業者数が多い国がメキシコとポーランドということを知っていますか? メキシコは副業大国で、昼間の仕事だけでは所得が満たされず、補填するために夜に別の仕事をするのが一般的です。 そのうち「こっちも意外といける」となっていく、いわゆる“お試し社会”。 一方、ポーランドには独立が立ちいかなくなっても仕事を回してくれるギルドがあって、しっかり機能しています。 つまり、独立後の支援が充実しているということです。 日本でもっと開業者数を増やすためには、この事前のお試しと事後の支援の両方を充実させるべき。 週末起業や副業をやりやすくし、知的資本、関係資本を厚くする仕組みづくりが大事だと思います。 そういえば最近、FCの年齢緩和が話題のようですね。
―菊池
これまでコンビニは基本的に10年契約で、55歳までの独立を対象としていました。 ところが「今の時代、55歳を過ぎてもみんなまだまだ元気。そんな彼らを支援しよう」となった。 まず、ある1社が65歳まで対象年齢を引き上げると、半年以内に同業各社もそれにならってきました。 業界全体が、高齢者の独立開業を支援しようという雰囲気になったことはとてもいいことですよね。

独立希望者を増やすため今後、取り組むべきこと

――では、ここから未来について考えてみましょう。今後『アントレ』がどんなメディアになればいいと思いますか?

―菊池
お付き合いのあるFC・代理店の成約者のうち、7〜8割が『アントレ』経由と聞いています。 『アントレ』はとても強いメディアになりました。 今後、FC・代理店以外の独立支援への注力を検討しています。 「雇われない生き方」って、まだまだ多くの選択肢があるわけですから。
―大野
「雇われない生き方」というキーワードが今後も変わらないのであれば、その“生き方”のバリエーションを増やしていくことも大事な役割でしょうね。 例えば今シニア・ミドル寄りなら、若者支援を広げていくとか。 そうやって、新しいロールモデルとなる実例をつくり続けるべきです。
―高城
独立開業することは人生の大きな決断ですよね。 『アントレ』を1冊読んだくらいで、「会社を辞めて独立しよう」なんていう人はいない。 それでも、読みながら、自分の気持ちを確かめ動機を形成していくはず。 そういう意味では、相談できる場所や機会をつくることで、その動機を高めていけると思います。 もう1つは「地味だけど変わらない等身大の部分」を残すこと。 例えば、コンビニオーナーの独立記事を編集側から見ると10年前と変わらない。 でも、読む側に立つと、その記事を初めて目にする人もいる。 そう考えれば、等身大の『アントレ』を飽きずにつくり続けることもすごく大事です。 変えるべきところと、変えてはいけないところをきちんと決めていかないといけません。
―藤井
先ほどお話しした“メキシコ化・ポーランド化”を参考にすべきだと思います。 まずはメキシコ化で1人の読者が「何をやりたいか」を明確にしていく。 アマゾンドットコムがいい例で、本を1冊買おうとすると、購入する以外の本も表示され「こういう本もある」ことがわかる。 そのデータが増えていくと、アルゴリズムにより「こういう本が好きな人」という本人の志向情報が把握できるようになる。 これと同じで「この読者はこんな働き方がしたい人」という情報を編集部が把握していけると、より的確な提案ができるようになるのではないでしょうか。 ポーランド化は、独立している人が孤立しないようにチームや仲間、志のある人同士でつながる場所づくりです。 例えば「アントレクラブ」のようなコミュニティとか。ネット上なら、低コストで構築できるはずです。 残念ながら僕の時代にはできなかったので、ぜひインターネットに強い菊池さんに実現してほしいです(笑)。
―菊池
独立開業の“ロールモデル”が1つのキーワードになっていますが、「アントレnet」では、700名ほどの先輩実例を紹介するサイトを作りました。 オフラインで個別相談ができる「アントレ独立カウンター」というサービスも1年前から始め、月間80人くらいにご利用いただいています。 先日、参加者さんたちのその後の動きを聞いたのですが、参加前よりアクションの数が増えている。 相談し、何かが解決すれば、動けるようになるのです。 また「Managers」という新人経営者のための経営支援サービスもスタートし、彼らに有益な情報提供やイベントなどを開催しています。 うまくいけば、ここで先ほど藤井さんが言っていたようなプラットフォームに近いことが実現できるかもしれません。
―大野
コーチング的なサービスがあるといいですね。 独立しない方がいい人もいるじゃないですか。 した方がいいか、しない方がいいか、するとしたらどんなリスクがあるかなど、それらを教えてくれるサービスってあまりない。 その人にとって正しい「雇われない生き方」をコーチングしてくれる場所も必要だと思うのです。
―藤井
『アントレ』が提供している「独立スタイル診断テスト」を使えば、「リーダー型」「参謀型」など、自分の特性がある程度把握できます。 これをさらに分解して「成功するならこの型」「この型はこうしたほうがいい」など、進化させるのも面白いと思います。
―大野
そうですね。「アントレnet」に掲載されているロールモデルも1万件くらいに増やして、それにコーチングを受けに来た人の情報や診断テストの結果を結びつけると、より的確な自己判断ができるようになると思います。

――確かに、「あなたに一番近いロールモデルはこの人」とすぐにわかると、面白いですね。

―高城
僕が思うのはみんな「失敗しないこと」がすごく大事ということ。 もちろん、みんな成功したいし、路頭に迷いたくはない。 でも例えば、年収1000万円だった会社員が独立してコンビニを開き、600万円の年収になったら、失敗といえるでしょうか。 違いますよね?  そういう“間”のロールモデルも必要だと思うのです。
―菊池
例えば、レシピ検索サイトでは、自分がつくった料理のレシピを残したいというモチベーションから、どんどん新しいレシピが公開され、ほかの人の役に立っています。 同じように、独立・起業した人が『自分の経てきたプロセスを残したい』といった動機づけができれば、大野さんや藤井さんの言うようなデータベースが実現できるように思います。 難しいですけど、挑戦してみたいですね。

何事も決断するのは自分。『アントレ』をその相棒に

――最後に、読者の方々に応援のメッセージをお願いします。

―大野
これまでのキャリアを棚卸しして、自分の価値観が、「お金を稼ぎたい」「社会に貢献したい」など、どこにあるのかを見つけましょう。 それが、今後どういう働き方をすればいいのか判断するための大きなヒントになるはずです。 僕の知人に、47歳で会社を辞め、軽井沢でワイン用の葡萄づくりを始めた人がいます。 彼にとって価値観の軸の95%が「自分の判断で仕事を決めたい」、残りの5%が「好きなことがやりたい」だったそうです。 求めるのはお金じゃない。 だから3年くらいなんとか生活が続けられる貯蓄ができた段階で、迷いなく新しい世界に飛び込んでいけた。 まずは自分の価値観を把握する――これがあなたらしい独立を成功させるための第一歩だと思います。
―高城
自分の選択肢を広げていってほしいです。 選択肢を広げるだけ広げて、「でもやらない」という決断をしてもいいのです。 例えば、ストレスフルな会社に通いながら、「いざとなったらほかの選択肢もある」と考えている会社員は結構いるはず。 「もう独立しかない」ではなく、選択肢を広げる1つの手段として『アントレ』を読んでもらえればいい。 選択肢を複数持っておけば、必ず気持ちに余裕ができます。 次のキャリアに迷っている人は、そこから始めてみることをおすすめします。
―藤井
会社員5000人への調査で、「働く喜びを必要としながら働きたいですか?」と聞くと、「当然です」という回答が84%。ところが、「働きながら喜びを感じていますか?」と聞くと、37%に落ちてしまいました。 喜びを感じられている人には共通項があって、それを私たちは「3C」と呼んでいます。 自分の持ち味・やりたいことの軸が分かっていて(Clear)、それらが生かされる仕事や職場を自ら選択しているという自己選択感があって(Choice)、上司・同僚と蜜に意思疎通できる職場環境があること(Communication)。 まずはご自身の働き方を振り返って、この確認をしてみてください。足りない「C」を探すことが大事です。 また「2つのing」の確認も。 1つは「Reflecting」で鏡に映ったもう1人の自分のために得意なこと、やるべきことができているか。 そして、もう1つの「Calling」。天職です。 この「2つのing」が揃った仕事に「自分の時間と能力を使うべき」ということ。天職に就けた人は、必ず幸せな人生を送ることができると思います。
―菊池
独立と転職には決定的な違いがあります。 それは、最後に企業側が「あなたを採る」と決めるのか、カスタマー側が「それをやる」と決めるのか、ということ。 独立は後者ですから、我々は常に“カスタマーファースト”でなければならない。 そのことをずっと考えていたので、今日は「コーチングする」という話が特に印象に残りました。 コーチングは、カスタマーと一緒に馬車に乗り目的地にお連れすることが基本。 それをどんなサービスとし、カスタマーの喜びに変えていくか――まだまだ深掘りしていく必要があると思います。
読者の皆さんにお伝えしたいのは、何事も最後は自分で決断しなければならないということ。 ぜひ、決断に迷わないような自分軸をつくっておいてください。 『アントレ』がその一助になれることを願っています。 これからも編集部一丸となって『アントレ』を、みなさま一人ひとりの「雇われない生き方」が探せる最適なメディア・サービスとして進化させていきます。 来年20歳を迎える『アントレ』を引き続きご活用いただけるとうれしいです。

2016年12月27日

hituyo20EyeCatch

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独立・起業を考え始めた人へ、有名フランチャイズ情報や成功事例などの情報を提供してきた『アントレ』は2017年で20周年。そこで20という数字にちなんで、独立・起業を考えている人に必要な20種類のモノ・コト・スキルについて学べる記事をまとめました。ご紹介するのは、次の6つのカテゴリーです。 「土台となるスキル4つ」 「ビジネスの判断に必要なスキル4つ」 「独立・起業時にいて欲しい2種類のヒト」 「必要なカネとモノ3つ」 「マーケティングに必要な行動2つ」 「ビジネスの現場で必要なアイテム5つ」 どれも独立・起業時必要なモノ・コト・スキルばかり。集めたのはそれらを学べる記事。自分に不足しているものがないか確認して、もし不足しているならば、紹介している記事もチェックしてみましょう!

独立・起業の土台になる4つのスキルを学ぶ記事

1・挑戦力

現在のサラリーマン生活をやめて挑む独立・起業。そのために必要なもっとも大切な要素は「挑戦する意欲・力」です。 挑戦力を高めるには、大きくふたつのアプローチがあります。1つは、先輩経営者や友人に相談して、挑戦への意欲を高める方法。もう1つは、「全然知らない分野」に飛び込むことで、ひたすら挑戦し続けて経験を積み重ねていくという考え方です。 挑戦力がなければ、独立・起業を決断することも、成功することもできません。まずは、この挑戦力を伸ばす方法や考え方を紹介している以下の2つの記事をご覧ください。

参照:組織づくりと業務改善の コンサルティングで企業を支援 雇われない生き方:VOL.150 参照:できる事から未来を探すな。「ネイルに興味のない」あるサロンオーナーのキャリア論

2・継続力

「継続は力なり」ということわざが表す通り、「やるべき事」を地道な努力で続けていけば、大きな成果が得られます。 特に自分のキャリアに迷っている人は「好きなことをやり続ける」ことが大切。 たとえば製品やサービスに「独自性」を持たせることで、顧客に愛される仕組みができあがります。それが、事業を継続させていくモチベーションにつながり、好きなことが、ますます好きになっていくからです。 継続できる仕組みをつくり、好きなことをやり続けて独立・起業を成功に導きましょう。

参照:自分しかやらないことを!360日×10年つくりたてを一軒一軒に届け続ける、パン屋さんの話 参照:末期ガンから20年弱。ボイストレーナー・本山nackeyナオトさんを突き動かし続ける、音楽への圧倒的な熱量

3・発想力

事業を始めたけれど行き詰まってしまった。でも、新しい打ち手が浮かばない。そんな時に必要なのが発想力。 発想力を得る方法として、試してほしいのが「マンダラチャート」。やり方は以下の手順を踏むだけです。 1. 3×3のマスを描く 2. 中央のマスにアイデアを出したい事業を書き込む 3. ここからキーワードを連想し、周りのマスを埋める 4. マスが全部埋まったら、周囲のマスから新しいマンダラチャートを作る 5. 最初のマンダラに戻ってもいいので、とにかくキーワードを量産 思考を停止することなく、アウトプットし続けることで発想力は磨かれ、新しいアイデアが浮かんできます。「マンダラチャート」について、もっと詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧になってください。

参照:カヤック柳澤社長が東日本大震災時を振り返る―行き詰まったら「マンダラチャート」で道を開け!

4・時間の管理能力

独立・起業するとやらなければならないことがたくさん生まれます。そこで重要になってくるのが、効率的な時間の使い方。 ポイントは「重要なタスクを見極め、時間を割くこと」。そこでどれが重要なタスクなのかを見極めるために「記録をとる」「リストを作る」ことをはじめてみましょう。 「記録をとる」ことで、自分が何に時間を使っているのかが見えるようになり、「リストを作る」ことで、意外と無駄な時間が多いことに気づかされます。その結果、全体を見渡すことができるようになり、仕事の優先順位が整理できるようになるのです。 また、時間を有効利用するためには、「自分がやらなくてもいい仕事を、自分がやらない」ことも大事です。わからないこと、得意でないことは専門家にまかせて、自分は事業に集中する。そうして本当に必要なことに時間を有効利用していくことが、事業成功の鍵を握るのです。

参照:税理士・弁護士をリサーチしておこう!【起業前にやっておきたい5つのこと④】

ビジネスの判断に必要な4つのスキルはこの記事で学ぶ

5・市場への知識・考察

あなたが独立・起業してライバルに勝つためには、商品やサービスを投入する市場への仕掛け、武器が必要不可欠。そこで身につけなければならないのが、競合分析力です。 このライバル会社と比較する時の分析手法として「4P」というものがあります。 Product(製品) Price(価格) Place(流通) Promotion(プロモーション) この4つの項目で、自社と他社を比較することで、市場傾向や市場での自社の位置が理解できるようになります。市場への知識を深めることが、打つべき仕掛けや武器の考察を生みます。

参照:競合分析から自社の強み・弱みをあぶりだせ【独立・起業のノウハウ集 第10回】

6・事業計画書やビジネスモデルを作る能力

ビジネスモデルを含む事業計画書を作る能力が必要な理由は2つあります。 1.金融機関や出資者など、自分以外の人に事業内容を知ってもらうため 2.自分のビジネスが本当に優れているかどうかを細部にわたるまで確認するため つまり、この能力がないと誰もあなたのビジネスを理解できません。ポイントは、難しく考えすぎないこと。事業計画書は、シンプルでわかりやすいことがもっとも重要だからです。 「誰が・誰に・どこに・何を・何のために・いつ・どこで・どのように・どれだけ」。この9つの要素をきちんと説明している事業計画書を作ることができれば、どんな人にも伝わる計画書になるでしょう。

参照:事業計画書はなぜ必要?知っておきたい!~「事業計画書」の書き方~【独立・起業のノウハウ集 第4回】 参照:『コンセプト』は事業の要!仮説と検証を繰り返して、磨きこもう!  ~「事業計画書」の書き方~ 【独立・起業のノウハウ集 第7回】 参照:あなたが始める事業は、誰の、何の役に立ちますか?独立前に考えておきたい、事業の本質 参照:フランチャイズとは何か ~失敗しないための【FC加盟】基礎知識~ 第1回

7・経理の知識

会社を設立したらやらなければいけないことが「経理」業務。会社を持続的に成長させるための資金繰りや業績の管理をするには、経理の知識が必要です。 でも、事業を進めながら経理管理を日々行うのは大変。クラウド会計ソフトを活用するなどして手間を減らして行うのもアリですが、きちんと経理の知識があるとないとでは、事業の推進力にも関わります。 そこで経理でわからないことがあった時にどうすればいいのかを紹介したのが、こちらの記事。公認会計士など専門家に無料で相談できるサービスや、東京都中小企業振興公社が開設する、税務・会計に関する悩みをはじめ、経営全般に関する相談に応じてもらえる「ワンストップ総合相談窓口」の利用法が掲載されているので参照にしてみてください。 より詳しく知りたい人は、こちらへ

参照:お金!設備!人!知識! 起業に足りない4つを得る、公的機関の起業支援をまとめてみました!

8・法律や契約の知識

独立・起業する上で、「どんな法律にどんな規制があるのか」「従業員はどんな不正や手抜きをしそうか」を知らないままでいると大変。法律や契約の知識がなければ、事業が行き詰まり、組織が崩壊する可能性があります。 とはいえ、法律や契約の知識はそう簡単には身につくものではありません。そこでおすすめしたいのが「法律に詳しい知人を持つこと」。何でも相談ができる友人を持つと、自分の事業を安心して成長させることができます。 たとえば、異業種交流会や勉強会に参加して、法律に詳しい人と知り合いになるのもよし。こうした法律や契約の知識を身につける事例を集めたこちらの記事は、きっと参考になるはず。

参照:今の職場をうまく活用しよう!【起業前にやっておきたい5つのこと③】 参照:~一番やりたい仕事を本格的に始めるために日々準備を重ねる~長期密着取材! 独立開業への道365日 佐々木さん編 [Vol.16]

独立・起業時にいてほしい2種類のヒトとの出会いを知る記事

9・起業メンバー

1人で事業を起こして成長させることは並の努力では難しいもの。でも、仲間がいれば「自分が得意でないところ」を補ってくれます。井深大さんと盛田昭夫さんなどが共同で起業したソニーがその好例です。 起業メンバーの探し方はさまざまありますが、特におすすめなのは以下の2つの方法です。 ・自分の知り合いの中から選ぶ ・異業種交流会で出会う 「自分の知り合い」とは、勤めていた会社の同僚や友人を指します。「異業種交流会」は、その名の通り自分とは異なる分野で活躍している人と知り合える場。あなたが得意ではない能力を持つ人と出会うことが、なかなか1人では気づかない問題点を解決して、新しいアイデアを生み、事業を成長させていってくれるのです。

参照:変化の時代における起業の鍵は「業種を超える」!起業支援ネットワーク代表理事の増田氏に学ぶ、新規事業へのつなげ方

10・税理士

起業して個人事業をする場合、顧問税理士をつけることをおすすめします。それは、毎年の決算申告で「納税が正確に行われているか」を税務署から厳しく問われるからです。起業してすぐに税務調査が入ることはまれですが、数年後に申告漏れが指摘された場合、過去にさかのぼって税金が督促されることもあるので注意しましょう。 税理士が必要な理由や、税理士の選び方についてはこちらの記事をご覧ください。

参照:税理士・弁護士をリサーチしておこう!【起業前にやっておきたい5つのこと④】

独立・起業で必要なカネとモノ3つを得る方法を学ぶ記事

11・公的機関の融資

まだ実績がない独立・起業直後は一般の金融機関はなかなか融資をしてくれません。そうした状況に対応すべく、国や自治体は起業家向けに融資制度を用意しています。 たとえば、株式会社日本政策金融公庫には以下の融資制度があります。 設備資金貸付利率特例制度 新創業融資制度 挑戦支援資本強化特例制度 また、商工組合中央公庫や地方自治体でも融資を行っていますので、ぜひ確認してみてください。 ほかにも、独立・起業に必要な資金を得る方法はあります。利用可能な条件を確認して、ぜひ活用してみましょう。

参照:全部自己資本でやろうとしてませんか?起業のための資金調達方法6選

12・オフィスや店舗物件

独立・起業して事業を始めるには、仕事場であるオフィスや店舗が必要です。しかし、一般のオフィスや店舗用物件だと「賃料が高くて借りたくても借りられない」と諦めがち。そうした悩みを持つ人は、公的機関の起業支援サービスを検討してみましょう。 例えば店舗の場合、自治体が商店街と提携して「空き店舗」を有利な条件で貸し出していることがあります。一般よりもはるかに安い賃料で手に入れられるのでぜひチェックしてみましょう。 オフィスならば、相場よりも格安でオフィスを起業家に提供する「インキュベーションオフィス」の活用もおすすめです。 相場よりも安く、店舗やオフィスを手に入れる方法をもっと知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

参照:お金!設備!人!知識! 起業に足りない4つを得る、公的機関の起業支援をまとめてみました!

13・生産設備や什器

製造業や飲食業だと、製造装置や厨房機器などの生産設備を整える必要があります。そこで知っておきたいのが東京都中小企業振興公社の「中小企業設備リース事業」。 東京都が企業に代わって設備を買い入れて、リース会社を経由し、中小企業が設備を導入できるという仕組みです。低いリース料率で生産設備をリースしてもらえるので、初期費用を抑えて設備を導入できる点がメリットとなります。 その他にも生産設備や什器をお得に入手する方法はあるので、自分に適したものをいろいろと調べてみましょう。

参照:お金!設備!人!知識! 起業に足りない4つを得る、公的機関の起業支援をまとめてみました!

マーケティングに必要な行動2つについてわかる記事

14・新商品・サービスのユーザーテスト

お客さんを獲得するマーケティングの第1歩は、新商品やサービスのテスト。求められていない商品やサービスは、集客にはつながらないからです。 しかし、テストはできる限り無駄がない形で行いたいもの。そのためには「リーンスタートアップ」の考えを学び、活用してみましょう。 リーンスタートアップとは「必要最小限な機能の商品やサービスを作ってみて、アイデアが正しいかを検証する手法」です。フィードバックループと呼ばれるプロセスを繰り返して改良を重ねていきます。そのループは以下の流れになります。 アイデア→構築→製品→売れ行きやユーザーの反応を計測→データ集積→そのデータからの学び→次のアイデア 新商品や新サービスのテストを行った実例は、こちらの記事を参照してください。

参照:独立・起業の不安を徹底調査!出てきた不安を全部スッキリさせる方法まとめました 参照:子供たちの「生きる力」をはぐくむ、オリジナルの教育機会を提供。 社会起業家からのメッセージ

15・プレゼン能力

名刺交換をする際、自分の事業をどうやって説明しますか? 優秀な人は自分の事業を「10秒でスパッと」説明します。逆にダメな人は、これを2分、3分とダラダラと説明し、話が飛んでまとまりのない内容になりがちです。 あなたのアピールポイントは何ですか?どんな特徴のビジネスでしょうか?まずはひとことで自分のアピールポイントと、ビジネスの特徴を言い表せるようにしましょう。 (参考:『頭のいい説明「すぐできる」コツ』) どうしてもシンプルな説明が思い浮かばないのは、そもそもビジネスモデルがありきたりか、逆に複雑すぎて説明が難しいのかもしれません。そんなときは、「7.事業計画書やビジネスモデルを作る能力」をもう一度確認してみましょう。

参照:事業計画書はなぜ必要?知っておきたい!~「事業計画書」の書き方~【独立・起業のノウハウ集 第4回】 参照:『コンセプト』は事業の要!仮説と検証を繰り返して、磨きこもう!  ~「事業計画書」の書き方~ 【独立・起業のノウハウ集 第7回】

ビジネスの現場で必要なアイテム5つ

これまでご紹介した15のモノ・コト・スキルに加えて、現場で必要な5つのアイテムを入手するヒントや必要な理由について最後にまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。

16・会社の銀行口座

「法人口座を持たないと会社経営ができない」というわけではありません。しかし、取り引きや給与対応、売り上げ管理などの処理をする上で、法人口座がないと不便を感じることがあります。 ただ、一般的な都市銀行や地方銀行では独立・起業時に法人口座を作ろうとすると条件が厳しく面倒なことも。ネット銀行だと法人口座が作りやすいのでオススメです。

17・会社のロゴ

会社のロゴは、企業にとって大切な役割を果たします。ロゴがいまいちだと、商品やサービスを届ける前に「あまりよくない印象」を見込み客に与えてしまいます。逆に、印象的なロゴならば、お客さんがロゴからすぐに自社の商品やサービスを思い出してもらえるメリットも。 友人にデザイナーがいれば、相談しながら印象に残るロゴを考えてみましょう。ロゴを作成できる知り合いがいなければ、クラウドソーシングサービスを活用するという手も。適切なお値段で質も納得のロゴが作れるはずです。

18・会社のウェブページ

独立・起業をしたあなたの会社にとって、ウェブページはインターネット上の「名刺」。あなたの会社にとっての見込み客が、商品やサービス内容を最初に知るのがウェブページとなることが多いからです。 ウェブページ作りも、先ほどご紹介したクラウドソーシングサービスで見積もりを出してみるのが賢い作り方です。

19・会社概要チラシ

会社概要チラシは、ウェブページのオフライン版。自社をアピールするためにはウェブページと同じように必要不可欠なものです。会社概要チラシを作る際は「チラシの必要性」「チラシの目的」「チラシの色や形などのデザイン」を明確にした上で作成に臨みましょう。 作成したチラシの印刷をする時は、ネットから注文ができる印刷通販の利用も検討してみましょう。自宅や事務所から注文でき、直接納品してくれるので便利ですよ。

20・挨拶状

挨拶状とは「お世話になっている方々に感謝の気持ち」を表すものです。独立、起業、社名変更など会社として挨拶状を送るときに用意します。 独立・起業した際には、あなたがこれまで築いてきた友人、知人に向けて、独立・起業したことを知らせる挨拶状を送りましょう。 挨拶状をきっかけに、商品やサービスを購入してもらえたり、独立・起業に必要なモノを譲ってもらったりということもあるかもしれません。

独立・起業で成功するために、欠けている部分は補っていきましょう!

独立・起業をする上で必要なモノ・コト・スキルなど20種が学べる記事やヒントをご紹介しました。どんなことを準備して独立起業に臨めばよいのか、イメージができたのではないでしょうか。 今回ご案内した内容を踏まえて、独立・起業に向けて今のあなたに欠けている部分を補ってみてください。 全てそろった時、独立・起業における成功の扉が開かれるのです。

2016年12月8日

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さる9/27~9/28の2日間にわたり、「見て、触れて、選べる!独立体感イベント アントレフェア2016」が開催されました。このイベントでは、独立や開業を考えている人をサポートする、様々なコンテンツが盛りだくさん。 中でも人気の高かったのが「ゲスト講演コーナー」。今回は(株)MMコンサルティング 代表取締役・起業支援コンサルタントの上野光夫さんがお話された「独立は一冊のノートから始めなさい」の講演をご紹介します。 独立への不安や、どうしても腹を括れない人はノートを作ってみる。独立したい気持ちと、失敗への不安に揺れている人は特に必見です。
<上野光夫さんプロフィール> 日本政策金融公庫に26年間勤め、おもに小規模企業への融資の審査業務に携わる。出会った経営者は3万人を超え、融資総額は2000億円超。1年以内に貸し倒れとなる率は0.3%以下に抑える。2011年、経営コンサルタントとして独立し、資金調達支援、起業支援を行うほか、研修、講演、執筆などで活躍。著書に『3万人の社長に学んだ「しぶとい人」の行動法則』(日本実業出版社)、『起業は1冊のノートから始めなさい』(ダイヤモンド社)などがある。

「アイデア・マインド・行動力」。起業家精神で壁を乗り越える

2011年、私は26年間勤めた日本政策金融公庫を退職し、独立開業を果たしました。『なぜ公庫をやめて独立したのか?』とよく尋ねられますが、自らの能力で道を切り拓いていく経営者や起業家のようになりたいと思ったからでした。 そして46歳の誕生日を迎えたとき、突然「早く独立しないと夢が夢で終わってしまう」と思い立って、行動に移しました。おかげさまで現在6年目を迎え、起業を考える方のアドバイスや資金調達のサポートを中心に、1,000名以上の方のお手伝いをさせていただいています。 さて、独立開業や起業といっても様々な業種・形態がありますが、どんな小さな事業においても「アントレプレナーシップ(起業家精神)」が必要になります。誰かの指示ではなく、自分で全てを決めて行動する意識がなければ、独立はうまくいきません。 逆にいえば、アントレプレナーシップを念頭に行動を重ねていけば、楽しみながら経済活動を行えるということです。 しかしながら、起業から1年以内でその半分が、3年以内には9割が廃業あるいは倒産するといわれています。その原因のほとんどは資金繰りの破綻。そこには、独立後に直面する3つの壁があります。 1つ目は「アイデアの壁」。 起業前は様々なアイデアがあっても、いざ開業すると目先の作業に忙殺されて、アイデアを出すことが疎かになってしまう。するとそこがネックになって経営が悪くなります。一方で、優れた経営者は例外なくアイデアマンが多いです。 2つ目は「マインドの壁」。 やる気、モチベーション、あるいはメンタルの強さです。経営が破綻する原因の多くは、平たくいうと図に乗ってしまうこと。あいまいな経営判断や行動が引き金になることがあります。常に高いマインドを持ち続けることが大切です。 3つ目は「行動力の壁」。 何かをしようとすればお金もかかるし、悩みも増えます。しかし、即断・即決・即実行ができる経営者はビジネスをすごく伸ばすことができます。 起業や独立することがゴールではなく、あくまでそこがスタートです。アイデア、マインド、行動を駆使してビジネスを展開していくことが、事業を成功させるには必要なのです。

ゆるがぬ動機と綿密な準備。マネジメント能力向上に成功の秘訣あり

これまでにたくさんの経営者の方とお会いしてきましたが、数年で廃業される方もいれば、数十年続く方もいらっしゃいます。ビジネスプランの差異も当然ありますが、それ以外にも何か違いがあるのではないかとずっと考えていました。 そしてあるとき「独立前に綿密な準備をしたのではないか?」という仮説にたどり着きました。 その仮説をもとに、10年以上経営を続けている方に話を伺ってみると、相当綿密に準備をしていたことがわかりました。逆に、廃業された方の多くが、準備が足りていない傾向にありました。 しかし、綿密な準備といっても期間が長ければいいということではありません。例えば半年、1年など、ある程度時間を区切ることが大切です。私は2年ほど準備しましたが、平均すると1年ほどの準備期間が多いように思います。 では、具体的に何を準備すればいいのか。 まずは、ぶれない独立の動機を決意してください。そして次に時期。何年何月、できれば何日まで決めてください。お金が貯まったら、周囲が賛成したら…などと考えていると、いつまでたっても独立はできません。 次のステップは大きく2つ。1つは、企業セミナーなどでも重点的に指導される「ビジネスを固める準備」です。“何を、どうやるのか”、ビジネスモデルを考えること。そのためには、経営資源といわれるヒト、モノ、カネ、情報をきちんと整えることが必要になります。 もう1つは「経営者になるための準備」。これは、人間関係、お金、メンタルの強さなど、経営者に求められる様々なマネジメント能力を向上させる準備のことです。使う立場と使われる立場はまったく異なります。いままでの自分を変えるくらいの勢いで心を切り替えて準備をしなければ、いくらビジネスを固めてもうまくいきません。

決断のときに向けて、熱い想いを一冊のノートに

独立の準備には、ぜひ手書きのノートを活用してください。PCやiPadなどで独立ログ(記録)をつくる方も多いと思いますが、手書きがオススメです。 なぜなら、書くスピードが速いこと、手で書くという作業によって体と頭がつながり思考の整理ができること、そして、書いたときの気持ちをいつでも思い出せるからです。 まずは、先ほどの「ビジネスを固める準備」と「経営者になる準備」を意識しながら、人に聞いた話や、ネット上で知り得た情報、アイデアなどを時系列でどんどん書いていきましょう。 オススメしたいメモは、自分の心理状態をコントロールする能力「メンタルタフネス」についてです。経営はどうしても山あり谷ありです。しかしそこで一喜一憂せずに、難題を解決していける精神的な支えを記録しておくと、経営にいい効果があると思います。 そしてある程度の記録が蓄積してきたら、次は行動に移すために、ビジネスモデル、マーケティング、スキルアップ、資金調達など、エッセンスを少しずつ別のノートにまとめていきます。その際は、行動とリンクさせていくと効果的です。 いよいよ独立の日が迫ってきたら、独立ログを記したノートをもとに事業計画書をまとめ、経営資源を整えてください。そして最後は、腹をくくって邁進することです。 現在、独立を明確に決めている方もいれば、まだという方もいらっしゃると思います。まずは一度、自分の人生の最期を想像してみてください。「独立した自分と、そうではない自分」。そのときどちらが充実しているかは、独立を決意する判断基準になると思います。 私は46歳のとき、独立していない自分を想像して絶対後悔すると思い、48歳で独立しました。確かに失敗するリスクもあります。しかし決断したからこそ、いまの私があります。思い立ったとき、それが決断のときではないかと思います。

<事業計画書の作り方>ワンポイントアドバイス

事業計画書には目的によって種類が異なります。1つは自分自身のシナリオとしてつくる事業計画書。もう1つは、資金調達やスタッフ獲得のために、人に見せる事業計画書。それぞれの目的に応じた形で、説得力のある事業計画書を作成しましょう。 一例として、資金調達における事業計画書のポイントを示します。 ■ベンチャーキャピタルの場合 「どんなビジネスで、何をやりたいのか」が重要。一目瞭然のプレゼン資料という意識が必要です。堅実さよりも、斬新なビジネスモデルや急成長を感じさせる書き方がポイントです。 ■創業補助金の場合 募集要項の審査基準に準じた書き方で、その分野に明るくない人が理解できて、かつ驚きもあることがポイント。補助金を使って堅実にやっていけるストーリー展開が求められます。 ■創業融資の場合 創業計画書一枚にまとめるのが基本です。ポイントは、経営者としての資質、財政状態などを意識しながら、堅実なビジネスの展開や収支見込みの根拠を示す書き方になります。 ぜひ、参考にしてみてください。

2016年11月14日

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NPO法人放課後NPOアフタースクール/東京都港区

代表理事 平岩国泰 AGE.41

1974年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、丸井に入社。人事、経営企画などに携わり、2004年、長女の誕生をきっかけにアフタースクールの活動を始める。2年連続でグッドデザイン賞を受賞し、2009年、NPO法人化。追って2011年に会社を退職し、常設のアフタースクール開校を機に活動を加速させる。その数11校(2015年11月現在)となり、50社を超える企業との連携子育てプロジェクトも広がりを見せている。文部科学省中央教育審議会の専門委員も務める。

学校が終われば、ランドセルを放り投げて友達と自由に遊びに行く︱︱そんな古き良き小学生たちの光景は、すっかり鳴りを潜めてしまった。 子供を巻き込む凶悪事件の増加、激しさを増す中学受験など、子供たちの放課後は窮屈になるばかりだ。そこに危機感を覚え、「安全で豊かな放課後を届けよう」と改革に挑んでいるのが、平岩国泰率いる「放課後NPOアフタースクール」である。
 活動の柱は、小学校が有する安全性と様々な施設を活用したアフタースクールの運営で、提供するプログラムは実に400種類以上。地域の大人たちや、その道のプロが“市民先生”となり、衣食住にまつわることからスポーツ、文化、音楽など、子供たちにあらゆる本物の体験機会を提供する。加えて、学童保育の預かり機能という点で、待機児童の問題解決にも一役買う。また、企業や行政と連携した子育てプロジェクトも実績を重ね、加速しているところだ。
 娘の誕生を機に、平岩が活動を始めて10年。折々の困難を経てきただけに「やっとここまできた」と、その言葉は重い。小さな一歩でも志を掲げ、行動し続けることで、社会課題に一つ風穴を開けた手ごたえを、今感じている。

日本の小学校の「放課後改革」に挑戦する

━ 最初は大変だったとか。

アフタースクールは、アメリカの多くの小学校に存在し、放課後を支えるインフラとして機能しています。それを日本にも広げたいと考えたわけですが、前例がなく、こと行政や教育委員会相手の活動は実績重視になるので、入り口に立つまでが大変でした。 アフタースクールの趣旨に賛同してくれる地域の市民先生はすぐに見つかったものの、場所の提供を頼みに行った小学校はどこも門前払い。結局、公民館で始めることにしたんですけど、今度は肝心の子供たちが集まらない。 相当くじけていたところ……チラシを見た民生委員の方が「いい活動じゃない。子供を集めてあげるわよ」と、力添えをくださったのです。 第一回、公民館でやったのは3カ月間の「食のプログラム」で、和食の職人さんとともに体験する料理づくり。集まった子供は4人、本当に小さな一歩からのスタートでした。

━ 手ごたえを感じ始めたのは?

まず初回で、子供の確かな変化を目の当たりにしたこと。食のプログラムに、小4の男子が参加したんですけど、全然元気がなくて。でも途中で、実は思いの外食材に詳しいことがわかり、それを市民先生に褒められ、一番弟子に任命されたんですよ。自信がついたのか、プログラムが終わる頃には見違えるほど元気になり、親御さんからもすごく感謝されたのです。 子供たちの“いいとこ探し”をして、褒めて伸ばしていけば必ず真っすぐに育つ。親や先生とはまた違う第3の大人として、子供たちに豊かな放課後を提供する意義を確信できたのは大きかったです。だから、どんどんプログラムを増やしていきました。 参加した子供たちが友達を連れてくるようになり、市民先生をはじめとする支援者も増え、ようやく2年後には地元の小学校に入ることができた。そうなると学校側で参加募集をかけてくれるので、門前払いからすれば大進歩です(笑)。

━ 追って、常設のアフタースクールも開校されています。

法人化したのは2009年。「組織として活動を続けていく」覚悟をしてのことですが、この時、僕はまだ会社勤めをしていて、週1回の活動でしたし、さて具体的にどう展開していくか、なかなか先が見えなかったんですよ。志は強くても、結局は二足のわらじを履く自分が至らないのかと、自責の念に苦しむ時期もありました。  そんななか、最初に常設のアフタースクールを開校するチャンスをくれたのが私立の新渡戸文化小学校です。組織としてはまだ体を成していなかったのに、「毎日子供たちを見ていたい」という僕らの思いをすくい上げてくださった。 メディアによって後押しされたことも大きいです。やっぱり継続は力なりで、続けていればおのずと行く道は開かれるし、周囲もちゃんと認めてくれるものです。

━ 日本でも社会インフラとして機能するといいですよね。

はい、僕らが目指すところです。アフタースクールがすべてだとは思っていませんが、豊かな放課後づくりのための一策として、安全な場である小学校を使い、地域ぐるみで子供を育てるというこのモデルを広げていきたい。自分たちの組織をスケールアップさせることが目的ではなく、全国の方々が立ち上げられるよう支援していきたいのです。 そして、これからは 「放課後にもっと予算をつけましょう」という行政へのロビイングとともに、社会の問題意識を喚起していくような活動にも注力したいと思っています。 そもそもは、生まれた長女のために「人生をかけた最高のプレゼント」をしたくて始めた活動ですが、結果的には、それが自分の将来をもかける大仕事になったというわけです(笑)。

取材・文/内田丘子 撮影/押山智良

2016年11月2日

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FC加盟契約前

利用客としてはなじみのあるフランチャイズチェーン(FC)店。でも、自分が加盟するとなればわからないことばかりです。 そこで、FCシステムに関する疑問や、本部担当者には直接聞きづらい個人的な質問を、3人の「FCのプロ」に聞いてみました。加盟希望者へのアドバイスやFC契約のサポートを行う、現場のプロならではの声もまじえながら、53の疑問にお答えします!
Q47
開業後、より魅力的な同業他社のフランチャイズを発見。乗り換えOKですか?

A47

「競業避止義務」により、一定期間は開業できません。

ほとんどのFC本部は、同業他社にノウハウが流出するのを防ぐため「競業避止義務」を設けています。「加盟契約終了後、数年以内は同業種での開業を禁止する」というところが多いようです。 一方、異業種の場合は加盟契約中に開業しても問題になることは少ないでしょう。「ただし、先に加盟したFC店の運営が安定してから」(FC関係者)。既存の店を軌道に乗せてからでないと新しい店に集中できず、結局どちらも伸び悩むことになりかねないからです。
Q48
地震が起きてお店がつぶれたらどうなりますか?

A48

基本は自分で修復することになります。保険などでリスク回避を。

不測の事態に備えて保険に入り、急な出費は避けたいところ。 「店舗総合保険には必ず入ってもらっています。火事、事故、盗難、休業補償、預かり品賠償などが含まれますが、地震の場合は特約をつけないと補償の対象外。任意である旨は伝えています」(FC関係者) 経営者として、あらゆるリスクを想定し事前に対策を講じておく必要がありそうです。
Q49
開業後、ケガや病気に見舞われた場合、本部のフォローはありますか?

A49

対応の仕方は本部によりけり。確認しておきましょう。

オーナーが店に立てなくなった場合、路面店なら臨時休業できるかもしれませんが、商業施設に入っている場合はそうはいきません。プロによると「明確なフォロー規定はなく、その都度、必要に応じて人材を派遣する」本部が多いようです。 「単発や短期の場合は、本部や直営店からSV、スタッフを有償で派遣して対応しています」(FC関係者)。 万が一に備え、どのようなフォローをいくらぐらいの金額で依頼できるのか確認しておきましょう。
Q50
ロイヤリティも支払えないほど経営がゆきづまったら救済策はありますか?

A50

ゆきづまる前に行動するのが大前提です。

どの本部も、ロイヤリティを免除したり、家賃を肩代わりすることはありません。営業を続けるため、何としてでもお金を集めましょう。 「銀行にどう話を持ちかければ融資を受けやすいか、過去の事例をもとにアドバイスすることは可能です」「販促チラシの費用を応援するケースはあります」とプロが言うように、本部によっては経営状態を立て直すための相談に乗ってくれるところもあるようです。 いずれにせよ、ギリギリまでそのような状態を放置しておくのは問題外です。早めに対策を講じましょう。
Q51
開業後やめたくなったら閉店できますか?

A51

契約期間内での閉店は違約金が発生します。

FC契約には、「契約期間」があらかじめ設定されています。自己都合で期間内に契約を解除する場合、違約金が発生します。本部にとっては、契約途中で加盟店が退店すると信用低下にもつながりかねないのです。 また、店舗物件の賃貸借契約でも、「退店の何カ月前に通知する」「解約する場合は、残りの家賃も全額支払う」といった取り決めがあります。よって、FC契約し開業したら簡単には解約はできないと肝に銘じておきましょう。
Q52
将来、多店舗展開は可能ですか?

A52

資金、能力、物件……条件さえ満たせば可能です。

「タイミングは、1店舗目が余分にスタッフを抱えても利益が確保できるくらいの売上になり、その店を任せられるスタッフが育った頃が望ましいですね」(FC関係者)。 加盟を検討中の本部には、多店舗オーナーは何割ぐらいか、2店舗目を出すまでにかかる期間の目安はどのぐらいかなどを確認しておきましょう。 ほとんどのFCは1店舗だけ運営するよりも多店化するほうが効率的に経営でき、儲かるはずです。ただし、店舗数が増えれば増えるほど、現場に立つよりマネジメントにまわる時間は長くなります。望む仕事スタイルと照らし合わせて方針を考えましょう。
Q53
加盟した後、本部がつぶれてしまったらどうなりますか?

A53

経営の継続は不可能ではありません。

本部がつぶれたからといって、自店も即刻廃業だと考える必要はありません。 本部の手助けがないとまともに運営していけないならば廃業はやむを得ませんが、技術支援や経営指導、原材料の供給などを本部に頼る必要がない状態ならば、同じ商売を続けていけばよいでしょう。 ただし、店舗物件の賃貸借契約が本部名義の場合は注意が必要です。貸主によって、FCオーナーとの契約に切り替えができない場合も。同じ場所での営業ができなくなることもあるからです。

2016年10月6日

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加盟本部の比較検討時の疑問

利用客としてはなじみのあるフランチャイズチェーン(FC)店。でも、自分が加盟するとなればわからないことばかりです。 そこで、FCシステムに関する疑問や、本部担当者には直接聞きづらい個人的な質問を、3人の「FCのプロ」に聞いてみました。加盟希望者へのアドバイスやFC契約のサポートを行う、現場のプロならではの声もまじえながら、53の疑問にお答えします!
Q35.競合の多い業種・業態で本部を選ぶ基準は何ですか? Q36.同業種なら開業資金が安い本部を選んだ方が得ですか? Q37.本部に同業他社のことを質問するのはマナー違反ですか? Q38.優秀なスーパーバイザー(SV)に担当してほしいのですが、加盟前に確認できますか? Q39.機材や什器の一部を自分で調達したいと思います。問題ありませんよね? Q40.自分で編み出したサービスや商品を勝手に付け加えてもいいですか? Q41.契約後に開業するのをやめたくなったら、支払ったお金は戻ってきますか? Q42.物件は本部が探してくれますか?自分が見つけた物件で開業できますか? Q43.本部のアドバイスは絶対に聞かないといけませんか? Q44.開店後、近くに競合他社の店舗がオープンしたら本部は助けてくれますか? Q45.ネットで検索したら悪い噂が多数出てきました。そういう本部は危険ですか? Q46.検討した結果、加盟するのをやめようと思います。本部に断りの連絡を入れるべきですか?

Q35
競合の多い業種・業態で本部を選ぶ基準は何ですか?

A35

決め手は、長期にわたってパートナーシップを組みたいと思えるかです。

まず、競合優位性とブランド力の観点からしぼりこみます。そして、開業資金など金銭面も含めた自分の条件と照らし合わせます。サポート体制も判断基準になるでしょう。
それらを満たす本部が同業種・業態で複数存在する場合、決め手となるのは「その本部と長いお付き合いをしたいと思えるかどうか」です。また、各本部の既存店オーナーの話を聞くことでも、判断を助けるヒントが見つかるはずです。
Q36
同業種なら開業資金が安い本部を選んだ方が得ですか?

A36

いいえ、安く開業することばかり考えるのは危険です。

その本部はなぜ同業他社の開業資金よりも低く設定しているのかを知ることが重要です。たとえば「加盟金が低い」という事実は同じでも、「1件でも多く成約して利益を得たい」と考える本部と「共存共栄の理念のもと、商売を長く続けてもらうため初期投資を最低限に設定している」という本部では大きく異なります。
「同業種でも、商品、システム、サポート……同じものは何一つありません。額面だけの表面的な判断は失敗のもとでしょう」(FC関係者)。
「安い=悪い」とも「高い=よい」とも一概には言えないのが開業資金なのです。
Q37
本部に同業他社のことを質問するのはマナー違反ですか?

A37

むしろ積極的に聞いてください。

後ろめたいことがない限り、嫌がる本部はありません。 「まずは自社の差別化ポイントをしっかり説明します。もし他社の評判も聞かれたら、慎重に言葉を選びながら事実を伝えますね。悪口ととらえられたら自社の評判を落としかねません。
でも、加盟者が同業他社について理解することは、開業後の成功確率を高める重要な要素にもなりますので」(FC関係者)。
加盟金にせよ、商品の魅力にせよ、同業他社とくらべて何が違うのか直接質問してみましょう。。
Q38
優秀なスーパーバイザー(SV)に担当してほしいのですが、加盟前に確認できますか?

A38

難しいです。むしろSV体制や基準を聞いてみましょう。

SVの役割が開店後の経営指導による収益性向上だと考えれば、加盟前のあなたがそのSVの能力を見極めるのは至難の業です。それより、「優秀なSVが付いてくれないと成功できない」と考えるのはナンセンスです。FCオーナーとして自らの能力を高める努力を続けましょう。
しかし、「やる気のないSVに払うお金などない」という気持ちも理解できます。SVの教育体制や、任命や配置の基準などを確認すれば、本部の姿勢を知る一端になるのではないでしょうか。
Q39
機材や什器の一部を自分で調達したいと思います。問題ありませんよね?

A39

一般的にはNGですが、条件付きでOKの本部もあります。

開業資金は少しでも低くおさえたい、という加盟者にこたえて「お店のコンセプトに合う什器ならばかまわない」という本部もあれば、一切NGの本部も。
フランチャイズチェーンは「同一ブランド」ですから、もともと自由度は低いのです。メンテナンスや修理のことを考えると、機材は多少高くても本部の調達したものを導入するのが賢明でしょう。
Q40
自分で編み出したサービスや商品を勝手に付け加えてもいいですか?

A40

原則、認めない本部が多いですが、一部認めている本部もあります。

統一した屋号を使用しているチェーンでは、日本全国どの店舗も同じ味、同じサービス、同じ価格というのが原則です。そのため、オーナー独自の商品やサービスを認めない本部も多いです。
中には独自のクーポン券発行やオリジナルメニューの提供などを認め、「自由度の高さ」を売りにする本部も。本部の方針を確認しておきましょう。
Q41
契約後に開業するのをやめたくなったら、支払ったお金は戻ってきますか?

A41

通常は戻りませんので、慎重に契約しましょう。

どのような事情であれ、契約は契約です。一切戻らないと考えておきましょう。それどころか契約期間の途中で解約する場合は、開業前であっても違約金が発生するケースも。契約前に、再度開業の意思を確認しましょう。
Q42
物件は本部が探してくれますか?自分が見つけた物件で開業できますか?

A42

物件は自分で見つけるという腹積もりで。

本部が物件を紹介してくれるケースもありますが、自分自身で探すのが望ましいです。移動販売の場合も同様で、営業場所はできるだけ自分で確保を。その際、本部担当者から立地や面積、家賃など必要な条件を必ず教えてもらいましょう。
ただし、見つけた物件が必要な条件を満たすからといって、必ずそこで開業できるとは限りません。本部は独自に人や車の通行量、商圏人口などを調査し、自社FCに適しているかどうかを見極めるためです。
反対に本部から物件を紹介された場合も、必ず現地に赴き、自分の目で確認しましょう。その場所で開業するのはあなた自身なのですから、最終的な決断に責任を持ちたいものです。
Q43
本部のアドバイスは絶対に聞かないといけませんか?

A43

絶対ではありませんが、聞くほうがよい結果を得られるでしょう。

成功確率を高めたいならば、自分の意見や考えに縛られず、本部のアドバイスを取り入れるべきです。最初は素直に聞いていても、売上が伸び、多店舗展開するなど規模が大きくなると突っ走ってしまうオーナーもいるようです。
「自由度の高い本部でオーナーさんが3号店を出す際、本部の意見を受け入れずに独自の形態でオープンしました。結果、苦戦。元の業態に戻したようです」(FC関係者)
考えを改めぬまま自分の店を不振に導き、そのまま力尽きる人もいるようです。本部は加盟店の味方です。「そもそも、FCに加盟したのは何のためか」、冷静に考えれば今どうすべきか見失うことはないでしょう。
Q44
開店後、近くに競合他社の店舗がオープンしたら本部は助けてくれますか?

A44

競合を完全に避けることはできません。自分の店の魅力を上げる努力を。
予測できない事態が起こってしまうのは、通常の商売と同じです。近隣に競合店ができることを完全に避けることはせきません。
そもそもその物件は、本部が蓄積された知見により成功確率が高いと判断したうえで、加盟者自身が決断したところ。競合店の出現によって経営が悪化したからといって本部に責任を求めることはできません。ただ、顧客を逃さないよう、自分の店をどう強化・改善するかといった点については、相談に乗ってくれるはずです。どのような環境変化にも耐えられるよう、つねに自店の魅力を高める努力を続けたいものです。

Q45
ネットで検索したら悪い噂が多数出てきました。そういう本部は危険ですか?

A45

鵜呑みにしないほうがよいでしょう。自分で確認するほうが納得できます。

加盟を検討している本部がそのような状況であれば、うやむやにせず真実かどうかを直接聞いてみましょう。「火のないところに煙は立たず」という見方もありますが、悪徳な同業他社が嫌がらせで書き込むケースもないわけではありません。 ただ、デリケートな話題なので聞き方には配慮を。相手の立場を尊重する姿勢を忘れてはなりません。
「失礼がないように聞いたにもかかわらず相手が怒るのであれば、ご縁がなかったと思うほうがいいかもしれません」(FC関係者) 同時に、先輩オーナーに話を聞いてみるなど様々な手段を使って自分で確認すれば、納得しやすいのではないでしょうか。
Q46
検討した結果、加盟するのをやめようと思います。本部に断りの連絡を入れるべきですか?

A46

はっきりと意思を伝える方がよいでしょう。

心苦しいのはわかりますが、お互いのためにそうするほうがよいでしょう。意思表示しなければ、本部から連絡が来る可能性も高いですし、本部も状況を知りたいはずです。ちゃんとした理由を告げなければと気負う必要は全くありません。
「担当者とウマが合わなかった」「独立しないことにした」「もっといい本部が見つかった」など正直な理由を伝えましょう。断る勇気も経営者に必要な素質だと考え、必ず連絡するようにしてください。

2016年9月27日

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本部への訪問、説明会参加の疑問

利用客としてはなじみのあるフランチャイズチェーン(FC)店。でも、自分が加盟するとなればわからないことばかりです。 そこで、FCシステムに関する疑問や、本部担当者には直接聞きづらい個人的な質問を、3人の「FCのプロ」に聞いてみました。加盟希望者へのアドバイスやFC契約のサポートを行う、現場のプロならではの声もまじえながら、53の疑問にお答えします!
Q24.まだ独立するか決めていません。説明会・面談に行くのは時期尚早ですか? Q25.多額の借金があり、資金調達に難航しそう。本部の人に伝えておくべきですか? Q26.開業資金が全く足りません。説明会・面談に行くだけ無駄ですか? Q27.家の近くで説明会がないのですが、やはり本部のある地方まで行くべきですか? Q28.家族が反対しています。面談に連れていっても大丈夫ですか? Q29.初めて本部の人と会う前に準備しておくといいことはありますか? Q30.本部に行ってしまうと、その後激しく営業されませんか? Q31.いい本部、よくない本部の見分け方はありませんか? Q32.本部が設立間もないベンチャー企業の場合、注意すべき点はありますか? Q33.既存のフランチャイズ店オーナーに直接話を聞きに行ってもよいですか? Q34.話を聞いた既存店オーナーは不満ばかり。そういう本部はやめておくべき?

Q24
まだ独立するか決めていません。説明会・面談に行くのは時期尚早ですか?

A24

真剣に話を聞きたいならば、いつ行っても早すぎることはありません。

独立するかどうか真剣に迷っているのならば、面談に行って相談するのも手です。「営業を受けて不快な思いをするのでは」「本部の担当者に迷惑がられるのでは」という不安もあるかもしれませんが、行動しないといつまでも前に進みません。
「面談に行った結果、独立しないでおこうと思うかもしれません。それも一つの決断として前向きにとらえればよいのです」(FC関係者)
Q25
多額の借金があり、資金調達に難航しそう。本部の人に伝えておくべきですか?

A25

必要な開業資金を確認したうえで、早めに伝えるのがよいでしょう。

必要な資金を用意できなければ開業できないわけですから、本部に黙ったまま加盟の準備を進めるのは得策ではありません。早めの段階で、金額も借金の理由も包み隠さず伝えましょう。
「金融機関から追加の融資を受けられず、近親者に借りて開業資金を工面した方もいました。独立の意思が固い人の場合は、事例をもとに資金調達の方法をアドバイスすることもあります」(FC関係者)
Q26
開業資金が全く足りません。説明会・面談に行くだけ無駄ですか?

A14

自力で資金を集める意思があるならば無駄ではありません。

お金を集めるのは経営者の大事な仕事。貯めてでも、借りてでも開業資金を用意することは、経営者になるための第一歩なのです。
「何が何でも自力で集めるという覚悟がない人」や「本部独自の融資制度に期待したり、加盟金の値引き交渉を始めるような人」はFC加盟以前に独立には向きません。それらを理解したうえで面談に臨み、資金が足りない旨は早めに伝えましょう。
中には、「日本政策金融公庫に提出する書類のひな型を渡し、プレゼンテーションのアドバイスをお伝えする」などの協力をしてくれる本部もあります。
Q27
家の近くで説明会がないのですが、やはり本部のある地方まで行くべきですか?

A27

本部に足を運ばずに加盟契約するのは避けましょう。

本部によっては自宅近辺まで出向いて面談を行ってくれるケースもありますので、遠慮せずに投げかけてみるのがよいでしょう。ただし、最終的な決断を下す前に一度は本部を訪れたいところ。ビジネスパートナーとなるわけですから本部企業の雰囲気を肌で感じることが大切です。
同様に、家の近くで開催される説明会の日程が自分の都合と合わない場合も本部に問い合わせてみてください。個別に対応してくれる本部も多いようです。
Q28
家族が反対しています。面談に連れていっても大丈夫ですか?

A28

家族の応援は必要です。ぜひ同行してもらいましょう。

家族が反対することは決して珍しいことではありません。しかし、最終的に家族の理解を得、独立後支えになってもらうことは成功するために不可欠です。できる限り、大切な家族やパートナーに同行してもらうほうがよいでしょう。
「ご本人だけの時もご夫婦で来られる時もあえて対応の仕方は変えません。ただ、知りたいポイントが異なるということは意識しています」「同席した親族に対して本部側から語りかけることはしません。対話するのはあくまでご本人」などとFCのプロが言うように、多くの本部はあえて手助けしない方針。家族を説得するのはあなた自身だということを忘れないでください。
Q29
初めて本部の人と会う前に準備しておくといいことはありますか?

A29

すべての資料に目を通し、質問を用意しておきましょう。

多くの場合、事前に資料を請求しているでしょうから、それらにしっかり目を通し、本部に確認したいことを整理しておきましょう。当日、メモを見ながら質問してもかまいません。本部が嫌がりそうな質問も遠慮せず聞いてください。礼儀をわきまえて尋ねれば、本部もきちんと対応してくれるはず。
また、手持ち資金はいくらぐらいか、家族は独立に賛成か反対かなど自身の現状も把握して面談に赴くとスムーズです。
Q30
本部に行ってしまうと、その後激しく営業されませんか?

A30

本部の方針次第です。避けるには明確な意思表示を。

「加盟者を増やしたい」という理由から、検討者に対して激しく営業する本部もないとは言えません。加盟の意思がない場合は、「貴社には加盟しない」「結論が出たら自分から連絡する」などの意思をはっきりと伝えましょう。
一方、「FC加盟は、本部側がお願いしてやってもらうようなことではない、と考える本部も増えています」(FC関係者)。十分な時間をかけて自らの意思を確認しましょう。
Q31
いい本部、よくない本部の見分け方はありませんか?

A31

創業者が社長の場合は特に、その価値観や考え方がビジネスモデルやサポートの内容、加盟金やロイヤリティといったFCシステムに反映されています。理解を深めるためにも、できるだけ経営者や幹部の方と接触する機会を見つけましょう。
それがかなわない場合でも、既存店オーナーの話は聞けます。本部の説明とかい離がないか、数店舗まわって確認を。多店舗展開しているかどうかも聞くとよいでしょう。本部に対する印象は、本人との相性や価値観によっても異なります。その点も踏まえて判断を。

Q32
本部が設立間もないベンチャー企業の場合、注意すべき点はありますか?

A32

本部の経営状況を必ず確認しましょう。

大手だから安心、ベンチャーだから不安定とは言い切れません。「法定開示書面」を入手すると、事業内容や契約内容、経営状況などを確認できます。小売店と飲食店を展開するFCは、法律によって交付が義務づけられています。本部から入手するほか、ウェブサイト(http://frn.jfa-fc.or.jp/)でも閲覧可能です。
また、「経営者がどういう人か」も見極めたいところです。創業間もない企業の場合、よくも悪くも経営者の影響を受けやすいのです。たとえば時間にルーズだったり、対応の仕方が誠実でない場合は、後々トラブルになりやすいようです。
Q33
既存のフランチャイズ店オーナーに直接話を聞きに行ってもよいですか?

A33

先方に配慮したうえで、話をしてみましょう。

本部から得た情報だけで加盟を決断するのは不安、という人は複数のFCオーナーから話を聞き、開業後のイメージをふくらませましょう。既存店のオーナーなら、先輩として親身に相談にのってくれることも多いはずです。
ただし、営業中にお邪魔するならオーナーや来店客への配慮を忘れず、節度ある行動を保ちましょう。事後でかまわないので、訪問した旨を本部に報告しておくとより丁寧です。
Q34
話を聞いた既存店オーナーは不満ばかり。そういう本部はやめておくべき?

A34

なぜ不満なのかを尋ねましょう。一方的な意見では真実はわかりません。

どのオーナーも不満しか言わないのであれば、本部に何らかの原因があるかもしれません。しかし、そうでなければオーナーの言葉を鵜呑みにしないほうがよいでしょう。「何がどのように不満なのか」、その背景にある事実をつかむことが重要です。
また、本部が先輩オーナーを紹介してくれることもありますが、その店舗を含め複数のオーナーから話を聞くとよいでしょう。長期にわたるパートナーを選ぶわけですから、惜しみなく行動しましょう。

2016年9月19日

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資料の比較、業界の検討段階の疑問

利用客としてはなじみのあるフランチャイズチェーン(FC)店。でも、自分が加盟するとなればわからないことばかりです。 そこで、FCシステムに関する疑問や、本部担当者には直接聞きづらい個人的な質問を、3人の「FCのプロ」に聞いてみました。加盟希望者へのアドバイスやFC契約のサポートを行う、現場のプロならではの声もまじえながら、53の疑問にお答えします!
Q12.学歴も経歴もぱっとしない私。フランチャイズオーナーとしてやっていけますか? Q13.全体的に開業資金が高い気がするのですが、なぜですか? Q14.加盟金の額はなぜ本部によって違うのですか? Q15.資料に書かれている開業資金。本当にそれ以上かかりませんか? Q16.具体的に話を聞きたいのですが、いきなり本部に電話しても大丈夫ですか? Q17.送られてきた資料の内容が薄いのですが、この本部、大丈夫ですか? Q18.資料にある収支モデル、本当に本当ですか? Q19.前職でのマネジメント経験がありません。本部は助けてくれますか? Q20.ロイヤリティとは何ですか? 何のために払うのですか? Q21.手先が不器用ですが、開業前の技術研修でどうにかなりますか? Q22.説明を聞く限り、加盟しなくても自力でできそうな気がするのですが……。 Q23.個人店を経営しています。同業種のフランチャイズに加盟することは可能ですか?

Q12
学歴も経歴もぱっとしない私。フランチャイズオーナーとしてやっていけますか?

A12

多少関係があるとすれば、それは結果ではなくプロセスにおいてです。仕事、勉強、スポーツ……領域は何であれいくらかの成果を出してきた人は、そのために自分を律し、努力を積み重ねてきたはず。努力の仕方と継続の大切さを身をもって知っているかは重要といえます。 しかし、「過去の成功体験にとらわれ、日々の改善ができないと状況はよくなりません」とプロは口をそろえます。自分のやり方に固執してしまうためです。 FCオーナーにとっては「誠実さ」や「向上心」のほうが大切。本部のやり方を素直に受け入れ、一つひとつの業務に真剣に取り組んでいけば着実に成果を得られるはずです。

Q13
全体的に開業資金が高い気がするのですが、なぜですか?

A13

開業資金の主な内訳は加盟金、保証金、開業前研修費、設備費、店舗の内外装費、物件取得費など。中でも特にわかりづらいのは加盟金です。加盟金とは、FC本部が時間とコストを投資し蓄積したノウハウやビジネスモデルの価値を本部が独自に算定したものです。そのため、金額に相場はありません。 加盟金に限らず、提示された金額が割高だと感じるか、支払う価値があると感じるかはあなた次第です。「そうはいっても客観的な判断基準がほしい!」と考える人には、「投資金額の回収にかかる期間」を算出することをおすすめします。プロによる と、「時代背景や業種・業態にもよりますが、2、3年以内が目安。5年は許容の範囲内」だそうです。

Q14
加盟金の額はなぜ本部によって違うのですか?

A14

各本部が独自に算出するためです。 加盟金についてはQ&Aの13で説明した通り、本部が独自で設定するため金額に差が出て当然なのです。FC業界共通の設定基準もありません。 したがって、内容のわりに低価格に見える本部もあれば、加盟店の募集広告費用まで組み込んでいる本部もあるというのが現状です。また、開業にかかる資金は同業他社にくらべて低めでも、ロイヤリティの設定が高めというケースもあります。 いずれにせよ、金額に見合う価値があるかどうか複数の本部と比較しながら検討し、納得のうえで加盟を決断しましょう。

Q15
資料に書かれている開業資金。本当にそれ以上かかりませんか?

A15

まずは開業資金の内訳を確認しましょう。

絶対にそれ以上かからないとは言いきれません。エリアや立地などの条件により大きく変動する物件取得費や、材料や商品といった日常の仕入れにかかる費用を入れていない本部もあるからです。最終的に必要になる開業資金の総額と内訳は必ず本部に確認しましょう。 本部に支払う以外に開業にあたって必要な経費も色々と考えられます。たとえば、開店時の販促費用や求人広告の掲載料、物件の仲介手数料など。当面の生活費や運転資金も必要です。最低でも3~6カ月分は確保しておきましょう。
Q16
具体的に話を聞きたいのですが、いきなり本部に電話しても大丈夫ですか?

A16

大丈夫です。あらかじめ確認したいことをまとめておきましょう。

本部には、たいてい問い合わせ用の連絡先が設定されており、募集情報内に記載してあります。あらかじめ聞きたいことを整理したうえで連絡するとよいでしょう。 ただし、電話をかける際は「名乗る」「相手の都合を確認する」といった通常のビジネスマナーに則った言動を心がけたいところです。
Q17
送られてきた資料の内容が薄いのですが、この本部、大丈夫ですか?

A17

資料内容が濃い、薄いだけで判断するのは早計です。

手元に届いた資料がわかりづらい、という声は少なくありません。自社のビジネスがどのようなものかを伝える工夫ができているかどうかは本部選定の一つの基準になるでしょう。 ただし、資料にどんな情報をどれだけ盛り込むかの方針は本部によって異なります。「資料請求者が知りたい情報はもれなく記載する」という本部もあれば、「資料は必要最低限にして、説明会や個別相談会で直接説明したい」という方針の本部もあります。 資料はあくまで入口と考え、「ほしい情報が載っていなければ、直接問い合わせる」ぐらいの余裕を持ちたいものです。
Q18
資料にある収支モデル、本当に本当ですか?

A18

実際のモデルといえますが、あくまで一例です。

収支モデルの算出方法は企業により異なります。「既存店の平均的な収支モデル」を掲載する本部もあれば「好調店の収支」を載せるところも。資料に数字の根拠が書かれていないことも多いので、説明会や面談の際に聞いてみるとよいでしょう。正直に教えてくれれば、信頼できる本部かどうかをはかるうえで参考にもなります。秘密保持契約を結んだうえで全店の売上データを見せてくれる本部もあるようです。 ただし、どんなに現実的な数字であっても、その売上は保証されるものではないことを忘れてはいけません。
Q19
前職でのマネジメント経験がありません。本部は助けてくれますか?

A19

頼りっぱなしはいけませんが、必要に応じてサポートしてくれます。

オープン前研修や開業後の定期訪問など、加盟者の段階に合わせて必要な情報と適切なサポートが提供されます。 「質の高い接客ができるよう店長だけでなくスタッフの教育にも携わる」という本部も。よってマネジメント経験がなくても、実践の中で身につけることはできるでしょう。
Q20
ロイヤリティとは何ですか? 何のために払うのですか?

A20

ロイヤリティとは商標やシステムの使用、本部による継続的な指導などの対価です。

加盟契約期間中、原則として毎月支払います。その額も「金額固定」や「売上に対する割合固定」のほか、「売上高に応じて変動する」など様々です。金額に見合うメリットを得られるかどうか、吟味することをおすすめします。
Q21
手先が不器用ですが、開業前の技術研修でどうにかなりますか?

A21

器用な人より時間はかかるかもしれませんが、どうにかなります!

ほとんどのオーナーが未経験からのスタートです。器用な人とくらべれば上達に時間がかかるかもしれませんが、努力すればプロの技を身につけられます。 ある本部は「研修に何カ月もかけては無収入状態が長引くので、1カ月の研修期間に一定の技術は身につくよう指導している」とのこと。ただし、お客の要求に臨機応変に対応するにはその後も継続して技術のレベルアップをはかる必要があるようです。
Q22
説明を聞く限り、加盟しなくても自力でできそうな気がするのですが……。

A22

どちらが、自分が思い描く将来像に近いか考えましょう。

FCチェーンに属するメリットは少なくありません。本部は業界情報を豊富に持っていますし、競合他社・他店との差別化をつねに考えています。スケールメリットによりコストを下げることもできますし、本部の信用によって仕入れを売掛にできるケースもあります。 しかし、あなたが「自由」を一番に求め、FCに加盟する必要がないと感じるならば、自力での開業も選択肢の一つではないでしょうか。 「独立してどんな商売をしたいのか、将来どうなりたいか」をしっかり見つめれば適切な決断ができるはずです。
Q23
個人店を経営しています。同業種のフランチャイズに加盟することは可能ですか?

A23

本部の方針によりますので、事前に確認を。

契約書にある「競業避止義務」の規定に抵触しないか、必ず本部に確認しましょう。 仮にOKが出たとしても、個人店で提供していた商品やサービスをそのFC店内で継続できるかどうかはわかりません。後から「こんなはずでは」と思わないためにも、事前に本部に具体的に相談しましょう。

2016年9月13日

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フランチャイズ「検討開始時」によくある疑問

利用客としてはなじみのあるフランチャイズチェーン(FC)店。でも、自分が加盟するとなればわからないことばかりです。 そこで、FCシステムに関する疑問や、本部担当者には直接聞きづらい個人的な質問を、3人の「FCのプロ」に聞いてみました。加盟希望者へのアドバイスやFC契約のサポートを行う、現場のプロならではの声もまじえながら、53の疑問にお答えします!
Q1.フランチャイズってどんな仕組み?メリット・デメリットはなんですか? Q2.フランチャイズに加盟すれば必ず儲かりますか? Q3.企業はなぜ直営店だけでなくフランチャイズも展開するのですか? Q4.加盟契約を交わしてから開業までに何カ月ぐらいかかりますか? Q5.会社勤めを続けながらの開業準備は可能ですか? Q6.副業でもフランチャイズ店のオーナーになれますか? Q7.独身や学生、外国人も加盟できますか? Q8.シングルマザーです。フランチャイズの仕事と育児は両立できますか? Q9.日本全国、どこででも開業できますか? Q10.お金さえ払えば、だれでも加盟できますよね? Q11.どんなフランチャイズオーナーが失敗しやすいのですか?

Q1
フランチャイズってどんな仕組み?メリット・デメリットはなんですか?

A1

対価と引き換えに商標や成功ノウハウなどを手に入れられるのがFCです。

FCとはフランチャイザー(本部)とフランチャイジー(加盟者)の契約で、商標や成功ノウハウのつまったフランチャイズパッケージを、加盟金やロイヤリティといった対価と引き換えに提供する仕組みです。 特別な経験やノウハウ、ビジネスアイデアがなくても本部の指導を受けながら短期間で開業できること、ブランド力のある事業を運営できるのが一番のメリットです。そのため独自に開業するよりは成功の確率が高まると考えられています。 デメリットは、契約によって経営の自由度が制限されること、他のFC店が不祥事を起こした場合でも、チェーン全体のイメージに悪影響を被るおそれがあることなどです。
Q2
フランチャイズに加盟すれば必ず儲かりますか?

A2

通常の独立より失敗確率は低いですが、儲かる保証はありません。

「FCだから安心。本部が儲けさせてくれるはず」というような考えは捨てましょう。成功が約束された独立・開業はあり得ません。本部に依存せず、経営者になるという自覚を持って開業したいところです。 「本部には直営店や既存FC店の事例が蓄積されています。そのため、FCに加盟せず自らビジネスモデルを構築し試行錯誤しながら実行するよりは確からしい選択ができます。失敗の確率を下げ、苦労を減らすことはできるでしょう」(FC関係者)
Q3
企業はなぜ直営店だけでなくフランチャイズも展開するのですか?

A3

FC展開は企業の成長戦略の一つです。

直営店展開のほうが収益性が高く成長見込みがある場合、企業はFC展開しません。しかし、業種や業態によってはFC展開することで企業に成長をもたらす場合もあります。 FC戦略の目的はほとんどの場合、自社の事業拡大ですが、背景は「強い競合が出現する前に市場をおさえたい」「直営店をいっきに増やすには時間がかかる、資本がない」など様々。本部も加盟者同様、FCのメリットを享受するわけです。その観点からも、両者は共存共栄を目指すビジネスパートナーの関係といえます。
Q4
加盟契約を交わしてから開業までに何カ月ぐらいかかりますか?

A4

業種や業態によりますが、目安は2~6カ月です。

資金の調達を済ませ、物件の目途がついた段階で契約すれば、1~3カ月以内には開業できるでしょう。ただし、本部によって契約のタイミングは異なります。 「設定する家賃におさまる大型の居抜き物件など条件が厳しい場合は、半年~1年かかりますね」(FC関係者) 無収入の期間をできるだけ短くするためにも、退職の時期は本部のアドバイスも参考にするとよいでしょう。
Q5
会社勤めを続けながらの開業準備は可能ですか?

A5

可能です。出勤前後や休日を有効に活用しましょう。

独立後の生活資金や運転資金を貯めるためにも、急いで退職することはおすすめしません。 「みなさん、空いた時間を活用して物件探しや、求人の準備、競合店の調査などを行っていますよ」(FC関係者) 週末に直営店や既存の加盟店に体験入店したり、座学の研修を受けることで接客や店舗運営のノウハウを学べる本部もあるようです。 ただし、会社勤めを理由に開業準備が滞ることのないようにしましょう。商業施設内に出店する場合などはオープン日をずらせません。開業準備を進めるのはFC本部ではなく、あくまで自分自身。本部と積極的に連絡を取り合い、帰宅後や休日を利用して計画的に実行しましょう。
Q6
副業でもフランチャイズ店のオーナーになれますか?

A6

業態によります。不可能ではありませんが、ラクな道ではありません。

自分一人で自由に営業できる業態の場合はコントロール可能ですが、店舗などの場合、あなたが会社に勤務している間、FC店の運営を任せられる店長やスタッフを確保しないといけません。そのうえ現場にいる時間が短い分、運営スキルやノウハウはオーナーよりもスタッフのほうが磨かれるのは必至。はりきってプレイングマネジャーになろうとすると、「何もわかっていない」と優秀な人材が離れかねません。 「運営は信頼できる店長やスタッフに任せ、自身は経営に徹するほうがいい場合もあります」(FC関係者) 副業で始めたいのはなぜでしょうか。覚悟はできているか、時間を作れるかなど考えたうえで決断を。どっちつかずになることも少なくありません。 「どうしても副業から始めたいなら、365日働くぐらいの意気込みがないと無理ですよ」(FC関係者)
Q7
独身や学生、外国人も加盟できますか?

A7

ほとんどの場合、独身はOK。学生、外国人は本部や本人次第です。

ほとんどのFCは独身でも加盟できます。ただし、学生の場合は必ずしも加盟できるとは限りません。本部に問い合わせてみましょう。 外国人の場合、ハードルとなるのが「言葉」です。「外国人だから」という理由で断られることはありませんが、「接客が必要な業種・業態で開業するからには日本語で不自由なく会話できることは必要」というのがプロ共通の見解のようです。
Q8
シングルマザーです。フランチャイズの仕事と育児は両立できますか?

A8

両立するための条件を整えることが必須です。

子供を保育所に預ける場合、毎日の送迎だけでも大変。突然の発熱で早引きすることもあるでしょう。周囲に育児面のサポートをしてくれる親族や知人がいれば、事前に相談を。いざという時に備え、病児保育やベビーシッターについての情報を集めておくといった対策も必要です。 同様に、仕事面でも条件を整えておかなければなりません。 「店舗の営業日や時間を自分で決められる本部であれば、両立しやすいでしょう」(FC関係者)。 ただし、商業施設に出店する場合は施設の営業時間に従う必要があります。また、家にいる時間は育児に専念できるよう、安心して仕事を任せられるスタッフも見つけておきたいところです。
Q9
日本全国、どこででも開業できますか?

A9

「どこででも」開業できるわけではありません。

ほとんどの本部は自社の既存店(FC店や直営店)の市場を奪うような立地を避けようとします。そのため、テリトリー制を敷く本部は少なくありません。ただし、テリトリーの範囲や基準は本部によって異なります。また、物流や商品特性などの観点から特定のエリアを出店の対象外に定めている本部もあるようです。 開業したいエリアが決まっている場合は、早めに本部に確認しましょう。
Q10
お金さえ払えば、だれでも加盟できますよね?

A10

必ず加盟できるわけではありません。断られる場合もあります。

本部にとって加盟者はビジネスパートナーです。姿勢や人間性を理由に断られても不思議ではありません。たとえば、「お金を払うから成功させてよ、という他力本願な人」「本部の企業理念への共感がなく、儲けたいだけの人」といった希望者に対して、本部は「この人と共存共栄していけるだろうか」と不安に感じるでしょう。 一方で、誰でも簡単に受け入れる本部があるのも事実。FC加盟は買い物ではなく、大切な人生の決断だということを認識して、本部を見極めましょう。
Q11
どんなフランチャイズオーナーが失敗しやすいのですか?

A11

素直でない、謙虚さに欠ける、他責的な人はオーナーに向きません。

営業成績のよいオーナーについてプロに聞くと、「真面目に研修を受け、スーパーバイザーや研修指導員のアドバイスを素直に聞き、すぐに実行に移せる人」だそうです。受け身ではなく自発的な姿勢というのも、成功オーナーの共通項です。 一方、「運営がうまくいっていなくても本部から指導があるまで改善努力をしない人は失敗しやすい」とプロは言います。常に受け身の姿勢だと、経営不振の原因を本部や商品、立地のせいにしがち。客観的な現状分析ができなくなるのです。固定観念を捨て、「そのFCにおいては素人なのだ」という気持ちで臨みましょう。

2016年8月30日

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本部ノウハウの実践を徹底することが基本
準備万端、いよいよ開業日を迎える。この日までに様々なことがあるだろうが、加盟オーナーのビジネスはこの日から始まるのだ。開業にこぎつけただけで満足してはならない。経営者として、できるだけ長きにわたって自分の店を繁盛し続けさせなければならないのだ。そして、1店舗目を軌道に乗せたら、2店舗目、3店舗目と多店舗化を目指すことも大きな夢となるに違いない。 そのために大切なポイントはいくつかあるが、FC加盟店オーナーとして最も重要なのは、マニュアルに記載されている本部のノウハウの実践を徹底し、その指導に素直に従うことである。それが「成功のノウハウを買う」FC加盟の本質であるからだ。 そして、接客サービスや店舗の清掃といった基本中の基本を徹底することだ。これらのことは一見簡単なように思えるが、毎日地道に継続するのは意外に難しいことなのである。 そういった基本を徹底したうえで、加盟店は本部に対して遠慮なく意見を言うことも大切。本部と加盟店は対等で、日々顧客に接しているのは加盟店であるからだ。 加盟店がつかんだ商品・サービスに対する顧客の要望や販売方法のアイデアなどは、ただちに本部にフィードバックすべき。それが商売を磨き上げることに反映され、加盟店の繁盛に直結するはずだ。 つまり、本部と加盟店はお互いに切磋琢磨し、ともに成長を目指す互恵関係なのである。そのベースとなるのは信頼関係。加盟FCを決めるに当たり、本部の理念や目標を最重視しなければならないのは、ここに理由があるのである。 そして、多店舗の経営を目指す場合、最難関なのが2店舗目、3店舗目を任せられる人材を育成すること。これができれば、成功は約束されたも同然だ。「企業は人なり」なのである。 加盟金が低い、で加盟したものの…… 加盟金の低さを決め手に、ある新業態の本部に加盟したCさん。ところが、開業後本部のフォローは電話で済ますだけ。新業態であるだけに、マニュアルにないオペレーションを強いられて客の前でまごつくことも。客足は次第に遠のいていった……。
■事業拡大のためのヒント

1本部の指示・指導を厳守する 2本部とのコミュニケーションを徹底し、可能な限り本部を活用する 3先行的に従業員の育成を図る 4地域に密着したマーケティング活動を徹底する 5資金回収のスピードに対応して、早期に多店舗展開を目指す 6エリア内の物件情報と立地の変化の情報収集を怠らない 7自分独自の立地判定の基準を構築する 8事業拡大によって、オーナーだけでなく従業員の夢の実現にも寄与できることを目指す

「最後のリスクは自分が取る」 経営者の自覚と成長志向を持つ フランチャイズとは、基本的に長期間にわたって本部と加盟店の関係を継続させることが前提のしくみです。そのFCが好きでなければ続きませんし、従業員にもそのFCで働いていることを誇りに感じてもらうことができれば、それだけで高いモチベーションが維持できるのです。 一方、脱退には守秘義務や数年間は同業に就くことが禁じられるなどの制約というリスクがあります。 そこでいっておきたいことは、一口にFCといってもいろいろあるということです。例えば、サポートのレベルが開業時の支援だけの本部から、長期間の付き合いを前提にしてきめ細かい対応を行っている本部まで様々。 業種・業態とともに、そういった本部の性格までしっかり見極めて自分に最適の本部を選ぶことが、成功の第一歩といえるでしょう(逆にいえば、「ここだ」と思える最適な本部が見つかるまでは、妥協して次善の本部に加盟してはいけないということです)。 成功する加盟オーナー自身に必須の資質としては、「最後のリスクは自分が背負わなければならない」という経営者としての自覚を持てることと、つねに前向きで成長志向があることでしょう。 そして、No.2となる人材を育成し、自分の手の回らないところを積極的に任せていく度量が問われると思います。 最後にFC加盟を考えている読者に次の言葉を贈ります。

「加盟前は本部を徹底的に疑いなさい。しかし、加盟後は本部を徹底的に信じなさい」

監修:民谷昌弘氏 (FCコンサルタント)

(株)アクアネット、フランチャイズ経営研究所 代表取締役 (一社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校、経営士講座講師 (一社)日本フランチャイズコンサルタント協会会長 著書:『ザ・フランチャイズ』『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』、 『成功するフランチャイズ戦略』(ダイヤモンド社)、 『本当は教えたくないフランチャイズ本部成功50の教え』(出版文化社)ほか

2016年8月18日

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FC加盟プロセスで一番忙しい時期
契約後は、一気に開業に向けての準備に取りかかることになる。やるべきことは、店舗の施工や各種の届け出などの公的手続きに始まり、スタッフの採用、加盟オーナーやスタッフの研修受講、開業前の販売促進活動など多岐にわたる。FC加盟プロセスにおいて、この開業準備から開業直後までが最も忙しい期間だろう。
しかし、あまり不安になる必要はない。開業準備は基本的に本部が主体となって取り仕切るものだからである。一般的に、本部では開業準備に必要な事柄を一覧表にまとめ、スケジュール管理ができるようになっている。
ただし、本部がすべてをやってくれるわけではない。実際に動くのは加盟者自身。事前に本部と加盟店の役割分担がどうなっているのかを確認しておくべきだろう。 そして、チラシの印刷などではちょっとしたミスが余計なコスト増につながりかねないので、忙しいながらも細心の注意を払って対応する必要がある。
立地選定と人材採用が最重要事項
加盟者にとってとりわけ重要なのは、立地選定とスタッフの採用。ビジネスが成功するか否かを左右する最大の要因だからだ。
店舗立地は加盟者自身が探す場合もあるが、候補物件を紹介してくれる本部も多い。加盟者に立地判定の専門ノウハウがあることは少ないので、本部のノウハウや情報を参考にする必要はあるが、最終的に決めるのは加盟者。納得のいく情報収集が必須である。
スタッフ採用では、できるだけ早く加盟オーナーの右腕となり得る人材を採用したい。成功すれば、オーナー一人では手が回らなくなるのは自明だからだ。
開業前準備業務のチェックポイント

□本部提示の業務一覧を実際のスケジュールに落とし込む □すべての業務に責任者を設定する □スケジュール変更があった場合は、その都度必ず再設定する □印刷物作成の際、記載内容のチェックは必ず複数の人で行う □コストは必ず事前に確認する □連絡は電話だけで済まさない (FAXやメールなど後日確認できる手段を使う)

立地選びのポイント

店舗立地を自ら探す場合も、本部が紹介する場合も、売上査定を本部が行う場合がある。査定は類似立地の既存店実績から推定して算出されるが、店舗数がそれほど多くない本部の場合、精度は期待できないことが多いのでうのみにしない。 その根拠を確認し、自分自身で納得できる内容かどうかの確認を。立地予定地の通行人調査は、平日、休日、時間帯別に行う。類似立地の既存店は必ず訪問する。

事業計画のポイント

FC加盟とは、短期的なプロジェクトの遂行ではない。長期にわたって事業を継続していくのが基本なので、3~10年の事業計画を作成すべき。 1店舗だけでいくのか、将来複数の店舗展開を目指すのか目標を明確にして、それに向けてどんな収支計画のもとでどういった人材配置や組織で事業を切り盛りしていくのかを明確にする必要がある。もちろん、一度作成した事業計画は何度修正しても構わない。

店づくり(内外装)のポイント

店舗の設計は、ブランドイメージの統一のために本部が行う場合が大半。施工も本部指定業者に行わせる場合が多いが、加盟者自身でほかの業者から工事見積もりを取り、料金交渉を行うなどコストを削減する努力も必要だ。

人材採用のポイント

人材採用は手間やコストがかかるので、早めの準備が必要だ。通常は次の手順で行う。 ①採用人数の設定(職種ごとに) ②採用基準の設定 ③待遇(給与など)の設定 ④採用告知(広告出稿など) ⑤書類や面接で採用選考

研修受講のポイント

開業前研修でどこまで運営ノウハウを習得できるかが開業時の成否を左右する。おろそかにせず、真剣に受講し素直にすべてを受け入れることが大切だ。不明点はその場で解決し、できないところはそのままにしないこと。

次回の更新内容は、第9回 開業~開業後について

監修:民谷昌弘氏 (FCコンサルタント)

(株)アクアネット、フランチャイズ経営研究所 代表取締役 (一社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校、経営士講座講師 (一社)日本フランチャイズコンサルタント協会会長 著書:『ザ・フランチャイズ』『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』、 『成功するフランチャイズ戦略』(ダイヤモンド社)、 『本当は教えたくないフランチャイズ本部成功50の教え』(出版文化社)ほか

2016年8月11日

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加盟者は契約内容を変更できない
加盟するFC本部を決めたら、「加盟契約書」の調印となる(店舗立地決定後に契約を締結する本部も多い)。契約とは、一般的に取引を行う両者が取引内容や条件を交渉し、お互いに合意した内容を書面に落としてその遵守を約束することを意味する。 しかし、FC加盟契約の場合、一つの本部が複数の加盟者との間に交わす契約内容は同一のものであるのが原則で、でき上がっている契約書に個別の加盟者の変更の要請が受け入れられることはない。また、加盟店の果たす義務は本部によって異なる。 したがって、加盟者に求められることは、契約書に書かれていることをきちんと読み、理解してから調印することに尽きる。後から納得できない条項を知り契約を破棄したいと思っても、支払った加盟金は戻ってこないばかりか、違約金まで支払わなければならなくなる場合もあるのだ。一度契約したら、後戻りはできない。 また、FC加盟契約の特徴に「包括性」がある。例えば「経営指導を行う」と書かれていても、その具体的な内容までは書かれていないことを指す。本来、月に1回はSVが巡回するという約束が守られなくても、ロイヤリティを支払わなくてもいいということにはならないと認識すべきだ。 要するに、契約以前に本部と加盟店は信頼関係がすべてなのだ。 --------------------------------------------------------------------------------------------- 契約の用語解説

FC加盟契約書に記載されている、 主な「言葉」や「表現」の意味は次の通り。

■競業避止義務

加盟店に対し、当該のフランチャイズシステムによる営業と競業関係となる行為を禁止するということ。契約解除後も一定期間この義務が課される場合が多い。

■期限の利益を喪失

契約が有効な間は、決められた期限までその義務が猶予されるが、契約の解除と同時にその義務の履行が発生することを意味する。

■テリトリー制

本部が加盟店に対して、その営業地域を指定する制度のこと。テリトリー内に加盟店を1事業者しか設置しないものを「クローズドテリトリー」または「排他的テリトリー」といい、複数設置することを「オープンテリトリー」という。販売地域は指定しないが、加盟店の設置場所を一定の地点または地域内に限定することを「ロケーション制」という。それぞれのメリット・デメリットをよく考えておきたい。

■売上、利益保証の不存在

本部は、加盟店に対して売上や利益の保証はしないという規定。加盟前に損益シミュレーションなどを提示しても、その数値を実際に保証するわけではないといったことを意味する。

■機密保持

契約存続中はもちろん、契約終了後もFC加盟契約に基づいて知りえたノウハウ、知識、資料、情報などの機密事項を無断で使用したり、第三者に漏洩してはならないという規定。契約解除後も影響を受けるので注意が必要である。

■加盟者の義務

FC加盟契約には、本部と加盟店の間で必ず守らなければならない規定や義務が網羅されている。加盟店として何を遵守しなければならないかは細かく確認することが必要。

■契約解除規定

契約を締結したからといって、期間中はどんなことがあっても解除されないというわけではない。契約違反や本部の指導に従わないと、契約が解除される規定が必ずあるので、どういった行為が契約解除の対象になるかは必ず確認する必要がある。

■契約期間

FC加盟契約には必ず契約期間がある。契約期間の設定に関しては、通常、投資回収期間よりも著しく短くても長くても不適切。契約更新時に更新料を徴収する本部もある。契約更新時の手続きや必要な金銭および中途解約時の違約金支払いに関する規定も要確認。

本部に契約を迫られて開業したものの…… 新興の本部であるところが気になったものの、可能性に気を取られて担当者に押し切られるまま契約書に調印したBさん。 案の定、開業後本部のフォローはなく、抗議すると「担当者は退職した」と取り合ってもらえず、打開策が打てずに事業は下降の一途……。 「気になる」という直感があったら、その不安を晴らすまで調印してはならない。 ■万一トラブルが起こったら FCに関するトラブルの大半は、契約に至るまでのプロセスにおいて、本部と加盟者の相互理解の不足が原因。裁判でFC契約について争ったとしても、時間もお金もかかるうえに、双方ともに満足のいく結果をもたらすことは少ない。 万が一、トラブルが生じた場合には、契約書をベースに本部とよく話し合うことだが、そんなことにならないためにも、本部とは日頃からコミュニケーションを図り、良好な関係を維持するよう心がけよう。 なお、トラブルが生じてこじれそうな場合は、早めに下記諸機関に相談を。 ■相談先LIST ◦(一社)日本フランチャイズチェーン協会 フランチャイズ相談センター ☎03-4500-4619 ◦中小企業庁 商業課 ☎03-3501-1929(直) ◦近隣の商工会・商工会議所、各地区の経済産業局も対応可能

次回の更新内容は、第7回 開業準備について

監修:民谷昌弘氏 (FCコンサルタント)

(株)アクアネット、フランチャイズ経営研究所 代表取締役 (一社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校、経営士講座講師 (一社)日本フランチャイズコンサルタント協会会長 著書:『ザ・フランチャイズ』『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』、 『成功するフランチャイズ戦略』(ダイヤモンド社)、 『本当は教えたくないフランチャイズ本部成功50の教え』(出版文化社)ほか

2016年8月4日

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本部と直接話し「やっていけるか」を判断
最終的に一つの本部に絞り込んでいくに当たり、どういった観点や尺度で選べばよいか。その参考となるのが、下の表の6つのポイント。 重要なのは、自分が求めている本部の性格をこの指標によって明らかにすることだ。例えば、安定した経営を望むなら「安心度」や「誠実度」、本部と一体となって成長していきたいなら「将来度」や「差別化度」を重視する、といったように自分の志向に合わせて優先順位づけしてほしい。 また、加盟本部決定の最重要のプロセスが、本部および加盟店への訪問である。資料で把握した情報を「自分の場合はどうか」確認することが不可欠だからだ。 企業理念や本部トップの考え方に心底共感できなければ、加盟者は継続的に取り組めないだろう。トップの話を聞いて「自分はこの人についていけるか」を自らに問わなければならない。 加盟店訪問では、本部では聞けないマイナス情報を聞き出し、加盟店の実情を知りおくことだ。

■本部および加盟店に聞いてみよう

 本部に
Q1「経営理念を加盟店に浸透させるために何をしていますか?」 経営理念は企業の信念そのもの。いくら立派な理念でも実体が伴っていなければ無意味。理念が浸透していないチェーンでは店舗ごとにレベルが異なり、顧客を失望させかねない。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q2「収益シミュレーションは何をもとに算出されていますか?」 本部が提示する収益シミュレーションは、必ずしも既存の加盟店の実際のデータとは限らない。ひどい例では、理想値だけを伝える本部もあるから要確認。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q3「SV(スーパーバイザー)を任せる基準とその能力開発の体制を教えてください」 FC事業に携わる人員が少ない本部では、ほかの業務と兼務の場合も。経験年数や経歴は様々なため、能力差が出るのは避けられないが、せめてSV教育への姿勢は確かめたい。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q4「ロイヤリティは何に対して支払うお金ですか?」 中には、ロイヤリティと称して加盟店が負担する必要のない費用まで徴収するケースも。また、サポートができないなどの理由で安いケースもある。安ければいいわけではない。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q5「契約期間途中の解約件数と解約に至った背景を詳しく教えてください」 例えば、売り上げ不振が原因で解約に至ったケースでは、オーナーの自覚が不足していたのか、本部の立地調査が甘かったのかといった真相を知ることで本部選びの結果が変わる。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q6「複数店舗オーナーの割合を教えてください」 1店舗目が順調に軌道に乗り、継続して繁盛していれば2号店、3号店と多店舗化を考えるのが自然な流れ。複数店舗経営者の存在は、加盟者の満足度を測る指標になる。
 本部・加盟店に
Q7「新商品、サービスの開発は年間を通して行われていますか?」 特に飲食業の場合、顧客は飽きやすく新しいメニューに敏感。トレンドや顧客の嗜好の変化をとらえた独創性のある商品・サービスの開発度合いは、チェーンの魅力維持に直結する。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q8「加盟店同士の交流や本部と加盟店の集会はありますか?」 本部に対する不満を集積させるといった理由で加盟店同士の交流を避ける本部は「隠蔽体質」といえる。成功・失敗事例を共有するなどメリットが大きい加盟店交流は必要だ。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q9「SVの巡回訪問時以外でも、積極的に相談できますか?」 開業後、初めて直面する問題や技術的な不安は生じがち。オーナー自身が解決すべき問題もあるが、FCゆえに独断が許されず、かといってSVの訪問を待つ余裕もないからだ。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q10「加盟店の裁量権はどこまで認められますか?」 FCといえども許容範囲内で個性を発揮したい人にとってどこまで許されるかは要チェック。支援が手薄の割に許容範囲が狭い本部は、売り上げ不振時に対策が講じられなくなる。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q11「自分が倒れてしまったり、人手が足りない時、本部のサポートはありますか? オーナーが突然の事故や病気で経営に携われなくなったら、事業の存続にかかわる。人手不足に悩まされる加盟店も多い。そんな時にサポートしてくれる本部ならば心強い。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q12「本部による販促施策の効果は安定して挙がっていますか?」 広告宣伝分担金を支払っているのに効果を実感できないと不満を募らせるオーナーは少なくない。販促施策は本部の企画力や資金力によるところが大きいため、内容は要確認だ。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q13「マニュアルは、全業務をカバーしていて、誰にも理解できますか? マニュアルはチェーン店舗運営のバイブル。業務に携わるのは経験の浅いアルバイトも多い。そんな人たちでも理解しやすく実践しやすいマニュアルとなっていることは重要だ。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q14「商品や食材の供給は安定的に行われていますか?」 物販店や飲食店にとって商品や食材が確実に供給されるかどうかは死活問題。供給に携わる業者選定や物流システムによっては、品質低下や誤配送・遅配送が発生するリスクも。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q15「オープン後の研修は用意されていますか?」 開業後、開業前研修で学んでいない事態が起きたり、業績が伸びずに悩むこともある。自分の経営能力や技術を積極的に磨ける機会が設けられていると、助けられることも多い。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q16「不振店に対する方策と、それでも効果が挙がらない時の対応を教えてください」 十分な立地調査や準備を行い開業して順調に経営していても、競合店の出現などの環境変化で低迷することもある。本部の不振店対策いかんで立て直せる可能性が変わる。 ------------------------------------------------------------------------------------------ Q17「投資回収期間のモデルは、税金や給料などを差し引いて計算されていますか?」 回収期間は通常「1店舗当たりの初期投資額÷(1店舗当たりの税引き後当期利益+減価償却費)」で算出するが、少しでも短く見せるために税金などを計算に入れない本部も。 ------------------------------------------------------------------------------------------
 加盟店に
Q18「開業して困ったことはありませんか?」 客観的に判断するため、本部から紹介された加盟店以外にも足を運ぶこと。本部への不満をいうオーナーがいたら、具体的なエピソードや不満の理由を聞く。真因がわかるはずだ。 ------------------------------------------------------------------------------------------  

次回の更新内容は、第6回 加盟契約選びについて

監修:民谷昌弘氏 (FCコンサルタント)

(株)アクアネット、フランチャイズ経営研究所 代表取締役 (一社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校、経営士講座講師 (一社)日本フランチャイズコンサルタント協会会長 著書:『ザ・フランチャイズ』『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』、 『成功するフランチャイズ戦略』(ダイヤモンド社)、 『本当は教えたくないフランチャイズ本部成功50の教え』(出版文化社)ほか

2016年7月28日

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思いもよらなかった本部が見つかる可能性大
「自分のやりたいこと、できることで本部を選ぶ」といっても、最初から既知の本部に絞って決めてかかるのは早計。 自分に最適な本部が見つかる確率は、数多くの未知の本部を比較検討することで高まるからだ。   また、自分の強みやスキルが予想外の未経験業種・業態に生かせるケースも少なくない。 そこで、まずはどんな本部があるのかの情報収集が不可欠だ。そのための情報源を下にまとめてみた。 それらを利用して、当初は自分が興味関心を持てる本部を多めにリストアップしておきたい。
主な情報源
【雑誌】
代表的なものに『アントレ』(http://entrenet.jp/magaplaza/)がある。年刊の『日本のフランチャイズチェーン』はFC本部を網羅。『月刊食堂』など業界誌も参考になる。
  【インターネット】
「アントレnet」(http://entrenet.jp/)には、様々なFC本部の情報やFC加盟の基礎知識のほか、FCに加盟して成功している先輩の事例が充実。
  【書籍】
『ザ・フランチャイズ』(ダイヤモンド社)では、FC加盟が疑似体験できる構成に。類書も豊富に出版されている。
  【イベント】
「アントレ 独立アカデミー」(http://entrenet.jp/event/index.htm)は、1日でフランチャイズや代理店ビジネスの基礎知識を学べる1DAYセミナー。毎月全国各地で開催されている。
「フランチャイズ・ショー」(日本経済新聞社主催、日本フランチャイズチェーン協会特別協力)は、日本最大の総合的なFC本部の展示会。年1回開催される。
  【パンフレット】
FC加盟案内(会社案内)は詳細かつ豊富な情報が掲載されており、参考になる。その一般的な内容とそれぞれチェックすべきポイントは下の表のとおり。
  【新聞・チラシ類】
『日経MJ』などの新聞に参考となる記事が掲載されることがある。また、折り込みチラシには様々なFCのものがあり、商品・サービスの内容やPRが参考に。
  【法定開示書面】
法律で定められたFC本部の事業内容や契約内容などの項目を開示した書類(下表参照)。各本部で入手できるほか、ネットで閲覧可能。(http://frn.jfa-fc.or.jp/)
  【諸団体・公的機関】
多くの本部が会員となっている(社)日本フランチャイズチェーン協会(http://jfa.jfa-fc.or.jp/)では、フランチャイズビジネスに関する情報を提供。

本部と接して「カスタマイズ情報」を
ある程度情報を集めたら、本部の説明会や展示会などのイベントに行くこと。 本部の考え方や社員の持つ雰囲気が伝わるとともに、資料にはない「自分の場合はどうか」というカスタマイズされた情報が得られるからだ。   また、そこでは本部はどこまで情報を開示しているかを検証したい。 例えば、「加盟店の営業利益率は平均で10%」と説明されても、利益がでていない加盟店の中にはマイナス10%のところもあるかもしれない。 そういった実情はFCを決める重要な判断材料で、なかなか表面には出てこないからだ。 重要な「収支モデル」は下表のチェックポイントを参考に調べてほしい。

次回の更新内容は、第5回 加盟本部選びについて

監修:民谷昌弘氏 (FCコンサルタント)

(株)アクアネット、フランチャイズ経営研究所 代表取締役 (一社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校、経営士講座講師 (一社)日本フランチャイズコンサルタント協会会長 著書:『ザ・フランチャイズ』『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』、 『成功するフランチャイズ戦略』(ダイヤモンド社)、 『本当は教えたくないフランチャイズ本部成功50の教え』(出版文化社)ほか

2016年7月14日

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貴重な資金を投じる以上計画的に準備を
FCに加盟して開業するには、加盟金や研修費など本部に支払う費用のほかに、店舗取得や人件費(加盟オーナー分も含む)、広告宣伝などの費用がかかる。 これらの費用が300万円未満と比較的少額のパッケージもあるが、店舗や設備に費用がかかる飲食業は、1000万円から数千万円の資金を必要とする本部が多い。 貴重な資金を投じる以上は、何にどれだけの費用がかかるのかを事前に把握しておく必要がある。 そうでないと、加盟を決めてから開業するまでに予想外の費用がかかる事態が起こり、用意していた資金が底をついて急遽融資を受けなければならなくなるといったことになりかねないからである。

資金がいくらあるかで加盟できる本部も違う

何にいくら必要かは、各本部に詳細を問い合わせれば回答してもらえるだろう。 その際は細大漏らさず説明を求めること。ここでは、物販業(コンビニエンスストア)における費用を例示しているので参考にしてほしい。 また、用意できる資金がいくらであるのかによって、加盟できる本部も変わる。FC加盟独立を考え始めたら、ただちに資金づくり(貯蓄)を始めるべきだろう。 かといって、加盟したい本部があるものの資金不足でしばらくは加盟できないといった場合、時間が経過して気持ちが萎えてしまうといったことも起こりがち。 そんな場合は、本部に相談してみるという手がある。融資のあっせんなど、資金面でのサポートを行っている本部もあるからだ。 なお、加盟開業後、すぐに軌道に乗れない場合に備えて、半年から1年分の運転資金や生活資金も持っておくべき 「貧すれば鈍する」ということになるからだ。

■物販業(コンビニエンスストア)の場合:「ミニストップ」本部の例

国内外に4756店舗(2015年4月末時点)を展開中のチェーン。FC加盟形態には、①加盟者が所有または賃借している建物・土地で加盟者自ら経営する「スタンダード(S)タイプ」②本部が用意した店舗を借りて、加盟者自ら経営する「スタンダードリース(SL)タイプ」③本部が用意した店舗の内外装費を加盟者が負担し、当該店舗にて経営する「クリエイティブリース(CL)タイプ」④本部が用意した店舗にて経営する「ニューマスターリース(N―ML)」タイプの4通りがある。

●加盟に当たって必要となる費用(2015年5月時点)

※加盟金はフランチャイズ契約締結時に加盟者が本部に支払うもので、保証金と開店準備費に分けられる。 ※保証金150万円は、加盟者が本部に対して負担する債務がある場合に、その債務を担保するための預かり金で、貸借対象費用の純資産に組み込まれる。 ※運転資金については、本部からの自動融資を受けることができる。 ※SLタイプの建物の敷金や保証金の金額は、店舗毎に加盟者と本部の間で締結する建物(店舗)転貸借契約に基づく。 ※なお上記金額は平均的な金額であり、運転資金、開店時諸費用、店舗設備の費用負担額は店舗によって異なる。

●加盟後に必要となる費用(2015年5月時点)
 コンビニの場合、オーナーの収入を増やすには、売り上げを上げる努力は当然ですが、個店単位では人件費や商品廃棄ロスをどれだけ抑えるかがポイントです。 品出しなど棚の手入れを怠らず、商品の発注を精緻にする。アルバイトに頼りきらず、積極的に夫婦2人が店に立つ。そういった努力が不可欠です。 また、近隣に競合が出現すれば影響を受けるのは必至。接客態度や品ぞろえを磨く努力が問われます。

次回の更新内容は、第4回 情報収集 について

監修:民谷昌弘氏 (FCコンサルタント)

(株)アクアネット、フランチャイズ経営研究所 代表取締役 (一社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校、経営士講座講師 (一社)日本フランチャイズコンサルタント協会会長 著書:『ザ・フランチャイズ』『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』、 『成功するフランチャイズ戦略』(ダイヤモンド社)、 『本当は教えたくないフランチャイズ本部成功50の教え』(出版文化社)ほか

2016年6月28日

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加盟者には経営者の自覚が必要

「お金を払ってFCに加盟すれば、本部が何でもやってくれる」と思い込んでいる人がいるが、本部と加盟店は独立した事業者同士のビジネスパートナーという対等の関係にある。
法律的にも財務的にも独立した間柄なのである。したがって、加盟者には単独での独立と全く同様の新たに事業を始める経営者として自覚が求められる。
 よく、「転職活動をしたが、ピンとくるところがないので」といった理由でFCへの加盟を検討する人がいるが、FC加盟は会社に雇用される「転職」とは全く違う。
基本的にすべてのリスクは経営者である加盟店が負わなければならないのだ。
「自分はさほどやりたいとは思えない仕事でも、本部の指示に従っていさえすれば間違いない」 といった消極的・受け身的な姿勢でいては、成功はおぼつかないと認識すべきである。

夢の実現に向かえる本部を選ぶこと

いくら「成功のパッケージ」といっても、成功に向けては多くの困難を伴う。したがって、加盟者には困難を乗り越えていくためのモチベーションが何よりも必要だ。
その最たるものは、スキルや経験といった自分の得意分野を生かしながら、「こんな事業をやってみたい」というビジョンを持てるかどうかである。それが可能な本部を選ぶことが必須だ。
 また、「短期間で開業できる」「失敗のリスクが少ない」「すぐにもうかりそう」といったメリットばかりに気を取られ、加盟を急ぎすぎて結果的に失敗してしまう例も少なくない。そして、何事も自分で一から考えて個性を発揮したいといった人には、そもそもFCは不向き。
下表にあるように、FC開業と独自開業の違いをよく把握して、どちらを選択するかを判断すべきだ。

「FC開業」と「独自開業」の違いとは

FC開業のメリット

・成功ノウハウを利用して開業するため、成功確率が高い ・開業に向けた教育指導や開業支援、開業後のサポートが受けられる ・原材料や商材などが、本部を通して安定的に供給される ・本部主導で広告宣伝が実施されたり、本部からノウハウ提供がある ・本部のスケールメリットにより、価格競争力を持つことができる ・小資本で開業できる ・未経験分野でも、短期間で開業できる ・本部が商品開発を行うため経営に専念できる ・チェーンの知名度やブランドイメージを活用できる

独自開業との違い・注意点

・標準化されたシステムを運営するため、加盟店が独自で創意工夫する余地が少ない ・加盟契約は基本的に一律なため、加盟者側の希望が受け入れられる余地が少ない ・チェーン内でトラブルが起こると、全体のイメージダウンにつながり影響を受ける ・契約終了しても、一定期間、同業態での営業が禁止される場合が多い ・本部の良し悪し、また本部の経営状態の影響を受ける ・加盟金やロイヤリティを支払う必要がある ・本部への依存心が強くなりがち

FCコンサルからのアドバイス
「FC加盟にはこんな人が向いている」

素直で前向き、地域に密着できる人

FC加盟オーナーに不可欠の資質は「素直で前向き」であること。FC加盟で成功するには、本部(スーパーバイザー)の指導に従ってそれを徹底することが不可欠だからです。 独自性を出したいと考える人はFCには不向きでしょう。
 また、これは単独での開業でも同様ですが、顧客となる地元の人に愛され、リピーターとなってもらえる店でなければ成功は不可能です。 地域に密着し、地元の人たちとの付き合いを大切にする気持ちがなければならないでしょう。

●役立ちコラム①「FC加盟・ありがちな失敗」

接客が好きでもないのに飲食業……

あるラーメン店チェーンに加盟したAさん。接客が好きなわけでもないが、収益性に魅力を感じた。加盟後、接客好きではないため店はアルバイト任せになり、サービスレベルが低下し客足が遠のいてしまったという。  商売を繁盛させるためには、固定客づくりの努力が不可欠。そこに熱意を持って取り組むためにも、「仕事が楽そう」「儲かりそう」といった要因だけではなく、「続けられそうか」「好きな仕事か」といったポイントで選ぶことが重要なのだ。


次回の更新内容は、第3回 開業資金

監修:民谷昌弘氏 (FCコンサルタント)

(株)アクアネット、フランチャイズ経営研究所 代表取締役 (一社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校、経営士講座講師 (一社)日本フランチャイズコンサルタント協会会長 著書:『ザ・フランチャイズ』『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』、 『成功するフランチャイズ戦略』(ダイヤモンド社)、 『本当は教えたくないフランチャイズ本部成功50の教え』(出版文化社)ほか

2016年6月7日

CMS用フォーマット

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フランチャイズは「成功」のパッケージ

フランチャイズシステムとは、「フランチャイザー(本部)と契約を結んだフランチャイジー(加盟店)が、加盟金やロイヤリティなどの対価を本部に支払うことで、商標やサービスマークなどの使用権および商品・サービスの販売権を取得するとともに、本部の指導を受けて短期間で事業をスタートし軌道に乗せることを目指すしくみ」のこと。
よく「成功のパッケージ」と呼ばれる。 そこには、本部が直営店の経営を通じて試行錯誤しながら蓄積してきた「成功ノウハウ」が凝縮されており、加盟店はそのノウハウをまとめて活用できるしくみだからである。
つまり、加盟店はフランチャイズチェーン(FC)に加盟すれば、すぐに本部直営店と同一の店舗を構え、同一の商品・サービスを販売することが可能となるので、開業当初から一定の集客力は約束されたも同然。 独自に開業するよりも成功の確率は高いといえる。

 

 

本部と加盟店の信頼関係の上に成立

パッケージには通常、開業に向けた教育研修やマニュアルの提供のほか、商品の供給、宣伝の支援、経営指導などが含まれる。
このように、本部が的確なサポートを行うことにより、加盟者に専門的なノウハウがなくても事業運営ができることを前提にしているのがフランチャイズシステムの特徴だ。 なお、本部と加盟店はあくまでもビジネスパートナーとして対等の関係。店舗物件の取得や従業員の人件費、水道光熱費などの経費は独立事業者である加盟店が負担する。
本部側から見れば、そういったコストをかけることなく多店舗化を実現できるメリットがある。 つまり、フランチャイズビジネスは、本部と加盟店の互恵関係の上に成立する。お互いの信頼関係が何よりも重要なのである。


次回の更新内容は、第2回 フランチャイズ加盟の心得

監修:民谷昌弘氏 (FCコンサルタント)

(株)アクアネット、フランチャイズ経営研究所 代表取締役 (一社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校、経営士講座講師 (一社)日本フランチャイズコンサルタント協会会長 著書:『ザ・フランチャイズ』『失敗しないためのフランチャイズビジネス体験BOOK』、 『成功するフランチャイズ戦略』(ダイヤモンド社)、 『本当は教えたくないフランチャイズ本部成功50の教え』(出版文化社)ほか

2016年6月1日

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