検索連動型広告とは、特定のキーワードを検索したユーザーに対して、検索エンジン上部または下部に表示する広告のことです。検索するということは、そのキーワード関連の情報を必要としているということです。広告主から見れば、このようなユーザーは確度が高く、ぜひ接触回数を増やしたいと感じるでしょう。本記事では検索連動型広告とは何か、そのメリット・デメリットや、他の広告・施策との違いについて解説します。
検索連動型広告とは?
検索連動型広告とは、GoogleやYahoo” JAPANなどの検索エンジンと連動した広告です。ユーザーがどのようなキーワードで検索したときに広告を表示させるか、指定することができます。検索連動型広告は、検索結果の上部や下部に表示されます。
掲載順位が決まる仕組み
検索連動型広告は、広告ではない検索結果よりも上部に表示されます。では、検索連動型広告同士の掲載順位は、どのように決まるのでしょうか。
検索連動型広告は、「検索キーワード」「入札単価」「広告の品質」により決まるといわれています。検索キーワードとは、ユーザーが検索エンジンに打ち込んで検索をしたワードのことです。例えば「ダイエット サプリ」という単語を入力して検索したユーザーに、ダイエットサプリの広告を出せるということです。
ただし、同じ検索キーワードを指定する広告主は、1社とは限りません。同じ検索キーワードで複数の広告があるときは、入札単価と広告の品質により、掲載順位が決まるといわれています。
入札単価とは広告にかける費用を指し、1回のクリックに対して費用をいくら支払うのかということです。広告の品質は、広告の推定クリック率や検索キーワードとの関連性などにより決まるといわれています。
広告費用
検索連動型広告の費用は、「クリック単価×クリック数」で決まります。ユーザーが1クリック1回あたり、いくら支払うのかを広告主が決め、そのクリック単価に実際のクリック数をかけた料金が発生する仕組みです。クリック単価はオークション制で、単価の高い広告ほど、優先して表示されます。
検索キーワードやクリック数にもよりますが、月20万円ほどから始められるといわれています。
検索連動型広告を行うメリットとは?
検索連動型広告には次のようなメリットがあり、「すぐに成果が出る」「他の施策と併せて、好きなタイミングで使える」といわれています。
【検索連動型広告のメリットとは?】
・メリット1.成果が出るのが早い
・メリット2.確度の高いユーザーを集められる
・メリット3.少ないコストで始められる
・メリット4.好きなときに活用できる
・メリット5.分析や改善がしやすい
メリット1.成果が出るのが早い
検索連動型広告の1つ目のメリットとは、「成果が出るのが早い」ことです。広告費さえ支払えば検索結果の上部に表示できるため、上位表示のための施策をしなくて済みます。時間や労力をかけずに、多くの人に広告を見てもらえるため、成果が出るのも早いでしょう。
メリット2.確度の高いユーザーを集められる
検索連動型広告の2つ目のメリットとは、「確度の高いユーザーを集められる」ことです。最近のインターネットユーザーはリテラシーが高く、広告を広告として見ています。「通常の検索結果だと思ってクリックしたら、広告だった」というユーザーは、年々減っているでしょう。
広告と分かってクリックするユーザーは、広告だと思わずにクリックしたユーザーに比べて確度が高いです。検索連動型広告の費用はクリック数で決まるため、確度の高いユーザーを、必要最低限のコストで集められるでしょう。
メリット3.少ないコストで始められる
検索連動型広告の3つ目のメリットとは、「少ないコストで始められる」ことです。広告費を決めるクリック単価を、広告主が自ら設定できるため、予算に合わせた運用ができます。広告費はクリック単価にクリック数を乗じた額となるため、無駄なコストがかかることもありません。
このような金銭的コストだけでなく、人的コストも低いのが、検索連動型広告の魅力です。例えば、後述する「SEO」は広告費のかからない施策ですが、メディアを作り込むための人的コストがかかります。
検索連動型広告でも広告ページは作らなければなりませんが、掲載順位を上げるための時間と労力をかける必要はありません。
メリット4.好きなときに活用できる
検索連動型広告の4つ目のメリットとは、「好きなときに活用できる」ことです。広告を出したいときだけ活用できるため、「他の施策を進めるまでの認知拡大」「キャンペーンを実施するときだけ活用する」というような、ポイントを絞った使い方ができます。
ポイントを絞って活用することで、最低限のコストで、最大限の成果を上げられるでしょう。
メリット5.分析や改善がしやすい
検索連動型広告の5つ目のメリットとは、「分析や改善がしやすい」ことです。表示数やクリック数、問い合わせや購入など、その広告で得たい成果などのコンバージョンが分かるため、どこに問題があるのかを分析しやすいでしょう。
分析の結果、広告の内容を変えるとしても、変えるべき広告ページは1つです。SEOのように、いくつもの記事を修正する手間がありません。
検索連動型広告のデメリットとは?
検索連動型広告なら、最低限の費用と時間で、得たい成果を得られるでしょう。ただ、それは次のようなデメリットもあることを知り、適切な運用ができた場合の話です。
検索連動型広告は自社に適しているのか、今、活用すべき方法なのかを考えるために、デメリットもチェックしておきましょう。
【検索連動型広告のデメリットとは?】
・デメリット1.広告を避けるユーザーも多い
・デメリット2.出稿を続ける限り費用がかかる
・デメリット3.それなりの手間はかかる
デメリット1.広告を避けるユーザーも多い
検索連動型広告の1つ目のデメリットとは、「広告を避けるユーザーも多い」ことです。広告だと分かったらクリックしないというように、広告というだけで反感を覚えるユーザーもいます。
ただ、このおかげで余計なコストがかからないというメリットもあります。検索連動型広告はクリックされなければ費用が発生しないため、「広告だからクリックしない」というユーザーがいても、困ることはないでしょう。
デメリット2.出稿を続ける限り費用がかかる
検索連動型広告の2つ目のデメリットとは、「出稿を続ける限り費用がかかる」ことです。広告費は「クリック単価×クリック数」で決まるため、かけた費用が無駄になることはあまりないでしょう。
しかし、広告を出稿して、クリックされ続ける限り、費用が発生するのは事実です。SEOやSNSアカウント運用のような、「一度、作り込めば、あとは費用や手間があまりかからない施策」と比べると、コスト面が気になるかもしれません。
デメリット3.それなりの手間はかかる
検索連動型広告の3つ目のメリットとは、「それなりの手間はかかる」ことです。検索連動型広告はSEOやSNS広告に比べると、手間も時間もかからないでしょう。
しかし、より高い成果を得るためには、それなりの手間をかけなければなりません。広告ページを作ったり改善したり、数値を分析してどこに問題があるのか考えたり、それなりの手間がかかります。
検索連動型広告と、他の広告・施策との違いとは?
検索連動型広告の他にも、さまざまな種類の広告・施策があります。目的ごとに最適な広告・施策を選べるよう、検索連動型広告と次のような広告・施策との違いもチェックしておきましょう。
【検索連動型広告と、他の広告・施策との違いとは?】
・リスティング広告との違い
・ディスプレイ広告との違い
・SNS広告との違い
・SEOとの違い
リスティング広告との違い
リスティング広告とは、検索連動型広告と次に紹介するディスプレイ広告の総称です。ただし、リスティング広告というときは検索連動型広告だけを指していることも多く、違いはあまりないと思っても構わないでしょう。
ディスプレイ広告との違い
ディスプレイ広告とは、WebサイトやWebアプリなどの広告枠に表示させる広告です。その広告に関連のある、その広告に興味を示しそうなユーザーの見ているコンテンツの中に広告を表示するため、検索連動型広告に近い効果があります。
検索連動型広告はそのキーワードで検索をする「ニーズが顕在化されたユーザー」に、ディスプレイ広告は「潜在ニーズを持つユーザー」に、それぞれアプローチできます。
SNS広告との違い
SNS広告とは、FacebookやInstagram、TwitterなどのSNS上で配信する広告です。どのようなユーザーに広告を配信するのか、ターゲティングする際の精度が高いです。ニーズが顕在化したユーザーに接触できる検索連動型広告よりも、潜在層へアプローチするといった、ディスプレイ広告に近い効果が期待できるでしょう。
SEOとの違い
SEOとは、自社ホームページやオウンドメディアなどのWebサイトを、検索エンジンで上位表示するための施策です。検索エンジン経由でユーザーを集めることから、検索連動型広告と同じく、確度の高いユーザーを集められます。広告を避けるユーザーにも有効なため、より幅広く見込み客を集められるでしょう。
ただ、WebサイトやWebページを上位表示するには、かなりの時間と労力が必要です。検索連動型広告で確度の高いユーザーを集めながら、少しずつSEO関連の施策を進めていくのがおすすめです。
検索連動型広告は、他の広告・施策との併用がおすすめ
検索連動型広告は、それ単体で運用するのではなく、他の広告や施策と併用するのがおすすめです。例えばオウンドメディア(SEO)やSNSの公式アカウントを運用し続ければ、それは集客やマーケティングに役立つ「資産」となります。これらの施策が軌道に乗れば、かけるリソースを減らしても、高い効果を維持できるからです。
しかし、これらのメディアを「成果を生み続ける資産」にするには、かなりの時間がかかります。また、短期的に高い効果を狙うには、やはり広告が適しているでしょう。
他の施策で効果が出るまでの間や一気に集客したいときなど、ポイントを押さえた検索連動型広告はおすすめです。
<文/赤塚元基>