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フリーランスも対象! 出産育児関連の公的支援をやさしいお金の専門家・横川楓さんが解説

フリーランスも対象! 出産育児関連の公的支援をやさしいお金の専門家・横川楓さんが解説

2023年1月、岸田首相が掲げる異次元の少子化対策の一環として、4月から出産育児一時金が42万円から50万円に増額されることが発表されました。

出産や育児は何かとお金がかかるもの。国や地方自治体からのサポートは非常に心強いものです。

今回、やさしいお金の専門家・横川楓さんに伺ったのは、出産育児関連の公的支援制度について。

会社員の人はもちろん、フリーランスの人も活用できるのが魅力の公的制度。一体どんなものがあるのでしょうか。

<プロフィール>
横川楓さん
やさしいお金の専門家・金融教育活動家
一般社団法人日本金融教育推進協会 代表理事

明治大学法学部卒、その後同大学院へ進学。
24歳で経営学修士(MBA)を取得。

実家は会計事務所を経営。
同年代の友人たちのお金に対する意識と、将来の資産形成、所得格差、年金問題、増税など、これからの日本を担う世代に振りかかるさまざまなお金の問題との乖離に疑問を持ち、お金の知識の啓蒙活動を開始。

ファイナンシャルプランナー(AFP)や、SDGs検定、マネーマネジメント検定等の資格を取得し、2022年1月に一般社団法人日本金融教育推進協会を設立。
同法人の代表理事を務める。

横川さんのインタビュー記事はこちらから!
「収入=給与」に縛られない。経済評論家・横川楓さんに聞く、独立・起業に必要な2つの条件

<聞き手プロフィール>
庵(いおり)
イラストレーター

都内に住む27歳のフリーランスイラストレーター。
学生時代から絵を描くことが好きで、数年前から副業としてイラストレーターの仕事を受けるようになった。
近年は副業での収入が本業の稼ぎより多くなったことから、独立を決意する。

2023年4月からスタート! 42万円から50万円に増額された、出産育児一時金

横川さん
今回のテーマは、フリーランスも活用できる出産育児関連の公的支援。

まずは2022年の12月に発表された、出産育児一時金の増額から解説していくよ。

庵ちゃん
そもそもなんですけど、出産育児一時金ってなんですか?
横川さん
国が行っている制度で、その名の通り、出産に関わる費用を補助する給付金のことだよ。

妊娠、出産関係の給付金では、かなりメジャーなものだから、聞いたことがある人も多いんじゃないかな。病院などでも案内があったりするし。

これまでの給付額は42万円だったんだけど、2023年4月1日以降は、給付額が50万円に増額されたんだ。

庵ちゃん
出産育児一時金は、フリーランスでももらえるのでしょうか?
横川さん
会社員であろうとフリーランスであろうと、こどもを産んだ全ての人がもらえるよ。

ただし給付額50万円を受け取れるのは、あくまで2023年4月1日以降に生まれたこどものみ。

誕生日が2023年4月1日よりも前の場合は、従来通り42万円のままだから注意が必要だよ。

庵ちゃん
もし出産予定日が早まって、3月末までに生まれた場合は、給付額に8万円も差があるんですね……。
横川さん
それは制度の開始時期の問題だから仕方ないよね……。

でも出産育児一時金以外にも、たくさん出産育児関連の公的支援があるんだよ!

フリーランスも活用できる出産育児関係の公的支援

【国】出産・子育て応援交付金(出産・子育てクーポン/出産準備金)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29323.html

横川さん
まずは2023年1月からスタートした、出産・子育て応援ギフト(通称:出産・子育てクーポン/出産準備金とも)。

対象となるのは、

・2022年4月以降に生まれた0歳から2歳までのこどもがいる家庭
・これから出産予定のこどもを妊娠中の家庭
横川さん
給付対象となる所得制限は設けてないのがこの制度の特徴だよ。

こども1人につき、最大10万円相当が支給されるんだ。
(妊娠届出時に5万円、出生届時に5万円分と、2回に分けて支給)

基本的にはクーポンが支給され、指定の育児用品や、子育て支援サービスが提供されるよ。
※各自治体によって現金支給がされる場合もあるからチェックしてね。

【東京都】東京都出産応援事業〜コロナに負けない!〜

横川さん
次に紹介するのは、東京都が実施している「東京都出産応援事業〜コロナに負けない!〜」。

こどもが生まれた家庭に10万円分のポイントを付与して、希望する育児用品や子育て支援サービスを提供するというもの。

対象となるのは、

・令和3年1月1日から令和3年3月31日までの間に出産し、出生日及び令和3年4月1日に、出生した子供を含む住民登録が都内にある世帯
・令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に出産し、出生日に、出生した子供を含む住民登録が都内にある世帯


https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/tokyo_shussanouen.html

庵ちゃん
10万円分のカタログギフトがもらえるということですか?
横川さん
そんな感じだね!

ベビー服や食品、消耗品に加えて、家事支援やベビーシッターといった育児支援サービス、中には生活支援用品として、お掃除ロボットや加湿器、空気清浄機なんかもあるよ。

かなり幅広い商品やサービスの中から選べるから、ぜひチェックしてみてね。

ただしこれは2023年3月31日までの間に出産し、出生日に出生したこどもを含む住民登録が都内にある世帯に限るから要注意だよ。

【東京都】18歳以下のこどもに月5000円の給付金

横川さん
2023年1月、小池都知事は0歳から18歳までの都民に、月5000円の給付金を行うことを発表したよ。

これも所得制限なく全ての家庭のこどもたちが対象となっているんだ。

詳しい開始時期については、まだ未定だから対象となる場合は、今後の情報をチェックしておこう。

庵ちゃん
東京都は子育てのサポートが手厚いんですね。
横川さん
今回は、人口の多い東京都を例に紹介してみたけど、子育て支援制度はお住まいの地方自治体によっても違うから、よく調べてみてね。

例えば兵庫県の明石市は子育て支援制度がとても充実していることで有名だよ。こどもの医療費が無料だったり、第二子以降の保育料が無料だったり。

マイナポータルを使えば郵便番号から自治体の制度の検索ができて、申請まで一気にできることも。
https://myna.go.jp/SCK1501_02_001/SCK1501_02_001_Init.form

また、自治体の支援制度を紹介しているサイトなどもあるから、ぜひチェックしてみて!

https://www.iju-join.jp/support_search/index.html

会社員の人は活用できる制度を全て使ってから、独立をした方がお得!

横川さん
今回はフリーランスも会社員も、どちらも使える制度について紹介してきたけど、こうした公的支援に加えて、会社員の人は会社が独自で行っている支援や、育休など雇用保険からなる制度もあるから上手に活用してみてね。

フリーランスこそ知るべき「産後パパ育休制度」をやさしいお金の専門家・横川楓さんが解説

横川さん
前にもお話したことだけど、これから独立を考えている人で、妊娠や出産を控えている人は、会社員として活用できる制度を全て使い切ってから、独立することも検討してみて!

その辺りをよく留意して、上手に制度を活用してみてね。

庵ちゃん
横川先生、今回もありがとうございました!

構成・文・撮影=内藤 祐介
イラスト=ram

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