会社設立とは、どのようなことを指すのでしょうか。今、個人事業主として活動している方などからすると、「なぜわざわざ会社設立をする意味はあるのか」などと疑問に感じてしまう方もいるでしょう。そんな方のために、会社設立をするメリットについて解説していきます。合わせておすすめの会社設立代行を10社ご紹介します。
会社設立とは
会社設立とは、「商業・法人を登記すること」を意味します。
会社を設立するのには、いくつかのプロセスを踏む必要があります。まず、定款を作成し、株式会社の場合は株主の確定や会社財産を形成しなくてはいけません。その後に取締役などの機関を決定し、公証人の認証を受けます。こうすることで、登記申請を行えるようになるのです。これらのプロセスを踏んで登記申請をすることを「会社設立」といいます。
子会社や新規事業を立ち上げる際、同じ会社であっても登記申請をして会社組織を作ればその度「設立」ができます。
会社設立と似た概念に、「創業」や「創立」という言葉があります。会社設立・創業・創立がどのように異なるのか、説明していきます。
創業とは
創業とは、「事業を始めること」を意味します。
創業の場合は会社設立とは違い、個人にも法人にも使える言葉です。また、会社であっても法人登記をしているか否かは問われません。不動産の取得、原材料の仕入れ、財産引き受けなど会社の登記前に行う開業準備も創業とみなされます。
創立とは
創立とは、「初めて組織や機関を立ち上げて事業を開始すること」を意味します。
創立には登記や開業届が必要ありません。そのため、会社に限らず学校や団体にも使える概念です。創立と創業の違いは組織や機関が存在するか否かです。個人事業主の場合には組織がないため、創立という言葉は使いません。
会社設立のメリットとは
会社設立のメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。5つメリットを紹介していきます。
1.信頼を得やすい
会社を設立する1つ目のメリットは、信頼を得やすい点です。
個人よりも法人の方が信頼を得安いケースが多くあります。会社設立をするには、住所・代表者名・資本金の額・役員などを記述した必要書類を法務局に提出したのちに登記が必要になります。そのため、法人として社会に責任を持つという意味合いが生じることから、信頼を得やすくなるのです。
中には、取引相手が法人の場合には「法人としか取り引きしない」と決めている企業もあります。会社を設立しておけば、幅広く事業展開ができるでしょう。
2.節税できる
会社を設立する2つ目のメリットは、節税できる点です。
個人事業主と比較して、法人は経費として認められる範囲が広く、自身の役員報酬を損金にできたり、業務で直接必要な自宅兼店舗などの場合は家賃を経費計上できたりします。
また、所得税も個人事業主の場合には累進課税なのに対し、法人の場合には資本金が1億円以上の普通法人の場合は一律23.2%、資本金が1億円以下の普通法人は所得が800万円以下の部分については15%、ただし適用除外事業者は19%となります。
3.融資・資金調達を行いやすい
会社を設立する3つ目のメリットは、融資・資金調達が行いやすい点です。
個人事業主の場合、プライベートのお金と事業のお金が曖昧になりやすく、金融機関から融資を受けようとしても資産の把握がしにくいというのが現実です。それに対して法人の場合は、財産管理が厳しく、どれほどの資産を持っているのか把握しやすいため金融機関としても融資判断がしやすくなります。
4.決算月を設定できる
会社を設立する4つ目のメリットは、決算月を設定できる点です。
個人事業主の事業年度は1月から12月までと決められています。それに対して法人は、自由に事業年度の決算時期を設定できます。決算時期を設定できると、決算事務を行う時期を繁忙期とずらして設定できるので、業務を圧迫することなく経理作業に取り組むことができます。
5.相続税がかからない
会社を設立する5つ目のメリットは、相続税がかからない点です。
個人事業主が死亡した場合、全財産が相続の対象になります。それに対して法人の場合には相続という概念は該当しません。そのため、会社を継ぐのに相続税はかからないのです。
会社設立代行とは
会社設立代行とは、会社設立に必要な手続きや作業を代わりに担ってくれる代行業者のことです。
会社設立は個人で行うことができます。しかし会社設立には「会社概要の決定」「定款の作成・認証」「資本金の払い込み」「登記申請書類の作成」「会社設立登記」の大まかに5つの手順に沿って手続きを行わなくてはいけません。そのため、自身で行うのには「ハードルが高い…」と感じてしまう方も少なくないでしょう。このように自身で会社設立をするのに不安のある方や、申請作業に時間が割けない方におすすめなのが、「会社設立代行」です。
会社設立のための手続きの中には定款の作成や登記など、普段の業務では行わないような専門性の高い作業も多くあります。さらに、法令に則った形式で手続きをしないと申請が通らないという事態にもなりかねません。せっかく手続きをしたのに、間違ってしまったとなると、二度手間になってしまいます。そうならないためにも、専門家に依頼した方が安心です。
会社設立代行の中には費用対効果が高かったり、アフターケアをしてくれたりする業者もいます。会社設立が面倒だと感じたり、ハードルが高いと感じたりするようであれば、会社設立代行を検討してみても良いでしょう。
会社設立代行に依頼する理由とは
自分でもできる会社設立を、わざわざ会社設立代行に依頼するのは何故なのでしょうか。「会社設立代行を使いたいけれど、どうしよう」と悩んでいる方のために、会社設立代行を活用することで得られる3つのポイントについて、解説します。
1.簡単に会社が設立できる
会社設立には、細部までチェックされる、さまざまな書類が必要になります。また、必要書類の提出や認証には時間がかかり、場合によっては何度も訂正が必要になることもありmあす。
会社設立代行に依頼すると、一括して請け負ってもらえるため、自分の時間や労力をかけずに済み、業務に専念しながら会社設立ができるようになります。
2.専門的なアドバイスが受けられる
会社設立代行の中には、会社設立に関するさまざまな悩みに専門的なアドバイスをくれる業者もあります。
会社設立は大きな決断となるため、悩みを相談できる場所もなく困っている方は、会社設立代行を利用して何かあったときに相談できるように最初の体制を整えておくのも1つの策です。
3.会社設立後もサポートしてくれる
会社設立代行は、基本的に会社設立が完了するまでを契約期間としています。しかし、業者によっては会社設立後もサポートをしてくれるケースもあります。
経営にまつわるコンサルタント的な役割を果たし、会社の弱点や改善点を助言してくれる会社設立代行もあります。
おすすめの会社設立代行10選
会社設立代行と一言にいっても、さまざまなサービスがありますので、おすすめの会社設立代行を10個紹介していきます。ご自身に合ったサービスがないか、参考にしてみてください。
1.マネーフォワード クラウド会社設立
おすすめの会社設立代行の1つ目は、「マネーフォワード クラウド会社設立」です。
マネーフォワード クラウド会社設立では、フォームに沿って会社名・代表・事業目的などの情報を入力していくと、会社設立に必要な書類が作成できるサービスです。簡単3ステップで会社設立ができるサービスなので、自身で会社設立をする際に良いサポート役を担ってくれるでしょう。
必要書類の作成のみならず、設立時に必要な印鑑の購入も合わせてできます。会社設立に必要な業務を一貫してサポートしてもらえるので、利用して損はないでしょう。
2.起業ダンドリコーディネーター by freee
おすすめの会社設立代行の2つ目は、「起業ダンドリコーディネーター by freee」です。
会社設立に詳しい起業ダンドリコーディネーターが、会社設立の準備から登記の手続きまでサポートしてくれます。
資本金額や決算月の決め方、書類の書き方や提出先など、初めての会社設立にはさまざまな不安を抱えることでしょう。これらの不安もビデオ会議または電話での定例相談とLINE相談で相談ができるので安心です。予約フォームから最大45分のおためし相談をすることも可能です。
3.0円創業くん
おすすめの会社設立代行の3つ目は、「0円創業くん」という助成金や融資に強い株式会社Wizが展開する会社設立代行です。
0円創業くんでは、会社設立後に必要なインフラなど一定のサービスや商品を契約することで、無料で会社設立の方法やポイントを解説してもらえたり、創業準備をワンストップでサポートしてもらえたりします。創業後に必要となるインターネット回線や携帯電話、電気ガスなど160を超えるサービスから選んで契約すると、会社設立に必要な費用を0円に抑えられます。
4.会社格安センター
会社格安センターは累計3万社の会社設立依頼件数を誇っている行政書士事務所です。会社名や取締役を決めたら約1週間後には会社ができる上に、定款だけでなく設立後に税務署等へ提出する届出書類も作成してもらえます。「自身の業務は止めずに会社設立をしたい」という方はぜひ利用してみてください。
5.上田公認会計士事務所
5つ目におすすめの会社設立代行は、「上田公認会計士事務所」です。
上田公認会計士事務所は医療や福祉業界(特に医療関連・介護・福祉・特殊法人など)に詳しく、今までに600件以上の関与先の90%が医療・福祉業界という開業実績のある事務所です。
開業時の資金繰り、物件選びなど、開業前からのサポートも行っており、無料で相談に乗ってもらえたりします。悩みや不安がある方は、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
6.新会社設立.JP
6つ目におすすめの会社設立代行は、「新会社設立.JP」です。
会社設立に必要な作業はすべて一括して代行してくれます。新会社設立.JPには、最短1日で会社設立ができるコースや時間は少し長引くものの費用を抑えられるコースなど、全4種類のコースの中から自身に適したものを選択できます。
とにかく即日で会社設立をしたい方は、ぜひ利用を検討してみてください。
7.ひとりでできるもん
7つ目におすすめの会社設立代行は、「ひとりでできるもん」です。ひとりでできるもんは簡単に会社設立することをモットーにしており、インターネット上で、画面の指示通りに入力すると電子定款から登記申請書類まで簡単に会社設立ができます。
8.格安設立.COM
8つ目におすすめの会社設立代行は、「格安設立.COM」です。
格安設立.COMは、格安で書類作成・法人登記申請・登記前の打ち合わせなどの会社設立にかかる作業を代行してくれます。申し込みから設立日までは約2週間~1か月ですが、込み合っていない時期で設立する会社の諸事項が決まっている場合、申し込みから数日というスケジュールでも追加料金なく対応してもらえます。気軽に問い合わせてみましょう。
9.税理士法人TOTAL
9つ目におすすめの会社設立代行は、「税理士法人TOTAL」です。
税理士法人TOTALは関東を中心に全国12箇所に拠点があり、会社設立を助成金・節税・労務などについて専門的な観点からサポートしてくれます。融資申請時に必要な事業計画書の書き方などのサポートサービスもあるので、会社設立後に不安を抱えそうな方は利用を検討してみてください。
10.会社設立東京スマイル
10個目におすすめの会社設立代行は、「会社設立東京スマイル」です。
会社設立東京スマイルでは、税理士法人が運営しており、創業融資・補助金・クラウドファンディング等、創業・開業に関わる支援などについての実績もあります。相談は何度でも無料で、メガバンクの法人口座開設フォローや法人印鑑の紹介などもありますので、気になる方はまずは電話で問い合わせてみましょう。
事業継続をするなら会社設立をしよう!
今後も個人で受注している仕事を継続していく予定があるのであれば、会社設立をして法人化してみてはいかがでしょうか。会社設立をすると、いくつものメリットが得られるようになります。
ただ、会社設立は法令に則り手続きをしなくてはいけません。そのため、事業をしながらでは時間を割くのが難しいという方も少なくないでしょう。時間のない方は会社設立代行を用いることをおすすめします。会社設立代行を利用することで時間も労力もかけずに確実に会社設立ができるようになります。
ちはる