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経営者に必要な「着眼点」の鍛え方 第143回・サブスクとSociety5.0の関係

独立ノウハウ・お役立ち

起業家、経営者にとって大事なのは、世の中を見抜く力です。1つの事象をどう捉えるかで、ものの見え方も、そこから得られる情報も大きく変わります。そうした「着眼点」、実はトレーニングによって鍛えることができるのです。累計20万部を超えるベストセラーとなった『戦略思考トレーニング』シリーズでおなじみの経営コンサルタント・鈴木貴博氏に解説してもらいましょう。

いきなりですが、クイズです!

パソナグループが企業向けに提供する福利厚生パッケージサービスのラインナップに、動画配信サービス「Netflix」が加わることが発表され話題となりました。世界で初めての取り組みなのだそうですが、これによって導入企業の社員による「ある不満」が解消されると考えられます。さて、その不満とは一体何でしょうか?

クイズの答えの中に、着眼点を鍛えるポイントがある

企業が従業員に提供する福利厚生制度が、時代の変化とともに多種多様化しています。

昔は会社が提携する保養所が安く利用できるものや、健康のためにトレーニングジムなどを利用する場合に補助が出るといったものが多かったと思います。

そのようなものはもちろん今でもありますが、何かを補助する場合に電子マネーやポイントを配布したり、健康への投資にはアプリなどを活用したサービスを導入したりと、時代に合ったかたちで変化しているものもあります。また、リモートワークが増えたことで、自宅の仕事環境を整えるための設備補助に力を入れる企業も増えています。

それでは解説します!

そんな福利厚生のラインナップの中に、Netflixプランが入ったことが話題となりました。パソナグループが提供するパッケージサービスを導入している企業においては、福利厚生の選択肢の1つとしてNetflixが選べるようになるそうです。

ご存知だとは思いますが、Netflixはコンテンツが見放題のサブスクリプション(サブスク)方式のサービスです。今や何でもサブスクが当たり前の時代ですから、非常にありがたい話ですよね。

これによって、従来あったどのような「不満」が解消できるか、ということですが、福利厚生にありがちな不満を想像してもらうと、今回は答えが見つかりやすいかもしれません。

それはズバリ「地域差」です。

従来の福利厚生のラインナップだと、どうしても東名阪などの都市部に住む人の方がメリットを享受しやすかったのです。例えば保養所は箱根や熱海などにあることが多いですが、利用したいと思った時に東京から行くのと九州や東北地方から行くのとでは、使い勝手が全然違いますよね。

また、スポーツジムなども圧倒的に数が多いのは大都市圏です。「提携しているところを利用したくても、うちの近所にはない」なんてこともあったはずです。サービス利用者の分布上、仕方がないのかもしれませんが、これまでの福利厚生サービスは東名阪など都市部にいる人に合わせて設計されていることが多かったと言わざるを得ないのです。

しかし、サブスクのような場所を選ばずに利用できるサービスが増えると、地域差は一切関係がなくなります。しかも地方に行くと民放の数も少なかったりするため、Netflixによって受けられる恩恵はより大きなものになるかもしれません。

Society5.0が実現する超スマート社会

この流れは、「ただ便利になった、選択肢が増えた」だけの話ではないと思っています。

私は、内閣府が力を入れて取り組もうとしている「Society5.0」につながる非常にタイムリーな話でもあると考えています。

Society5.0とは、最新技術を駆使して実現する新しい未来の形のこと。1.0(狩猟社会)、2.0(農耕社会)、3.0(工業社会)、4.0(情報社会)に続くもので、質の高いサービスを提供することにより年齢や性別、地域、言語などの障害を乗り越えて誰もが活躍することができる超スマート社会を目指します。

そのSociety5.0の一番のキーワードが「地方との格差を埋めること」なのです。まさにサブスクはそのキーワードにぴったりです。

一見、サブスクは都市部に住んでいる人たちに向けたサービスのように見えなくもないですが、実は地方ビジネスの側面が強いのです。Netflixのようなサブスクを活用することで、民放のチャンネルの数が少ない地方でも、場所を選ばずたくさんのコンテンツを楽しむことができるわけですから。

地域差がなくなっているという意味では、リモートワークが普及して働く場所を問わなくなったり、オンラインでどこにいてもあらゆるイベントに参加できるようになったりしたのも同じですよね。

また、その場所に行かなくても美味しいものが食べられるようになった「お取り寄せ」も当てはまります。

新型コロナウイルスの影響で一気に加速したこの流れが、これからの社会のあり方をさらに変えていくのかもしれませんね。

ついに地方ビジネスにチャンス到来!?

今回はサブスクと福利厚生の話から、次に目指す社会のあり方についてのお話でした。

今後は一層、「地方との格差を埋める」ということに注目が集まるはずです。そこに目をつけていろいろと探していくと、新たなビジネスチャンスが見つかるかもしれません。

これまではどちらかというと後回しにされつつあった「地方ビジネス」というものが、もしかしたら採算が合う時代になってきたといえるかものしれませんね。

最後に、もうお分かりだと思いますが、冒頭のクイズの答えは「地域差」でした。ちなみに、今回紹介したのは福利厚生パッケージサービスの話でしたが、企業独自で「サブスク手当」のようなものを支給する取り組みが今後増えていくかもしれませんね。いいPRになるかもしれないので、皆さんの会社でも検討してみてはどうでしょうか?

構成:志村 江

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PROFILE
鈴木貴博

東京大学工学部卒業後、ボストン・コンサルティング・グループに入社し、数々の大企業の戦略立案プロジェクトに従事。1999年にはネットイヤーグループの創業に取締役として参加。2003年に独立し、百年コンサルティングを創業する。大手企業の経営コンサルティング経験を元に2013年に出版した『戦略思考トレーニングシリーズ』(日本経済新聞出版社)が累計20万部を超えるベストセラーに。現在はビジネスをエンタメクイズ化する経済エンタテナーとしても活動中。『パネルクイズ アタック25』(優勝)、『カルトQ』などのクイズ番組出演経験も豊富。近著に『戦略思考トレーニング 最強経済クイズ[精選版]』(日本経済新聞出版社)、『日本経済 予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方』『「AI失業」前夜―これから5年、職場で起きること』(ともにPHPビジネス新書)など。

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