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集客とマーケティングの違いとは?集客力を上げるために必要なマーケティング知識まとめ

集客とマーケティングの違いとは?集客力を上げるために必要なマーケティング知識まとめ

集客とマーケティングを同じものと認識してしまっている人は少なくないでしょう。しかし、集客=マーケティングと認識してしまっていると、企業として活動をするうえで大きなズレが生じてしまうかもしれません。集客とマーケティングを効果的に行うためにも、それぞれどのようなものなのか理解しておく必要があります。

マーケティングとは

そもそもマーケティングとは、どのような定義でしょうか。Oxford英語辞典によると、マーケティングとは以下のように定義されています。

【商品が大量かつ効率的に売れるように、市場調査・製造・輸送・保管・販売・宣伝などの全過程にわたって行う企業活動の総称。市場活動。販売戦略。】
引用:Oxford辞書

しかし、辞書で引いた説明だけだと「結局どういうことなの?」と疑問が残ってしまう方もいるでしょう。そんな方のために、より噛み砕いてマーケティングがどのようなものなのか解説していきます。

マーケティングとは市場調査・商品開発・販売戦略など、「売上を上げるためのすべての活動」を指します。中には市場調査や商品開発までをマーケティングと定義している企業やサイトも多く存在します。販売戦略は新規顧客を獲得するだけではありません。リピート客を増やし、企業の売上を安定的で強固なものにする活動までも「販売戦略」というのです。

また、マーケティングといっても、「マスマーケティング」「ダイレクトマーケティング」「インバウンドマーケティング」と3つの種類があります。それぞれがどのようなものなのかについても、解説していきます。

マスマーケティング

マスマーケティングとはマーケティング手法の1つで、不特定多数の消費者を対象とします。

一般的にテレビ、新聞、雑誌などのいわゆるマスメディアが媒体として活用されます。マスマーケティングはBtoCの分野で活用されることが多い手法です。直接的な商品購入動機につなげる以外にも、商品や企業の認知度・好感度の向上を目的として実施されます。

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングとは、消費者を対象に直接商品を売るマーケティング手法です。

インターネット通販や、テレビショッピングなどの仕組みがダイレクトマーケティングに当たります。ダイレクトマーケティングは「どれだけの費用」を「どのように活用」した結果「どのような反応」が得られるのかを可視化できます。そのため、データ分析がしやすくPDCAを回すのに適したマーケティング手法です。

インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングとは、商品宣伝を直接行うマスマーケティングやダイレクトマーケティングとは異なり、消費者からの問い合わせやサイトアクセスを待ちます。問い合わせやサイトアクセスをした消費者を見込み客として育成するマーケティング手法です。

商品ページがインターネット上で検索されやすいようにする「SEO対策」や、商品に関連するコンテンツを公開して興味のある消費者を集める「コンテンツマーケティング」などがインバウンドマーケティングに当たります。

インバウンドマーケティングは比較的に低コストで実施でき、BtoBの分野でよく使われるマーケティング手法です。

集客とは

次に、集客とはどのようなものなのでしょうか。集客とは世の中に商品やサービスの特徴や魅力を発信し、顧客を店舗やWebサイトに集めることです。

例えば、人を集めるイベントのようなスポットの「顧客集め」は、多くの顧客に認知してもらうのには有効です。しかし集客的な観点だとイベントだけで終わらせるのではなく、その後も継続的に顧客にアプローチして、より身近に感じてもらえるようにするのが重要です。継続的にアプローチをすることで顧客との関係性をより親密にもできます。

集客の目指すべきゴールは、商品やサービスを購入してもらうだけではなく、その後、継続的に購入してくれるファンになってもらうことなのです。

集客における顧客の種類

一言で「顧客」と言っても、商品やサービスの利用有無・頻度により、さまざまな種類に分類できます。この分類が理解できていないと、どれだけ有効な集客活動をしていても効率良く集客ができないということになりかねません。顧客の分類方法はいくつかありますが、以下では顧客の種類を5つに分けるパターンを紹介します。

集客とマーケティングの違いとは?集客力を上げるために必要なマーケティング知識まとめ

顧客の種類に応じて、アプローチ方法を変えると、より効果的に集客がしやすくなるでしょう。

集客=顧客層に応じたアプローチ

集客は先ほど紹介した5つの分類方法に則った顧客層に合わせて、アプローチを実施します。アプローチ方法には、それぞれ目的があります。

集客とマーケティングの違いとは?集客力を上げるために必要なマーケティング知識まとめ

どの顧客層を集めたいのかによって集客を行う目的は異なります。そのため、集客する際には発信メッセージやアプローチ方法を変えることが重要になります。

VIP顧客の場合は、「紹介者キャンペーン」など、紹介した顧客と紹介された顧客の両方に特典をプレゼントするような方法でも効果があるでしょう。しかし、商品やサービスから離れてしまった顧客層に向けては、効果が低い傾向にあります。潜在顧客や見込み客に対しては、商品やサービスを認知してもらう可能性を高めるためにも、SNSなどでブランドの世界観など共感してもらえるコンテンツを発信するのが効果的といえるでしょう。ほかにも、休眠顧客やVIP顧客に対しては、再度購買欲求を持ってもらえるようメールやDM などを活用したコミュニケーションが効果的といえるかもしれません。

このように、集客とは顧客層に合わせたアプローチ方法により自社の商品やサービスに顧客を惹きつけることを指します。

集客がマーケティングに重要な2つの理由

集客とマーケティングは切っても切り離せない存在です。集客がマーケティングに重要なのはなぜなのでしょうか。その理由を2つ簡潔にお伝えしていきます。

1.顧客は商品やサービスを知らないと買わない

顧客は知らない商品やサービスは購入しません。つまり、自社の商品やサービスの存在や価値について認知してもらう必要があります。

「じゃあ衝動買いについては、どう説明するのか」と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、衝動買いの場合にも店頭やECサイトで顧客が偶然商品を発見して認知しているからこそ購買意欲が掻き立てられるのです。つまり、どんな方法であっても構わないので顧客に商品やサービスについて知ってもらわないことには、どれだけ集客ができても購入には繋がりません。

2.集客数アップ=売上アップ

どんな商品やサービスを扱っている事業でも、売り上げを出すためにまず大切なのが「集客」です。売り上げは以下のような計算で求められます。

売上 = 顧客数 × 購入回数 × 1回当たりの平均購入金額

ここで注意するべき点は「顧客数=集客した顧客全員」ではない点です。集客した顧客が全員商品やサービスを購入してくれるわけではありません。そのため、「顧客数=集客した人数×購入率」のように求めます。購入率とは集客できた顧客数のうち、何人の顧客が購入したのかを表す数値で「購入率 = 購入客数 ÷ 集客数」で求めます。

例)1ヵ月で100万円の売上を上げたい場合
※過去の実績より、購入率:10%、顧客の月間の平均購入回数:1.5回、平均購入金額:5,000円とする

【目標の顧客数(集客数)の計算例】
売上 = 顧客数(集客数)× 購入回数 × 1回当たりの平均購入金額なので、以下の式となります。

100万円 = 顧客数(集客数) × 購入率10% × 1.5回 × 5,000円
顧客数(集客数) = 100万円 ÷(10%×1.5×5,000)=1,333人

ここでは、1,333人の集客を行うことで目標の売上を達成できる計算式が作れます。

集客力をアップさせる施策の進め方

集客とマーケティングの違いとは?集客力を上げるために必要なマーケティング知識まとめ

集客力を向上させるためには、次の4ステップに沿って施策を進めるのが効果的だといわれています。

1.ターゲットとゴールの設定
2.仮説を立ててテストを行う
3.競合の施策も注視する
4.PDCAサイクルを回す

それぞれのステップがどのようなものなのか、詳しく解説していきます。

1.ターゲットとゴールの設定

集客力を向上させるためには、まずターゲットとゴールを設定することから始めましょう。ターゲットはVIP顧客・新規顧客・見込み客・潜在顧客・休眠顧客のどの顧客層にするのかを設定しましょう。そしてゴール設定は「新規顧客を●人増やす」「休眠顧客のうち●人にもう一度購入してもらう」といったように、具体的に決めることをおすすめします。VIP顧客をターゲットにする場合には、購入単価や購入回数を増やすことがゴールになるでしょう。

成果がわかりやすく、実現可能な数字でターゲットとゴールを設定できれば、実施した施策がどの顧客層の集客に効果的だったのかが可視化しやすくなります。成果を可視化することで、次の施策を実施する際の検討材料にもなるでしょう。

2.仮説を立ててテストを行う

集客力を向上させるための2つ目のステップは、仮説を立ててテストを実施することです。事前に仮説を立て、集客の施策を打つ際にはまずは小規模なテストから始めましょう。

ここでいう仮説とは、「この顧客層を対象にこのようなアプローチをすれば、求める成果が出るのではないか」というシナリオです。

仮に新規顧客獲得のための施策を打つ際に、「高年収世帯」にチラシを配布するとします。このとき、いきなり広範囲に配布してしまうのではなく、まずは高年収の人が多く住むエリアに絞って配布し、成果がみられるようであればエリアを拡大するなどのアプローチをするのが効果的です。

特に大々的に商品発売をアナウンスしたい場合には、一定の予算を要します。そのため、失敗してしまったときのリスクも大きくなります。小規模のテストを行っておくことで、顧客の反応を確かめ、リスクの軽減ができます。

3.競合の施策も注視する

競合の施策にアンテナを張っておくのも、集客力を向上させるために重要なステップです。

過去に効果があった集客施策を再度実施しても、成果が出ない場合もあります。自社のみならず、競合他社の存在も顧客を取り巻く重要な環境の1つです。そのため、競合他社が集客のためにどのような施策をしているのかについて、注視する必要があります。

例えば、集客施策の1つとして「商品10%OFF」のチラシを配布しても、競合他社が「商品30%OFF」のチラシを配布していれば成果は上がりにくくなってしまいます。しかし、競合他社が商品を30%OFFにしているからといって、自社も商品を30%OFFにする必要はありません。安易な割引は、ブランドイメージの棄損にも繋がりかねないため、価格の割引合戦や過度な販促合戦は控え他方が良いこともあります。さらに、過度な割引施策をしてしまうと、割引時しか購入しない顧客が増えてしまい、顧客はVIP化とは逆の方向に向いてしまうこともあります。

4.PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルを回すのも、集客力の向上には欠かせません。PDCAサイクルを回すことで、顧客の反応をタイムリーに確認でき、柔軟な対応が可能になります。PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取ったマネージメント手法です。

集客におけるPDCAサイクルは以下のように回せます。
P:集客のターゲットとゴールの設定
D:仮説に基づき実際に集客施策を実施
C:ゴールに対しての成果振り返りの実施
A:Cの結果に対する改善策の実施

上手にPDCAを回して集客力を向上させよう

集客=マーケティングと思われがちですが、それぞれ異なった定義付けがされています。おもむろに集客を実施しても効果的に顧客を集められなかったり、長期的な関係構築ができなかったり、売り上げ向上になかなか繋げられないということもあります。効果的に集客を行うためには、PDCAサイクルを回して常に施策に対する成果を分析しながら次なる手を探ることが重要です。

PROFILE

ちはる

大手IT商社でプロダクトプロモーション担当を経て、 WEBコンテンツ制作会社に転職し、ライターとして所属。その後、独立し、現在はビジネス・不動産関連の記事を主に執筆。

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