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個人事業主やフリーランスの税金は所得の何%?計算と納税方法を解説

個人事業主やフリーランスの税金は所得の何%?計算と納税方法を解説

会社員の場合は、給料から所得税、住民税などが天引きされるため、自分でそれらの納税手続きをする必要はありません。しかし、フリーランスになると納税や申請の手続きを自分で行わなくてはいけなくなります。フリーランスが納める税金にはどのようなものがあり、どれほどの額なのか、また、どのように納めるのかについてまとめて解説します。

フリーランスが納める税金1.所得税

フリーランスに限らず、収入を得ているすべての人が納めなくてはいけない税金が「所得税」です。

所得税は「超過累進課税制度」という仕組みを採用しています。課税される所得金額を7段階に区分し、所得金額に応じて5%から45%の税率がかかります。総所得金額が多いほど税率も高くなるため、所得が少なければ所得税は少なく課税されます。

 所得税は所得の何%?

所得税は所得の額に応じて次の通り、税率が異なります。課税される所得金額は、1,000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額です。

個人事業主やフリーランスの税金は所得の何%?計算と支払い方法を解説

No.2260 所得税の税率(国税庁)

所得税はいつ、どうやって納める?

確定申告で確定されたフリーランスの所得税は、次のいずれかの方法で納税します。

1. 振替納税を利用する。
※『預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書』に必要事項をご記入の上、所轄税務署又は金融機関に提出する必要があります。また、領収証は発行されません。
2. e-Taxで納付する。
3. クレジットカードで納付する。
4. QRコードによりコンビニエンスストアで納付する。
※納付できる金額は30万円以下です。「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
5. 金融機関又は税務署の窓口で現金で納付する。

e-Tax(国税庁)
[手続名]クレジットカード納付の手続(国税庁)
納税の方法(国税庁)

フリーランスが納める税金2.住民税

フリーランスが納めなくてはいけない税金の2つ目が、地方税の一種である「住民税」です。1月1日の住所に従い、その地方自治体に納税します。納められた住民税は、地方自治体が提供する公共施設、上下水道、ごみ処理、学校教育などの行政サービスの費用となります。

 住民税は所得の何%?

住民税は、所得に応じた金額を収める「所得割」と、住民税の課税対象となる人に所得金額にかかわらず一律で課税される「均等割」という2つの仕組みで課税されます。

所得割の税率は、所得に対して一律10%とされており、前年の1月1日から12月31日までの所得で算定されます。

【所得割】
区市町村民税   :所得×6%
道府県民税・都民税:所得×4%
合計       :所得×10%

均等割は、通常5,000円(市町村民税3,500円、道府県民税1,500円)と定められていますが、東日本大震災を踏まえ、地方団体が実施する防災費用を確保するため、2014年度から2023年度までの10年間、市町村民税・道府県民税ともに500円ずつ引き上げられています。

【均等割】
区市町村民税   :3,500円
道府県民税・都民税:1,500円
合計       :5,000円

個人住民税(総務省)

住民税はいつ、どうやって納める?

個人事業主やフリーランスの場合、住民税は「普通徴収」という仕組みを持って納税します。

市区町村より、毎年5月から6月にかけて納付書が届くので、これを元に第1期6月末、第2期8月末、第3期10月末、第4期翌1月末の4回に分けて納税します。口座振替やスマートフォン決済アプリによる納付も可能なので、詳しくは各自治体のホームページをご確認ください。

※東京都在住の場合
個人住民税(東京主税局)

こちらもおススメ
個人事業主が納めるべき住民税について、マイチョイスでも詳しく説明しています。
個人事業主が納める住民税の均等割とは?所得割との違いや計算方法

フリーランスが納める税金3.消費税

フリーランスが納める3つ目の税金は、「消費税」です。フリーランスが納めるべき消費税とは、国に対して治める税金で、課税売上高が1,000万円を超える際に納税義務が生じます。

フリーランスの活動の中で課税売上に該当する取引は多いので、年間の売り上げが1,000万円を超える場合には、消費税を納税しなくてはいけないと思っておくと良いでしょう。

消費税は売上の何%?

消費税の計算式はこちらです。

(課税売上×10%) ― (仕入れや費用の金額×10%)=納税する消費税

消費税はいつ、どうやって納める?

翌年の3月末日までに金融機関もしくは税務署に申告・納付します。

消費税のしくみ(国税庁)

フリーランスが納める税金4.国民年金

個人事業主やフリーランスの税金は所得の何%?計算と支払い方法を解説

フリーランスが納めなくてはいけない税金の4つ目が「国民年金」です。会社員の場合は会社で厚生年金に加入できますが、フリーランスは厚生年金に加入できないため国民年金に加入しなくてはいけなくなります。

フリーランスになると会社員時代のように給料からの天引きで納税ができなくなるため、どれほどの税金を納めなくてはいけないのか、きちんと把握しておきましょう。

国民年金は所得の何%?

国民年金はフリーランスかどうか職種に関係なく、第1号被保険者および任意加入被保険者の1カ月の保険料は、16,590円です(令和4年度)。まとめて前払いすると、割引が適用されますが、2年前納の場合は手続きが必要となります。

国民年金はいつ、どうやって納める?

以下のようにして国民年金を納税します。

1. 口座振替で納付する。
2. 納付書「領収(納付受託)済通知書」で納付する。
3. クレジットカード(継続納付)で納付する。

一番お得なのは口座振替で2年前納ですが、手続きが必要になるという手間もあるので、どの方法で税金を納めるのかは個人の自由です。自分の生活スタイルに合っている方法で遅れてしまうことなく納税しましょう。

国民年金前納割引制度(現金払い 前納)(日本年金機構)
国民年金前納割引制度(口座振替 前納)(日本年金機構)
国民年金保険料の「2年前納」制度(日本年金機構)
国民年金保険料(日本年金機構)

フリーランスが納める税金5.国民健康保険料

国民健康保険は、フリーランスが納めなくてはいけない税金のひとつです。しかし、国民健康保険は必ずしも入らなくてはいけないものではなく、以前勤めていた企業の健康保険を任意継続したり、家族の扶養に入ったりする場合には納税しなくてもよくなります。

なお、国民健康保険に加入できる人には日本国内に住所があって、以下のいずれにも該当しない方という条件があります。
・職場の健康保険に加入している
・75歳以上等で後期高齢者医療制度に加入している
・生活保護を受けている
・短期滞在在留外国人 など

国民健康保険の加入・脱退について(厚生労働省)

国民健康保険料は所得の何%

国民健康保険料は、フリーランスだからいくら、所得がこれくらいならいくら、などの決まりはありません。前納すると毎月納付した場合と比べて、複利現価法による年4%の割引きがあるので前納を検討するのもよいでしょう。

各自治体によって納税額は異なるので、住んでいる自治体または以下より確認しましょう。

令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)(全国健康保険協会)

国民健康保険料はいつ、どうやって納める?

以下のいずれかの方法により国民健康保険料を納めます。
・納付書で納付する。
・口座振替で納付する。

保険料の納付方法について(全国健康保険協会)

フリーランスが納める税金6.個人事業税

フリーランスが納める税金には「個人事業税」というものがあります。個人事業税とは、個人の方が営む事業のうち飲食、不動産、印刷、問屋、水産業など70業種に該当する方が納税するものでほとんどの事業が該当します。税率は事業により3%、4%、5%と定められています。

個人事業税は所得の何%?

個人事業税は次の計算式で算出します。

個人事業税=(所得(収入-必要経費)-個人事業税の計算で適用できる各種控除)×法定業種ごとに定められた税率(3%〜5%)

個人事業税はいつ、どうやって納める?

原則、フリーランスの方は個人事業税を8月と11月の年2回です。8月に送られてくる納税通知書に従い、納税します。

フリーランスの税金は6種類!売上ではなく「所得」で生活を考えよう

フリーランスが納めなくてはいけない税金は主に6種類あります。

納税のタイミングや税額もそれぞれ異なりますが、前納をすると割安となるものもありますし、クレジットカードやスマートフォン決済アプリなどで納めた場合には、決済に利用したサービス上で納税額に応じてポイントが還元されるなどの特典も得られます。

納税が遅れてしまわないよう、自分に合う納税方法を選び、スケジュール管理をしっかりして納めるようにしましょう。

税金は「所得」に対してかかってくるので、自由に使えるお金の計算は、売上ではなく所得をベースに考えることが重要です。

また、税金は確定申告時に正確な納税額を算出することになります。確定申告は、毎年2月から3月にかけて受け付けています。申告が遅れてしまわないよう、普段から帳簿をつけておき、計画的に準備を進めましょう。

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いつ納税すべきなのかについては、マイチョイスで紹介しています。
個人事業主の税金カレンダーを解説!いつ納税すべきなのか確認しよう

PROFILE

ちはる

大手IT商社でプロダクトプロモーション担当を経て、 WEBコンテンツ制作会社に転職し、ライターとして所属。その後、独立し、現在はビジネス・不動産関連の記事を主に執筆。

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