スタイルのある生き方へシフトしたいビジネスパーソンのためのニュース・コラムサイト。
検索
独立ノウハウ・お役立ち

キャリアコンサルタントに必要な国家資格とは?難易度や勉強方法を紹介

キャリアコンサルタントに必要な国家資格とは?難易度や勉強方法を紹介

キャリアコンサルタントになるためには、国家資格が必要です。しかし、キャリアコンサルタントに国家資格が必要なイメージがある方は少ないのではないでしょうか。本記事では、キャリアコンサルタントに興味がある方に、どのような資格が必要なのか、また難易度はどれほどなのかを説明します。さらに、効率よく勉強するための方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

国家資格“キャリアコンサルタント試験”とは

キャリアコンサルタントとして働くためには“キャリアコンサルタント試験”という国家資格の取得をしなくてはいけません。

“キャリアコンサルタント試験”とは、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(CCC)と日本キャリア開発協会(JCDA)の2つの機関が、職業能力開発促進法に基づき厚生労働大臣の登録を受けて実施する国家検定です。検定内容は学科試験と実技試験(論述と面接)が行われます。一気に両方の学科を受験せず、一科目ずつ受験することも可能です。キャリアコンサルタント試験の学科と実技の両方の試験に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録することで、“キャリアコンサルタント”と名乗れるようになります。

また、5年おきに講習を受けた上での更新が必要になるので、一度、試験に合格しただけで満足してしまわないよう注意しましょう。

特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会

「登録の更新申請」(国家資格 キャリアコンサルタントWebサイト 登録センター)

キャリアコンサルタントの仕事内容

企業の人事部、大学のキャリアセンター、人材紹介・派遣企業など、さまざまな場所で活躍をするキャリアコンサルタントの仕事は、相談者の適性、能力、関心などを引き出し、個人に合った仕事の提案や支援を専門的に行います。その中でも、主な業務内容は“カウンセリング”“アドバイス”“情報提供”の3つです。

【カウンセリング】

キャリアコンサルタントがまず行うのが、カウンセリングです。相談者がどのような希望や悩み、課題を抱えているのかを把握しなくてはいけません。そのためにもキャリアコンサルタントは、“今までの経験や関心のあること”などについてヒアリングをします。

相談者によっても価値観はさまざまです。それぞれの相談者に寄り添いながら、何を第一に考えているのか、感じているのかを整理していきます。カウンセリングを通し、キャリアコンサルタント自身が相談者への理解を深めるのはもちろん、相談者自身も自分について理解を深められるようになります。

【アドバイス】

キャリアコンサルタントが“こうするべきだ”と一方的に結論を出すことはありません。カウンセリングを経て相談者自身で結論が出せるように支援するのがキャリアコンサルタントの仕事です。相談者への理解を深めつつ、どのようなアドバイスができるかを考えておきましょう。

【情報提供】

キャリアコンサルタントは、相談者が最善の結論を出せるよう支援するための助言だけでなく、インターン、求人、職場体験・見学などの情報提供もします。相談者が興味を持ってくれそうな情報をピックアップして伝えるのが望ましいで姿です。

キャリアコンサルタントが活躍できるフィールドとは

キャリアコンサルタントの仕事内容は、どのようなフィールドでも“カウンセリング”“アドバイス”“情報提供”がメインになってきます。しかし、具体的にどのようなフィールドで働けるのかがわかった方が、資格取得後のキャリアイメージが掴みやすくなるでしょう。

キャリアコンサルタントの勤務先としてどのようなフィールドがあるのか、代表的な5つを紹介します。

1. 人材派遣会社
2. 企業の人事
3. 公的就業支援機関
4. 教育機関
5. 独立

それぞれについて、詳しく解説していきます。

1.人材派遣会社

キャリアコンサルタントの勤務先として代表的な1つ目のフィールドは、人材派遣会社です。人材派遣会社では、「人材を求めている企業」と「仕事を探している求職者」をマッチングさせ、人材派遣や紹介を行います。 求職者の能力や希望するキャリアについてカウンセリングを行い、その人の強み・弱みを把握した上で人材を求めている企業の中から適切な案件を紹介します。

2.企業の人事

キャリアコンサルタントの勤務先として代表的な2つ目のフィールドは、企業の人事です。キャリアコンサルタントは、人材派遣会社以外の一般企業でも主に人事部に所属して活躍しています。 主な仕事は社員のキャリア課題や能力開発、メンタル面のサポートなどで、カウンセラーとしての要素が強くなります。

3.公的就業支援機関

キャリアコンサルタントの勤務先として代表的な3つ目のフィールドは、公的就業支援機関です。代表的なのはハローワークですが、それ以外にも、「ジョブカフェ」や「高齢者就職支援センター」などがあります。

公的就業支援機関のような行政機関で働く場合の主な仕事は、就職・転職希望者に対して希望職種・勤務条件などをヒアリングするキャリアカウンセリングと、求人情報の中からその人に合う仕事を紹介することです。その他にも、必要に応じて知識・技能を身に付ける訓練制度の紹介も行います。

4.教育機関

キャリアコンサルタントの勤務先として代表的な4つ目のフィールドは、教育機関です。高校、大学、大学院、専門学校の進路相談室や就職課(キャリアセンター)などです。 教育機関で働く場合の主な仕事は、その教育機関に通う学生の進学や就職などの進路相談が中心となります。また、生き方・キャリア形成に関する授業やセミナーを開催したり、資料を作成したりするような業務も含まれるでしょう。

5.独立

キャリアコンサルタントの勤務先として代表的な5つ目のフィールドは、独立です。キャリアコンサルタントとして活躍する人の中には、企業や行政機関に属さずにフリーランスになったり、自分で会社を立ち上げたりなど、独立する人も少なくありません。

キャリアコンサルタントとして独立している人の多くは、トレーナーとして研修やセミナーに参加したり、企業と契約して社員のカウンセリングを実施したりしています。キャリアコンサルタントとして知名度が上がれば、単独でキャリア形成やライフプランについての講演・セミナーを行う人もいます。 ただし、まずは企業や行政機関に所属し、経験を積み、コネクションを持つための下準備をしてから独立するのが一般的といえます。

キャリアコンサルタントが必要とされる理由

では、国家資格を保有するキャリアコンサルタントが必要とされるのは、なぜなのでしょうか。

そもそもキャリアコンサルタントが生まれたのは2つの時代背景があります。
“終身雇用が当たり前でなくなった点”と“ワークライフバランスを叶えるためのキャリアの形成が必要になった点”の2つです。

転職、多様な働き方、ダブルワークなど、個人個人の判断でキャリアを築かなくてはいけなくなった昨今、それをサポートするためにキャリアコンサルタントが生まれました。

キャリアコンサルタント検定を実施する2つの機関

キャリアコンサルタントに必要な国家資格とは?難易度や勉強方法を紹介

キャリアコンサルタントになるための国家資格を“キャリアコンサルタント試験”といいます。この試験を受けられる登録試験機関は2つあります。「キャリアコンサルティング協議会(CCC)」と「日本キャリア開発協会(JCDA)」の2つです。どちらの登録機関で資格を受験するかは受験者が決めます。

では、2つの機関で実施しているキャリアコンサルタント試験について詳しくみていきましょう。

キャリアコンサルティング協議会(CCC)

キャリアコンサルティング協議会の求めるキャリアコンサルタントの要素は“態度”・“展開”・“自己評価”です。自身の強みや受講している講座がキャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会のどちらの合格基準に強いのかを見極めて、資格を受験する機関を決めましょう。

「受験概要」(国家資格 キャリアコンサルタント試験(キャリアコンサルティング協議会))

日本キャリア開発協会(JCDA)

キャリアコンサルティング協議会の求めるキャリアコンサルタントの要素が“態度”“展開”“自己評価”なのに対し、日本キャリア開発協会が面接で求める合格基準は“主訴・問題の把握”“具体的展開”“傾聴”の3つです。

「試験要項」(国家資格 キャリアコンサルタント試験(日本キャリア開発協会))

キャリアコンサルタント試験の難易度

キャリアコンサルタントの資格は、キャリアコンサルタントになるためには必要不可欠です。この資格を取得するためには、どのような要件を満たしている必要があるのか、また、どれほど難しいのかをお伝えしていきます。

受験資格

キャリアコンサルタント試験を受験するためには3つの条件を満たしていなくてはいけません。キャリアコンサルタント試験の3つの受験資格とはどのようなものなのでしょうか。

1.厚生労働省が認定する講習を修了している
2.労働者の職業の選択、職業生活設計または職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談経験が3年以上ある
3.技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験もしくは実技試験に合格している

以上の3つです。

「厚生労働大臣が認定する講習」(国家資格 キャリアコンサルタント試験(日本キャリア開発協会))

※リンクの遷移先はPDFファイルです。ダウンロードに大量の通信費がかかる可能性があります

「受験概要」(国家資格 キャリアコンサルタント試験(キャリアコンサルティング協議会))

※リンクの遷移先はPDFファイルです。ダウンロードに大量の通信費がかかる可能性があります

試験日程

キャリアコンサルタント試験は、「キャリアコンサルティング協議会」と「日本キャリア開発協会」の2つの指定試験機関で行われます。なお、学科試験は、両機関で同一日、同一問題です。

キャリアコンサルティング協議会

【第24回】
学科試験・実技試験(論述)
開催日:2023年11月5日(日)
開催地:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄

実技試験(面接)
開催日:2023年11月11日(土)、12日(日)、18日 (土)、19日(日)
開催地:札幌・仙台・東京・大宮・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄

【第25回】
学科試験・実技試験(論述):2024年3月3日(日)
開催地:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄

実技試験(面接)
開催日:2024年3月9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日)
開催地:札幌・仙台・東京・大宮・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄

「試験日程」(国家資格 キャリアコンサルタント試験(キャリアコンサルティング協議会)

日本キャリア開発協会

開催地区:札幌・仙台・東京・金沢※・名古屋・大阪・広島・高松※・愛媛※・福岡・沖縄※
※印の地区は予定

【第24回】
学科試験・実技試験(論述):2023年11月5日(日)
実技試験(面接):2023年11月11日(土)、12日(日)、18日 (土)、19日(日) ※金沢・広島は11日(土)、12日(日)のみ、東京・名古屋・大阪・福岡は11日(土)、12日(日)も開催予定

【第25回】
学科試験・実技試験(論述):2024年3月3日(日)
実技試験(面接):2024年3月9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日) ※金沢は16日(土)、17日(日)の未開催。東京・名古屋・大阪・福岡は16日(土)、17日(日)も開催予定

「受験案内」(国家資格 キャリアコンサルタント試験 (日本キャリア開発協会))

機関ごとの合格率

キャリアコンサルティング協議会における過去のキャリアコンサルタント試験の合格率は以下です。

<第22回 キャリアコンサルタント試験 試験結果 キャリアコンサルティング協議会>
学科:82.2%
実技:65.3%

<第22回キャリアコンサルタント試験 試験結果 日本キャリア開発協会>
学科:82.3%
実技:63.0%

「第22回 キャリアコンサルタント試験 試験結果」(キャリアコンサルティング協議会)

「第22回キャリアコンサルタント試験 試験結果」(日本キャリア開発協会)

試験の費用

キャリアコンサルタント試験の費用は学科試験と実技試験で料金が異なります。それぞれの費用は以下の通りです。キャリアコンサルティング協議会でも、日本キャリア開発協会でも受験料は同じです。

学科試験:8,900円(税込み)
実技試験:29,900円(税込み)

試験ごとに費用がかかります。資格を取るためには4万円ほどかかるという認識でいてください。

必要な受験勉強時間

キャリアコンサルタントに必要な国家資格とは?難易度や勉強方法を紹介

キャリアコンサルタントになるための資格を取得するには、多くの勉強時間が必要になります。学科試験と実技試験、試験ごとに勉強時間を設けなくてはいけません。

【受験勉強に費やす時間(目安)】
効率よく勉強を進めてキャリアコンサルタント試験を受けるためにも、キャリアコンサルティングの基礎を学ぶために「キャリアコンサルタント養成講習」を約2ヵ月間から5ヵ月間受講し、知識と技能の両面の知識を身に付けるのが一般的です。

合格後は5年ごとの登録更新が必要

キャリアコンサルタント試験は合格したら、生涯資格を保有できるわけではありません。資格を保有し続けるためには、5年ごとに更新が必要です。登録の有効期間満了の日の90日前から30日前までの申請受付期間中に更新の申請をしなくてはいけません。更新を怠ってしまうと、資格は失効し、また一から資格をとり直さなくてはいけなくなるので注意しましょう。

キャリアコンサルタントの資格の活用法

キャリアコンサルタントの資格を取得したら、どのように活用すべきなのでしょうか。3つの活用方法を紹介します。

履歴書や職務経歴書に書き、資格保有者であることをアピールする

1つ目の活用方法は履歴書や職務経歴書に書くことです。特に人事など、人の採用やキャリアを司る部署への就職・転職を希望している場合、キャリアコンサルタントの資格を持っているのはプラスになります。

入社時の面接でアピール材料にする

2つ目の方法は、入社時の面接でアピール材料にすることです。キャリアコンサルタントの資格は新しく、資格を持っている人はあまり多くありません。またキャリアコンサルティングには国家資格が必要なため、面接の際にアピールすれば印象付けられます。なぜ資格を取得しようとしたのか意図や経緯も話すと、人となりも伝えられて良いでしょう。

独立や営業活動に役立てる

3つ目の活用方法は独立や営業活動に役立てることです。需要の高いキャリアコンサルタントは独立に向いている職種です。企業に属していなくては業務ができない職種ではないので、思い切って開業してしまうのも1つの方法です。

キャリアコンサルタントの資格は、転職にも独立にも役立つ

キャリアコンサルタントに必要な国家資格とは?難易度や勉強方法を紹介

キャリアコンサルタントの資格は需要があるため、資格取得者は一目置かれる存在になるでしょう。

どのような企業でも役に立つといえる職種なので、転職の際に資格を持っていることをアピールすればプラスに働くでしょう。独立の際も役にも立つので、「いつか自分で事業を起こしたい!」と考えている方は、早めに勉強の時間を作ってみるのも良いかもしれません。

PROFILE

ちはる

大手IT商社でプロダクトプロモーション担当を経て、 WEBコンテンツ制作会社に転職し、ライターとして所属。その後、独立し、現在はビジネス・不動産関連の記事を主に執筆。

アントレ 独立、開業、起業をご検討のみなさまへ

アントレは、これから独立を目指している方に、フランチャイズや代理店の募集情報をはじめ、
さまざまな情報と機会を提供する日本最大級の独立・開業・起業・フランチャイズ・代理店募集情報サイトです。