独立資金というと『お店や事務所、備品や仕事道具にかかるお金=初期費用』をイメージしがちです。
しかし、初期費用だけが独立資金ではありません。独立資金の内訳を知らないと、独立当初から思わぬトラブルに見舞われるでしょう。
本記事では、独立資金の3つの内訳と具体的な金額の目安を紹介します。独立計画を立てるための参考として、お役立てください。
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まずは会員特典を調べる独立の3つの資金を確認しよう
独立するには資金が必要です。そして独立資金と聞くと、多くの方は店舗や備品にかかる『初期費用』を思い浮かべるでしょう。しかし、初期費用だけが独立資金ではありません。独立資金について正しく認識していないと、ビジネスを成功させるのは難しいでしょう。
まずは、独立に必要な3つの資金について解説します。
・設備資金
・運転資金
・予備資金
1.設備資金
設備資金とは『独立における初期投資にかかるお金』です。
お店を構える場合の『店舗用の土地代や建物代、仕事で使う設備や備品、事務用品など』の購入費が『設備資金』にあたります。
2.運転資金
運転資金とは『独立からしばらくの間必要になる事業資金』のことです。
独立とは「お店を出して終わり」「ビジネスを立ち上げて終わり」ではありません。独立することはゴールではなく、スタートなのです。
独立当初は経営が上手くいかず、必要な事業資金を事業収支から工面できない場面もあるでしょう。一時的に赤字になったとしても、中長期的な視点で戦略的なビジネスを行えるよう、せめて半年分の運転資金は用意しておきましょう。
3.予備資金
予備資金は、独立後の『生活資金』にあてるお金です。
独立当初から経営が軌道に乗り、黒字が続くようなケースは稀です。赤字が続き、事業資金どころか生活資金の捻出にすら、苦しむようなケースもあります。
生活が苦しくてビジネスを畳んでしまうのは、悔やんでも悔やみきれないでしょう。運転資金とは別に、最低半年分の生活資金を『予備資金』として確保しておいてください。
独立には2パターンある
独立と一口にいっても、いくつかの種類があります。中でも代表的なのは『個人事業主としての独立』と『会社設立による独立』です。
1.個人事業主として独立する
独立時の資金や負担が少ないのは『個人事業主としての独立』です。
個人事業主になるには、税務署にいって開業届を提出するだけです。特別な資金は一切不要で、手続きには1時間もかからないでしょう。
売り上げが少ない間は税率も低いため、まずは個人事業主として独立することをおすすめします。
2.会社を設立して独立する
会社を設立するのは「個人事業主として始めた事業が軌道に乗ってから」が良いでしょう。
会社設立は『個人事業主としての独立』と違い、お金も手間もかかります。慣れていない場合は2週間~1ヵ月の期間がかかりますし、法定費用として242,000円の設立費用がかかります。専門家に手続きを依頼すれば、費用はさらに大きくなるでしょう。
ただ、売り上げが大きくなってからの税率は、個人事業主よりも低く設定されています(※2021年5月現在)。場合によりますが、年商1,000万円を超えるようであれば、個人事業主から法人に切り替えることをおすすめします。
【個人事業主】業種ごとの独立資金
独立に必要な資金は、業種によって異なります。法人展開するような大企業なビジネスの場合、独立資金の目安をつけるのは困難です。しかし、個人事業主としてスモールスタートするのであれば、ある程度の目安は提示できます。
次からは、5つの業種に分けて、個人事業主として独立するために必要な資金の目安をお伝えします。
1.飲食業
飲食業の独立資金は概ね『500~1,000万円ほど』になるといわれ、独立資金は高い部類に入ります。
店舗を構える場合、客席を確保するためにそれなりの土地と建物が必要です。顧客にとって居心地の良い広さと空間を作れなければ、固定客はつきません。店舗への初期投資は売り上げに直結するため、あまり節約しない方がいいでしょう。
2.小売業
小売業の独立資金は『1,000万円以内ほど』が目安です。飲食業同様、独立資金の高い部類です。
商品を魅力的に見せて購入してもらうには、陳列が大切です。お店のコンセプトを決めること、コンセプトに合ったインテリアデザインなど、手間と費用がかかります。
ちなみに、フランチャイズを活用し、コンビニエンスストアでの独立を目指すなら、開業資金は300万円ほどで済むことが多いです。店舗デザインも決まっているため、手間もかかりません。
物件改装も設備も手続き申請も、全てDIY !<アントレ本誌:2019年春号より転載>
3.美容系
美容系の独立資金は『700~1,500万円ほど』が目安になります。本記事で紹介する中でも、特に資金がかかる業種です。
美容系の店舗も、飲食店や小売店のようにインテリアにこだわらなければなりません。高額な備品も多く、例えば美容院なら、シャンプー台や鏡などの大きな備品がたくさん必要です。施術を提供するため、雇用する人数や1日当たりの出勤する人数は多めになります。当然、人件費もかかります。
4.サービス系
サービス系のビジネスにかかる独立資金は『500万円以内ほど』といわれています。本記事で紹介する中では、比較的開業資金を少なく抑えられている部類といえるでしょう。
最近では『ハウスクリーニング』や『高齢者向けサービス』などといった家事代行サービスが流行っています。少子高齢化や共働き世帯の増加とともに、家事代行のニーズは今後も高まっていくでしょう。
客先で仕事をするサービス系ビジネスは店舗を必要とせず、従業員がいなくてもオーナー一人で開業できます。自宅を事務所にできれば、独立資金を大きく節約できるでしょう。
5.IT系
IT系のビジネスの独立資金は『0~30万円ほど』になります。必要資金が最も低く、手軽に独立できる業種です。
IT系の中でも、エンジニアやライターのような『フリーランス』に適した業種なら、PC1台で独立できます。高性能なPCを持っていたり、あるいは最低限の性能のPCでできる仕事であれば、自宅にあるPCでそのまま仕事ができます。
ネットショップや携帯・通信回線の取り次ぎビジネスも、IT系で人気のビジネスです。いずれにしても、独立資金は30万円に収まることがほとんどでしょう。
【会社設立】独立にかかる3つの資金
会社を設立する場合は、どんな業種であっても、個人事業主以上にお金がかかります。ビジネス展開の仕方や業種によって、必要資金はさまざまであり、具体的な目安をお伝えするのは困難です。
しかし、どんな会社でもかかる費用をお伝えすることは可能です。次からは、業種にかかわらず、会社設立にかかる3つの資金を紹介します。
1.会社を設立するための資金
会社を設立する場合、最低でも242,000円の法定費用がかかります。また、実印作成や印鑑証明の取得費、謄本の発行費などを合わせると、250,000円程度はどうしてもかかります。
専門家に手続きを依頼する場合、依頼先によるものの、50,000~100,000円程度の依頼料が必要です。
登記費用についてもっと知りたい方は外部リンクをご確認ください。
登記手数料について(法務省HP)
http://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/
登録免許税の税額表(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
2.事務所を構えるための資金
事務所を構える場合、独立資金だけでなく、独立後に必要な資金も大きくなります。
会社の事務所は、自宅を事務所としない場合やもともと所有している場所を事務所として活用しない場合、たいていは賃貸することになります。物件により変動するものの、毎月の賃料は100,000円以上かかると見ておきましょう。契約時には、保証金として数ヵ月分の賃料がかかったり、家賃の前払いが必要になったりします。火災保険への加入も必要です。
最低でも、賃料の3ヵ月分程度の初期費用がかかると考えておいてください。
3.備品・事務用品の必要資金
備品や事務用品は、雇用する従業員の数だけ必要になります。
プリンター複合機やキャビネット、人数分のデスクやPCなど、高額な什器・備品をたくさん購入することになるでしょう。ほかにも朱肉や筆記用具など、細かいものをあげればキリがありません。
しばらくは「あれもいる、これもいる」と後から必要なものが出てくるでしょう。まずは最低限のものをそろえ、必要に応じて増やしていくのがおすすめです。
独立資金を工面する方法
独立資金について、いろいろなことが分かってきたでしょう。独立にたくさんのお金がかかるビジネスもあれば、0円で独立できるビジネスもあります。
では、お金がかかるビジネスを立ち上げるには、どうしたらいいのでしょうか。最後に、独立資金を工面する4つの方法をお伝えします。覚えた知識を振り返りながら、使えるものがないか探してみてください。
・自己資金を貯める
・助成金や融資を利用する
・事業への影響が少ない資金を節約する
・フランチャイズのローンを活用する
1.自己資金を貯める
独立する前に、会社の給与や副業の報酬などで、なるべく多くの自己資金を貯めておきましょう。
自己資金があって困ることはありません。助成金や融資、フランチャイズのローンなどを活用するとしても、自己資金が多いほど、独立後のビジネスと生活は安定するでしょう。
今日から行える副業についてはこちらの記事で確認してみてください。
2.助成金や融資を利用する
助成金や補助金・融資は、起業家の強い味方です。
助成金と補助金は、国や地域が起業家を支援するためのお金です。融資やローンと異なり、返済する必要はありません。
融資は、さまざまな機関が行っています。高齢者向けサービスのような地域に根ざしたビジネスであれば、これから地域で事業を行う方に向けた開業資金の融資を行っている『信用金庫』や、新規事業を検討する人への融資制度が整っている『日本政策金融公庫』での融資を検討すると良いでしょう。今までにない新しいビジネス、成長が期待できるベンチャービジネスであれば、ハイリターンを狙って”冒険的な”投資を行う個人(エンジェル)投資家やベンチャーキャピタルからの融資を狙いましょう。
日本金融政策公庫についてもっと知りたい方は、あわせて読んでみてください。
開業資金は、どう調達する? 日本政策金融公庫の融資制度
3.事業への影響が少ない資金を節約する
独立資金を節約するのは大切です。しかし「何でも節約すれば良い」というわけではありません。
例えば飲食店や小売店で店舗にかかるお金を節約し、見栄えが悪く、狭い店舗を建てたらどうなるでしょうか。お店に興味を持つ人は減るでしょうし、店舗に入ってくれたお客さんも「居心地の悪いお店だな」と感じれば、リピートすることはないでしょう。ビジネスに直結する資金を、節約してはいけません。
反対に、独立当初から豪華な社長椅子を買ったり、従業員が少ないのに広い事務所を借りたりするのは、完全な無駄遣いです。ビジネスに直接関わる部分にお金をかけ、そうでない部分で節約しましょう。
4.フランチャイズのローンを活用する
フランチャイズを活用すれば、独立に向けたさまざまなサポートが受けられます。加盟するフランチャイズ本部によりますが、加盟店へのサポートの一環として、独立資金を貸し付けるローン制度を持っているフランチャイズ本部もあります。
加盟店の売り上げがそのままフランチャイズ本部の利益に直結しているのが、フランチャイズの特徴です。フランチャイズ本部は利益を上げ、自社のブランド力をより高めるために、加盟店を全力で支援してくれます。ローンもその一環で、加盟店を増やすための施策です。
もちろん、ローン以外にもさまざまなサポートを受けられます。加盟するフランチャイズによってサポート内容が大きく異なりますが、独立に向けた研修や、独立後のアドバイス、チェーンのブランド力を使った集客など、フランチャイズのメリットはたくさんあります。
独立資金は節約すればいいというものではない
独立資金は節約すればいいというものではありません。資金を抑えた結果、集客や仕事の効率が落ち、節約以上に赤字が出るということもあるでしょう。ビジネスの効率やお客さんに直接関わる部分にはお金をかけ、それ以外の部分で節約すべきです。
しかし、節約にも限界があります。ビジネスを成功させるには十分な資金が必要です。
補助金や助成金を活用すれば、返済義務のない事業資金が手に入ります。
ローンやサポートなど、フランチャイズを活用した独立に魅力を感じるなら、独立開業を支援するデータベース『アントレ』をお役立てください。全国規模のフランチャイズデータベースからさまざまな業種や業界、地域ごとにフランチャイズ案件を調べることができます。
「どんなフランチャイズが、どのような支援を行っているのか」や、具体的な独立資金の目安も、フランチャイズ本部ごとに確認することができます。
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赤塚 元基
SaaSなどのIT系、投資やベンチャー企業の動向、オウンドメディアなどビジネス系を主に執筆。