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起業家・先輩から学ぶ

焼き芋で人が集まり 仕事につながる<アントレ本誌:2019年春号より転載>

焼き芋で人が集まり 仕事につながる<アントレ本誌:2019年春号より転載>

世の中には、ありとあらゆる商売がある。

どんな商売も工夫ややりようで繁盛させることはできるはず。

そこで、一見もうけることが難しそうな意外な商売を繁盛させたり、長続きさせている先輩にそのポイントを聞いた。大いに参考にしてほしい。

「やきいも」で複業シナジー発揮!/
長橋 徹さん

11月下旬から3月の間、大磯町の街角に、素焼きの壺を並べた焼き芋店の「やきいも日和」がオープンし話題を集めている。

焼き芋と聞けば石焼き芋を想像するだろうが、この店は“壺焼き”。練炭の熱と壺からの遠赤外線でじっくり蒸し焼きにするので、中までしっとり焼けておいしいと評判だ。

焼き芋で人が集まり 仕事につながるー紙バンド、中古ラジカセ、草むしり 意外な商売 意外に繁盛ー<アントレ本誌:2019年春号より転載>

壺で1回13本ほどのサツマイモを、1時間ほど時間をかけてじっくり焼く。

店主の長橋徹さんは、建築や内装のデザイナーでもある。建築設計事務所でキャリアをスタートしたが、ハードな働き方に違和感を覚えて退職。

その後、1級建築士資格を取得すると、古くて良いものにも関わらず、注目されていないものをリデザインし、人の興味を引くことに関心を持つ。

その結果行き着いたのが焼き芋だった。地元の直売所で焼き芋を売っている人の姿に「とっつきにくい」と感じ、「焼き芋屋は今までの延長上にあるクライアントワークではなく、自分のキャラクターが表現でき、かつリデザインできる」とひらめいたという。

「1個15万円の壺で遊ぶのも面白いといったぐらいの動機」でスタートした。

焼き芋で人が集まり 仕事につながるー紙バンド、中古ラジカセ、草むしり 意外な商売 意外に繁盛ー<アントレ本誌:2019年春号より転載>

焼き芋のパッケージは、自らデザインしたおしゃれな包装紙でキャンディー状に両端をひねる形。

自らデザインした包装紙で焼き芋をキャンディーのように包んで渡す。1本330円の焼き芋は、1日100本は売れる。さらに“焼芋家”を名乗り“やきいも学”の講座を地元の高校で開く活動も。

「“デザイナー”の看板だけではデザインの仕事しか来ない。この商売で周りに人が集まるようになり、自分の考え方が伝わってリノベなどいろいろな仕事を頼まれるようになった」と収穫を話す。

焼き芋で人が集まり 仕事につながるー紙バンド、中古ラジカセ、草むしり 意外な商売 意外に繁盛ー<アントレ本誌:2019年春号より転載>

PROFILE

長橋 徹さん(39歳)

美大の環境デザイン学科卒業後、建築設計事務所や知人が中国で開業した設計事務所を経て、個人でデザインや店舗内装の施工の仕事を開始。2008年「やきいも日和」開業

取材・文/髙橋光二
撮影/田部雅生、刑部友康、坂井みゆ
アントレ2019.春号
「紙バンド、中古ラジカセ、草むしり 意外な商売 意外に繁盛」より

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