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初対面の印象を良くするコツは「能」にあった? 心理学者が教える、第一印象の作り方

初対面の印象を良くするコツは「能」にあった? 心理学者が教える、第一印象の作り方

「メラビアンの法則」という有名な心理学用語を知っていますか?

人は出会って数秒で相手の第一印象を判断します。そのうち視覚に依存する割合はなんと55%と言われています。

初めて出会ったときの見た目の印象次第で、もはや仕事の成否が決まるといっても過言ではありません。

では、どうしたら第一印象を良くすることができるのでしょうか?

心理学者の内藤誼人先生によると、ルックスに関係なく、ちょっとしたポイントを抑えることで、相手に良い印象を与えることができるそうです。

今回は内藤先生に「第一印象を良くするコツ」について伺いました。

顔立ちは関係ない? 第一印象が魅力的な人とは「表情の豊かな人」

「第一印象が良い人」とは、どのような人だと思いますか?

「生まれつき目鼻立ちが整ったイケメンや美人は、第一印象が良くてうらやましい」なんて思ってしまいがちですが、実は第一印象を決めるのは「顔立ち」ではない、というのが心理学的な見解です。

アメリカはイリノイ大学のキム・ミューザー先生が調査した、魅力の要因に関するデータによると、第一印象で魅力のある人というのは「表情の豊かな人」であるということが分かりました。

具体的には、口を大きく動かす人。なぜなら口を大きく動かすと表情が豊かになるため、魅力的に見えることが分かったからです。

では、なぜ口を大きく動かすと、表情が豊かに見えるのでしょうか?

口の周りには口輪筋と言う筋肉があり、これに連動して顔全体の筋肉が動きます。そのため、口を大きく開けて話す人は、それだけで表情が豊かに見えるのです。

一方で、あまり口を開けずに話す人は、顔全体の動きも小さく、無表情に見えてしまいます。どちらかというと暗い印象を与えかねません。

いわゆるイケメン、美人といわれる人たちは、自分の外見に自信を持っていることが多いため、自然と表情が豊かになり、結果として魅力的に見えているのでしょう。

仮に自分の外見に自信がなかったとしても、表情豊かに振る舞うこと、口を大きく使って表情を作ることができれば、相手にとって心地の良い第一印象を与えられるようになります。

第一印象を良くしたいなら、まずは口を大きく開けて話すことを意識してみましょう。

古典芸能「能」に学ぶ、無表情でも笑顔に見せる方法

もう1つ、第一印象について研究したデータをご紹介します。

カナダはラバル大学のアービッド・カッパス先生は、顔の角度を少しずつ変えた72枚のシルエットを作り、それぞれのシルエットが人にどんな印象を与えるのかを調べました。

その結果、顎を40度上げた時に、最も印象が良くなることがわかりました。40度とは、普段より少しだけ目線を上の方に持っていくことで、自然と傾く角度です。

実はこれ、日本の古典芸能「能」にも根付くノウハウなのです。

「能」では、木彫りのお面をかぶった役者が、顔を上下に動かすことで表情の変化を表します。

顔を上げると、顔に光が多く当たります。これを「面を照らす」といい、表情は変わっていないにもかかわらず、笑っているように見えるのです。

反対に顔を下に向けると、顔に光は当たりません。これを「面を曇らす」といい、同じお面でありながら、表情は暗く見えます。

日本人は昔から、顔の印象を変える方法を知り、活用していたのですね。

この「顔の角度を変える」方法であれば「いきなり表情豊かに話すのはハードルが高い」という人にも、実践しやすいのではないでしょうか。

ただし、顔を上げすぎて、上から目線になってしまっては逆効果です。「いつもより少し顔に光が当たっているかな」と思えるくらいの角度でOKです。

顔に光が当たると、その人は楽しそうだったり、幸せそうに見えます。ほんの少し顔の角度を意識するだけで、周囲からの評価が大きく変わるかもしれません。

『青』と『白』が初対面で嫌われない色な理由

ここまで、顔の印象を変える方法についてお伝えしましたが、第一印象を決めるのは顔だけではありません。「服装」も大切な要素の1つです。

TPOを踏まえた服装をするのはもちろんのこと、あなたは「服の色」にどのくらい気を遣っていますか?

人には色の好き嫌いがあります。

初対面の相手が嫌いな色の服を堂々と着てきてしまったら「この人とは合いそうにないな」と、苦手意識を勝手にラベリングされてしまう可能性があります。

もし、相手の好む色が事前にわかっていれば、その色の服を着るのがベストでしょう。

でも現実的には、そこまで徹底的にリサーチをするのは難しいと思います。ここは割り切って「相手が嫌いな可能性が低い」色の服を着ていくのがおすすめです。

その色とは『青』と『白』。シャツの色に代表されるように、『青』系の色や『白』はまず無難な色といって間違いないでしょう。ちなみに私も初対面の人と会うときや、大学の講義の時は必ず『青』か『白』のシャツを着用するようにしています。

初対面の相手が日本人の場合は『青』か『白』色のシャツを着ていけば、まず失敗する可能性は低いでしょう。

「顔の表情」「顔の角度」「服の色」。
この3つを心がけて第一印象を向上させ、アドバンテージを得た状態でビジネスをスタートさせましょう!

プロフィール:内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。
大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。
ビジネス心理学を実践的に応用するアドバイスには定評がある。
新刊に「リーダーのための「孫子の兵法」超入門(水王舎)
「身近にあふれる「男と女の心理学」が3時間でわかる本」(明日香出版)など。
講演会・セミナーの依頼は、株式会社ブレーンまで。

株式会社ブレーン(講演・セミナー情報問い合わせ先)
http://www.kkbrain.co.jp/

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