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個人事業主必見! 法人成りをするべきタイミングとは

個人事業主として事業をスタートし、途中から法人に変えることを検討しているという個人事業主の方も多いのではないでしょうか。個人事業主と法人は、行っている事業が同じでも税金や社会からの見られ方で大きく異なります。
個人事業主が法人成りをすべきかどうかを判断するポイントと、個人事業主の場合、法人成りした場合のそれぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。

個人事業主と法人の。行政的な観点からの違い

個人事業主と法人では、行政からの扱いはどのように違うのでしょうか? まずは法人についてですが、法律に従って「株式会社」「有限会社」などの法人格を持っている組織になります。法人格を持つと、契約や納税などは全て法人の区分けで行うこととなります。
一方、個人の場合はあくまで個人のままとなり、弁護士事務所や税理士事務所の責任者であっても、法人格を持っていなければ全て個人事業主となります。この場合、契約や納税などは個人の区分けで行うこととなります。この区分けの違いにより、課される税金の種類や税率が異なってきます。
また、法人の場合、守るべき法律や会計方法、手続きなどが個人の時に比べて簡易的でコストも抑えられるため、今の事業であまり規模を変えずに運用することを重視している場合には、比較的、個人事業主の方がメリットの多い場合があります。
一方、責任の観点から見ると個人事業主は「無限責任」、法人成りをした事業主は「有限責任」となっています。万が一倒産した場合に、個人事業主の場合は追っている負債を全て個人で賄う必要があり、時には個人の資産を処分してでも返済する必要があります。一方、法人の場合は事業と個人は別れているため、原則的には負債に対する責任を持ちません。ただ、融資を受ける場合は連帯保証として事業主個人を求められることが多く、その場合は事実上個人が会社の負債の責任を持っていることになります。

個人事業主と法人の、税務的な観点からの違い

個人事業主が法人化すべきか、それともあくまで個人事業主として事業を行っていくかの観点の1つに、税務的な観点からの違いがあります。大きく違いが出るのは、個人事業主での所得税と法人での法人税の部分ですが、どちらの形態を取るかによって、収めるべき税金の種類が異なってくるため、税金の種類についても説明します。

1.個人事業主の場合

納めるべき税金は大きく4つの種類となります。それぞれ「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」となり、内容は下記の通りです。

・所得税
1年間での所得の大きさに対してかかる税金のことです。所得の金額によって税率が定められており、5%~45%とかなりの幅があります。

・住民税
1月1日時点での住所によって収める場所は変わりますが、住んでいる市町村に納める税金のことです。前年の所得の大きさに合わせて課税される「所得割」と自治体によって課税の大きさが異なる「均等割」の2つの合算となります。

・個人事業税
所得税や消費税とは全く別物として都道府県に対して納める税金となります。税金の金額は収入から必要経費・専従者給与・事業主控除などの控除を引いたものに、税率をかけ合わせた金額となります。税率は営んでいる事業によって変わり、3%~5%となっています。

・消費税
サービスや物の取り引きの際に発生する税金で、現時点で8%になっています。

2.法人化した場合

法人化した場合も厳密にはかなりの種類の税金がありますが、主には4つで「法人税」「法人住民税」「法人事業税」「消費税」となります。 消費税は個人事業主での内容と同じになるため、それ以外については下記となります。

・法人税
法人税は国に納める「法人税」と地方に収める「地方法人税」があります。「法人税」については、会社の利益から損金を引いた金額を所得金額とした時、所得金額に法人税率をかけあわせたものとなります。税率については所得金額が800万円以下の場合は15%、800万円を超える場合は23.4%となっています。「地方法人税」については「法人税」の金額に4.4%をかけ合わせた金額となり、どちらも支払うことが必要となります。

・法人事業税
国ではなく自治体に納める税金となり、住所がある場所によって金額が異なります。計算方法としては所得金額に税率をかけ合わせた数値となります。税率は所得の大きさによって異なります。

・法人住民税
法人事業税と同じく、自治体に納める税金となるため住所によって金額が異なります。個人事業主の住民税と同じように所得割と均等割があります。 どちらの方が税金の面で得をするかについては様々な考え方がありますが、大きく違うのは個人事業主では所得税がかかり、法人では法人税がかかるという点です。所得税は所得の大きさに応じて課税される税率が変わってきますが、法人税の場合は一定の所得金額を超えると税率が一定になります。ただ、法人の場合は利益が出なかったとしても法人税の均等割の金額は課税されます。その点、個人事業主の場合は利益がでなければ所得税は発生しません。また、経費として認められる範囲が違う点も大きな違いとなります。法人の場合の方が経費として認められる範囲が広く有利に働く場合があります。そのため、規模を拡大し売上・利益を上げていく想定で事業を行っている場合、法人にしておいた方が税金面で得になるケースがあります。現在、自分が行っている事業は、どこまでの成長を視野にいれているのかで判断すると良いでしょう。

個人事業主と法人で、信用面・手続き面の違いは?

法人と個人事業主では、取引先からすると信用面の違いも出てきます。個人事業主は法人と比べて開業するためのハードルが低い分、主に資金面において信用度が低くなりがちです。法人の場合、取引先を選ぶ際に与信という考え方がありますが、個人を相手に取り引きをする場合は一定の金額までしか取り引きをしない、もしくは個人とは取り引きをしないという会社もあります。自分が行っている事業のジャンルと取引金額を考えた際、取引先にはどういった傾向が多いのかなどは事前に把握した上で決めた方が良いでしょう。 また、手続き面でも大きな違いがあります。個人事業主の場合、開業届けを提出していれば大きな手続きはなく事業を始めることができ、確定申告の手続き程度となります。一方、法人の場合、まず登記が必要となり6万円~25万円の費用も必要となります。また、定款の作成といった手続きも必要となります。事業運営している中でも守るべき法律も多く手続きも多いため、個人事業主と比べると手続き面の負担があると言えます。 税金面と手続き面を合わせて考えた場合、法人の場合は登記の際に手続き面が多少複雑で事業運営上の手続きも多いものの、利益を伸ばしてくことを考えれば税金面で有利に働く点が多い一方、個人事業主の場合は開業には手続きと費用の負担は少なく始めやすいものの、税金面で有利に働く点が少ないということとなります。

個人事業主と法人成りのメリットとデメリット

このように個人事業主と法人成りを見る観点によってメリットとデメリットが変わってきます。あらためてメリット・デメリットをまとめてみましょう。

1.法人成りのメリット・デメリット

【メリット】
・有限責任にできる
法人と個人を分けて考えるため、負債を負った時の責任を有限にできます。ただ、事業主が連帯保証に入っている場合は実質無限責任になることもあります。

・事業を伸ばす場合、節税になる
事業での利益にもよりますが、ゆくゆくは事業を伸ばす予定がある場合、節税することができます。

・信用力がある
与信や基盤の安定面で個人事業主よりも信用力が増します。会社によっては法人でないと取り引きできないケースもあり大きなメリットとなります。

【デメリット】
・赤字でも税金がかかる
赤字であっても、法人住民税の均等割りのおよそ7万円がかかります。個人事業主の場合は利益がでなければ税負担はありません。

・手続きの量が多く複雑
登記に始まり、事業運営上必要な手続きが多くあります。

個人事業主を継続するメリット・デメリット

【メリット】
・利益が出なければ税負担はない
赤字であれば所得税・住民税の負担がないため、赤字の状態でも支払いが発生することを防げます。

・手続きが簡単
現状の事業のまま規模を変えずに運営していくのであれば、手続き面が少ないことは大きなメリットになります。

【デメリット】
・経費として計上できる項目が少ない
法人に比べて経費として計上できる項目が少なくなります。例えば自宅の家賃ですが、個人事業主の場合は使用している割合に応じて経費として計上する形となります。一方、法人の場合は契約を個人から法人に変え社宅とすれば、社宅として給与から引かれる分を経費として計上できます。

・信用力がない
個人の場合はどうしても基盤の安定性の面で信用が落ちてしまいます。それにより取り引きできない会社も出てくる可能性があります。

メリット・デメリットと事業の将来を加味して判断を

個人事業主と法人成りには良い点も悪い点も両方があります。自分の事業を今後伸ばしていきたいのか、それとも維持できれば良いのかを考えて選ぶ必要があります。節税のメリットや信用度など全体を見ながら判断していくことが必要です。

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目次

  1. 1.会社の経理を始めるために
  2. 2.法人の決算に必要なものまとめ
  3. 3.貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 4.損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 5.法人のための税申告・納付まとめ
  6. 6.法人にかかる税金は9種類もある
  7. 7.税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 8.法人のための節約のコツ

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家を借りる際には、入居するのにあたり、さまざまな審査があります。

審査は、オーナーから見て入居者が、”入居期間きちんと家賃を払えるかどうか”、それに伴い、“勤めているところにはどのくらい勤務しているか”など、まずは、“家賃を支払える能力があるか”の確認をしなければなりません。

会社員の場合には、勤務先や収入額といった面で確実性が高いので、入居審査は比較的楽な場合が多いものです。

しかし、個人事業主や会社のオーナーの場合には収入面の不安定さがあるため、入居審査が通らない場合があります。

では、個人事業主などの場合、どうしたら入居審査をスムーズに進めることができるのでしょうか。

ここでは、個人事業主の方のために入居審査のポイントをいくつかお伝えします。

賃貸における入居審査の項目

一般的な入居審査には下記の書類などを求められます。

1.本人確認の書類
運転免許証や健康保険証、パスポートなど

2.収入が分かる資料
源泉徴収票や所得証明書など、会社員の場合にはこれらの書面が必要になります。
個人事業主の場合には、納税証明書その1・その2、加えて、確定申告書の写しなども必要です。

3.現在の住民票や印鑑証明書の提出

4.保証会社による審査
最近では、保証人を立てない代わりに保証会社を保証人代わりとする場合が多く、その場合には保証会社からの審査があります。

過去に賃貸物件を借りて家賃を滞納した経験があると、保証会社の審査が通らない場合があるので注意が必要です。

5.緊急連絡先の通知
万が一入居者に何かあった場合、連絡先として親族の住所や氏名を求められ、不動産業者や管理会社からの確認の連絡が届きます。

緊急連絡先の確認が取れない場合には、審査が通らないこともあります。

特に、個人事業主になって間もない場合は、収入面で審査が通らないケースがあります。少なくとも1年以上の事業実績がないと難しいため、注意が必要です。

保証人(緊急連絡先)の確認と保証会社

前述したように、入居審査の一環で、入居者の保証人として親族などの第三者を立てる場合があります。

近年では、保証人の代わりに保証会社を利用する場合が多く、保証料という金銭を入居者が払うことで保証会社の保証が付保されます。

これは、万が一、入居者が家賃滞納をした場合、家賃を入居者に代わって保証会社がオーナーに支払うものになります。

オーナーにとっては、家賃回収の労力は必要なく、利便性の高いシステムです。

昔は、保証人に未払い家賃の請求をするということも多く見かけましたが、当の保証人は知らぬ存ぜぬで回収ができない場合もあったため、今のようなシステムに変わってきています。

また、保証人ではありませんが、緊急連絡先の明示を求められ、入居前に必ず連絡先の確認も行われます。

身内であっても、自分の居場所を知らせたくないという事情がある場合には苦慮するので、どなたかが引き受けてくれるように事前に相談しておくと良いでしょう。

創業間もない場合

個人事業主でも、創業から間もないと賃貸物件が借りにくい場合があります。

やはり、創業直後は収入が不安定な場合があるので、家賃をしっかり支払えるかどうかを入居審査で確認されます。

従って、収入が毎月ある旨を証明できるものや、取引先の数やその内容、あるいは、賃料の6カ月分以上の預貯金があるなどの条件がついてくることもあります。

そう考えると、会社員時代に住まいを借りてから、個人事業主として創業するということも視野に入れておくべきでしょう。

まとめ

賃貸物件を借りる場合には、少なくとも上記の書類などをそろえておかなければなりません。

特に、個人情報保護の観点と犯罪などの利用がなされないように、入居者の本人確認書面は必須で、中には写真付のものを義務付ける場合もあるので注意しましょう。

また、個人事業主は会社員と違い、収入面での不安定さにハンデがあり、創業から間もないと、賃貸を借りるにせよ、さまざまな足かせがあります。

資金力があれば別ですが、無いとなれば計画的にことを進めていく必要があるでしょう。

例えば、住まいは会社員時代に借りておき、それから起業・創業するというのも1つの流れかと思います。

個人事業主には時間的な拘束などが少ない割には、事業が軌道に乗るまでの間は経済面での拘束があるので、起業前から、住まいも含めてよく将来を見据えておく必要がありますね。

PROFILE

FP・社会保険労務士 木村政美

2004年に、行政書士・社会保険労務士・FP事務所の「きむらオフィス」を開業。2017年より、ダイヤモンドオンラインにてコラム連載を持つ。年金や個人のマネープランの相談・講習、企業向けのメンタルヘルス研修など幅広い分野で活動している。

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開業時の資金調達には様々な手段がありますが、金融機関ではなかなか融資を受けられない場合の補完として自治体による制度融資というものがあります。資金調達を検討している方に参考になる制度融資についてご紹介していきます。 (さらに…)

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