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税金面から見る、“起業にお得な月”は?~法人設立初年度から知っておくべき税金について【第8回】

2017年12月14日

税金面から見る、“起業にお得な月”は?~法人設立初年度から知っておくべき税金について【第8回】

将来的に法人設立を考えている方や、今まさに法人化の準備をしている方、必見! 初年度から知っておくべき税金について、プライムファイナンシャルパートナーズ会計事務所の菅 彰裕さんにお話を伺う連載の8回目。菅さんは世界4大国際会計事務所のメンバーファームの1つであるPwC税理士法人を経て独立開業された税理士さんです。非上場企業から上場企業まで、幅広いクライアントの業務を担っている菅さんだからこそ知りうる税金の話をたっぷりお伝えします!
前回は、成功する経営者・失敗する経営者についてお伝えしました。今回は、「税金面から見て起業するのにお得な月」についてご紹介します。

これから起業を検討している皆さん。法人設立は何月何日にするか決めていますか? ほとんどの企業の決算月を見ると12 月、9月、もしくは3月なので、1月1日や10月1日、4月1日に設立する人も多いのではないでしょうか。

実際、国税庁が統計年報の中で発表している、2015年度申告企業数2,632,784社(年1回決算)の内訳は以下になります。


(出典:国税庁 統計年報)https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/tokei.htm

上記データから分かるように、最も多い決済月は3月、次いで9月、そして12月の順になっています。
なぜこれらの月に集中しているのかはいくつか理由がありますが、例えば3月決算の理由としては「国や地方公共団体の会計年度が3月であるため」といった理由があるようです。

設立月日の決め方にルールはありませんが、実は“税金面でお得な設立月日”があることを知っていましたか?

先ほど「ほとんどの企業の決算月を見ると12 月もしくは3月」とお話しましたが、決算月は12月や3月に必ずしも設定しなければいけない、というわけではありません。
※なお、個人事業主の場合は事業年度は1月~12月と決まっているので、決算月は自由に設定することが出来ません。

では、いつに設定するのがお得なのでしょうか? ポイントは2つあります。

1.税理士の繁忙期を避ける

申告は、決算期の2か月後と決まっています。となると、税理士の繁忙期は、2月・5月・11月となります。(※)
税理士は大抵複数のクライアントを掛け持ちしているので、どうしても申告月が重なり多忙になってしまいます。すると、レスポンスが遅くなってしまったり、なかなかアポイントが取れなかったりしてしまうのは仕方ないですよね。

なので、繁忙期を避けて例えば夏の時期に申告期がくるよう逆算して設立月日を決めるのがおすすめです。支払う報酬は同額でも、打ち合わせ回数を多く設けられるなどより手厚いサポートを受けることができる可能性がありますよ。

※厳密に言うと、1ヶ月延長することが可能なので、3月決算であれば申告は6月となる場合もあります

2.「1日」を避ける
法人が支払う税金は、「法人税」「法人住民税」「法人事業税」の3種類から構成されています。その中の「法人住民税」は、所得から算出された法人税額に住民税率を乗じた税額となる「法人税割」と、法人の資本金別等で定額な「均等割」から構成されています。

・法人税(法人所得税)【国税】
会社の所得に対して課される税金。利益に関しては課税されないので、黒字が出ていない場合は法人税はゼロとなります。

・法人住民税【地方税】
法人の事業所がある地方自治体に課税される税金。法人税割と均等割で構成されています。

・法人事業税【地方税】
会社の所得に法人事業税率を乗じて算出される税金。こちらも利益に関しては課税されないので、黒字が出ていない場合は法人事業税はゼロとなります。

「均等割」は月数単位でお金を払うのですが、資本金が1,000万円以下であれば12ヶ月で7万円と決まっています。
例えば、4月1日に法人設立をして、3月31日に決算を迎えた場合、事業期間は12ヶ月間まるまるあります。しかし、期の途中の4月15日に設立して、3月31日に決算を迎えると、最初のひと月目は15日しか事業期間はなく、この分は切り捨てとなります。つまり、11ヶ月分しか税金を払わなくて良いということです。7万円の11分の1の金額なのでほんのわずかではありますが、お得という意味では豆知識としてもっておいてもいいかもしれませんね。

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プライムファイナンシャルパートナーズ株式会社
税理士 菅 彰裕

世界最大級のPwCグローバルネットワークのメンバーファームであるPwC税理士法人より独立開業。非上場企業、上場企業、日本居住者、非居住者と幅広いクライアントの業務を担当する。
業務内容は、オーナー企業の事業承継対策の検討、組織再編によるグループ会社の整理、事業承継のための株価対策、国内および国外のIPO支援、国内買収案件における税務デューデリジェンス、非居住者の国内投資にかかる税務コンサルティング、その他執筆サポートなど。

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豊田 淳さん(29歳)

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大学卒業後、大手広告会社に就職。トップクラスの営業成績を叩き出し、新人賞を獲得。東京に転勤後、ピエロの養成学校に通うべく脱サラ。現在はフリーランスのピエロとして、結婚式などのイベントでのパフォーマンスや、飲食店に飛び込んでの「流し」も行う。
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