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2024年から始まる「新NISA」を、やさしいお金の専門家・横川楓さんが徹底解説!

2024年から始まる「新NISA」を、やさしいお金の専門家・横川楓さんが徹底解説!

2022年12月に発表された、2023年(令和5年)税制改正大綱(※)の中で、目玉となったのが新NISAについて。

※税制改正大綱とは、毎年改正される税金に関する制度と取り決めのこと。

これまでつみたてNISAや、NISAと呼ばれていた制度が大きく生まれ変わります。

前回に引き続き、今回もやさしいお金の専門家・横川楓先生に、今回の改正で新NISAの何が変わったのか、詳しく解説していただきました!

既につみたてNISAやNISAを始めている人も、これからNISAを始めようと思っている人も、必見です!

<プロフィール>
横川楓さん
やさしいお金の専門家・金融教育活動家
一般社団法人日本金融教育推進協会 代表理事

明治大学法学部卒、その後同大学院へ進学。
24歳で経営学修士(MBA)を取得。

実家は会計事務所を経営。
同年代の友人たちのお金に対する意識と、将来の資産形成、所得格差、年金問題、増税など、これからの日本を担う世代に振りかかるさまざまなお金の問題との乖離に疑問を持ち、お金の知識の啓蒙活動を開始。

ファイナンシャルプランナー(AFP)や、SDGs検定、マネーマネジメント検定等の資格を取得し、2022年1月に一般社団法人日本金融教育推進協会を設立。
同法人の代表理事を務める。

横川さんのインタビュー記事はこちらから!
「収入=給与」に縛られない。経済評論家・横川楓さんに聞く、独立・起業に必要な2つの条件

<聞き手プロフィール>
庵(いおり)
イラストレーター

都内に住む27歳のフリーランスイラストレーター。
学生時代から絵を描くことが好きで、数年前から副業としてイラストレーターの仕事を受けるようになった。
近年は副業での収入が本業の稼ぎより多くなったことから、独立を決意する。

まずは現行の「つみたてNISA」と、「NISA」を復習しよう!


https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/04taikou_mokuji.htm

横川さん
2023年の税制改正大綱の中で、特に目玉となったのが「新NISA」。今回はそんな「新NISA」がどう変わったのか、解説していくよ。

ただその前に、現行の「つみたてNISA」と、「NISA」について簡単に復習していこう。

まず「つみたてNISA」について。庵ちゃん、覚えているかな?

庵ちゃん
たしか「投資信託の商品を購入して、そこで得た利益が20年間非課税になる」という制度ですよね。月100円からでも購入できる上、リスクもそこまで大きくないから、投資初心者でも気軽に入りやすいんですよね!
横川さん
そうだね!

「つみたてNISA」の概要は、簡単に言うと以下の通り。

横川さん
「投資信託」とは、株や国債などを集めた、いわば株の詰め合わせセットのこと。

そしてよく似た名前だけど「つみたてNISA」と「NISA」は全くの別物

……と、ここまでの説明を聞いてピンと来なかったら、以下の記事を読んで復習してみよう!

庵ちゃん
「NISA」についても簡単に教えてください!
横川さん
基本的に「NISA」は「つみたてNISAの発展形」という認識で問題ないよ。

具体的には、年間購入できる金額の上限が120万円までになり、投資信託だけではなく、株なども購入可能になる。

代わりに、利益の非課税期間が20年ではなく、5年になるというもの。

以上のような、つみたてNISAとNISAの違いを踏まえて、いよいよ「新NISA」の改革について解説していくよ。

何がどう変わる「新NISA」? 主な変更点を徹底解説!

呼称について

横川さん
ここからは変更になったポイントごとに、順番に解説していくね。

まずはそもそもの呼称について。

これまでは「つみたてNISA」と「NISA」という、とてもよく似た名前の異なる2つの制度があったんだけど、2024年以降は「NISA」という名前に統一。

ただし「旧つみたてNISA」と「旧NISA」の住み分けが、全くなくなるわけではないから注意してね。

庵ちゃん
なんだか難しいですね……。詳しく教えてください。
横川さん
この表を見てもらえるかな?


引用:金融庁より

横川さん
ここにある通り「新NISA」という制度の中に「つみたて投資枠(旧つみたてNISA)」と、「成長投資枠(旧NISA)」という、2つの種類の制度が存在することになったんだ。
庵ちゃん
なるほど……!「つみたて投資枠」か「成長投資枠」か、自分にあった方を選べるんですね。
横川さん
うん。そして従来と大きく違うのが「つみたて投資枠」も「成長投資枠」も併用することができるようになったんだ。

※「旧つみたてNISA」と「旧NISA」は併用ができなかった。

庵ちゃん
それは大きな変更点ですね!
横川さん
そう。だから年間で「新NISA」に投資できるお金も大幅に増額されたよ。

年間投資枠

横川さん
「新NISA」では、「つみたて投資枠」で最大年間120万円「成長投資枠」で最大240万円まで投資することができるようになったんだ。

※「旧つみたてNISA」では年間40万円、「旧NISA」では年間120万円までが上限だった。

横川さん
さらに2つを併用できるから、最大で年間360万円まで「新NISA」に投資できるようになったんだよ。
庵ちゃん
こう比べると、かなり投資にかけられるお金を増やせるようになったんですね。

非課税保有期間

横川さん
投資で得た利益が、一定期間非課税になるのが魅力だった、つみたてNISA(20年)とNISA(5年)。

「新NISA」では「つみたて投資枠」も「成長投資枠も」どちらも、非課税期間が無期限化されたよ。

つまり今後制度が変わらない限りは「新NISA」での利益に税金がかからないんだ。

※ただし非課税となるのは、生涯で1800万円(かつ、成長投資枠の保有限度は1200万円)までだから注意。

制度は変わっても原理原則は変わらない。初心者は「つみたて投資枠」から小さく始めるのがおすすめ!

庵ちゃん
「新NISA」になってから、かけられるお金も、時間もかなり大きく変わりましたね! 一方で注意点や気をつけるべきポイントはありますか?
横川さん
まずは「新NISA」の開始時期について。発表は2023年の税制改正大綱であったんだけど、制度の開始時期は2024年からと予定されているよ。

まだ現行の「つみたてNISA」や「NISA」を始めていない人は、わざわざ2024年まで待つ必要ないから、早いうちにもう始めてしまってもいいと思う。

利益が非課税なのは今も一緒だし、少しでも早く始めれば、その分リターンを得られるからね。

私から1つアドバイスがあるとすれば、特に初心者の人は無理せず「つみたて投資枠」からスタートするようにしよう。

大きく制度が変わっても、お金に対する考え方が変わるわけじゃない。まずは自分のペースと金額で、少額からでもいいから投資を始めてみる。

その原理原則に従って、ちょっとずつ資産を増やしていくことを忘れないようにね。

庵ちゃん
横川先生、今日もありがとうございました!

構成・文・撮影=内藤 祐介
イラスト=ram

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