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「補助金」で資金調達する際のありがちな勘違い、知っておくべき手順、大切なポイントとは

「補助金」で資金調達する際のありがちな勘違い、知っておくべき手順、大切なポイントとは

中小企業の支援を目的とする「補助金」や助成金(以下「補助金」)は、条件が適合すれば支援が受けられるものと、条件には適合しても提案内容が優れていなければ支援が受けられない「競争型」とに分かれます。例外はありますが、いずれも融資のような返済は発生しないので、中小企業にとって有効な資金調達手段となります。

1 「補助金」について勘違いしがちなポイント

1)「補助金」はすぐにもらえる
国や地方自治体による「補助金」は、採択されてもすぐにもらえるわけではなく、原則として後払いです。期中に「概算払い」がされるケースもありますが、その場合も、対象になるのはその時点で支払い済みの経費となるのが通常です。そのため、事業に必要な資金は、いったん自社で調達しなければなりません。

2)事業の費用を全額賄える
「補助金」の採択が決まっても、その事業にかかる費用の全額を賄えることはまれです。「補助金」には上限額が設定されている、あるいは「事業費の3分の2を補助」といったように、費用の一定割合を補助するケースがほとんどです。そのため、一部の資金は自社で負担しなければなりません。

3)「補助金」は一切返済不要である
「補助金」は一切返済不要というイメージがありますが、例外もあります。補助金の中には、「補助金事業終了後の5年間に限り、その事業の成果によって得られた利益が特定の限度を超えた場合、その利益の一部を返納しなければならない」といった規定(「収益納付」といいます)が設けられているものがあります。この規定によって実際に返済するケースは少ないものの、規定の有無は確認しておきましょう。

2 競争型の「補助金」を選ぶときの基本的な手順

自社に適した補助金を見つけるため、実現したい新商品や新サービスの具体的な構想を立て、その実現に必要な開発費用やスケジュールを明確にしましょう。選択肢となる「補助金」を絞り込みやすくなります。

実際に「補助金」を探す際は、「J-Net21(中小企業基盤整備機構)」や「ミラサポ(中小企業庁)」のような公的機関が運用している補助金検索サイトを利用するとよいでしょう。いずれも地域や利用目的などの条件を選んで検索できるので、「東京都の設備導入に関する補助金」のような絞り込みが可能です。

また、現在公募中のものだけでなく、公募期間が終了している「補助金」も確認することをお勧めします。なぜなら、今年度の公募が終了しているのに情報が公開されたままになっている場合は、来年度以降も繰り返し公募されることもあるからです(ケースバイケースなので、詳細は補助金の担当部署にご確認ください)。

興味のある「補助金」を見つけたら、必ず補助金額を確認しましょう。ポイントは、自社が必要とする額と補助金額に大きな差がないものを選ぶことです。例えば、設備投資として3,000万円が必要なのに、補助金上限が300万円だとあまりに資金が足りません。また、自社が必要なのは300万円なのに、補助金上限が3,000万円という場合、採択される可能性が低くなるおそれもあります。一般論ですが、補助金上限が高い場合は、技術力の高い企業が応募する可能性が高まるので、より競争が激しくなると思われるからです。

なお、「補助金」は公募期間が終了してもすぐに採否の結果が出ません。一例ですが、採択通知まで2カ月以上を要する場合があり、さらにその後、補助金額の適性を確認する「交付審査」というプロセスもあります。この結果「補助事業期間」の開始までに、公募期間終了より3カ月以上かかることもあるので注意が必要です。

3 申請に当たってのポイント

1)公募要領をしっかりと理解する
「補助金」の応募をするときには、補助事業を行う目的や、審査基準など補助事業全般について記載されている公募要領を理解することが大切です。公募要領の中で、特に重要になるのは審査基準です。「審査項目」「評価基準」「審査事項」「評価」など色々な表現がありますが、どの公募要領にも必ず記載されています。採択される可能性を高めるために、内容をしっかりと確認しておきましょう。

例えば、審査基準に「技術的課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込めるか」といったものがあれば、申請書内でこの審査基準に応えることが基本です。表現は審査基準に沿って「本計画の技術的課題は1.…、2.…であり、その解決方法は1.…、2.…を予定している」「他社の技術と比較して本計画の技術が優れている点は…」とするとよいでしょう。

このように記述すれば審査委員も評価がしやすく、審査基準に関係する記述が曖昧な申請書と比べて有利と考えられます。逆に、審査基準を意識せずに申請書を作成すると、一部の審査基準に関する記載が漏れてしまったり、不明瞭になってしまったりすることがあります。この場合、事業内容自体は優れていても、高い評価を得られないことがあるので注意しましょう。

2)読みやすさ・分かりやすさが大切
「補助金」の審査は、申請書に書かれた文章で評価されます。その文章は審査委員を担う「人」が読むものなので、「読みやすさ」は採否を決める大きな要素となります。とはいえ、プロの小説家のような高度なテクニックが必要というわけではありません。例えば、審査委員が事業の全体像をイメージできるようなものであれば十分です。

また、審査委員は限られた時間の中で、定められた審査基準に対応する部分を確認しながら、申請書を読みます。そのため、申請内容を分かりやすく伝えるための写真やグラフなどを活用すると効果的です。

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2017年12月19日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

(記事提供元:りそなCollaborare)
(執筆:日本情報マート)

元記事はこちら
https://keiei.freee.co.jp/articles/c0200097

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