弱みも強みに変える逆転の発想法【経営者のための仕事術】

ビジネス書著者で商品開発コンサルタントの美崎栄一郎です。仕事術に関する著作をたくさん書いていますが、アントレnet Magazineでは、「経営者のための仕事術」について、実践できるノウハウや考え方をお伝えしたいと思っております。

経営において、「強みを活かせ」と良く言われます。ですが、強みばかりあるわけではありませんよね。

弱みも、考え方次第では強みに変えていくことができれば、経営資源が増えるのです。当たり前ですが…。

今回は、そういう逆転の発想法についてを話題にしたいと思います。

水は飲むもの？

冒頭写真のような美しい池の多くは、北海道などにある特定の鉱物が溶け込んだ水が満ちており、飲み水としては適していません。ですが、とても美しい。

美しいということで、池は、観光資源になるわけです。

水の価値の1つは飲料になることですが、飲むということだけが価値ではありませんよね。その見た目が美しいということも価値です。
飲めないということであれば、沖縄の海の水もそうでしょう。美しいけれど、塩水ですからそのままでは飲めませんよね。飲めることは価値ですが、飲めないような水でも価値に変わるのです。

池の活用といえば、話題になったテレビ番組がありました。
池の水を全て抜くという、低予算で作られた番組でした。

何が入っているのかは分からないような汚い池の水を抜いていって、そこから出てくるものの意外さを楽しむという番組です。

見えないほどの汚さが逆に価値だったわけです。この企画の場合では、同じ池は1度しか使えませんので、観光資源にはなりませんが…（笑）

水は、通常の機能である飲むだけではなく、水そのものが持つ美しさが価値であると考えると、飲めない水にも価値がある。

また、もっと極端な例では、汚い池でさえ発想を変えるとテレビ番組のネタ、つまりは価値に変えることができるわけです。

PETボトルに入った透明な飲料

最近、各社ペットボトルの中に入った透明な飲料を販売しています。これも逆転の発想です。

ヨーグルト味なのに透明とか、透明なのにカフェオレとか、透明なのにコーラのように…不思議な印象です。

常識的にイメージしている飲み物の色とは違うことで注目を集めるという方法です。
ただ、ここまで増えてしまうと注目どころか透明飲料コーナーと化していますので、逆効果かもしれませんが、日本の飲料メーカーの技術力の高さには凄いモノがあります。

健康志向が叫ばれていますから、濃い色のカロリーの高そうな飲み物から逆転の発想で透明のカロリーの低そうな、でも味はしっかりという飲料が生まれたわけです。

従業員のいない、「変なホテル」

ハウステンボスでスタートした「変なホテル」には従業員がいません。フロントはロボットという逆転の発想です。
従来であれば、フロントには受け答えができるスタッフを配置してサービスをするというのに対して、ロボットが受け答えをしてチェックイン作業をお客さまにさせることで話題になりました。

ホテルを経営しているわけではなかった企業がホテルという新しい業態を運営するには、慣れた従業員を新しいホテルに配置するという強みがありません。ですが、逆に、それらの人に縛られないという強みもあるわけです。ロボットを導入しても反対するフロントマンがいないわけですから。

このロボットの仕組みが話題になり、「変なホテル」は、店舗も複数展開しています。従業員を雇う必要がないから、機械の納期だけで採用できるのが強みですよね。

今ある資源の良さを探す

経営資源は有限です。ですから、今あるものの弱みも強みに変えるために知恵を絞ってみてください。

価値は1つではないはずです。そうすると、弱みに見えた経営資源も新しい資源になるでしょう。

商品開発コンサルタント・ビジネス書作家
美崎栄一郎

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