ビジネス書著者で商品開発コンサルタントの美崎栄一郎です。仕事術に関する著作をたくさん書いていますが、アントレnet Magazineでは、「経営者のための仕事術」について、実践できるノウハウや考え方をお伝えしたいと思っております。
今回は、経営者がやらねばならないトレンドになっている人工知能やAIと言われるロボットについて、話題を提供したいと思います。
AIは万能ではなく、アルバイトと同じ
AIと言われる人工知能ですが、万能ではありません。ただ、コンピューターですから、労働コストが安いわけです。とすると、経営者として考えなければならないのは、企業の利益を上げるために、安い労働力を使いこなすということの一貫としてAI(人工知能)も考えるべきだということなのです。
ここで、AIについて、改めて。
囲碁や将棋、チェスを行うような対戦相手がAIの応用例でいえば、人間に勝ったということで有名になったりしました。
このゲームのAIで行っているのは、「学習」です。いろんな将棋やチェスの定石を入れて、どういう手を打つとどう返すのが一番いいのかという学習を繰り返しているわけです。
人であれば、面倒だとか、疲れたとやめてしまいますが、コンピューターはやめませんから、そのデータ(人間でいう経験)が知識として貯まって強くなるわけです。
つまりは、入れたデータ(経験)の量だけ、使えるAIになるということです。
チェスのデータを入れたAIに、将棋はできません。
考えてみると、アルバイトと同じですよね。皿洗いのバイトをたくさんすれば皿洗いは速くうまくなりますが、接客ができるようにはなるわけではありません。バイトに来る回数が少なければ、できるようになるまでに時間がかかりますよね。これも同じです。入れるデータが少なければ、AIも使えないわけです。
ビックデータが取れる業界はAI向き
ビックデータという言葉を聞いたことがあるかもしれません。簡単に言うと、普通に処理できないくらいの巨大なデータということです。通常だと解析するのも大変だったのですが、これをAIに入れることで、AIに多くの経験(学習)をさせることができるので、ビックデータが価値を持つようになりました。ですから、グーグルのようなデータをたくさん自動的に集める仕組みができている会社は、AIにおいても有利なのです。
Amazonも同じです。たくさんの購買データがありますから、このビックデータを活かしたAIで、書籍などのオススメを送ってくるのです。
AIを活用するには、データを入れ続けることが重要で、その量が多ければ多いほど役に立つようになります。ですから、このビックデータを安価に集め続けることができる仕組みを作れば、AIを活かしたビジネスができるようになるのです。
AI(人工知能)はバイトと同じ安い労働力になる
AIがやってくれることは、多岐に亘ります。学習させることさえできれば。
そう考えると、学習して実行するという仕組みができればアルバイトと同じような労働力になるでしょう。単純作業的なものは、AIに置き換わります。
航空券を予約するとか、アポイントの調整をしてスケジュール登録するというような秘書的な仕事はAIに置き換えられていくでしょう。学習させることができさえすれば、これらの頼まれる仕事のデータとやる仕事というビックデータが集まったらAIが秘書になります。
タクシーなどの配車業務もAIに置き換わるでしょう。ホテルのフロントやコンビニのレジなどもAIに置き換わっても不思議ではありません。手作業があるものや、ロボットを作るより人手でやったほうが費用がかからないものは残りますが、徐々に置き換えられていくはずです。
安い労働力が海外にシフトしたように、アルバイトでもできるような仕事はAIに置き換わっていくはずです。そうなってきたときに、どう、AIを活かした仕事を構築するのかが経営者の腕の見せ所になってくると思われます。
商品開発コンサルタント・ビジネス書作家
美崎栄一郎
コンサルティングでは、1年で結果を出すことを念頭に置き、企画から販売及び広報戦略まで複合的にサポートする手法が評価されている。
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