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フランチャイズとは

【完全図解】フランチャイズ(FC)とはー仕組みとメリット・デメリット、失敗しない加盟先の選び方まで紹介

【完全図解】フランチャイズ(FC)とはー仕組みとメリット・デメリット、失敗しない加盟先の選び方まで紹介

【この記事でわかること】
・フランチャイズシステムの仕組み
・フランチャイズの市場規模
・メリット・デメリット
・開業できる事業の種類
・開業に必要な資金の目安

フランチャイズとは、個人や法人がフランチャイズ本部企業と契約を結び、店舗などを経営するビジネスシステムのことをいいます。フランチャイズ・チェーンの頭文字をとって”FC”と表現されることもあります。

フランチャイズ本部の持つ、商標・チェーン名称・商品の知名度、経営のノウハウなどを活用するのが特徴です。本部の教育や指導を受けて短期間で事業をスタートさせ、スムーズに軌道に乗せていくことを目指します。

本記事では、こうしたフランチャイズの基本的な知識、メリットやデメリット、実際のビジネスの進め方などを紹介していきます。

「経営に興味があるけど経験がなくて不安」「経験はないけど経営ノウハウやコツを知りたい」という方は参考にしてみてください。

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目次

フランチャイズシステムの仕組み

【完全図解】フランチャイズ(FC)とはー仕組みとメリット・デメリット、失敗しない加盟先の選び方まで紹介

フランチャイズシステムは、本部であるフランチャイザーが加盟店であるフランチャイジーに対して、ブランド名、商標、ノウハウなどの使用権を提供し、加盟店はその対価として加盟金やロイヤリティなどの対価を支払うビジネスモデルです。この契約をフランチャイズ契約といいます。

【フランチャイザー】
フランチャイザーは、フランチャイズビジネスの運営主体であり、本部のことです。ブランド名、商標、ノウハウなどの使用権を提供し、加盟店の開業・運営をサポートします。

【フランチャイジー】
フランチャイジーは、フランチャイズビジネスの加盟店です。フランチャイズ本部の社員ではなく、外部のパートナーとしてフランチャイズビジネスを営みます。

【フランチャイズ契約】
フランチャイズ契約は、フランチャイザーとフランチャイジーの間の契約です。契約内容には、使用権の範囲やロイヤリティの額、加盟店の義務など、さまざまな内容が定められています。

フランチャイズ(franchise)の語源

フランチャイズは、日本語で「自由・率直」を意味するフランス語の「francher」が語源となっているといわれています。

前述のとおり、フランチャイズに加盟して独立すると、多くのメリットの恩恵を受けられる反面、ブランド力を維持するためのルールや「フランチャイズ本部に売り上げの一部を支払う」といった対価の支払いなど、いくつかの制約もあります。

そのような制約ありつつも、「自由」という意味の言葉が語源となっているのは「雇われて働くよりも働き方の融通が利く」という点で「自由」だといえるからでしょう。

フランチャイズ本部と加盟店は“事業者同士の対等な関係”

フランチャイズ本部と加盟店の関係性は、事業者対事業者の対等な関係です。両者は、それぞれが得意とする分野を活かして事業を展開することで、Win-winの関係を築くことができます。

この関係において、本部はブランド力やノウハウなどの経営資源を、加盟店は店舗運営のノウハウや地域特性などの経営資源を有しています。両者はそれぞれの経営資源を相互に補完することで、Win-winの関係を築けるでしょう。

具体的には、本部は開業支援や販促支援、ノウハウ提供などのサポートを通じて加盟店の事業成功をサポートします。本部のブランド力やノウハウを活用することで、加盟店は事業成功の可能性を高められるのです。

その一方、加盟店は地域特性や顧客ニーズを踏まえた店舗運営をすることで、本部のブランド力やノウハウをさらに高められるでしょう。

加盟店は本部の協力により事業成功の確率を、本部は加盟店の貢献によりブランド力やノウハウの価値を高められるのです。

フランチャイズ本部が加盟店を募集する理由

フランチャイズ本部が加盟店を募集する理由は、大きく3つあります。

・店舗数を増やし、ブランド力を高めるため
・加盟店から得られる加盟金やロイヤリティなどの収益を確保するため
・加盟店からのフィードバックを得て、ビジネスモデルを改善するため

自社従業員に頼らず店舗を運営できるフランチャイズシステムを活用することで、本部は効率よく店舗数を増やせます。店舗数を増やすことで、ブランドの認知度や信頼性を高め、より効果的な販促や集客が行えるようになるでしょう。

加盟店からのフィードバックを得ることで、本部は店舗運営の課題や顧客ニーズを把握しやすくなります。この情報をもとに、本部はビジネスモデルを改善し、加盟店のさらなる事業成功をサポートできるようになるでしょう。

このように、フランチャイズの本部と加盟店の両者が互いの役割を果たすことで、そのチェーンは加速度的に成長していくのです。

代理店との違い

【完全図解】フランチャイズ(FC)とはー仕組みとメリット・デメリット、失敗しない加盟先の選び方まで紹介

フランチャイズと似ている制度に“代理店制度”というものがあります。本部が加盟代理店に対して、“販売代理店”など商品やサービスの販売権や商標権を委託します。

契約内容によって異なりますが、フランチャイズと違って細かな規定が少ないことが多く、店舗の名前や販売方法は自由に決められます。しかし本部から加盟代理店への継続的な指導やサポートは含まれない場合が多いです。

ボランタリーチェーンとの違い

【完全図解】フランチャイズ(FC)とはー仕組みとメリット・デメリット、失敗しない加盟先の選び方まで紹介

“ボランタリーチェーン”もフランチャイズと混同されることがありますが、仕組みは異なります。フランチャイズは加盟店がブランド使用に対してマニュアルやルールに沿って運営されますが、ボランタリーの自発的なという意味の通り、店舗によって独自に経営されることが多いです。

1店舗のみでは選択肢が限られていても複数店舗で集まって規模を大きくして商品の仕入れや販売促進を行うことでより効率的に行えるようになります。全体として大きな売り上げと利益を期待することができる仕組みです。

パッケージライセンスビジネスとの違い

“パッケージライセンスビジネス”は、継続的なフォローやロイヤリティの支払い義務がないフランチャイズのような仕組みです。開業支援のコンサルティングサービスのように、商品やビジネスモデルを一定期間借り、その対価を支払います。加盟者はフランチャイズに比べて制約が少ないことが多いです。

以上の“代理店制度” “ボランタリーチェーン” “パッケージライセンスビジネス”のそれぞれの仕組みはフランチャイズと類似しているので混同されやすいです。しかし店舗経営の自由度、継続的な指導やサポート、その対価としてのロイヤリティの支払いなど内容は異なります。

フランチャイズ契約時には上記のような類似したシステムになっていないかどうか契約書をよく読み、本部の担当者と齟齬のないように確認して進めましょう。

直営店との違い

フランチャイズ加盟店と直営店の違いは、店舗の運営主体が異なる点にあります。フランチャイズ本部とは別の個人や法人が運営するのがフランチャイズ加盟店、フランチャイズ本部が直接運営するのが直営店と考えると、わかりやすいでしょう。

直営店は、フランチャイズ本部がその店舗の設計や雇用もすべて自社で運営し、基本的には本部と直接雇用の関係にある人物が店長となります。最近は“業務委託店長”というタイプもありますが、いずれも本部から給料を支払う点がフランチャイズオーナーとの大きな違いです。

加盟店がフランチャイズ本部と雇用関係にないことに対して、直営店はフランチャイズ本部が自ら出資・経営している店舗のため、運営もフランチャイズ本部の社員が行います。

そのため、店舗責任者はフランチャイズ本部と雇用関係のある従業員が“店長”という役職名のもと業務にあたります。つまり、最終責任はフランチャイズ本部にあり、雇われている店長が責任を問われることはあまりないといえるでしょう。

直営店のメリットは、フランチャイズチェーンの加盟店ではなかなか試せないことをテストできることです。

チェーン展開をする前に、まずは直営店で運営ノウハウを積んでから、フランチャイズチェーンの加盟店を増やしていくのがフランチャイズチェーンというビジネスモデルの基本の形態となります。また、フランチャイズ本部の社員が運営を行うことからマネジメントしやすいこともメリットでしょう。

一方、出店する際の費用は本部が負担するため、スピード感が遅くなる、多店舗展開は難しいというデメリットがあります。また、人員確保や社員教育の手間などがかかる点もデメリットでしょう。

フランチャイズチェーンとは?直営店と違いや特徴、成功事例も紹介

フランチャイズの市場規模は約27兆円と拡大傾向

【完全図解】フランチャイズ(FC)とはー仕組みとメリット・デメリット、失敗しない加盟先の選び方まで紹介

2022年のフランチャイズ市場規模は、前年比4.3%増の26兆9,880億円で、2年連続の増加となりました。これは、コロナ禍や世界情勢の不安定化が続く中での増加であり、さまざまな要因が考えられます。

まず、コロナ禍からの回復があげられます。コロナ禍の長期化により、生活様式や消費行動が変化し、宅配やテイクアウトなどの需要が高まりました。そのため、飲食や小売などのフランチャイズ業態が回復基調に転じたのです。

また、巣ごもり需要の拡大も要因のひとつです。コロナ禍による外出自粛やテレワークの普及により、巣ごもり需要が拡大し、食品や日用品などのフランチャイズ業態が好調に推移しました。

さらに、デジタル化の進展も市場拡大に寄与したといえます。コロナ禍による非接触・非対面のニーズが高まり、デジタル化が加速しました。その結果、ECやオンライン予約などの需要が高まり、フランチャイズ業態の多様化が進みました。

これらに加え、加盟店の支援やブランド力向上に注力する本部が増えていることも、市場拡大に寄与していると考えられます。

参考:”JFAフランチャイズチェーン統計調査”報告(2022年度 P1より)
※リンクの遷移先はPDFファイルです。ダウンロードに大量の通信費がかかる可能性があります

多岐にわたるフランチャイズ店、その種類とは

フランチャイズには、全国で知名度の高いコンビニエンスストアや飲食店のほかにも、さまざまな業種があります。

飲食業の例
・ファストフード
・弁当
・シニア向け宅配食
・ラーメン
・カフェ
・キッチンカー

小売業の例
・コンビニエンスストア
・質屋/リサイクルショップ

サービス業の例
・エステサロン
・クリーニング
・コインランドリー

飲食業・小売業・サービス業が多いですが、高齢化の影響を受けて需要の高まる介護福祉サービスや、少子化でも家庭の予算を削られにくい学習塾・英語塾などの教育関連の業種など多岐にわたります。

それぞれの業種によって、また店舗や在庫の有無によって”開業資金”や”運営方法”が全く異なるということも、覚えておいてください。

加盟するフランチャイズを探すときは、まず”どのような業種でフランチャイズ加盟をするのか”を、あらかじめ決めておきましょう。

しっかり業種を決めたうえで、自分が開業したいフランチャイズを絞り込むと、開業時に必要な自己資本やロイヤリティなど、比較しやすくなるため、加盟先をより選びやすくなります。

時代の変化に合わせた事業も豊富

時代の変化に合わせ、フランチャイズの事業モデルも豊富になってきました。たとえば断捨離やミニマリズムなどの価値観の普及により、物を購入せずに必要なときだけ利用したいというニーズが増えました。これに応えるために登場したのが、レンタル・シェアリングサービスです。

ハウスクリーニングや家事代行などの昔からあるサービスも、共働き世帯や高齢者の一人暮らし世帯などから需要が高まっています。

フランチャイズ加盟のメリット・デメリットと注意点

【完全図解】フランチャイズ(FC)とはー仕組みとメリット・デメリット、失敗しない加盟先の選び方まで紹介

フランチャイズ加盟のメリット・デメリットと注意点を紹介します。契約内容はフランチャイズ本部によって異なるため、ここでは一般的なメリット・デメリットを紹介します。

加盟する4大メリット

フランチャイズに加盟する主なメリットを4つ紹介します。


1. ブランド力を利用できる
2. 本部のリソースが活用できる
3. 経営に関する相談ができる
4. 加盟店同士のつながりを作れる

1. ブランド力を利用できる

フランチャイズ加盟のメリット1点目は、“ブランド力を利用できる点”です。フランチャイズ本部のブランドには、認知度やネームバリューによる集客効果があります。テレビCM、SNSの口コミなどで、そのサービスを知っているという信頼感から、開業初日から行列ができる加盟店も存在します。

しかし、あまりブランド力のないフランチャイズや地域に浸透していないフランチャイズの場合は、開業前に緻密なプロモーション戦略を立てていないと、十分な集客は見込めません。リピーターも地道に増やしていく必要があります。

フランチャイズ加盟する際には、出店する地域でブランドの認知度があるかを事前に確認しておきましょう。

2. 本部のリソースが活用できる

フランチャイズ加盟のメリット2点目は、“フランチャイズ本部のリソースが活用できる点”です。フランチャイズ本部一括の大量仕入れにより低コストで商品や備品を仕入れたり、本部から人材育成や経営の成功ノウハウが共有されたり、個人経営ではなかなか得られないリソースを得られます。

フランチャイズ本部は、複数の加盟店の仕入れを一括で行えます。大量仕入れにより単価を下げることができ、加盟店は低コストで仕入れを行えるのです。

たとえば飲食店の場合、食材や飲料などの仕入れが全体のコストのうち、大きな割合を占めます。フランチャイズ本部一括の大量仕入れにより、仕入れ価格を下げることで、加盟店の収益性を高められるでしょう。

また、フランチャイズ本部は長年の経験とノウハウを蓄積しています。たとえば人材育成では、本部が提供する研修や指導を受けることで、加盟店は店舗運営に必要なスキルや知識を身につけられるでしょう。経営の成功ノウハウでは、本部が提供する経営相談やサポートを受けることで、加盟店は経営上の課題を解決し、事業を成功に近づけられます。

3. 経営に関する相談ができる

フランチャイズ加盟のメリット3点目は、“フランチャイズ本部に経営に関する相談ができる点”です。業界や店舗運営に関して知識がほとんどない状態で加盟する場合でも、フランチャイズ本部からの指導や教育によって短期間で開業までこぎつけることができます。

店舗運営に関しては本部担当者による研修が数日から数ヵ月にわたって行われ、開業後も継続的に本部担当者が経営や店舗づくりのアドバイスをしてくれます。フランチャイズ本部もロイヤリティなど加盟店から得る収益を継続的に伸ばしていく目標があるため、同じ目線で事業の成長と存続を考えてくれるのです。

また、集客に関する相談はもちろん、フランチャイズ本部が行う集客施策に乗ることもできます。フランチャイズの集客施策は、フランチャイズ本部が全店に対して行う広告となるので、その分、広告費に大きな予算を投じることができます。テレビCM・チラシの配布・デジタル広告など、個人店などの小規模な店舗では難しい大規模なプロモーションを実施することで、各加盟店はその恩恵を受けることができるのです。

4. 加盟店同士のつながりを作れる

フランチャイズ加盟のメリット4点目は、“加盟店同士のつながりを作れる点”です。

フランチャイズ本部によっては、加盟者を集めた研修や交流会などを行っていることもあります。また、自分で他の加盟店に赴くこともできます。

“フランチャイズチェーン加盟者”という同じ立場で経営について相談し合ったりすることで、自分だけでは思いつかなかった経営施策にたどり着くことができるかもしれません。

加盟する4大デメリット

フランチャイズに加盟する主なデメリットを4つ紹介します。


1. 経営の自由度が低い
2. 競業避止義務を負う可能性がある
3. ブランドイメージの悪影響を受けることがある
4. 加盟金・ロイヤリティの支払いが必要

1. 経営の自由度が低い

フランチャイズ加盟のデメリット1点目は、“フランチャイズ本部のルールに沿った運営となるため、経営の自由度が低い点”です。フランチャイズ加盟して開業する場合、本部の定めたルール・マニュアルを守らなければなりません。

商品やサービス価格が決まっていたり、指定の決済サービスを利用しなければならなかったりなど、一定のルールがある可能性が高いです。加盟店オリジナルのメニューを提供したり、加盟店独自のキャンペーンが禁止されていたりすることもあります。

こうしたルールやマニュアルは、ブランドを守り、加盟店全店の商品・サービスの品質を保持するためにあります。

“うちの店舗のお客さまに合わせたオリジナルメニューを提供したい” “独立したからには自分の思う通りに自由に経営したい”という方は、フランチャイズ加盟店ではなく個人で経営する方法が適しているかもしれません。

ただ、オリジナルメニューを決められたり、店名を自由に決められたりするフランチャイズもあるので、自分に合った本部を探してみると良いでしょう。

2. 競業避止義務を負う可能性がある

フランチャイズ加盟のデメリット2点目は、“競業避止義務を負う可能性がある点”です。

競業避止義務とは、加盟したフランチャイズと同じ業界・業種での開業を禁止する義務です。これはフランチャイズ契約を結んでいる間はもちろん、解約後も一定の期間、決められた地域内での開業ができなくなります。

一度フランチャイズ加盟店として契約し出店期間が終了した後に、加盟店として学んだノウハウを活かしていざ自分のお店を出そうと思い立っても、数年間は同業種での開業が禁止されているフランチャイズもあります。店舗経営のノウハウやそこで得た顧客をロイヤリティなしに活用できてしまうためです。

“まずはフランチャイズ加盟店で学んでから、将来的に自由に経営できる自分のお店を持ちたい”と考えている方は、フランチャイズ加盟前に、本部との契約書をしっかり確認しておきましょう。

3. ブランドイメージの悪影響を受けることがある

フランチャイズ加盟のデメリット3点目は、“ブランドイメージの悪影響を受けることがある”点です。

前述のとおり、フランチャイズ本部ではブランドイメージを守るため、さまざまなルールやマニュアルを設けていますが、これらを破ったり、トラブルを起こしたりする店舗が出ることもあります。本部の公式SNSアカウントが炎上する可能性もゼロではありません。

このようなことが起こると、直接関係ない店舗まで、”同じチェーンだから”と風評被害を受けることもあります。

風評被害があった場合の対策方法などに関して、加盟前に本部に確認しておきましょう。

4. 加盟金・ロイヤリティの支払いが必要

【完全図解】フランチャイズ(FC)とはー仕組みとメリット・デメリット、失敗しない加盟先の選び方まで紹介

フランチャイズ加盟のデメリット4点目は、”加盟金・ロイヤリティの支払いが必要な点”です。加盟店は、フランチャイズ本部に対しロイヤリティを払い続ける必要があります。

本部により異なりますが、加盟金の内訳は加盟料や開業サポート費、保証料や研修費などとなっており、加盟時にはこれらの費用を一括して本部に支払うことになります。

一方でロイヤリティは、月毎や期毎など定期的にかつ継続的にフランチャイズ本部に納めます。フランチャイズ本部によっては、ロイヤリティではなく、チャージ、フィーなどと呼ばれることもあります。

加盟金とロイヤリティの内訳や金額は、フランチャイズ本部により異なります。加盟前には、フランチャイズ本部が実施する加盟説明会等に参加して説明を聞き、配布資料を読むことで、本部に納める金額や納入時期がおおよそわかります。

なお、定期的に支払うロイヤリティの計算方法は、以下の3つの方法のいずれかであることが多いようです。

① 毎月の売上高や売り上げ総利益などを基に一定の割合をかけたもの
② 毎月固定額として定められているもの
③ ①と②の組み合わせ

ロイヤリティは売り上げの〇%といったように売上規模に応じて変動するものもあれば、月額〇万円という固定費のように毎月発生するものもあります。開業時には加盟金や研修費のほか、店舗取得や設備準備などのまとまった資金が必要ですが、それだけではなく、ロイヤリティも発生するのです。

中にはロイヤリティが0円のケースもありますが、仕入れやシステム利用料などが割高になっていることもあります。

店舗経営で利益が思うように上がらないときでも、ロイヤリティの支払いは発生する場合があるので注意が必要です。その場合の赤字はフランチャイズ加盟店オーナーが補填しなくてはなりません。

しかし、ロイヤリティはフランチャイズ本部が培ってきた成功ノウハウやブランド力を得る対価です。その知見を活かして開業すると個人経営よりも成功する可能性は高くなるかもしれませんが、絶対ではありません。

さまざまな可能性とロイヤリティなど対価を見比べてみて納得のいくサポートを受けられるかよく検討してみましょう。

参照:「【コンビニ・飲食店編】フランチャイズのロイヤリティと仕組みを解説

失敗しない加盟先の選び方

フランチャイズの業種には飲食店や小売店などの昔からあるものから、スマホ修理やレンタルスペース、シェアリングサービスなど最新のものまでさまざまです。ここでは失敗しないための業種や加盟先の選び方について解説します。

【加盟先の選定ポイント】
・事業の将来性
・本部のサポート内容
・信頼できるかどうか

事業の将来性

フランチャイズ本部を選ぶ際の最も重要ともいえるポイントの1点目は、“事業の将来性”です。短期的にも長期的にも、世の中に必要とされ続ける商品やサービスであるか、業界であるかどうかは必ず見極めましょう。

業界として成長している場合でも、フランチャイズ本部やブランドによっても異なります。加盟店として契約する際には、事前に既存店の成長率や閉鎖率・理由をチェックしておきましょう。

また加盟店を出店させる立地についても、事業成長においては重要な要素です。顧客となる層が多く住んでいるのか、競合他社の出店状況や経営状況などと照らして事業へのニーズがあるのかしっかりと調査します。

複数店舗を経営する方が、売り上げと利益を最大化しやすいです。特にコンビニエンスストアなどは、複数店舗を運営しているFCオーナーが数多くいます。

契約時に、今後は1店舗に集中させていく方針なのか、複数店舗を想定しているのかなど出店スピードについても、フランチャイズ本部の担当者にあらかじめ相談してみるのもいいでしょう。

本部のサポート内容

フランチャイズ本部を選ぶ際の2点目のポイントは、“フランチャイズ本部のサポート内容”です。

加盟店のサポートを行うスーパーバイザーなどの担当者が、どれくらいの範囲で加盟店に協力してくれるのかどうかも、フランチャイズ本部によって違います。

スーパーバイザーは本部への連絡程度しかしてくれないのか、それとも経営や店舗運営に対するアドバイスもしてくれるのかなど、サポート体制の有無や範囲については事前によくチェックしましょう。

そのほかにも、売上目標や売上予測に対する具体的な根拠を丁寧に説明してくれるか、直営店やほかの加盟店の改善実績を共有してくれるかどうかなども、契約時に確認しておくとよいでしょう。

信頼できるかどうか

フランチャイズ本部を選ぶ際の3点目のポイントは、“信頼できるかどうか”です。

フランチャイズには、本部により法定開示書面に記載されるべき事項が中小小売商業振興法第11条によって定められており(中小小売商業振興法に基づく情報の開示)、加盟店側はその契約内容を十分に理解したうえで契約を締結する権利があります。

詳しい契約内容や直営店の営業実績を情報開示してくれないなど、信頼できないフランチャイズ本部との契約はやめておいた方がいいでしょう。中小企業庁が開示しているフランチャイズにまつわる“よくあるトラブル相談”には次のようなものがあげられます。

・加盟契約締結前に申込金を支払ったが、返還に応じてくれない
・赤字になった月に本部から知らないうちに貸し付けをされていた
・解約を申し出たら、解約違約金を請求された
・自店の商圏内に同じチェーンの店舗が開店した

このようなトラブルを防ぎ悪質な本部事業者に騙されないためにも、外部機関として一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が開示している情報も参考にしてみてください。

また、まだフランチャイズ展開して間もない企業などは、フランチャイズのシステムが組織化されていない場合もあります。しかし、フランチャイズ展開を始めたばかりの場合、フランチャイズ本部も加盟店のフォローに力を入れることは多いものです。加盟店を増やしていくためにも成功させたいと考えるからです。また、本部と加盟店の距離感が近く、二人三脚で進めていけることもあります。どちらにしても自分に合うフランチャイズ本部を選びましょう。

どのフランチャイズ本部と契約するか迷った際には、体制が盤石で実績のある企業かどうかを1つの判断基準とすることもおすすめします。

JFA開示自主基準について|一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会

開業資金はどれくらい?

フランチャイズの開業資金の具体的な金額は、業種やフランチャイズ本部・出店場所などによって全く異なるので、一概に”〇〇万円くらいあればFCオーナーとして開業できる”とはいえません。

【業種別:開業資金の相場】
飲食業:数百万~3,000万円前後
コンビニエンスストア:400万円前後
その他小売業:数十万~数千万円前後
学習塾:1,000万円前後
修理業:数十万~数百万円前後
ハウスクリーニング:100万円ほど
介護福祉事業:1,000万円前後
美容サロン・ボディメイク:300万円~2,500万円ほど
買取・リサイクル:数百万円ほど
コインランドリー:数千万円
不動産:1,000万円ほど
結婚相談所:数万~数十万円ほど
宅配・軽配送:数十万円~
保険代理店:1,000万円近く

※2023年3月アントレ調べ

この他にも運転資金が必要になります。必要な項目や金額は、業種や店舗の有無、スタッフの雇用人数によって大きく異なります。

細かくシミュレーションし、本部に確認を取りましょう。

フランチャイズに必要な開業資金は業種やビジネスモデルによって異なりますが、ほとんどの場合の初期費用は、大きくは下記の3つのタイプに分類できます。

1.フランチャイズ本部に支払う費用
2.店舗開設のために必要な費用
3.上記以外の初期経費

フランチャイズ本部に支払う費用の中には、フランチャイズの加盟金、保証金、研修費、店舗設計支援費などが含まれます。

店舗を持つ場合は、店舗物件を借りる時の保証金、内装や外装などの改装費、設備の購入費など、まとまった資金が必要となります。

上記以外にも開業資金には、商材の仕入れ代金、オープニングプロモーションのための広告宣伝費、採用費などがあります。

参照:「フランチャイズで開業する時の初期費用と資金調達方法

基本的に開業資金が多く必要なものは、加盟店側からすると”ハイリスクハイリターン”であるといえます。一方、あまり開業資金がかからないからという理由だけで加盟先を決定してしまうと、加盟店側から見ると”ローリターン”という場合もあります。まず自分自身がどのような独立・開業を目指しているのかを明確にし、ロイヤリティに対するサポートが適正かなどを見極める必要があります。

また開業資金に関しては、店舗の運営方法を工夫することなどで、ある程度費用を抑えて安くできる可能性があります。

J-net21の業種別開業ガイドなども参考にして、抑えられる費用を抑えましょう。フランチャイズ本部に費用について確認するのもおすすめです。

例えば飲食店の場合でも、テイクアウトやデリバリー専門のお店にすれば店内飲食用の座席を用意する必要もなく、必要な坪数も少ないので費用を抑えられます。ただし、フランチャイズのブランドイメージを損なうことはNGとなることもあります。また、加盟店を成功させるため、ルールがある場合もありますので、加盟前にきちんと確認するようにしましょう。

コンビニエンスストアであれば、フランチャイズ本部によっては開業時に資金援助の制度を活用できる場合もあるので、自分が該当するかどうか調べてみましょう。

サービス業の場合は、自宅を店舗や事務所として使う”無店舗型サービス業”にすれば、店舗準備費や家賃などの開業資金を大幅にカットできます。

フランチャイズ契約~開業までのステップと注意点

フランチャイズ契約から開業までの大まかなステップは次のとおりです。

【契約の流れ】
1)加盟前
・情報収集
・フランチャイズ本部の説明会
・加盟意志決定
・店舗探し
・物件契約
・事業計画作成
2)加盟契約
・研修→開店準備
3)開業

この流れはあくまで目安です。本部や業態により、フローが多少異なることもあります。

フランチャイズ契約を結ぶと加盟店になります。契約を結ぶ前にロイヤリティの金額や計算方法、競業避止義務の内容、ルールの縛りなどについてよく確認しておきましょう。

フランチャイズに加盟した人の成功・失敗事例10選

フランチャイズ加盟店として出店する際には、未経験からでも参入できたりフランチャイズ本部のブランド力を活かすことができたりといった、個人経営にはないたくさんのメリットがあります。

一方で、ロイヤリティを長期的に本部に支払わなければならなかったり、契約終了後でも同業種での出店が禁止されていたりなどのデメリットも存在します。

フランチャイズに加盟する前に、十分に下調べをすることが大切です。下調べと併せて、フランチャイズに加盟した人の成功・失敗事例を読むのもいいでしょう。

脱サラしてフランチャイズ開業に踏み切った先輩の事例

会社員としての働き方に疑問を持ち、脱サラ起業に踏み切った先輩の事例です。

国土緑化株式会社のオーナーレポート
ジーピースタッフ株式会社/纏matoiのオーナーレポート

一度は失敗したことがある先輩の事例

フランチャイズの失敗例の中でも多いのが、情報収集を怠ったことによるものです。

どんなビジネスでも情報収集は大切ですが、情報とは、土地の特徴やニーズなどの経営に直接かかわるものだけではありません。フランチャイズ本部のサポート体制や経営状況、ロイヤリティのことも、抑えておくべき情報です。

具体的な失敗例を、見てみましょう。

ロイヤリティの安さだけで選び失敗:ハウスクリーニング・Aさん

ハウスクリーニングが人気だと聞いて、フランチャイズ開業したAさんは、ハウスクリーニング業界のことをよく調べました。

業界の将来予測から土地ごとのニーズまで調べ上げ、完璧な立地とプランで店舗を立ち上げます。しかし、Aさんの店舗は、半年経たずに閉店してしまいました。

Aさんはハウスクリーニングの経験が一切なかったのに、サポート体制が不十分なことで有名なフランチャイザーを、「ロイヤリティが安いから」という理由で選んでしまったのです。

ほかの情報収集は完璧でも、たった1つの見逃しがあるだけで、Aさんのような失敗につながることもあります。

シミュレーションの間違いで失敗:カフェ・Bさん

昔からカフェを経営するのが夢だったBさんは、若者に人気のカフェで、フランチャイズ開業しました。

絶対に失敗したくないからと、フランチャイザーのことを徹底的に調べ、サポートが充実したチェーンを選びました。立地選びでも、主な客層である若者が多い地域を選び、準備は万端です。

しかし、Bさんのお店には、毎日数人のお客さんしか来ません。実は、Bさんが調べたのは土地の夜間人口だったのです。そしてBさんのカフェは、マニュアルで夜8時の閉店が義務付けられています。

夜間人口と日中の人口をうっかり間違えただけで、すべての準備が台無しになりました。

一度失敗している先輩の事例から学ぼう

他にも、一度失敗している先輩の事例がありますので、読んでみてください。

株式会社ドラミカンパニーのオーナーレポート
買取店WAKABA(わかば) / 株式会社フォーナインのオーナーレポート

副業でスタートした先輩の事例

副業からスタートした先輩の事例です。副業から本業にしてしまった方も少なくありません。

株式会社ジェリーズポップコーンのオーナーレポート
株式会社IBJのオーナーレポート

家庭や子育てと両立しながら輝く女性経営者の事例

「経営者=男性」とイメージしがちですが、サポートが充実しているフランチャイズで活躍されている女性経営者もいます。

Goo-it! /株式会社LHSのオーナーレポート
軽急便株式会社のオーナーレポート

もっと読みたい方はこちらも見てみてください。
私や家族を大切にできる"シゴト"との付き合い方:ワタシドキ|独立・開業・フランチャイズ募集の【アントレ】

親子で独立した先輩の事例

フランチャイズ開業のパートナーに「親子」を選ぶ方もいます。

株式会社アニスコーポレーションのオーナーレポート
Build's/株式会社アクアのオーナーレポート

フランチャイズ開業は「一つのアイディア」にすぎない-情報収集で視野を広げよう

ここまでフランチャイズとは何かを解説してきました。フランチャイズに加盟して開業するのは、数ある働き方のうちのひとつであり、人によって合う・合わないがあります。

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PROFILE

赤塚元基

ライターを主とし、Webディレクター、オンラインサロン運営、代理店ビジネスなどで幅広く活躍中。自身の脱サラ経験を活かし、自分らしい生き方・働き方を目指す人の背中を押すような記事を書くことを心がけている。

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