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人脈って必要なの? 人間関係における“質と量”問題を、心理学者が解説

人脈って必要なの? 人間関係における“質と量”問題を、心理学者が解説

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独立・起業に欠かせない要素としてよく話題となる「人脈」。

人間関係の広さを指す言葉として頻繁に使われていますが、果たして「人脈」とは本当に必要なものなのでしょうか?

独立に役立つ心理学シリーズ、今回内藤先生に伺ったのは「情報が集まる人脈構築術」。

乱用されがちな「人脈」という言葉の奥に潜む本当の意味、そして信頼性の高い人間関係構築能力について、内藤先生にお聞きしました。

他部署・他社への“ネットワーキング能力”があれば、昇進・昇給に直結する?

今回のテーマは、情報が集まる人脈構築術。

ビジネスの世界では「人脈」という少し抽象的な表現をしますが、心理学の世界では、人間関係を構築する能力のことを「ネットワーキング能力」と言います。

この「ネットワーキング能力」の有無によって、昇進・昇給の可能性が大きく左右されることを検証したデータをご紹介しましょう。

ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学のハンス・ウォルフ先生は、キャリア上の成功といわれる昇進・昇給を決定する要素を明らかにするべく、サービス業、製造業、運輸業といったさまざまな業種で働く455名を対象に、3年間の追跡調査を行いました。

その結果、部署の違いや社内外を問わず、人との繋がりを作れる人、いわゆる「ネットワーキング能力」が高い人ほど、キャリア上、成功の可能性が高いことが明らかになりました。

つまり人間関係構築力を持つことで、キャリアサクセス(昇進・昇給)の可能性を高められることが分かったのです。

そしてこの調査の面白いところは、人間関係構築力が高い人は「業種を問わず」キャリアサクセスの可能性が高いこと。

どんな業種、会社に勤めていたとしても、この「ネットワーキング能力」はいわば必修科目と言えそうですね。

人間関係で必要なのは「量」と「質」、どっち?

先ほどの調査で、もう1つ明らかになったことがあります。

「ネットワーキング能力」には、新しく人との関係を作る「形成」と、今ある関係を深める「維持」の2種類があります。

調査によると、昇進・昇給に役立つのは「維持」の方であることが分かりました。

そもそも人間関係とは、お互いの信頼の上に成り立つものです。

たとえ多くの人と繋がっていたとしても、名刺交換程度の認識しかなければ役に立ちません。

お互いの信頼関係がなければ、その人間関係はないに等しいのです。

一方で、ほんの数人でもお互いに信頼関係が築けている人がいれば、その人を通じてどんどん情報が集まります。

つまり少数でも、深く付き合える数人を持つことで、多くの人脈を開拓するよりも効率よく情報を集めることができるのです。

もし、できるだけ多くの人と人間関係を「形成」することばかりに気を取られているとしたら、既にある人間関係を「維持」し、育てる方向に頭を切り替えてみてはいかがでしょうか。

少しいじわるなアドバイスをするならば、信頼関係を築く相手を間違えないことが大切です。

情報を持っていない、重要人物でない人と関係を深めても、キャリアサクセスの観点からはあまり意味がありませんからね(笑)。

仕事上のキーパーソンを見抜き、信頼関係を構築して、効率よく情報が自分のところに集まってくるようにカスタマイズしていきましょう。

「情報が集まる人」になる近道は「情報を与える人」になること

では、どうしたら上質な人間関係を「維持」することができるのでしょうか?

答えはシンプルですが、やはり「まめさ」や「誠実さ」が信頼関係を築く上で最も重要です。

例えば新しい人と知り合ったとき、1度名刺交換をするだけのやり取りで終わってしまいがちですが、その後もまめに連絡を入れて会う機会を増やし、ある程度関係が良くなったら飲みに誘うなど、とにかく相手との「やり取りの頻度」を増やすのです。

よほど嫌われていない限りは、相手もあなたをむげに出来ないでしょうから(笑)。

そして、今回は「情報が集まる人」になるための方法、という切り口で話をしてきましたが、一方的に情報を集めようとするのではなく、時には自分から相手に情報を発信することも大切です。

「ギブ・アンド・テイク」よろしく、先に相手に情報を与えることで、相手から何かが返ってくるかもしれません。

情報を提供してくれる相手とは、自然と信頼関係が生まれますし、結果として質の高い人間関係が育つのです。

「人脈」とは、“ネットワーキング能力”を使って人間関係を「形成」し、そして信頼性を担保して「維持」し続けること、となります。

つまり量も大切ですが、それ以上に質が大切だ、というのが心理学的な結論です。然るべき人ときちんと信頼関係を築くことが本物の「人脈」なのです。

プロフィール:内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。
大学院在学中より専門の心理学を活かした執筆活動を開始し、卒業後に有限会社アンギルドを設立。
ビジネス心理学を実践的に応用するアドバイスには定評がある。
新刊に「リーダーのための「孫子の兵法」超入門(水王舎)
「身近にあふれる「男と女の心理学」が3時間でわかる本」(明日香出版)など。
講演会・セミナーの依頼は、株式会社ブレーンまで。

株式会社ブレーン(講演・セミナー情報問い合わせ先)
http://www.kkbrain.co.jp/

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