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税理士

個人事業主が事業を進めていく上で、見落としがちなのが「税金の納付漏れ」です。 郵送される納付書は、1年間分まとめて送られてきます。 1つ1つの納付書を管理しきれず、ついつい納付期限が過ぎてしまった、という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 (さらに…)

2019年8月8日

令和元年10月より、いよいよはじまる消費税増税。そして同時に実施される、軽減税率制度。 軽減税率制度とは、あらゆる商品・サービスの消費税が10%になる中で、主に飲食料品などを対象に消費税が8%のまま据え置きになるという制度のことです。 多くのニュースでは、飲食料品にスポットを当てた内容が多いため、消費者目線での理解にとどまっている方も多いのではないでしょうか。 (さらに…)

2019年7月19日

国民の納税義務を果たすために、欠かせない手続きである確定申告。 個人事業主はもちろん、会社員でも払いすぎた税金がある場合は確定申告をする必要があります。 しかし、学校では税金について詳しく教わらないため、社会に出てから「確定申告って何をすればいいの?」と疑問を抱く人は多いのではないでしょうか。 (さらに…)
会社から独立・開業して個人事業主となる上で、ついつい後回しにしてしまいがちなのが、リスクへの対策です。 会社員であれば、黙っていても会社が書類を用意してくれて、手続きも行ってくれました。一方で、独立すると自分で行うことも増えていくために、誰に聞いたら良いか分からない、とお困りの方も多いのではないでしょうか。 独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 (さらに…)

2019年6月18日

3月15日。 毎年必ず行われる、確定申告の締め切り日です。個人事業主の方にとってはおなじみの日付です。 膨大な領収書の山に翻弄され、税務署に書類を持ち込んだのは締め切りギリギリ…。という方も多かったのではないでしょうか? 独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 (さらに…)

2019年5月30日

「税理士=安定した高収入な仕事」なんてイメージは随分と昔の話。 最近では「士業で飯を食うのは大変」という認識が急速に広まっているようです。 果たしてその実態は? 今回は職業としての税理士について、その現状と課題、そして展望について考えてみます。

開業は簡単。難しいのは…

最初に確認したいのは“開業”についてです。 これは税理士に限らない話ですが、実は自営業者として開業するのは簡単です。 税務署に開業届を出せば、それで開業できます。(ここでは税理士試験や税理士会への登録については考えないこととします) 税理士のような士業では、特に目立った設備も不要であることから、多額な開業資金が必要なわけでもありません。 また、税理士専用の金融商品も用意されており、使い勝手も中々良いです。 税理士が開業する際の資金負担は、あまり高くないのが一般的です。 ただし、難しいのは“自営業を継続すること”です。 始めるのは簡単、継続は困難。どんな仕事でも同様です。 特に税理士は「事務所と看板を出せばすぐにお客様が来るような仕事」ではありません。 どうやって新規の顧問先を見つけるのか? そして顧問料の単価はどのようにすればあげられるのか? 新人でもベテランでも、税理士の多くがこの点で苦労をしています。 数十年前には、税理士として開業をすれば安泰だった時代もあるそうですが、そんな時代はいつのことやら。 税理士という資格のみで事業を継続するのは厳しい時代であることは事実です。 必要なのは“自分の得意分野を決めること”です。 飲食や理美容など一定の職種に詳しい、資金繰りの改善や経営計画策定に自信がある、資産税分野(相続税など)に特化している、など。 そういった自分の得意分野を定めることが出来た税理士は、現状でもそれなりの活躍をしている人が多いようです。 また、働き方改革の影響もあり、副業や複業が一般的になってきました。 つまり、税務の知識を必要とする人が増え続けている、ということです。 どのように関与していくのか工夫の余地はありますが、税理士はむしろこれから活躍できる、という考え方もあります。

年齢について考える

ここで、年齢について考えてみます。皆さんならどちらの税理士に仕事を頼みたいでしょうか? *** (A)比較的規模の大きな事務所で勤務をしていた50代の男性。最近になって事務所を退職し独立開業。業界歴は長い。 (B)独立開業をして3年目の30代前半の男性。税理士試験合格後に間もなく開業。業界歴も受験時代を含めて10年には満たないくらい。 *** 実はこの設問に正解はありません。強いて言うのであれば「正解は人によって異なる」です。 税理士という仕事でお客様に提供する商品は“知識”だけではなく、多分に“人間性”が問われる部分があります。 人によっては上記の(A)のような業界歴の長い年齢が高めの人を信頼するかもしれません。あるいは(B)のような若い世代に共感することもあるでしょう。 さらに言えば、本当に問題となるのは個性です。 若かろうが年をとっていようが、対応がハキハキしており、説明が上手であれば人は惹きつけられるでしょう。 その逆もまたしかりです。 その上で、仮に同じような能力や個性をもっている税理士が複数いた場合、どちらかというと若い人の方が有利になるケースが多いようです。 ごく自然な心理として「若い人に魅力を感じる」ということ。 それと税理士のように長期間の付き合いが想定される仕事の場合、若い人の方が安心してお付き合いができる、ということもあるのかもしれません。 最近では「若いうちから独立開業なんてリスクがあることはできない」という意見も多く、実際に若い税理士には独立開業ではなく勤務を選ぶ人が多いようです。 それもまた選択肢ではありますが…。 いずれ独立をするのであれば、ある程度の年齢のうちに開業をしてしまった方が良いかもしれません。 そして性別について。厳然たる事実としてですが、税理士は圧倒的に男性の方が多いです。 税理士関係の会合に行くと、その男性比率の高さには驚かされます。 とはいえ、女性でも活躍をされている方はいらっしゃいます。 男性でも女性でも、提供する仕事の品質が高く、そこに何かしらの個性が感じられるのであれば、自然とお客様は集まっているように思います。

トラブルを避けるためには?

お金に関する仕事ということで、トラブルに発展してしまうことはゼロではありません。 特に税理士の処理ミスにより、お客様に過大な税負担を発生させてしまったようなときには損害賠償の話が出てきてしまうこともあります。 当然、そのようなミスを起こさないためには継続的に勉強を続けることや、ケアレスミスが生じない業務態勢を構築する努力が必要です。 また、人間である以上完全であることはありえないので、税理士用の保険に加入することも推奨されています。 加えて、トラブルの多くは「言った、言わない」が原因となることが多いです。 税理士は業務処理簿の作成が義務付けられています。 そこに「この人に対してこのようなアドバイスを行い、結果としてこのように処理をした」といったことをしっかり記載することは、的確な業務遂行を支援するとともに、後々に自分を護ることにも繋がります。 また業務上のやりとりを記録したメモや文面はうかつに捨てず、体系的に検索できるようにしておくと良いでしょう。

まとめ

独立開業すれば、税理士も自営業者です。 開業は資金負担も少なく簡単ですが、維持継続は難しいです。 自分なりの得意分野をみつけ、個性を“売り”にしていくことが求められます。 年齢については一概に正解はありませんが、若い人の方が可能性を秘めているのは事実です。 トラブル防止のために継続的努力は必須で、保険加入や記録の徹底などお客様と自分の双方を護るためにやるべきことはいくつもあります。 今後、税理士として独立開業を検討している人の参考になれば幸いです。
PROFILE

税理士 高橋昌也

2006年税理士試験に合格し、翌年3月高橋昌也税理士事務所を開業。 その後、ファイナンシャルプランナー資格を取得し、商工会議所認定ビジネス法務エキスパートの称号取得などを経て、現在に至る。 [保有資格等] AFP、税理士、商工会議所認定ビジネス法務エキスパート
金融機関から開業資金を調達する際に、創業計画書とともに重要視されるのが、資金繰り表。 創業計画書をお金の側面から補完する、資金繰り表をどれだけ現実味を持たせることができるかで、融資審査の結果は大きく異なります。 (さらに…)

2019年3月26日

独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 今回のテーマは、税理士が教える「自分に合った税理士の選び方」。 独立・起業を経て、初めて税理士に仕事をお願いしようと考えている方は必見です。

ぶっちゃけ、税理士って必要なの? 税理士が持つ、3つの独占業務+専門領域

こんにちは、税理士の齋藤雄史です。 今回のテーマは「自分にあった税理士の選び方」。全国に7万人いる税理士の中から、アナタに合った税理士を探すために必要なことはなんでしょうか。 クライアントによく聞かれるのは「そもそも税理士って何してくれるの?」という質問です。 選び方を考える上で、まずは税理士の代表的な仕事の内容からご紹介しましょう。

①税務相談

おそらく全ての税理士が必ず行うのが、税務相談です。 具体的には、税金に関する悩みや会社の資金繰りの相談、時に経営的アドバイスなどですね。

②税務署類の作成代行

こちらもよく耳にする仕事ですね。これからピークを迎える確定申告書の作成などがこちらに該当します。 また、青色申告書の書類の確認やチェックなどもします。 https://entrenet.jp/magazine/14004/

③税務調査の立ち会い

もし確定申告の内容に不備があった場合、税務署から税務調査が行われます。その際に税理士は、対象者とともにその調査の場に立ち会うことができます。 以上の3つが、税理士の独占業務となっています。 税理士はこの3つの独占業務をはじめ、それぞれの専門領域に応じて様々なサービスを提供しています。 ちなみに私の場合は、資金繰り・事業計画書の作成の補助や、会社の経理周りの指導、会計システムの導入の推奨など、コンサルティング業務に近いものやインフラ周りの整備など幅広く対応しています。 その他、節税が得意な人、会社設立における資金繰りや資金調達を考えるのが得意な人、相続税周りが得意な人など、税理士によって得意なことやできることは異なります。 アナタが税理士に相談したい目的が決まっている場合は、「税理士ドットコム」などの税理士紹介サイトを活用して、目的別に検索してみるのも良いでしょう。

信頼できる人からの紹介でも要注意? 税理士の選び方

税理士の仕事が分かったところで、いよいよ「自分に合った税理士の選び方」を考えていきましょう。

①費用

税理士にお願いするにあたって、まず頭によぎるのは「費用」ですよね。 お願いしたい仕事の内容にもよりますが、大体の相場というものがあります。相場と照らし合わせつつ、いくつかの事務所から見積もりを取っておくと良いでしょう。 値段は「高すぎず、安すぎないところ」をおすすめしています。こちらが無知過ぎると高く見積もられてしまいますし、逆に安すぎるところは何かしら「安い理由」が存在するからです。 安かろう悪かろうになってしまわないように「この料金で、どこまでやってくれるのか」を事前に握っておく必要があります。

②目的別で絞る

先程の項目でも挙げましたが、税理士にお願いしたい仕事の内容をはっきりさせる、というのは極めて重要です。 大きい税理士事務所では、比較的どんな案件でも相談に乗ってくれる、というスタイルのところもありますが、みんながみんな税務に関する全ての問題に答えられるわけではありません。 内科や外科、眼科に耳鼻科など、病院にも自分の専門があるように、税理士にも専門が多かれ少なかれ存在します。総合病院のようになんでも受けられる税理士事務所だけではない、ということですね。

③意外と危ない、紹介のワナ

「どこの事務所がいいのか分からないから、とりあえず先輩起業家から紹介してもらおう」といった考えから、税理士を選ぶ人が非常に多いです。 「信頼できる人からの紹介だから、大丈夫」と安心してしまいがちですが、正直私はこの選び方は勧めていません。 理由は2つあります。 まず②にもある通り、アナタが税理士に依頼したい目的とその税理士がマッチングしない可能性もあるからです。 先輩起業家の事業とアナタの事業が競合で、任せたい仕事もほぼ同じ、という場合は良いかもしれませんが、全く違う職種やお願いしたい仕事の領域が異なる場合は特に注意が必要です。 そして2つ目は、その税理士が先輩起業家の方から受けている金額と、アナタの仕事で発生する金額にギャップが生まれるかもしれないからです。 例えば「Aさんには10万円でお願いしているが、アナタには20万円を請求することになる」というケースは、往々にしてよくあることです。 金額の算出には、仕事にかかる工数や付き合いの長さ、関係値、優先順位など様々な事情を考慮します。 もちろんお知り合いの方である以上、可能な限りリーズナブルな価格にしたいのが本音ですが、どうしても難しい場合もあります。 ちなみに私は、紹介があった場合は基本的にお話は伺い、その人の目的に応じて判断します。 その際、例えば「相続関係の相談」などであれば専門外のためお断りするようにしています。 トラブルを避けるためにも、紹介はあくまで参考程度に考えておき、困ったことがあったらセカンドオピニオン的に相談する、くらいにしておいたほうが無難かもしれません。

④必ず会える距離の税理士にお願いする

税理士はアナタをお金という側面から支える重要なパートナーです。 何かあった時にすぐに会える、相談できるに越したことはありません。アナタが東京に住んでいるなら東京、あるいは関東圏に住んでいる税理士に仕事をお願いしたほうが良いでしょう。 せっかくステキな税理士と巡り会えても、新幹線や飛行機を使わなければいけないのなら、一度良く考え直したほうがいいかもしれません。

⑤必ず会ってから判断する

予算、目的、立地も問題ない場合、いよいよ最後のチェック項目です。 必ず会ってから判断しましょう。 税理士といっても人ですから条件面がいくら良くても、最終的には性格に合う合わないは必ず出てきます。 繰り返しになりますが、税理士はアナタの財務状況を、アナタ以上に知ることになる大切なパートナーです。 アナタの事業を応援してくれるかどうか、アナタ自身が「この人になら、ウチの会社のお金の流れを教えてもいいや」と思えるかどうかは極めて重要になってきます。 ですので、最後は必ず税理士と会ってから判断しましょう。

「信頼できそう」と思えるか。私なら、こんな税理士を選びます!

ここまで税理士の選び方を考えてきましたが、最後に私自身が税理士を選ぶならどうするのかをお話しましょう。 私は税理士事務所を開業して、4年になります。 自分の事務所の状況を客観的に見てもらいたい、という意味でも、この業界で20年以上キャリアを積んでいる税理士の方に経営的観点からアドバイスをいただきたいです。 後はとにかくなんでも相談できる雰囲気があって、電話やメールなどで連絡してもレスが早いことでしょうか。事務所の大小は特に気にしていません。 逆に、自分の目的とあまりにかけ離れている場合や、何か困ったときの連絡が遅かったりする税理士は注意が必要です。 最後は「この人なら信頼できそう」と思えるかどうか、でしょうか。 私自身も「この人なら信頼できそう」と思っていただける税理士を、今後も目指していきたいと思います。 皆さんの目的に沿ったステキな税理士が現れるよう、応援しています!
<プロフィール> 齋藤雄史さん 税理士/公認会計士 宮城県仙台市出身。 高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。 合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。 法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。 ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。
独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 今回は確定申告シーズン直前ということで、副業をしている会社員に必要な、確定申告書の書き方を解説していただきました。 確定申告とはそもそも何なのか、どの欄にどのような内容を記入すればよいのか。副業している会社員を例に、皆さんに分かりやすい確定申告書の作り方をご紹介します!

副業解禁元年に必須の、確定申告書

2018年は副業解禁元年とも言われ、本業とは異なる副業を始めたという方も多いのではないでしょうか。 そして副業による収入に伴って必要になるのは、確定申告です。 確定申告とは、会社員としての収入と副業による収入から、所得にかかる金額(所得税及び復興特別所得税)を算出し、税金を支払うための手続きのこと。 今回は、副業収入がある架空の会社員「山田太朗さん」を元に、実際に確定申告書を作ってみました。 ぜひ参考にしてみてください。
<山田さんの基本情報> 名前:山田太朗さん 職業:会社員・個人事業主(副業として個人商店経営) 家族構成:専業主婦の妻がいる その他:青色申告を行っている、生命保険に加入している、社会保険料控除分は10万円
※注意:本記事では、平成29年分の確定申告書でサンプルを出しています。読者の皆さんは、国税庁のホームページ等や税務署から平成30年分の確定申告書を受け取り、記載してください。

会社員の人は、必ず源泉徴収票をチェック!

会社員の人は、会社が給与から計算し差し引くカタチで所得税を支払っています。一方個人事業主は、自分で所得税を算出し申告、納税をしなければなりません。 源泉徴収票は、会社員としての収入と所得税納税を証明する、とても重要な書類ですので必ず会社から事前にもらうようにしましょう。

項目ごとに徹底解説! 確定申告書の作り方

会社員での収入が明記された源泉徴収票、そして個人事業での収入(請求書等を用意してください)を元に、いよいよ確定申告書を作っていきましょう。 上の画像が、山田さんの確定申告書です。 それでは項目を1つずつ見ていきましょう。

収入金額等

まずは「収入金額等」の欄。 山田さんは個人事業主としての収入が240万円あるので、「ア」の欄に240万円と記入します。 ※今回の山田さんは事業所得となるケースです。副業の規模等により、雑所得として「ク」の欄に記入するケースもあります。事業所得になるか雑所得になるか判定は難しいのでプロの税理士先生に聞きましょう。 また源泉徴収票を見て分かる通り、会社員としての収入は300万円あるので「カ」の欄に300万円と記入します。 この「収入金額等」で間違えてはいけないのは、収入金額の総額を明記すること。手取り金額ではないので注意してください。

所得金額

次は「所得金額」。 ここには「収入金額等」で記入した金額から、必要経費を差し引いた実際の所得金額(あなたの手元に残った金額)を明記します。 「収入金額等」で記入した「ア」の金額から、必要経費を差し引いた金額を①に記入します。 また、源泉徴収票に記入されている「給与所得控除後の金額」を⑥に記載し、①〜⑧を全て合計した金額を⑨に記入します。

所得から差し引かれる金額

次は「所得から差し引かれる金額」を記入していきます。 所得から差し引かれる金額とは、すなわち「控除」のこと。様々な事情から支払うべき税金の金額を軽減するための項目ですので、1つずつチェックして忘れずに記入しましょう。 山田さんの源泉徴収票を確認すると、⑫の社会保険料控除、⑭の生命保険控除が記入できます。 その他、専業主婦の妻がいるので、㉑㉒の配偶者(特別)控除も受けられます。 そして忘れてはいけないのは、誰でも38万円の控除を受けられる㉔の基礎控除。 最後に、⑩から㉔までの合計金額を㉕に記入します。 山田さんの例では以上の内容になりますが、医療費が年間10万円超の人は⑪の医療費控除、ふるさと納税を納付している人は⑯の寄付金控除、こどもなどの扶養対象がいる場合は㉓の扶養控除(こども1人あたり38万円)といった控除が受けられる可能性があるので、自分がどの項目に当てはまるか、チェックしてみてください。

税金の計算〜所得税〜

いよいよ支払うべき「税金の計算」に移ります。文字通り支払うべき税金の金額を決める、とても重要な項目ですので、間違えないよう丁寧に計算してください。 まずは㉖課税される所得金額の項目。控除等を差し引いた、課税が発生する所得金額の合計です。 ⑨で算出した所得金額の合計から、㉕で算出した控除金額の合計を差し引いた金額が、㉖課税される所得金額の合計となります。 そしてこの㉖の金額から、支払うべき税額を算出したのが㉗。㉗は㉖の金額の大きさによって税率が決まります。 (詳しくはこちらから! 国税庁HP: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2014/b/03/order4/3-4_26.htm) ㉖が149万円の山田さんの場合、税率は5%となり㉗は74,500円となります。 山田さんは該当しませんが、㉘〜㊲までに該当する人は、㉗の金額から直接税金を引くことができます。 株などを運用している方ですと㉘配当控除、住宅ローンを組んでいる方ですと㉚(特別増改築等)住宅借入金等特別控除などが当てはまるので、チェックしてみてください。 ㉗から㉘〜㊲の合計金額を引いた金額が、㊳差引所得税額となり、支払うべき所得税となります。山田さんの場合は74,500円となりました。 ここからは少し複雑になりますので、1つずつ項目を分けて解説します。

税金の計算〜復興特別所得税〜

先程算出した㊳から㊴災害減免額を差し引いたのが、㊵再差引所得税額。山田さんは災害減免額が0ですので、数字は変わりません。 ㊵の金額に対し×2.1%が、復興特別所得税額として加算され、㊵と㊶の合計金額が㊷所得税及び復興特別所得税額の額、となります。

税金の計算〜源泉徴収税額と収める税金〜

㊷で所得税及び復興特別所得税額の額が算出され、山田さんは76,064円となりました。 最後に必要なのは、会社からの給与で天引きされた、㊹源泉徴収税額です。 源泉徴収票を見ると、山田さんは既に給与から47,900円を支払っています。 よって㊹には47,900円と記入し、㊺所得税および復興特別所得税の申告納税額(最終的に収めるべき税額)は28,100円となりました。 なお、㊹には個人事業主としての報酬が源泉徴収されていた場合、その金額も合計することができますので、誤って会社の源泉徴収票に記載されている金額だけを書かないよう注意してください。

その他〜圧倒的にお得な青色申告〜

ようやく納める税金の合計額が出揃いました。 よく確定申告というと「青色申告の方がいい」と聞いたことはありませんか? なぜ青色申告をおすすめするのか、その理由がこの「その他」の項目です。 ここまで納めるべき税金を頑張って計算してきました。 その結果山田さんが支払うべき金額は28,100円となりました。本来であればもっと納税が必要だったのですが、青色申告をしているとなんと事業所得の金額計算で65万円まで特別控除を受けられるのです。 他にもいろいろと青色申告のメリットはありますが、このインパクトは大きいですよね。 以上、副業している会社員に向けた確定申告書の作り方でした。副業している会社員の方はぜひ、山田さんの例を参考に確定申告書を作成してみてください。
<プロフィール> 齋藤雄史さん 税理士/公認会計士 宮城県仙台市出身。 高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。 合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。 法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。 ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

2019年1月30日

独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 今回は、資金調達時の融資を受けるために必要な、創業計画書の項目を1つずつ丁寧に解説していただきます。 「創業計画書をどう書けば良いのわからない!」「そもそも創業計画書ってなに?」と感じている方は、是非参考にしてください。

創業計画書の書き方を徹底解説!

創業計画書とは、日本政策金融公庫から資金調達を受ける際に提出する審査書類のこと。創業計画書はいわば、事業のプロフィールのようなものです。 創業計画書を通じて、融資担当者は「あなたにお金を貸して、返済してもらえるか?」をチェックします。 だからこそ、誠意を持って”あなたの事業をきちんと理解してもらえる”創業計画書を作成していきましょう。 今回は日本政策金融公庫の創業計画書を例に、各項目別に何をどのように記載するのかを解説していきます。 実際に書くときは、公庫のホームぺージから創業計画書のExcel形式のファイルをダウンロードして編集するとよいでしょう。 最初は何回も書き直すことが多いため、手書きよりファイルを編集することをおすすめします。

1.創業の動機

まずは「創業の動機」についてです。あなたが事業を立ち上げるに至った経緯を書きます。 「ただなんとなく事業を立ち上げたい」など、動機がふわっとしている人にお金を貸したくありませんよね? ポイントは「実績となる事実」をおさえておくと、より説得力が増していくということです。 例えば、「不動産会社に勤めていた」→「仕事が評価されて、顧客が付いてきた」→「知識・経験を生かして独立」という流れですと、すでにお客さんがいる状態からスタートしているというのが伝わりますよね。 簡単な例ではありますが、ストーリーを持つことは、とても重要な要素と言えます。

2.経営者の略歴等

略歴についても重要なポイントは「ストーリー」です。”創業の動機”で書いた内容を裏付けるような略歴になっていれば、よりベストですね。 先程の例に合わせると「不動産業を行いたい」→「不動産会社に努めていた」や「宅地建物取引士取得」があると、事業に対する意欲、能力について実績をアピールすることができます。 略歴と言っても、必ずしも出身高校・大学などを書く必要はありません。あなたの事業に直接関係するものを記入できていれば良いでしょう。

3.取扱商品・サービス

取扱商品・サービスでは、ズバリあなたが”誰に””何を”売って売り上げを作るのかを記載します。 ポイントとなるのは、「数字」と「独自性」です。 飲食店の例をあげて考えてみましょう。
例) ①100種類のオリジナルビュッフェ(夜限定)@5,000円 ②スペシャルランチセット(昼限定) @3,000円 ③お土産用セット @1,000円~@5,000円
上記のように料金単価を入れることで、売り上げ計画の裏付けにもなり、説得力が増します。商品やサービスに独自性(セールスポイント)を入れることで、戦略が融資担当者に伝わりやすくなります。 加えて、見込み客があるようでしたら、必ず記載をしておきましょう。この後の「事業の見通し」欄の裏付けにも繋がります。

4.取引先、取り引き関係等

事業における重要な販売先、仕入れ先を記載する箇所になります。重要なポイントとなるのは「具体性」です。 創業当初は信用も少なく、取引先の記入には苦労するかもしれません。 そのため具体的に書けば書くほどプラス材料になる、ということです。 融資担当者の目線に立ってみれば、具体的に仕入れ先・販売先が明記されていて、支払いの条件も整っている。 あとは動かしていくだけの状況が分かれば、高評価につながることは容易に想像できますよね。 ただ創業当初は、販売先・仕入れ先等、具体的に決まってないケースも多いと思いますので、具体名を書くのが難しい場合は、個人や法人と書きましょう(見込み先も可)。 具体的に内容を埋めていくためにも、「取引先との契約条件を整えておくこと」「契約書や発注書など書類を整えて、証拠を作っておくこと」は心がけておきましょう。

5.従業員

創業にあたり、現在の従業員数を記載していく欄になります。※印にもありますように、3カ月以上継続して雇用する予定があれば合わせて記載してきます。 この後「8.事業の見通し」で人件費を記載する箇所がありますので、整合性が取れている必要があります。

6.借入の状況

続いて借り入れの状況欄についてです。ここでは書き漏れに注意が必要です。というのも、創業融資に限らず、融資では信用情報機関への問い合わせが行われるケースがあります。 この問い合わせで、現在あなたには借り入れがどこから、いくらあるのかが分かってしまいます。審査を有利にしようと安易に考えて、隠すことは絶対にやめましょう。 あなた自身が借り入れについて、把握しきれていない場合は、信用情報機関(CICやJICC)に問い合わせてみましょう。利用手数料1,000円で情報を取得することができます。 「携帯代を割賦で購入していて、支払いが遅れていた」など、自分でも状況を把握していないといったケースがよく見受けられます。一度調べておいて損はないでしょう。

7.必要な資金と調達方法

こちらの欄は、「設備資金」「運転資金」「調達方法」の3つを記載していきます。特に重要な項目ですので、しっかりと確認してください。 「設備資金」では、事務所費用や内装費など事業を始めるのに必要な設備を記入していきます。賃貸の敷金や、パソコン、ソフトウエアなども該当します。 「運転資金」は、設備投資以外の費用が該当します。人件費や仕入れ費用など事業運営のために必要な経費を記載していきます。おおよそ3カ月〜4カ月程度の経費を記載していくとよいでしょう。 設備資金も運転資金も、適切な金額を入れていくために、見積書をもらって証拠を取っておきましょう。融資担当者もそれぞれ相場は知っていますので、不適当な金額を入れてしまうと悪印象につながります。 次に資金の調達方法です。ここで注意するのは(調達資金=設備資金+運転資金)になるようにすることです。つまり、「事業をするのに、自己資金だけでは足りないのでこれだけ貸してください」という表になるわけです。 ちなみに、日本政策金融公庫の新創業融資制度では、自己資金は融資額の1/10以上保有していなければなりませんので注意してください。 特に一時的に口座にお金を入れておくという、いわゆる「見せ金」は絶対に行わないようにしましょう。 実際に見せ金でなんとかならないかと相談される方がいらっしゃいますが、通帳の6カ月ほど前分はチェックの対象となります。確実にバレてしまいますので、やめましょう。

8.事業の見通し

最後に事業の見通しについてです。こちらも重要な欄になります。特に事業の見通しについては上記の欄だけでは不十分です。必ず別途資料を用意するようにしましょう。それだけ重要な項目である、ということをご理解ください。 ここで作成するのは、1年分の「売り上げ計画」「費用予測」になります。 ポイントになるのは、「実現可能で、客観的な数字」であること。 売り上げ計画の場合、例えば、飲食店の売り上げ予測であれば、座席数と回転数、平均単価があれば1日の売り上げが測定できます。これに営業日数をかければ、売り上げ予測が立てられます。
売り上げ予測 例) 10席×5回転×1,000円(平均単価)=5万円
参考にする数字には、業界平均値を使用していきましょう。日本政策金融公庫のホームページに掲載されていますので、ご参考までに活用いただければと思います。 日本政策金融公庫|国民生活事業 そして最後に利益となる部分です。この利益となる部分が、毎月の返済額を下回っていると融資を受けることはできません。 その他、納税資金や個人の場合にはご自身の生活費も考慮した上で「無理なく返済ができる計画ですよ」ということを示していきましょう。

まとめ

今回は日本政策金融公庫の創業計画書を例に取り上げて、書き方・ポイントについて順序立てて解説してきました。 商品やサービスの説明、事業の見通しについては、創業計画書のフォーマットのみで伝えきるのはなかなか難しいのではないかと思います。必ず別途資料を作成しましょう。 これまで紹介してきたように、創業計画書はいかに「自分の事業を相手に理解してもらえるか」がとても重要になります。 様々な資料や情報、数字を使うため、煩雑で面倒に感じられる方も多いかもしれませんが、全ては自分の事業を応援してもらうための準備です。根気よくがんばっていきましょう。
<プロフィール> 齋藤雄史さん 税理士/公認会計士 宮城県仙台市出身。 高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。 合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。 法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。 ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

2018年12月28日

はじめまして。 神奈川県で税理士業を営んでいる高橋昌也です。 今回はご縁を頂き、独立開業に関するお話をお伝えさせていただくこととなりました。 まず簡単に私のプロフィールを。 2006年に税理士試験に合格し、2007年2月に税理士登録、直後から税理士事務所を開業しました。 税理士という資格者ではありますが、開業当初から「仕事はどうやって取れば…」「効率的に作業を進めるには…」「雇用はどうしよう…」と必死に悩んできた、1人の事業経営者でもあります。 加えて、仕事上多くの独立開業者とお話をしてきました。 守秘義務もあるので詳細は伏せながらですが、多くの皆さんらお聞きしてきたさまざまなお話と、私自身が体験してきた「独立開業者のあり方」についてご紹介をさせていただきます。 (さらに…)

2018年12月21日

「起業したいけど、お金をどうやって準備したらよいのか」 「起業するには、いったいいくら必要なのか」 独立・起業に関して考えるべきポイントはいくつかありますが、1番頭を抱えるのはやはり「お金」に関する悩みではないでしょうか。 前回からスタートした「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 このシリーズでは、前回アントレ STYLE MAGAZINEに登場していただいた税理士の齋藤雄史先生にお金という側面から、起業に必要な知識を解説していただきます。 第2回は、起業時におすすめの資金調達方法について解説していただきました。 これを知っているか知らないかで、事業拡大に大きな差が生まれるようです。 「自分(自社)に最適な資金調達方法ってなんだろう? そもそもどんな資金調達方法があるのだろう?」と考えている方は、ぜひ御覧ください!
税理士が教えるお金と起業シリーズ、第1弾記事はコチラから! お金がなくても起業できる? 起業に必要な3つの知識【税理士が教えるお金と起業①】

起業してすぐの資金調達方法なら「日本政策金融公庫」一択!

税理士の仕事をしていて、お客さまから受ける相談の中でダントツに多いのが、創業時における資金調達に関する相談です。 創業時は事業をした経験も実績もない上に、資金調達した経験もないという方がほとんどです。今では上場している会社を経営している社長でも、創業時は「資金調達で苦労した」というお話もよく耳にします。 「資金調達」と一口でいっても、その方法はいくつもあります。 例えば、銀行での融資や会社からの投資といった出資。また国が行っている、補助金・助成金も広い意味で資金調達といっても良いでしょう。 自分の貯金(ポケットマネー)でと考えている方も多いかもしれませんが、借り入れや出資などをうまく使って資金を調達することで、早い段階で事業を拡大できるかもしれません。 また事業開始時は予定外の出費が増えたり、売り上げが順調に伸びなかったりといったトラブルもよくあります。 そんなときに手元に資金がないと、事業はあっという間に成り立たなくなってしまいます。 もしもの時のために、ある程度の資金を備えておくことが重要です。 では、起業直後におすすめする資金調達方法は何か。 私が多くの方におすすめしているのが「日本政策金融公庫」からの融資です。

日本政策金融公庫だからできること。税理士が太鼓判を押す、3つの理由

日本政策金融公庫とは、国の政策のもと民間金融機関の補完を目的とし、社会のニーズに対応して政策金融を機動的に実施する、金融機関です。 ここでは、なぜ私が日本政策金融公庫をおすすめしているのか、その理由を列挙していきます。

①他金融機関と比べて、融資を受けやすい

正直ここに尽きます。 起業したばかりで、会社(や個人)そのものに信用力があまりない場合、他の金融機関では融資が難しい場合でも、日本政策金融公庫でなら積極的に支援してもらえます。(もちろん、信用に足る事業なのか審査はありますが) 日本政策金融公庫でしかないような、魅力的な制度も多数あります。例えば「新創業融資制度」。これは新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方に、無担保・無保証人で利用できる制度です。 政府系金融機関だからこそできる施策ですね。

②長期借り入れや資金計画を立てられる

資金調達方法を選ぶコツは「調達までの期間」「難易度」「調達コスト」「返済の有無」「有の場合は返済期間」という5つの基準を元に考えていきます。 「難易度」に関しては①で紹介したとおりですが、日本政策金融公庫は低金利で貸し出ししてくれますので「調達コスト」も優れています。 また「返済の有無」「有の場合は返済期間」に関しては、融資なので返済しなければなりませんが、長期返済も可能ですので長期的な資金計画が立てられます。 ちなみに「調達までの期間」は、申込みから約1ヵ月程度です。即日融資などはされませんので、ご注意ください。

③事業計画書を、プロの目線で客観的に見てもらえる

事業計画書の作り方を相談することもできます。しかも数多くの事業計画書を見てきたプロに、直接アドバイスもいただけます。 これは融資を受けるための相談ではありますが、自分の立てた事業計画を客観的に評価してもらえる機会でもあります。 事業計画が優れているなら審査も通りやすくなりますし、逆に見通しが甘いなら指摘を受けて再考できる。融資を受ける受けない以前に、事業を軌道に乗せるためのアドバイスが受けられるのはとても貴重な機会です。 以上の理由から、私は日本政策金融公庫からの融資を受けることをおすすめしています。 ここで資金調達のノウハウや実績、返済を通して信用を積み上げてから、他の手段で資金調達し、さらに事業を大きく成長させた方は多くいらっしゃいます。 また融資の申し込みにおいて事業計画書の作成や、公庫の面談等を通じて事業のプレゼン力が格段に上がるでしょう。 そして借り入れしたことにより、良い意味で緊張感をもって事業を取り組むことができます。 起業後にはぜひ日本政策金融公庫からの融資を検討するとよいと思います。融資を受けるか迷っている方は、ぜひ最寄りの支店に一度足を運んでみてください。

事業計画書、自己資金、そして事業への熱意を伝える。融資を成功させるための秘訣

融資を受けるためには、日本政策金融公庫の所定の審査があります。それは書類による審査や、面談です。 いずれも、しっかり審査のポイントを確認し、準備することが大切です。日本政策金融公庫の融資を成功させるためには、以下にあげる3つのポイントがあります。

①事業計画書(創業計画書)を作りこむ

日本政策公庫で融資を受けるにあたり、必須となる書類の1つが事業計画書(創業計画書)です。 事業計画書には、事業を行う代表者や会社の経歴、取引先、人員計画、資金計画、収支見込といった項目で構成されます。 ちょうど転職活動における採用面接の、履歴書に近いものと考えるとよいでしょう。 あなたの事業計画書は、審査においても重要な判断材料の1つになることは間違いありません。 とはいえいきなり「事業計画書を作る」といっても、記入方法や記載するべきポイントは分からないものです。 融資担当者が事業計画書の何を見ているのか、そのポイントについては次回詳しくお伝えすることにしますね。

②自己資金を貯める

自己資金とは、事業を立ち上げる人が借り入れ以外に自分で用意した資金のことを言います。 借り入れの審査では必要な資金全体のうち、自己資金をどれだけ用意したか、という「自己資金割合」が重要な指標となります。 起業に向けて資金をコツコツ貯めたのであれば自己資金の割合が大きくなり、それだけ事業に対して本気であるということをアピールする材料となるのです。 ちなみに審査では、資金を貯めてある通帳の原本を確認されますので、見せ金は通用しません。ご注意ください。

③事業への熱意・情熱を伝える

最後は、事業への熱意・情熱です。 日本政策金融公庫の審査には面談があります。事業計画書など、書面では表すことのできない事業への熱い想いを、融資担当者へアピールする場とも言えます。 融資担当者とはいえ、相手は人間です。熱意や志を持って事業を立ち上げようと思っている人は、それだけで応援したくなるものです。 私も多くの方の融資サポートをしてきましたが、熱意と情熱がある方はやはり心から応援したくなりますね。 以上が、日本政策金融公庫で融資を受けるためのポイントになります。 次回は「事業計画書」について詳しく解説していきますので、楽しみにしていてください。
<プロフィール> 齋藤雄史さん 税理士/公認会計士 宮城県仙台市出身。 高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。 合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。 法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。 ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

2018年11月27日

「起業したいけど、何から手をつけていいか分からない…」 「起業するには、いったいいくら必要なの?」 独立・起業に関してさまざまな悩みがありますが、1番頭を抱えるのはやっぱり「お金」に関する悩みではないでしょうか。 今回からスタートする「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。 (さらに…)

2018年10月16日

会社を回しているのは社長だけではありません。特に規模が大きくなってくると取締役や執行役員など、様々な形で会社の一端を担っている役員が生まれてきます。当然、責任も大きいため、役員報酬という形で対価が支払われていますが、この役員報酬はどのように決めるのが良いのでしょうか。ここでは役員報酬の決め方をご紹介していきます。 (さらに…)
事業を始める上で必ず必要になる、お金。 特に融資を受けた「借金」ともなると、上手に付き合っていけるかどうか、不安ですよね。 今回お話を伺ったのは、税理士・公認会計士である、齋藤雄史さん。 齋藤さんは20代〜30代をはじめとする、多くの若手起業家をお金の管理・使い方という側面からサポートされています。 今回は、齋藤さんが税理士事務所を開業するに至るまでの経歴から、お金、中でも「借金」との付き合い方についてお聞きしました。
<プロフィール> 齋藤雄史さん 税理士/公認会計士 宮城県仙台市出身。 高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。 合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。 法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。 ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

お金が足枷になって、挑戦できない人を減らしたい。税理士事務所を開業したワケ

―これまでの経緯を教えてください。
齋藤さん 高校時代はコンビニでアルバイトをしていました。 当時はコンビニの店長になりたいと思っていたので、簿記の勉強を始めたのがきっかけです。 ところが高校を卒業する時、家庭の事情で大学への進学が厳しくなってしまいました。 そこで一旦就職をしてお金を貯めてから大学へ行こうと思いました。
―どんなお仕事をされていたのですか?
齋藤さん 地元の仙台から上京して、新聞配達の仕事を始めました。 1年で100万円ほど貯金してそのお金を元手に、地元仙台の税理士・公認会計士の専門学校に入学しました。
―なぜ税理士・公認会計士の専門学校だったのですか?
齋藤さん 私はこれまで、お金によってキャリアの選択肢が狭められてきたからです。 お金をもっと自由に扱うことができたら、と思い勉強を始めました。 そして専門学校に入学して数年が経ち、公認会計士の試験に合格した年に東日本大震災が起こりました。
―仙台で震災に遭われたんですか、それはとても大変でしたね…。
齋藤さん はい。地元仙台をはじめ、東北地方全体でとても大変な状況でした。その経験から「復興関係の仕事がしたい」と思うようになり、監査法人に就職し、3年ほど働きました。
―具体的にはどのようなお仕事をされていたんですか?
齋藤さん 主に国や地方公共団体、上場企業の監査を担当していました。 しかし、国や上場企業など、大きな組織を相手にするのではなく、お金に困っている人、特に若い起業家や、中小企業やベンチャー企業のサポートがしたいと思うようになりました。
―なぜでしょうか?
齋藤さん 自分自身が、お金に困った経験がありましたし、自分の親も小さな飲食店を経営し、お金に苦しんでいた様子を近くで見ていたからです。 だから、お金が原因で選択肢が狭められている人の助けになる仕事をしたかったのです。 よりお客さまに近い距離で仕事をするために監査法人を退職し、税理士・公認会計士の事務所を開くことにしました。

自分に自信をつける。税理士が語る、「借金」との上手な付き合い方

―税理士事務所を開業された齋藤さん。現在のお仕事について教えてください。
齋藤さん 仕事の内容は、税理士事務所と変わりません。 ですが私の事務所では、主に中小企業やベンチャー企業、個人事業主を中心にお取り引きさせて頂いております。 特に20代から30代の若い経営者の方と、一緒にお仕事をさせていただくことが多いですね。 最近は年に一度の確定申告や、話題の副業に関する税金のご相談も増えてきました。
―20代30代の方を中心に、お仕事をされている税理士の方は珍しいのではないですか?
齋藤さん そうですね。業界的にも非常に珍しい立ち位置だと思います。 一般的に税金、税理士と聞くと「なんか相談しづらい」「ちょっと怖い」というイメージがあると思っています。 まだ僕自身が若いからこそ、若い人や起業に挑戦したい人が、気軽に相談できる環境を作ることができる。 そう信じて、お金が不安で1歩を踏み出せない人をサポートしています。
―そんな齋藤さんに伺いたいのですが、初めて起業をされる方は特に、お金との付き合い方について困ることが多いと思います。上手にお金と付き合っていくためにはどうすれば良いのでしょうか?
齋藤さん お金、特に「借金は怖い」という認識は、多くの起業を志す方にとって共通する認識だと思います。 僕がこれまで見てきた、自分で会社を立ち上げて会社を大きくしていった人たちに共通するのは「借金を上手に使っている」ということです。 「どれくらい借金をして、どのタイミングでどう返済するか」をきちんと計画立てて、実行できている人は、事業を成功させているケースがとても多いです。
―事業を大きくするためには、借金や借金をすることのプレッシャーを、上手く飼いならす必要があるということですね。
齋藤さん はい。 そしてそのスキルを身につけるためには、小さな成功体験を積み重ねることが極めて重要です。 例えば僕の場合、現在税理士と公認会計士の資格を持っていますが、それも簿記検定3級の受験から始まっています。 いきなり税理士や公認会計士の試験を受けたわけではありません。 簿記検定3級から始まり、2級、1級と段階を踏んで勉強してきました。 つまり全ては、小さなことの積み重ねなのです。
―それは事業やそれに伴う借金に関しても同じことが言える、ということでしょうか?
齋藤さん 全くその通りです。 いきなり何の経験もなく事業を立ち上げて、成功する人はごく一部でしょう。 例えば今会社員であるのならば、副業など経験を積み、事業がどのように動いていくのかを勉強しても良いのではないでしょうか。 できる限り小さいことから始めて、ある程度うまく回せるようになれば、自然と自分に自信がついていきます。 お金との付き合い方もまさに同じことで、これまでの事業の経験を活かして「何をするためにどれくらいお金が必要なのか」、そして「借りたお金をどうやって返済するのか」まできちんと見えていれば、自ずと自信が湧いてくると思います。

今の延長線上に、将来がある。お金で可能性を狭めない世界を創るために

―齋藤さんの今後の展望を教えてください。
齋藤さん 挑戦したい人が挑戦しやすい世の中、お金が挑戦の足枷にならない世界を創っていきたいです。 そのために、いま目の前にある仕事に一生懸命になることはもちろん、税理士・公認会計士の枠にとらわれず様々なことに挑戦していきたいと思っています。 具体的には現在ロースクールに通っており、弁護士免許を取得するための勉強をしています。 お金や法律といった様々な切り口から、はじめの1歩を踏み出す人のお手伝いができたらと思っています。
―最後に独立・起業を考えている方に対して何かメッセージをいただけますか?
齋藤さん 小さなことでもいいので、自分に自信をつけていくことが大切だと思っています。 先程お金との付き合い方でもお話しましたが、良い経営者は自分に自信があるケースが多いです。そしてその自信を裏付ける、数多くの経験をしています。 いきなり別世界に行くことは難しいかもしれませんが、小さなことからコツコツと経験を積み重ねることで、いつか必ず大きくジャンプすることができます。 結局、今の延長線上にしか将来はないのです。 自らの独立・起業に必要な経験を増やしていくことから、始めて見ると良いのではないでしょうか。
起業や開業のノウハウ記事はよく見かけますが、その逆の会社をたたむ際の倒産や譲渡、整理の情報はあまり多くありません。しかし、起業時に気になるのは、こういった実情ではないでしょうか。 「会社を潰すことになった場合、タイミングをどう見極めればいいのか?」 「再起不能にならず、再起をかけるために決してやってはいけないことは?」 ということについて、シリアルアントレプレナーのTさんにお話を伺いました。Tさんは40代(男性)で現在も会社経営者。新卒で入った会社を3カ月で辞め、これまで7社の会社を立ち上げたり閉じたりしてきた方です。 (さらに…)
人事・総務部門の担当者がもっとも接する士業は、税理士と社会保険労務士(以下、社労士)ではないでしょうか。たとえば、年末調整は税務にかかわるため、本来なら税理士が担うべき職務です。 しかし、2016年ごろまでは社労士がこの業務を請け負っていたこともあり、それぞれの職務領域が重なっている部分もあります。ここでは、税理士と社労士、それぞれの職務領域について確認していきましょう。 (さらに…)
これから独立開業する方に向けて、税金面で気を付けることについてプライムファイナンシャルパートナーズ会計事務所の菅 彰裕さんにお話を伺いました。菅さんは世界4大国際会計事務所のメンバーファームの1つであるPwC税理士法人を経て独立開業された税理士さんです。非上場企業から上場企業まで、幅広いクライアントの業務を担っている菅さんだからこそ知りうる税金の話をたっぷりお伝えします! (さらに…)
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