カテゴリー

Line

「まだ定年まで2年ある」と思って甘えている部分も…。年間密着取材Ⅱ~林原さん編第5回~

「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズン。開業までのプロセスや想いを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリー。
前回、若いころから親しんでいたリバーカヤックやカヌー関連のアウトドアショップへの興味を示した林原さん。単なるショップ経営だけではなく、カヤックスクールとの連動や、カヤック好きがコミュニケーションできる場所の提供など、夢は大きく広がっていましたが、進捗はあったのでしょうか…。

林原雄大(仮名)さんプロフィール
大学卒業後、車・旅行ガイドなどを刊行する出版社に入社。現在57歳で、2年後に定年を迎えるが、2人のこどもがまだ中学生なので、現在勤務している会社の嘱託などを視野に入れつつも、起業を優先に検討。当初、カーリペアのフランチャイズを検討していたが、お父さまが経営していた表装業や、趣味だったカヤックを取り扱うアウトドアショップの検討も開始。

――カヤックの老舗メーカーがアウトドアショップ経営へのアドバイスをされているとおっしゃっていましたが、問い合わせはしてみたのでしょうか?

大阪に古くからあるカヤックのメーカーがあって、そこが主催のスクールで以前、ボランティアのコーチをしていたのです。社長さんとも面識があったので、私の中にある構想をメールで問い合わせてみました。

hayashibara

――具体的にはどんな内容のメールを送ったのでしょうか?

カヤック好きが集まるような場、例えば喫茶店みたいな機能を兼ねたアウトドアショップはどうなんだろうという内容です。

hayashibara

――返信はあったのでしょうか?

まだレスポンスはないです。

hayashibara

――まずは回答次第だと思いますが、アウトドアショップの現状について教えていただけませんか?

メールを送ったのは大阪のメーカーなのですが、以前は関東にも直営の販売店を持っていたのです。いまは撤退してしまっているんですね。業界的にも、大手だとモンベルさん、あとは都内にカヌーショップが1、2店舗あるぐらいですね。

hayashibara

――カーリペアの独立を考えているときも市場が気になるとお話されていましたが、林原さん自身は、カヤックやカヌーの市場をどうお考えなのでしょうか?

具体的に調べたわけではありませんが、リオオリンピックで羽根田卓也選手がカヌーで銅メダルをとりましたよね。でも、カヤックやカヌーを楽しむ人が増えたという印象はないですね。

hayashibara

――単純な販売ショップでは難しいという印象ですか?

そうですね。複合型じゃないと厳しいと思います。スクールと連動したり、喫茶店でコミュニティーを作ってもらえる場にして、それに付随してグッズや商品を買ってもらうみたいな広がりですね。

hayashibara

――そうした複合的な形だと開業のイメージはわくのでしょうか?

いまの若い子は競技としてではなく、例えば旅行先でのレジャーの1つとしてカヌーをやるという接し方だと思うんです。そういう人の窓口となって、面白さを知ってもらい、最終的には商品につなげていったりするのがいいのかなって思っています。

hayashibara

――旅行会社と組んで、カヌースクールの代理店みたいなやり方もあるのでしょうか?

そうですね、そういう発想もあると思います。

hayashibara

――メーカーの問い合わせ以外に具体的に何かアウトドアショップに向けて行動されていることはありますか?

いえ、まだ全然です。

hayashibara

――先が見えていない部分があると、具体的に行動に移すのは難しいですか?

そうですね。定年までまだ2年あるというのが、気持ちのどこかにあるんです。そこに甘えちゃっている部分も否定できません。

hayashibara

――お話を聞いていると、アウトドアショップについて語っている林原さんは生き生きしているように見えますが。

もともと20代のときから自然に関わる仕事をしてみたいという思いがあったので、いろいろ考えていても楽しいですね。

hayashibara

――では、お気持ちはアウトドアショップでの独立開業で固まってきた感じですか?

実はカーリペアの方も、以前問い合わせをしていたフランチャイズに、検討を再開したいとメールをしているんです。

hayashibara

――再開しようと思ったのはなぜですか?

アウトドアショップの話は、ある意味まだ見えてこない部分が多いですし、先ほど話したような広がりだと、かなり壮大な感じになってくると思うんです。カーリペアの方は、業界的にもなじみはありますし、フランチャイズの方が話も進みやすいですからね。

hayashibara

――具体的にはどんなメールを?

業界の将来性について、しっかり話してほしいと問い合わせしました。フランチャイズがこうした部分に対してどういった回答をしてくるかしっかり確認したいと思います。

hayashibara

――現状、いくつか選択肢を持っていらっしゃいますが、ご自身の中ではどのような気持ちの配分なのでしょうか?

アウトドアショップ40%、カーリペア40%、表装業20%ぐらいです。

hayashibara

――絞りきれていないということは、まだご家族にお話しするタイミングではないと?

そうですね。方向性を決めてからですね。

hayashibara

――早く前に進めるといいですね。

はい。でも、こうした定期取材を受けることによってお尻を叩いていただけているのかなと思っています。

hayashibara

次回の更新は、2017年4月21日(金)予定。お楽しみに!

更新日:2017/4/14
文:磯部正和 撮影:吉原朱美 撮影協力:STORY STORY




アンケートにご協力ください

以下の項目に当てはまるものにチェックを入れ、「送信する」ボタンをクリックしてください。







この記事が気に入ったらいいね!しよう。

最新記事をお届けします

おすすめの最新記事

福岡県直方(のおがた)市。

豊かな自然に囲まれた、川沿いにあるこの場所に、行列のできる食パン専門店があります。

そのお店の名前は「一本堂 直方店」。そしてそこのオーナーを務めるのが、山口勲さんです。

かつては大手メーカーで半導体の製作をしていた山口さんは、2年前に独立。今では毎日行列のできる食パン専門店「一本堂 直方店」の経営者を務めています。

食パン専門店という全くの異業種。山口さんが独立したワケをお聞きしました。

<プロフィール>
山口勲さん
焼きたて食パン一本堂 直方(のおがた)店オーナー

福岡県出身。
大手メーカーに就職し、半導体部門に配属される。

22年間勤めた後、41歳で早期退職者募集に応じて退社。

退職金を資金に、住まいがある直方で「一本堂直方店」をオープンする。

22年間、「辞めたい」が口ぐせだった―。義父に憧れて選んだ、独立という道

―山口さんのご経歴を教えてください。

山口さん
高校を卒業してすぐに、大手のメーカーに就職しました。

その後半導体を作る部署に異動して、現場での仕事や管理職、海外勤務などを経験し、22年ほどその会社に勤めていました。

―22年も勤続されていたということは、前職の仕事がお好きだったのでしょうか?

山口さん
いえ、決してそうではありませんでした。

やはり組織である以上、避けられない人間関係の問題には常に頭を抱えていましたし。いつもどこかにストレスを感じていたんです。

家に帰っても会社の愚痴ばかり…(笑)。「会社を辞めたい」が口ぐせになって、毎日を過ごしていました。

―でも22年も辞めなかったんですよね? なぜでしょう?

山口さん
職種や勤務地がちょこちょこ変わったりして、何年かの周期で目新しさがあったんです。

新しい場所で仕事を覚えて、ある程度できるようになったらまたジョブチェンジ、というサイクルを繰り返して、気づいたら22年も経っていました。

あと正直、給料が良かったですし(笑)。

―そんな山口さんの背中を、何が押したのでしょう?

山口さん
妻のお父さん、私の義理の父の存在ですね。

お義父さんは、人の悪口を言わないんですよ。話していてとても気持ちのいい人なんです。誰にでも愛情を持って接している、というか。

それに対して、私は口を開くと、いつも会社や同僚への悪口ばかりでした。

―それで、お義父さんへの憧れが芽生えたんですね。

山口さん
はい。「どうしたらお義父さんみたいな人になれるんだろう?」といつしか真剣に考えるようになりました。

そこで出た答えが、経営者になることでした。

お義父さんは、小さな会社を経営していました。

なんでも前のめりになって、自ら仕事を作っていく経営者としてのスタイルが、お義父さんの人間性を形成しているのではないかなと思ったんです。

そこで2年前、勤めていた会社で早期退職者の募集が始まった時、思い切って会社を辞めることを決意しました。

1番変わったことは、仕事への姿勢。食パン専門店で独立することへの覚悟

―早期退職制度を利用して、22年間勤めていた会社をお辞めになる決意をされた、山口さん。一本堂とは、どのように出会ったのでしょう?

山口さん
私の実父が料理人だったこともあり、飲食店にはずっと興味がありました。

なので、飲食関係の領域を視野に入れて、『アントレ』で独立開業の道を探し始めたんです。

そこでいろいろと検討を重ねる内に、一本堂と出合いました。

― 一本堂の何が山口さんを惹きつけたのでしょうか?

山口さん
食パンの「専門店」というところに興味を持ちました。

どんなに人気のパン屋さんでも、めちゃくちゃ売れて品切れになるのって、いいとこ売り上げ1〜3位のパンだけじゃないですか?

逆に人気店でも、そのお店で有名じゃないパンは、比較的売れ残ってますよね。

なら、たくさんの種類を作るのではなく、あえて「食パン」だけに特化して、圧倒的なクオリティを出して話題になれば、必ず商売ができると思ったんです。

―それで一本堂を選んだ、というわけですね。独立に関して、奥さまはどのような反応をされましたか?

山口さん
最初は大反対されました(笑)。

会社を辞めることには賛成してくれていたんですが、私が「食パン専門店で独立したい」と言い出したら、とても怒られましたね…。

「パン屋の経験も、経営のノウハウもないのに、どうやってやるの? それってほんとにあなたのやりたいことなの?」と、問い詰められました。

―どう説得されたのですか?

山口さん
「お義父さんみたいに、独立して経営者になりたい」こと、「もともと飲食関係の仕事がやりたかった」ことを真摯に伝え続けました。

さらに本部と話し合った収益モデルを妻に見せて、今後もちゃんと継続して収益を出していける見込みがあることも、同時に伝えたんです。

そしてようやく妻に納得してもらい、独立を果たしました。

―独立して、会社員生活から変化したことはなんですか?

山口さん
1番変わったことは、仕事への姿勢ですね。

人から指示されたことをやる、いわゆる「従業員マインド」ではなく、率先して自分から能動的に仕事をするようになりました。

もちろん開業してまだ1年程度なので、接客に店舗マネジメントに、まだまだ課題は山積みなのですが、以前のような愚痴だらけの毎日からは脱することができました。

今はとにかく「お客さまにどうやったら喜んでもらえるか?」を考えて、試行錯誤を繰り返しています。

アナタはどんな仕事がしたくて、どんな人になりたいのか。独立を検討する際に考えるべきポイント

―山口さんのこれからの目標を教えてください。

山口さん
開店から1年が経ち、おかげさまでリピートしてくださるお客さまが増えていて、1人あたりの単価は高くなっています。

しかし一方で、もっとたくさんのお客さまにも足を運んでいただきたいと思っています。

どうやったらご新規のお客さまに来ていただけるか、試行錯誤を繰り返しています。

―これから独立・開業を考えている方へ向けて、異業種から独立を果たした山口さんならではのアドバイスをいただけますか?

山口さん
私は半導体を作る仕事を辞めて、食パン専門店のオーナーになりました。

しかし異業種からでも同業種でも、結局のところ、仕事に対してどれだけ一生懸命になれるかだと思います。

仕事に対して熱意がなければ、経験があろうがなかろうが、独立しても続きません。

異業種か同業種かを気にするよりも「自分がどんな仕事がしたくて、どんな人になりたいのか」の部分がブレていない方が大切です。

もし、独立を考えているのであれば、その部分をもう一度自分に問いただしてみると、良いかもしれません。

2018年2月20日

融資の申請時などに必要となる事業計画書ですが、相手に納得してもらえる事業計画書を作るのはそう簡単ではありません。しかし、この内容次第では事業のサポートを受けられるかどうかが大きく左右される重要なものです。事業計画書の作成に悩んでいる方は今回ご紹介するポイントと注意点を参考にしてみてください。 (さらに…)

2018年2月19日

PLOFILE

松田裕美さん(50歳)

(株)エムズファクトリー/千葉県茂原市
3人のこどもを育てる専業主婦だった頃、手芸教室で出合ったクラフトバンドに感動。2006年4月にクラフトバンドのネット販売を手がけるエムズファクトリーを創業。同時に、手芸を教えたり講師を養成したりするクラフトバンドエコロジー協会も設立。
(さらに…)

2018年2月16日

Line
Line
Line

月間アクセスランキング

カテゴリー

注目のキーワード

アントレnet

独立、開業、起業をご検討のみなさまへ
アントレnetは、これから独立を目指している方に、フランチャイズや代理店の募集情報をはじめ、
さまざまな情報と機会を提供する日本最大級の独立・開業・起業・フランチャイズ・代理店募集情報サイトです。

会員登録はコチラ

アントレnet公式ページ