「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズンがスタート。開業までのプロセスを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリーを公開!
岩手県の保育専門学校を卒業後、すぐに結婚。家事をこなしつつ、ファストフード店やコンピューター関連の仕事に従事。数年後、離婚を機に埼玉県へ移住した。1年ほどファストフード店と服飾店で経理として働いた後、総合病院に就職。9年後に退職し、乳幼児専門の保育園に正社員として就職。3年後、次女の結婚を機に、鎌倉に引っ越し、現在の保育園でも正社員として働いている。55歳。鎌倉市内に1人暮らし。
――保育専門学校を卒業されていますが、いつ頃から保育に興味があったんですか?
確か、東北3県で2名しか受賞していない賞だったと思います。そんな風に評価されることは初めてでしたし、誰かに認められる、誰かに必要とされる喜びのようなものを強く感じました。その後、前から興味のあったコンピューター関連の仕事に就いたのですが、離婚を機に岩手県を離れたんです。
――それで埼玉県に引っ越しをされたんですね。お仕事はどうされましたか?
以前コンピューター関連の仕事をしていたおかげで医療事務のパソコン作業もこなせたんだと思います。病院は内科・小児科・産婦人科のある中規模の総合病院だったのですが、そこで赤ちゃんや小さなこどもたちをみているうちにずっと前からなりたかった保育士の夢が、ふつふつと湧いてきました。
そこでは院長先生をはじめ、一緒に働く方々にも恵まれ、仕事をしながら医療事務の資格をとることができました。本当にお世話になったんです。
――でもやっぱり保育士の仕事をしたいと思って、方向転換したんですね?
そこで長く働くつもりだったのですが、勤めて3年経った頃に、下の娘が結婚することになって、鎌倉に引っ越すって聞いたんです。そしたら私も鎌倉にどうしても住みたくなって…。
――えっ?結婚されるのはお嬢さんですよね?(笑)同居されたんですか?
すぐに仕事を探す必要があったので、派遣会社に登録し、保育士の仕事を見つけました。本当は病児保育に携わりたかったのですが、募集がなかったので、まずは普通の保育の仕事に就きました。派遣社員でしたが気づけば社員と区別なく働いていたので、その対価はいただいた方がいいと思い、半年ほどで正社員になりました。
常々保育園・保育所は、こどもたちが自由に過ごせる、遊べる空間であるべきだと思うのですが、どうしてもマニュアルや枠のようなものがあって…。それって本当にこどものためにいいのかな…と、だんだん疑問を感じ始めました。
――それが独立のきっかけなんですね?
普通にお子さんを預かるという形はもちろんなんですが、鎌倉という場所柄、観光客の方もたくさんいます。そんな時、数時間だけでもお子さんを預かってあげられれば、大人は大人だけの時間を過ごせるのではないかと思いました。そういう新しいスタイルの保育所を提案していきたいと考えています。
――開業に向けていろいろ作業は進めているんですか?
当面は、鎌倉に住む下の娘と協力して始めていきたいと思っています。今の心配ごとといえば、予算のこと。実は気持ちが先走っていたので、あんまりお金のことを考えていなくて…。貯金通帳をじっくり見なくてはと思っているところです。
次回の更新は、2017年1月20日(金)お楽しみに!
更新日:2016/12/23文:堀家かよ 撮影:吉原朱美
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