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【イベントレポート】地方にチューニングした事業で圧倒的な存在感を出せ!実業家 堀江貴文氏

【イベントレポート】地方にチューニングした事業で圧倒的な存在感を出せ!実業家 堀江貴文氏

8月18日に開催された「アントレフェア」では、実業家の堀江貴文氏が講演を行いました。会場は立ち見も出るなど来場者たちの熱気にあふれ、堀江氏のトークも盛り上がりを見せました。トークテーマは「地方にチューニングした事業で圧倒的な存在感を出せ!」で、地方に特化したビジネス戦略の重要性と、独自の価値を生み出す方法について解説しています。その内容をダイジェストでお届けします。

情報が民主化し、誰もがあらゆるものにアクセスできる時代に

よろしくお願いします。ここにいらしている方は、起業したい方が多いんですよね。今日は僕の方から、そのために必要な「考え方のフレームワーク」のようなものをお話しできればと思っています。

僕の場合、物事を考えたり、何か仕事をしようと思った時には、歴史だったり、世の中を取り巻く環境なんかに目を向けるんです。そういう視点で今を見てみると、すごく感じるのが「情報が民主化されている」ということです。「情報の民主化」というのは、「誰もがあらゆる情報に触れることができる状態」のことで、今って、その気になれば何だって探してアクセスできると思うんです。

かつて、スマホやSNS、インターネットなんかが普及していなかった時代には、それがすごく難しかったですよね。だからみんな大学に入ったりして、自分から学んだり情報を取りにいったりしていたと思うんです。

でも当時、僕が大学に入って感じたのは、「なんか変だな」という気持ちでした。少人数の講義ももちろんあるけど、いわゆる1000人くらいの生徒相手に行うマスプロ講義だと、ただ先生が著書の内容をしゃべっているだけ、みたいな感じで。そんなの意味ないじゃん、自分で本を読めばいい、って思ったんですよね。

それから考えてみたら、今だと、例えば僕の知人の批評家は自分でメディアをやって分析したことを配信しているんです。僕もオンラインサロンをやっていますが、興味がある人や支持する人が集まってきて、それに課金するみたいなコミュニティができているわけです。だから、大学なんか必要ないんですよね。情報が民主化している多様性のある社会においては、多様性のある人がSNSによってマッチングされている。情報の取り方が、変わってきているんですよ。

これからは「フットワークの軽さ」が差になってくる

先日たまたま、京都の福知山にあるレストランに行ったんです。山の中にあるお店で、バトラーの両親と、高校生くらいの3兄弟が包丁をふるっていました。すごく美味しい料理をいただいたんですが、その美味しさの源泉にあるのが彼らの「探究心」なんです。

一人は和包丁のマニアで、砥石にも徹底的にこだわっている。ちょっとマニアックなんですが、天然物で珍しい砥石を使っていて、それで研いだ包丁で切ったキュウリをいただいたのですが、切り口の表面がツルツルなんです。食べたことがない舌触りで、びっくりしました。

兄弟のうちのもう一人は米とぎの名人で、炊飯に全てをかけているような人。同じお米のはずなのに、炊き方で米粒の立ち方が全然違うんです。これもすごかった。

突然なんでこんな話をしたかというと、皆さん今の話を聞いて興味を持ったら、すぐに行けるじゃないですか。別に何十万円もする高級レストランではないので、自分で調べて、普通に予約を取ればいいわけです。京都まで新幹線に乗って、そこから福知山線に乗れば、東京からだって4時間弱。すぐに行けるじゃないですか。

これが20年前だったら「知る人ぞ知るレストラン」で、それを皆さんにお伝えするすべもなかなかなかったかもしれませんが、今なら、その“極めた彼ら”に対してアクセスすることはいくらでも可能です。

そう考えたら、今この話を聞いて「じゃあ行ってみよう」と思わない人って、起業してもやっぱりうまくいかないんです。つまり、これからの行動を変えるのは、そういう「フットワークの軽さ」なんですよ。間違いなくそこが差になってくると思っています。

これまでは、「勉強をどれだけやったか」「どれだけ人脈があるか」みたいなことが重視されていたのだとしたら、今はそれはリセットされていると思うんですよ。フットワーク軽く、ダメ元でいろんなことにチャレンジする人が得をする時代になってきたんです。

最近聞いた話で印象に残っているのが、スティーブ・ジョブズの高校生の時のエピソード。何か新しいデバイスを作りたかったけど、部品が手に入らずに困っていたんだそうです。そこで彼は電話帳で調べて、会ったこともないその町の有力な会社の経営者に電話をし、「おたくの工場にこの部品が余っていたらもらえませんか?」とお願いしたんだそうです。無事にもらうことができ、それでジョブズはデバイスを完成させたっていうね。

ほとんどの人は、そもそも断られるのを恐れてまず頼まないんです。断られたら「俺のことを嫌だと思ってるんじゃないか?」とネガティブに考えて、否定されたような気分になる。だから「いいよ」と言ってくれる人にしか頼まなくなる。でもそんなのは自分の思い込みで、どんどん頼んだらいいんですよね。

なぜ、別府温泉で音楽フェスをやるのか?

僕も何かにチャレンジしようと思って、9月に別府温泉でフェスをやろうと思って進めているんです。別府湾に臨む美しいビーチで、約1000トンのお湯と音楽を浴びながら楽しむ大型フェス。

関東にいる人で別府に行ったことがない人は多いかもしれません。でも九州出身の僕にとっては、大分の別府というのはやっぱりすごいところなんです。ローカルで小さな町だけど、世界一温泉が湧き出している。あまりにも大量に湧き出るもんだから、捨てるお湯も出てくるわけで、だったらそれをリサイクルしてぶっかけて楽しむ音楽フェスを考えました。

ただ、別府に人を集めるっていうのはものすごく大変です。途中何度も「なんで俺こんなことをやっているんだろう」とか「俺がやる必要があるのか?」なんて思ったりもしました。でも、スポンサーを集めたり、早割などいろんな種類のチケットを考えたり、現地の人にも来て欲しいのでPRのためにテレビやラジオなどのメディアに出たりして、とにかくたくさんの人に来てほしいなって思って頑張ってやっているんです。

最近ご無沙汰しているような人にも久しぶりに連絡してお願いするわけですが、「スポンサーやりますよ」なんて言ってもらえたりね。お願いしてよかったな、諦めないでよかったな、なんて思うわけです。

大変だけど、これをやっていることで自分の跳べるハードルがどんどん高くなっているような感じになっているんです。そして、ここで得られたノウハウって、実は他の全ての仕事にも役立つんですよ。集めたお金をどう生かすかを考えたり、そのためにいろんな数字を見て考えたり、営業活動をしたり。だから、あらゆることにおいて、全ての可能性を諦めないことが大事なんだなって思っているんです。

思いついたらすぐに行動。ダメなら次に行けばいい

普通、いろんなことを思いついた時に、「その中のどれをやるか」を考えると思います。例えば100個思いついたらまず80個くらいは除いて、20個くらいにする。20個できればいい方かな、実際のところ、時間も足りないから効果があるか判断して、5個とか10個くらいしかやらないことが多いんですよね。

でも僕は、とりあえず思いついたことは全部やろうとするんです。全部やるには時間が足りないから、じゃあどうやって時間を作るか、何を誰にお願いすればいいか、といった工夫できることを考えるんです。

最近は、LINEでグループを作れば連絡も効率よくできるし、どこにいてもオンラインで簡単にミーティングができる時代になりました。いろんなことがすごく早くなっている。ウェブサイトを立ち上げるのだって昔はものすごい時間とお金がかかったのに、今はウェブサービスを活用すれば簡単じゃないですか。

それに加えて、資金調達の方法も多様になっていて、お金を集めるのが以前より簡単になりましたよね。そんな時代に何を躊躇することがあろうかと。あらためて、すごい時代に僕たちって生きているんだなって思うわけです。

起業する人のほとんどが、「失敗しないように」と起業準備をしますが、どこまでを失敗というかはありますが、大体のことは当初考えた通りにはいきません。僕も最初に立ち上げた会社がそうでした。初年度は3000万円の売り上げを考えていて、結果的には3600万円だったのですが、最初に見込んでいた3000万円の取引先は全てNGで、新しく営業して取ってきた取引先だったんです。もうその時点でプランAはうまくいってないわけです。僕の場合、何がよかったのかというと、すぐにプランBに切り替えることができたから。

結局はいくら準備してもダメな時はダメ。失敗したところで命までは取られないのだから、プライドはズタズタになるかもしれないけど、それで吹っ切れることだってあるわけです。

だから、思いついたことはすぐに行動に移し、それでダメなら次に行くという生き方が必要になってきます。それが「情報が民主化されている」今の時代に合っていると思うんですよ。

その土地の素晴らしいところを見つけてあげる

その時に、ポイントが2つあると思います。

1つは年齢の問題です。こればかりは少しでも若いうちにやったほうがいい。なぜかというと、体力が全然違うから。体調は気力にも影響しますし、全ての源泉は体力なんです。体力を維持するために日頃からの運動習慣をつけるとかいろいろあるとは思いますが、それにも限界があります。つまり、皆さんも「今」やらないと後がないんです。

それに若いうちにチャレンジすると、年齢を重ねた時にその蓄積が役に立つんです。僕が今、こうやって皆さんの前で偉そうに話せるのも、これまでの僕の蓄積があるからですよ。

もう1つは、「日本人であることがそのままアドバンテージになること」をやった方がいいということです。日本の自然環境や文化など、世界で優位に立てるものを生かした方がよくて、一例とするなら、日本の豊かな自然の恵みを活かす食の仕事はやっぱり強いわけです。日本は自然環境が豊かすぎるので、湧き水なんかも湯水のごとく使えるんです。僕の別府のフェスもまさに同じで、そういう日本の良さを活用するのがポイントだと思いますね。

ただ、これは地方創生とかにもいえることですが、自分の良さは自分で知るのが難しいんです。「俺はイケメンだ」なんて言わないでしょ?自分の良さは他人にしかわからないし、人によって気づかされるんです。人に言われたことって、大体当たってますから。

それこそ別府は世界一温泉が湧き出ていて、ホテルの部屋数もすごいし、世界一の観光地だと思うのに、その素晴らしさを伝えきれていないし、活かしきれていない。何をやっているんですかと。それは多分、わかってないからです。

逆に京都になんであんなにたくさん観光客が集まるのかと考えると、結局はいい観光資源をきちんとアピールできているからでしょう。

だったら、世界一温泉が出ることを売りにしたイベントを、あなたが考えてやればいいんですよ。あんなにたくさん宿があって、別府大分マラソンができるだけのコースもあるのであれば、今日本のどこでもやっていないアイアンマンレースをやってみたら面白いんじゃないか、とかね。それでゴールしたらみんなで温泉に飛び込んで、マッサージをしてもらう。温泉街なんでマッサージ師さんもたくさんいますからね。

こうやって日本全国に広げて考えていったら、いろんなことができそうじゃないですか?日本には世界のどこに持って行っても恥ずかしくないような文化、歴史があります。これからインバウンドはどんどん戻ってくるでしょう。そういう人たちにもアピールできるビジネスというのは、間違いなく可能性があると思うんです。

というわけで、大事なことは「すぐ動く」こと。そして「失敗しても気にしない」こと。それを忘れずに今日から実践してもらえたらいいのかなと思います。

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堀江貴文主宰の音楽フェス
BEPPU ONSEN SHOWER FES. 023【BOSF23】
美しいビーチで、およそ1,000トンのお湯と音楽を浴びながら、仲間たちと飲食を楽しむ今までにない大型フェスです。会場には音楽ステージが設置され、イベント中は、DJ KOO、Repezen FoxxのDJ社長、DJダイノジ、西野亮廣などによる音楽が常に奏でられ、地元飲食店も多数出店予定です。現在、チケットぴあにてチケット発売中です。

開催日時:2023.9.9(土)
開場:12:00 開演:14:00 終了予定:21:00
会場:的ヶ浜公園・別府スパビーチ(大分県)
〒874-0928 大分県別府市北的ケ浜町5
BOSF23|BEPPU ONSEN SHOWER FES. 2023

構成:志村 江

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