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【個人事業主必見】帳簿の付け方や作成-単式簿記と複式簿記の違いも-

【個人事業主必見】帳簿の付け方や作成-単式簿記と複式簿記の違いも-

いざ独立をして個人事業主として開業! と気合いが入るのは良いことなのですが、帳簿処理についても、しっかりと検討をされていますか?

個人事業主として働き始めると、確定申告のために帳簿を付ける必要があります。

帳簿は日々の取り引きに伴う金銭の流れを記録するものですが、「そもそもどうやって帳簿付けをすればいいのかわからない」と悩む人もいるでしょう。

本記事では、「帳簿付けの種類」「帳簿付けの方法」「帳簿付けの手順」「帳簿付けのやり方がわからないときの対処法」などを解説しています。

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個人事業主は、なぜ帳簿付けをする必要がある?

個人事業主やフリーランスが帳簿付けを行うのは、事業で得られた収入・所得を正確に計算し、それの数値をもとに納税する必要があるからです。日本では「申告納税制度」が導入されており、所得税のような税金は自ら計算し、申告納税する必要があります。

そこで事業における金銭の流れを把握するために、帳簿付けを行います。毎日欠かさずに帳簿付けを行うことで、正確な納税額を計算しやすくなるので、確定申告をする際の負担も軽くなります。反対に、帳簿付けを行わないと正確な納税額を計算できず、最悪の場合はトラブルにつながることもあります。

また、帳簿を欠かさずに付けていれば、事業の業績も把握しやすくなります。経営状況を確認するという意味でも、帳簿付けは大変重要です。

「4.申告納税制」(国税庁)

帳簿とは

帳簿とは取り引きの結果を記録し、まとめたものです。実際に仕事を始めると、様々な取り引きが発生します。

「商品を10万円で販売した」
「材料を3万円で仕入れた」
「従業員に給与を15万円支払った」
「事務所で使う事務用品を2万円分、購入した」

これらはすべて取り引きとして、帳簿へ記録するものです。

ここで注意が必要なのは取り引きという言葉の定義です。帳簿における取り引きとは金銭的な価値の増減が生じたものを指します。そのため、一般的ではありませんが、以下のような出来事も取り引きに該当します。

「交通事故により、時価200万円の社用車が全壊し、廃車にした」

これも取り引きとして、帳簿に記録しなければなりません。その一方で「取引先と交渉をして、新規案件の受注について内諾を得た」というような場合は、一般的には取り引きと呼ばれます。ただし、帳簿処理においては金銭的な価値の増減は発生していないことから、帳簿には記録しません。

作成された帳簿は、次のような用途で必要となります。

・納税の申告
・経営判断
・融資などの申込時の資料

帳簿の必要性については、特に納税の申告が取り上げられますが、正確な帳簿が作成されていないと事業上の判断もできませんし、金融機関などとの交渉にも支障をきたします。正確な帳簿の作成は、健全な事業経営にとって必要不可欠なのです。

主要簿・副帳簿の違いと帳簿の付け方

帳簿には主要簿と補助簿の2種類があります。それぞれについて解説します。

主要簿とは

主要簿には、「仕訳帳」「総勘定元帳」の2種類があります。ここからは、この違いを解説します。

・仕訳帳

発生した取り引きの内容を記載する帳簿です。主に次のような内容を記載します。

【仕訳帳に記載する項目】
・日付(年月日)
・勘定項目(現金や借入金・売り上げなど取り引きの種類)
・金額
・摘要(取り引きの内容) など

・総勘定元帳

仕訳帳に記録された取り引きについて、勘定科目ごとに転記してまとめたものです。

この帳簿を確認することで、現金残高の推移・売り上げの発生状況・従業員への賃金支払といった情報を時系列に沿って、網羅的に確認できます。なお、仕訳帳への記載は、複式簿記を用いて手書きで行うものです。

近年では会計ソフトを使用することが一般的になっており、会計ソフトのガイドに従って日常的な取り引きを入力することで、仕訳帳の記載から総勘定元帳への転記が自動で完了します。

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「個人事業主なら使うべき会計ソフト8選?これで確定申告も楽々!」

補助簿とは

補助簿は、主要簿を補助するために作成する帳簿のことです。例えば、「取り引き内容の詳細を把握したい」というような場合に用いられます。ここからは、代表的な補助簿を5つ紹介します。

・現金出納帳

現金の入出金と残高を時系列に記載する帳簿です。いわゆるお小遣い帳や家計簿と似たようなものです。

あらゆる種類の事業において重要な帳簿であり、できれば全事業者が作成していると好ましいものです。

・売上帳、仕入帳

売り上げや仕入れに関する様々な情報を記載します。総額は総勘定元帳でも確認できますが、単価・数量・返品・値引きといった細かな情報は売上帳や仕入帳に記載します。

・手形帳

受取手形や支払手形を使用する場合に記載します。手形を発行した人や代金の受取人・支払期日・取扱金融機関・取り引きの内容などを記載します。

・売掛帳、買掛帳

商品の販売や仕入れ、外注費の支払いなど、その場では代金の決済が行われず、後日あらためて支払いが行われる取り引きをする場合に記録する帳簿です。取引先ごとに会計発生高、回収(支出)高などが時系列に従って計上されます。

納税の申告では、現預金の入出金時に売り上げや仕入れが計上されるのではなく、代金の請求権や請求義務が確定した時点で、売り上げや仕入れを計上しなければなりません。そのため、幅広い種類の事業において重要な帳簿となります。

・固定資産台帳

建物や機械、車両など「高額で長期間使用できるもの」は購入時に全額を一回で費用計上にするのではなく、固定資産として計上をした上で、資産の種類に応じた耐用年数で分割して減価償却費費用を計上します。

購入した固定資産がある場合には、固定資産台帳にその種類や金額、耐用年数などを記載しなければなりません。

「No.2100 減価償却のあらまし」(国税庁)

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個人事業主の帳簿の付け方は2種類

個人事業主が帳簿を付ける場合は「単式簿記」「複式簿記」の2種類に分かれます。それぞれ、税金の控除額が異なります。

単式簿記

単式簿記は、1回の取り引きに対して1つの科目に絞って収支を記録する方法です。記帳方法が簡単なので、簿記の知識がなくても計算できるのが特徴です。

誰でもすぐにできるので、開業間もない場合や、取引回数が多くない場合は単式簿記で記帳するのもいいでしょう。ただし、単式簿記は複式簿記と比べ、青色申告特別控除額が少ない点に注意が必要です。複式簿記なら最大65万円までの控除を受けられますが、単式簿記の場合は特別控除を最大10万円までしか受けられません。

複式簿記

複式簿記は、1回の取り引きに対して2つの方向から網羅的に記帳する方法です。単式簿記だと貸借対照表の作成は困難ですが、複式簿記で帳簿付けすることで、損益計算書や貸借対照表の作成が可能になります。

また、所得税の確定申告を行う際に、青色申告特別控除を受けられます。この特典は、「複式簿記で帳簿付けを行う」というような一定条件を満たせば、最大65万円まで控除を受けられます。詳しい条件や詳細は、国税庁のWebサイトをご覧ください。

ただし、日商簿記3級程度の簿記の知識がないと複式簿記での帳簿付けは難しいです。誰でもできる帳簿方法ではないでしょう。

なお、確定申告ソフトを活用すれば、簿記の知識がなくても複式簿記での帳簿付けは可能なので、知識に不安のある方は活用してみてください。

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「個人事業主なら使うべき会計ソフト8選?これで確定申告も楽々!」

「No.2072 青色申告特別控除」(国税庁)

「帳簿の記帳のしかた」(国税庁)
(P.21より)
※リンクの遷移先はPDFファイルです。ダウンロードに大量の通信費がかかる可能性があります

個人事業主が帳簿を作成する際の流れ

個人事業主が帳簿を作成する際は、以下のような流れで行います。

STEP1:領収書や通帳などの取引内容を整理する

まずは、領収書や通帳に記載された取引内容などを整理します。支払い方法によって、記入する帳簿が異なるため、現金・クレジットカード・銀行振り込みなど、支払い方法ごとに領収書を分類すると効率的です。領収書は現金で払った領収書と、クレジットカードやデビットカードなど、銀行経由で支払った領収書に分類するといいでしょう。

STEP2:取引内容を記帳していく

次に、取引内容を記帳していきます。複式簿記の場合は、仕訳帳に取引内容を日付順に記帳し、それをもとに総勘定元帳にも記帳します。

また、現金で支払った領収書の内容は「現金収納帳」に、銀行経由で支払った領収書の内容は「預金収納帳」に記帳します。時間が経つと忘れてしまう可能性もあるので、日々こまめに記帳するようにしましょう。

STEP3:利益や損失を算出する

総勘定元帳に記載した内容を参考にしながら収支を計算し、利益や損失を計算します。確定申告の際には、これらの結果をもとに所得税を計算します。

個人事業主の帳簿の保存(保管)期間はどれくらい?

各帳簿の保存期間ですが、帳簿の種類に応じて必要な年数が異なります。

下記のようなものは7年間の保存が必要です。

・決算関係書類
・総勘定元帳
・仕訳帳
・各補助簿(現金出納帳、売掛帳、買掛帳、固定資産台帳等)等
・預金通帳
・領収書(前々年分所得が300万円以下の場合は5年)

上記で挙げた帳簿は、原則的に、紙での保存が必要です。ただし、税務署に申請をすることで電磁的記録を選択することも可能です。

「記帳や帳簿等保存・青色申告」(国税庁)

個人事業主で帳簿付けの負担を減らしたい場合

「個人事業主になったばかり」というような人は、帳簿付けにも慣れていないことから、帳簿付け自体に不安やストレスを感じることもあるでしょう。

そのような場合には、クラウド会計システム・クラウド経費精算サービスの導入をおすすめします。これらのサービスを導入すれば、日々の経費管理をスムーズにでき、帳簿付けの手間を軽減できます。

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個人事業主での帳簿付けは会計ソフトを活用しよう

事業で発生した様々な取り引きは帳簿に記載しなければなりません。帳簿は正確な税務申告、経営判断などに必要不可欠です。帳簿には必ず作成する主帳簿の他、業態に応じて作成する補助簿があります。

日々の業務に加えて、慣れない帳簿付けまで手が回らない!という場合は、会計ソフトを活用してみてください。会計ソフトを使用して取り引きを記録することで、様々な帳簿が自動的に作成されます。

会計ソフトは簿記や会計の知識がなくとも、画面の案内に従ってデータを入力すれば、誰でも簡単に帳簿を付けられます。帳簿付けに慣れていない人は、会計ソフトを活用して帳簿付けを効率化しましょう。

<監修>
村上 年範さん/クレディ・テック株式会社 代表取締役

金融商品や不動産を活用した経営コンサルティングを得意とし、前職のプルデンシャル生命保険株式会社在籍時より担当したクライアント数は年間200社にのぼる。2013年クレディテック株式会社設立。金融と不動産を軸とし、税務・法務の観点から知識提供を行う、資産形成および財務のコンサルティングサービスを展開。海外不動産についても強いコネクションと発信力を持ち、これまでの取扱高は150MM以上。現在、「幻冬舎GOLD ONLINE」にて、幅広い資産形成ノウハウを連載中。

【村上年範 運営】金融・不動産にまつわるYoutubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCDq3bojqCvTnRXKu7Aur_Kg

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PROFILE

ほのゆき

東京在住の会社員ライター。ビジネスに関するノウハウやスキルアップを中心にライフスタイルまで幅広く執筆。

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