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個人事業主なら知っておきたい「医療費控除」のポイント

個人事業主なら知っておきたい「医療費控除」のポイント

これから独立開業する方に向けて、税金面で気を付けることについてプライムファイナンシャルパートナーズ会計事務所の菅 彰裕さんにお話を伺いました。菅さんは世界4大国際会計事務所のメンバーファームの1つであるPwC税理士法人を経て独立開業された税理士さんです。非上場企業から上場企業まで、幅広いクライアントの業務を担っている菅さんだからこそ知りうる税金の話をたっぷりお伝えします!

今回は、独立前に知っておきたい「医療費控除」についてご紹介します。

「医療費控除」の確定申告ルール

医療費控除とは、かかった医療費の一部を税金(所得税)から控除することです。もう少し詳しく説明すると1年間(1月1日から12月31日まで)の医療費が10万円を超えた場合、所得控除を受けられる制度を指します。自分だけではなく、家族のために支払った医療費も対象です。そしてこの医療費控除、確定申告をする必要があります。

確定申告直前に「そんなルール知らなかった!」と焦らないためにも、現時点からポイントを抑えておきましょう。

独立開業後に個人事業主で医療費がかかった場合は、「健康に生命を維持するための支出」として考えます。この支出は売上に関わるものではないので、事業用経費にはなりませんが、医療費控除として所得からマイナスすることができます。

では、実際確定申告時にはどのような手続きをすればいいのでしょうか?

実は、平成29年分の確定申告から医療費控除を受ける場合の手続きが、以下のとおり改正されました。

改正点①  「医療費の領収書」の提出又は提示が不要となりました。
改正点②  「医療費控除の明細書」の提出が必要となりました。
「医療費の領収書」は5年間自宅等で保管する必要があります。
所定の事項が記載された「医療費通知」(医療費のお知らせなど)を提出する場合は明細書の記載や領収書の保管を省略することができます。

※参照:国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/info-iryouhikoujo.htm

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医療費控除と節税できる金額の算出方法

自分や家族のために支払った医療費等の実質負担額が、年間(1月1日から12月31日まで)10万円(所得金額が200万円未満の人は所得金額に5%を掛け合わせた額)を超えた場合、その超過分をその年の所得から差し引くことができます。なお、控除できる金額の上限は200万円となっています。

一年間の医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額の合計-10万円もしくは、所得金額が200万円未満の方は所得金額の5%=医療費免除額(最高200万円)

計算式内にも記載されていますが、保険金などで補てんされた場合はその金額を差し引かなければいけない点に留意する必要があります。

保険金等で補てんされた金額とは、具体的に以下のようなものになります。

・出産育児一時金
・高額療養費
・生命保険、損害保険の保険金
・医療費の補てんが目的の損害賠償金

医療費控除の特例:セルフメディケーション税制とは

医療費控除の特例として、セルフメディケーション税制についてもご紹介します。この制度は、健康の維持増進及び疾病の予防への取り組みとして、一定の取り組みを行う個人が平成29年1月1日から平成33年12月31日までに、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる一定のスイッチOTC医薬品(医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。

支払った合計額が1万2,000円を越える場合は、その超える部分の金額(上限8万8,000円)についてその年分の総所得金額等から控除することが出来ます。

医療費控除について、普段あまり意識してこなかった方はぜひこの機会に知識を身につけ、確定申告に備えることをおすすめします。

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プロフィール写真

プライムファイナンシャルパートナーズ株式会社
税理士 菅 彰裕

世界最大級のPwCグローバルネットワークのメンバーファームであるPwC税理士法人より独立開業。非上場企業、上場企業、日本居住者、非居住者と幅広いクライアントの業務を担当する。
業務内容は、オーナー企業の事業承継対策の検討、組織再編によるグループ会社の整理、事業承継のための株価対策、国内および国外のIPO支援、国内買収案件における税務デューデリジェンス、非居住者の国内投資にかかる税務コンサルティング、その他執筆サポートなど。

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