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「どんぶり勘定していませんか?」回答で分かる、成功する経営者・失敗する経営者 ~法人設立初年度から知っておくべき税金について【第7回】

2017年11月22日

「どんぶり勘定していませんか?」回答で分かる、成功する経営者・失敗する経営者 ~法人設立初年度から知っておくべき税金について【第7回】

将来的に法人設立を考えている方や、今まさに法人化の準備をしている方、必見! 初年度から知っておくべき税金について、プライムファイナンシャルパートナーズ会計事務所の菅 彰裕さんにお話を伺う連載の7回目。菅さんは世界4大国際会計事務所のメンバーファームの1つであるPwC税理士法人を経て独立開業された税理士さんです。非上場企業から上場企業まで、幅広いクライアントの業務を担っている菅さんだからこそ知りうる税金の話をたっぷりお伝えします!
前回は、フランチャイズに加盟した際に税金面で優遇されるのか? ということについてお伝えしました。今回は、「数字で語れる経営者になる必要性」についてご紹介します。

法人設立初年度の経営者の皆さん。どんぶり勘定、していませんか?

「今の収支状況を教えてください」
この質問に、あなたはどう答えますか?

「良いかんじです」「直近は厳しいです」「まぁまぁですが、来年度は大きく跳ねそうです」…。などなど、曖昧な回答をしてしまった人は要注意です。

菅さんによると、設立初年度は資金がショートしてしまう企業が多いと言います。それは、「売り上げはこのくらい上がるだろう。だからこのくらい使ってもいいだろう」とどんぶり勘定で支出をしてしまうからだそうです。

まとまったお金が一気に入ってくると、つい気が大きくなって使ってしまう人がほとんどです。それは、数字ではなく感覚的に現状をとらえてしまっていることが原因と言えます。

冒頭で挙げたような曖昧な回答ではなく、「売り上げは先月から○%増です」「今の預金残高は○円で、来月○円を広告費として使用する予定です」と数字で語れるようにしましょう。

例えば100年以上続いているある老舗企業が、3年以上赤字が出ているにもかかわらず、倒産していないと聞いたら皆さん驚かれるでしょうか? それは資金がきちんと回っているからなんです。ひとえに、収支管理がきちんと出来ているが故なのですが、実はその管理が出来ていない企業が多いそうです。

収支管理がずさんであると、会社を存続させることが難しく、最悪「黒字倒産」になってしまうケースも。無理な支出や投資を行うことで資金がショートしてしまった、ということにならないように気を付ける必要があります。

特に設立から間もない時期は売上による”入金”が実際に入ってくる前に経費を使ってしまうのがよくある失敗のもと。事務所を借りる、オフィス用品を買う、名刺をデザインのプロに依頼する、ホームページの費用等々……これらは安定的な入金があってから手を付けることを強くお勧めされています。起業するために貯めた資金は、まずは売上を上げることに”直接”繋がることに使うのが良いとのこと。

黒字倒産とは
利益が出ていて黒字になっていても、支出のために必要なお金が無くなるという状況。黒字倒産の原因として、正しい収支管理ができていないことが挙げられる。

家計簿も同じで、お金が常にない人は記録することを放棄していますよね。毎月いくら必要なのか、何にいくら使っているのかを把握していないため気づくとお金がない…という状況になっているんです。

「ロマンとそろばん」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、ビジョンを描くだけでなくきちんと収支を管理し、正確に把握する。それが長期経営の可否に関わってくるということを肝に銘じておきましょう。

過去の管理と未来の予測が成功のカギ

直近の収支管理と同時に、将来のキャッシュフローを描くことも重要です。出来れば決算の半年前から準備をはじめることをおすすめします。

実際にあった例で、ある飲食店が決算を迎えたとき、税金120万円を来月までに支払わなくてはならないことが判明。しかし、キャッシュフローの見通しどころか日頃の収支管理をも怠っていたためそんなお金はどこにもない。この場合、過去をきちんと管理して、未来の予測を立てて半年前から毎月20万円ずつ貯めておく、といった準備が必要でした。

また、より長期的な観点で言うと、新規事業を立ち上げようと思っている際も早め早めの準備が必要です。来年、初期投資で融資が必要だから、今から融資を受けやすい状態に会社を持って行く。税理士と相談して、この時期に財務諸表をもっていく。3期分黒字できちんと申告できた上で、融資を申し込むためには、あと1期黒字ださなきゃいけない…。等々、毎年の状態を考えて経営することが不可欠です。

とはいえ、立ち上げ時は売り上げを上げることが最優先になりますよね。なので、資金まわりはプロに任せるというのも選択肢のひとつです。

財務諸表などは不慣れな人が作成すると、時間をかけた割に完成度の低いものが出来上がってしまいます。きちんとコストパフォーマンスを計算した上で、専門家にアウトソーシングしてみるのが良いのではないでしょうか。

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プロフィール写真

プライムファイナンシャルパートナーズ株式会社
税理士 菅 彰裕

世界最大級のPwCグローバルネットワークのメンバーファームであるPwC税理士法人より独立開業。非上場企業、上場企業、日本居住者、非居住者と幅広いクライアントの業務を担当する。
業務内容は、オーナー企業の事業承継対策の検討、組織再編によるグループ会社の整理、事業承継のための株価対策、国内および国外のIPO支援、国内買収案件における税務デューデリジェンス、非居住者の国内投資にかかる税務コンサルティング、その他執筆サポートなど。

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豊田 淳さん(29歳)

東京都杉並区
大学卒業後、大手広告会社に就職。トップクラスの営業成績を叩き出し、新人賞を獲得。東京に転勤後、ピエロの養成学校に通うべく脱サラ。現在はフリーランスのピエロとして、結婚式などのイベントでのパフォーマンスや、飲食店に飛び込んでの「流し」も行う。
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