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予想以上に時間がかかる私設保育施設の認可取得! 年間密着取材Ⅱ~菊地さん編 第10回~

予想以上に時間がかかる私設保育施設の認可取得! 年間密着取材Ⅱ~菊地さん編 第10回~

「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズン。開業までのプロセスや想いを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリー。

菊地美由起さんプロフィール
岩手県の保育専門学校を卒業後、すぐに結婚。家事をこなしつつ、ファストフード店やコンピューター関連の仕事に従事。数年後、離婚を機に埼玉県へ移住した。1年ほどファストフード店と服飾店で経理として働いた後、総合病院に就職。9年後に退職し、乳幼児専門の保育園に正社員として就職。3年後、次女の結婚を機に、鎌倉に引っ越す。2017年3月末で保育園を退職し、4月7日に鎌倉市内にフランチャイズの託児所をオープン。販促活動で試行錯誤している。

――さっそくですが、先月の取材以降、利用者は増えましたか?

増えましたよ! 新規申し込みから、リピーターになる方の割合が多くなってきました。私設保育施設の認可が下りたので、鎌倉市のサイトにアップしていただく予定です。

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――私設保育施設というのは、保育園ではないけれど、神奈川県知事から認可を受けている、いわゆる認可外保育施設ということですよね?

そうですね。私設保育施設は認可施設、いわゆる保育園ではないんです。認可施設となるには、国が定めた設置基準を満たしていないといけなくて、保育士などの職員数や施設の広さ、給食や衛生管理などの基準があるんですよ。
私設保育施設にも、保育園とはまた別に設置基準があるので、県の次世代育成課の担当の方と、保育士、市の担当の方がいらっしゃって、アドバイスを受けました。新設の園に対して、立入調査の際に必要な書類や、安全で適切な保育が実施されるようにと助言してくださるんです。

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――経営上では、認可施設のほうが助成金など行政からの補助がある一方、無認可施設に比べて保育時間や保育内容の自由度が低くなるともいいますが、利用者からすると、認可施設のほうが国の定めた基準を満たしている安心感から、利用しやすい傾向にありますよね。

そうですね。お子さんをお預かりするので、少しでも安心感を持っていただけると嬉しいですね。

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――私設保育施設となるための基準にはどういったものがあるのですか?

内容は認可施設と違いますが、お預かりするこどもの人数に対する保育士数や、こども一人当たりの敷地面積、衛生面などですね。

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――基準をクリアさせるのが難しかったものなどはありますか?

一時預かり専門の託児所というのは前例がなかったようなので、基準を満たすような書類の書き方や、担当の方とのやり取り、施設を理解していただくのにとても時間がかかってしまいました。

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――私設保育施設の認可を得ることは、いつから考えていらっしゃいましたか? また、申請の準備はいつ頃から始めましたか?

開業をする前から申請の事は頭にありましたが、いざ開業したら、それどころではないほど忙しくなり、つい忘れてしまっていました。開業翌月の5月には申請手続きを始めたのですが、予想以上に時間がかかりましたね。認可が下りたのは8月だったのですが、まさか3カ月もかかるとは思っていませんでした。申請は初めての作業だったこともあり、苦労しました。もっと早くから情報を集めていれば良かったと思います。

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――今後、菊地さんと同じく私設保育施設の認可申請をしようと考えている方へアドバイスはありますか?

申請対象の役所には、いつまでに届出を出さないといけないのか、調べておいた方が良いと思います。託児所の立ち上げ準備が本格化すると、行きたくても行けなくなると思います。その月を逃すと、翌月まで待たなければいけないこともあり、どんどん遅れてしまいます。利用者の方に安心していただくためにも、早い方が良いと思います。

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――認可、予想以上に大変そうですね。では、あらためて今年の後半の目標についてお伺いします。

仕事を始めたいけれど、こどもの預け先がないお母さんとこどものためにも、とにかく受入数を増やしていきたいです。月極めや週コースのサービスをメインに考えています。

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――それはいい考えですね! 今年前半の売り上げも良かったということでしょうか。差し支えなければ、4月を1として、5月・6月・7月の売り上げを教えていただけますか?

5月…7
6月…10
7月…15、と純増しています。

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――すごいですね! それ以上に増やすためには、新しい集客活動など考えていますか? 観光客向けのサイトなどに広告を打つなど。

7月末からLINE@を始めました。そこにクーポンを付けています。ママにとってクーポンって、うれしいですよね。クーポンがあれば見てもらえる可能性も高くなりますし。さらに託児中の写真なども送るようにしました。仕事中でもこどもの様子は気になるものだから、休憩中に見てもらえたらと思って。自宅に帰ってからも、「今日、こんな遊びしたの?」ってこどもとの会話もはずみますよね。LINE@を始めたら、お客さまからの「今!」のタイミングでご要望に応えられるようになりました。

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――お客さまからのご要望で、すぐ応えられるようになったというのは、どのようなものですか?

多いのは「お迎え時間の変更」「電車の遅延による送迎時間変更」「当日のキャンセル」ですね。

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――今後、美容院・ネイルサロン・整体院との提携も考えているそうですね。これはどなたが発案されたのでしょうか? また、具体的にどのような準備をしていますか?

提案は本部からです。私も、以前から提携は考えていたのですが、うまく伝えられるかどうか自信が持てず、二の足を踏んでいました。営業は娘に任せているし…という思いもありましたし。でも、先日、本部の研修に参加して、この話を聞いたときに、すぐにでも始められそうだと思えたので、早速取り掛かることにしました。ママ達のリフレッシュのお手伝いができるなら早い方が良いと思いました。

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今回の取材を終えて

大きな山を越えて活動がさらに本格化してきた菊地さん。認可には苦労したようですが、ますます気合いが入っているようでした。菊地さんもおっしゃったように、保育園・託児所にとって重要な「認可」は、前もって準備しておくのがベストですね。次回もお楽しみに!

「-SeasonⅡ-長期密着取材! 独立開業への道365日」シリーズ
次回の更新は、2017年9月29日(金)。
ゼリーショップの店舗用土地を探している橋爪夫妻編(第10回)予定。
次回お楽しみに!

更新日:2017/9/22
文:篠原舞 撮影:吉原朱美





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