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JALとANAという2つの国内航空会社で働いて、独立

JALとANAという2つの国内航空会社で働いたあと、独立して社員研修や講演の仕事をすることになった、稲川愛さん。

実家に近いということで、選んだ就職先が空港。そして、そこでJAL国際線のグランドスタッフとして働くことになります。その後、一念発起してANA国内線のフライトアテンダントに転職した稲川さん。順風満帆な人生に見えますが、航空性中耳炎を3度煩い体調を壊したことで飛行機を降りる決心をし、独立の道をたどります。

今現在は研修講師、講演家として全国を飛び回っているという稲川さんの経験に基づいて、仕事における苦労と楽しさを伺いました。

<プロフィール>
稲川愛さん
名古屋空港の国際線グランドスタッフ(JAL)に採用され、新卒で約5年働いた後、独学で客室乗務員の試験勉強をしてANAの客室乗務員へ転職。体調を壊して離職を決意。
現在は個人事業主として、社員研修や講演をする仕事をしている。

近いからという理由でなんとなく受けて、合格のあと猛勉強

ー稲川さんが、国際線グランドスタッフを仕事に選んだきっかけを教えてください。

稲川さん
ちょうど就職氷河期の時代でした。なかなか良い就職先も見つからなかったときに、自宅近くの空港で求人があることを知りました。そして、今となってはお恥ずかしい話なのですが、どういう仕事なのかもあまり理解しないまま、自宅から近いという理由だけで受けたことがきっかけでした。受験してみたら、あれよあれよという間に、役員面接まで行ってしまいました。
その過程で、JALのグランドスタッフ、それも国際線担当の採用試験だということを知りました。当時、空港は航空会社が出資した空港会社が運営しており、JALという名前は試験を進むことで分かったのです。ホント、偶然の出会いと選択でした。

―国際線グランドスタッフのお仕事ということは、稲川さんは、語学が堪能なのですか?

稲川さん
いいえ、とんでもありません。全く知らずに受けてしまったものですから、役員面接のときに、正直に語学力に自信はありませんとお答えしました。なので、落ちたと思っていたら、受かっていました。でも、そのあとが大変で…。お客さまに失礼のないように、必死に猛勉強です。

ーグランドスタッフの仕事はどんなことをするのでしょうか?

稲川さん
わかりやすい場面でいうと国際線でフライトされる人のご案内ですが、もちろんそれだけではありません。当時は、国際線乗務員の人が現地に入るときに書類を作成する必要がありましたので、それらの事務仕事もありました。いずれにせよ英語も必要ですし、遅れてくる方、各種トラブルなど、臨機応変な対応をすることが必要な職場でした。

ー結局、英語はどうされたのですか?

稲川さん
会社を休んで、自費で留学に行きました。サンフランシスコで日本人が行かない学校を選んで3カ月の間、身を置きました。当時の会社の制度として、勉強のために3カ月以内であれば在籍した状態で留学することが可能でしたので、この制度を利用して勉強することで英語の問題は解決しました。すでに入社して5カ月くらい経っており、英語ができないままだと大変だと実感していましたので、ちゃんと勉強しました。

ー英語もできるようになって、仕事にも活かせるようになったのに、転職した理由は?

稲川さん
グランドスタッフの仕事をしていると、その延長で機内まで入ることがあります。利用者としてではなく、仕事する側の目線で飛行機の中を見たときに、この機内という雰囲気の中で働くのも素敵だなぁと思い、ステップアップしよう! と一念発起しました。ただ、客室乗務員の仕事は今までとは全く別の職種ですから、当然もう一度試験を受ける必要がありました。

地上職からフライトアテンダントに転身

ー簡単には受からないと聞きますが、どうやって勉強したのですか?

稲川さん
エアラインスクールに行っても受かる確率は10%くらいでしたから、それならば独学でやってみようと、2年間、グランドスタッフの仕事をしながら自宅で勉強していました。自分の言葉で自分の想いを伝えることが試験では求められると考え、いろいろ工夫して、自分らしさをきちんと表現できるようにしました。自己PRとか質疑応答など、練習できることはたくさんありますから。

ーJALからANAに乗り換えたのはなぜですか?

稲川さん
たまたま受かったのが、ANAだったということです。JALでの仕事はとても良かったので、もちろんJALも受けましたが、残念ながらご縁がありませんでした。今、独立して講師や講演をするようになって、2つのエアラインを経験させて頂けたことはとても良かったと思っています。どっちのキャリアが好きというより、赤組とか青組とかいう言葉もあるようですが、私は両方とも経験しているので、どちらの味方でもありますし(笑)。

 

ー実際に仕事する側として飛行機に乗ってみたら、どうでしたか?

稲川さん
思ったより大変な仕事でした。シフトによっては1日5フライトを飛ぶときもありましたので、体力的にも…。もちろん、お客さまから直接の感謝も頂けるので、やりがいもあります。体力的な面さえ大丈夫であれば、もっと続けていたと思います。
嬉しいことの1つに、次の日が朝イチのフライトだと午後からはフライト先でお休みを頂けるので、観光やグルメに行けることがありました。おかげで、日本全国色々な場所に詳しくなりました。

ー折角なので、稲川さんのオススメを2つくらい教えてください。

稲川さん
北海道の女満別空港のラーメンと土佐の鰹ですね。全国各地で色々なモノが食べられるようになっていますが、その場所で食べるのが美味しいもの、その場所でしか食べられないものが沢山あることを知りました。
北海道のラーメンは機長さんに教えてもらったのですが、本当に美味しいです。土佐の鰹は、行って食べる前までは他でも食べられる魚かと思っていましたが、別物でした。

お客さまから学んだことを自分らしく伝えたい

 

ー起業をしたのは、どういうきっかけですか?

稲川さん
客室乗務員の職業病の1つでもあるのですが、航空性中耳炎をわずらいました。1度そうなってしまうと1週間フライトできなくなり、お医者さんの許可が出ないと勤務に戻ることができません。私の場合は、3回航空性中耳炎になり体調も崩してしまったため、飛行機から降りることを決めました。独立した理由は、定時で働かない仕事を2社経験したことで、定時勤務ではない自由な勤務形態で働きたいなぁと思って、研修の講師や講演の仕事を選びました。

ー研修では何を伝えているのでしょうか?

稲川さん
接客の仕事を地上と空でやってきた経験を活かして、ビジネスマナーや人材育成、コミュニケーションについてなど、実体験を元にお話ししています。お客さまから学んだことを、私視点で整理して伝えている形です。

ー具体的にはどんなエピソードがありますか?

稲川さん
いろいろエピソードはありますが、私の考え方を大きく変えたのは、北海道から大阪を経由して福岡に入るフライトでの出来事でした。その日は北海道の天候が不順で、飛行機が大阪に着くのが遅れてしまったんです。でも、その機材のまま福岡便が設定されているので、大阪で待っているお客さまがたくさんいたのです。その中に、とてもご立腹されている男性がいました。遅れているのは天候のせいなので、私たちにはどうにもできないことなのですが、誠心誠意謝るしかありません。しかしその方の機嫌は福岡に着くまでおさまりませんでした。お飲み物をお出しするために近くに行っても、会話も成立しませんし、ガンとして飲み物も受け取らずに窓の外をずっと眺めていました。

ーそういうお客さまにはどう対応されるのですか?

稲川さん
そのときに出来うる限りのことをしようと考えるのですが、そのときはスタッフで相談して一番早く降りて頂けるように、順番を調整しました。他のお客さまにお詫びしながらですが、それが良いと判断したのです。ですが降りた後、しばらくしてそのお客さまが機内に引き返して来たのです。

ーえっ! 何があったんですか?

稲川さん
私もびっくりしました。お客さまに良いと思って、そういう対応をしたのに、戻ってこられたので何があったんだろうと…。そうしたら、お詫びを言いに戻ってこられたのです。「実は、実家の母親が危篤で急いでいたのですが、先ほど電話したら、もう亡くなったと。こちらの都合で急いでイライラしていたのに、あなたは一生懸命対応してくれていた。怒鳴り散らして悪かった」と。私も予想もしていなかった答えにびっくりしたのですが、お客さまがそれぞれの思いを持って、今の態度になっているということを考えて接客するきっかけになりました。
表面上の態度だけに囚われないよう、意識するようになりました。コミュニケーションについての講演や研修でもこういう事例を具体的にお話しするようにしています。

ー講演の仕事はどのように始めたのですか?

稲川さん
ご縁あって倫理法人会に入ったら、講演を依頼されるようになり、そのご縁で研修を依頼されるようになり…と、紹介、紹介で、もう7年近くこの仕事をしています。最近まで「ホームページもないのに、仕事をいただける」ような状態でした。さすがに、みなさんに作ったほうが良いよと薦められて、やっとホームページも作りました。この写真もそのホームページ用にプロの方に撮ってもらった写真です。ちょうど、こういう使ってもらえる機会があって、良かったです(笑)。

ー最後に、独立や起業を考えている方々へアドバイスをいただけますか?

稲川さん
私の経験からお話しすると、自分の得意なこと、やりたいことを周りに伝えていると、ご縁が繋がるように紹介が紹介を生んでお仕事になっているので、周りへの感謝を忘れないということでしょうか。
講演でお伝えしているコミュニケーションで言えば、表面上の態度は、なにか内面の想いから生まれているはずなので、相手のことをじっくり見て考えて行動することを常に心がけるということですね。私もまだまだですが、これからも少しでも人の役にたつ仕事ができればと思います。

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