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仕事と家の往復が音楽で変わった。介護福祉士と看護師が語る、音楽と本業の両立

仕事と家の往復が音楽で変わった。介護福祉士と看護師が語る、音楽と本業の両立

叙情的なリリック、深みのある美声。時に優しく時に激しく奏でるピアノが感情を揺さぶる―。

今回お話を聞いたのは、東京・神奈川を中心に活動している「TreasureGarden(トレジャーガーデン)」の折井篤志さんと中村友一さん。ふたりは実は、現役の介護福祉士と看護師でもあります。

本業の仕事に従事しながらも、アルバムの発表やブラジルへの遠征を控えるなど、本業と同じかそれ以上に多忙な日々を送っています。

そんなふたりがユニットを組むに至るまでの経緯や、本業と音楽活動の両立について、お話を伺いました。

プロフィール:Treasure Garden

折井篤志さん(写真右手前・作詞作曲、ボーカル、ギター担当)と中村友一さん(写真左奥・作詞作曲、ピアノなどを担当)による音楽ユニット。

「歌の店」をテーマに、歌謡曲からポップス、演歌、ジャズ、ファンク、クラシック、ボサノバなど、様々なジャンルの音楽性をTresure Gardenなりの解釈でメロディとして届けることをコンセプトとしている。

また彼らは音楽活動と並行して、医療関係の仕事に従事。折井さんは介護福祉士として、中村さんは訪問看護師としても働いている。

「介護福祉士×看護師」音楽ユニットの、結成秘話

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―まず、Treasure Gardenが結成されるまでの流れを教えてください。

atsushi
折井篤志さん(以下、篤志さん)

元々歌が好きで、20代の頃にボーカル養成所に通っていて、ひとりで歌を歌っていました。

その後一度音楽から離れて、資格を取得して介護福祉士として働いていたのですが、30歳を目前にしたところで「やっぱり歌うことがしたい」と思い始めたんです。

なんかきっかけがないかな?と思っているときに今の相方の友一さんに出会いました。

―友一さんはどういう経緯だったのでしょう?

yuichi
中村友一さん(以下、友一さん)

僕はずっと地元の秋田で看護師の仕事をしながら、音楽をやっていたんですが、3年くらい前に関東に引っ越してきました。

そんな矢先に知り合いが主催するイベントに出演して、ソロでピアノを弾きながら歌ったんです。そのときですね、篤志と出会ったのは。

―ふたりが出会われてすぐにTreasure Gardenが誕生したんですね。

atsushi
篤志さん
そうですね。お互い医療関係の仕事をしているので、共通の話題がたくさんあって、共感できることも多かったのですぐに打ち解けました。
yuichi
友一さん
仕事の話から音楽の話をしていく中で、篤志が歌をもう一度やりたいと話していたので「じゃあ一緒にやってみる?」という流れになりました(笑)。

そこから曲作りやライブに向けて練習を始めて、2015年の9月に初ライブを迎えました。

そこからはもうあれよ、あれよと話が進んでしまって…。

―結成からもうすぐ2年なんですね。初ライブ後の流れはどうなっていったのでしょうか?

yuichi
友一さん
嬉しいことに周りの方にライブに誘ってもらったりして、年内にさらに2回ワンマンライブを敢行しました。

それに伴い曲作りに練習、シングル制作、そして自分たちの仕事もすべて並行してやっていくことになったので、結果的に仕事をしながらも音楽をやっていく、今のような形になっていきましたね。

仕事も音楽も、根底にあるものは同じ。両立が苦じゃない理由とは

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―本業でも全力で働きながら、ライブや制作活動にも精力的に取り組んでいらっしゃいますが、バランスはどのようにとっているのでしょうか?

atsushi
篤志さん
僕たちの医療関係の仕事は、基本的には早番、日勤、遅番、夜勤の入れ替わり制のシフト制なんです。

不定休で休めるタイミングはそのときによってバラバラなのですが、空いている時間を上手に使うように努力していますね。

たとえば「次の日は夕方から仕事だから、今日は朝までスタジオに入ろう」とかもできますし。時間がなければ練習だけでなく、ユニットのフライヤー(チラシ)や名刺のデザインなどの作業を行ったりしています。

―休む暇がないほど忙しくなりそうですね…!

atsushi
篤志さん
たしかにそういうふうに過ごしていると、プライベートの時間はなくなってしまいますね(笑)。

でも上手に切り替えができると、仕事の気分転換になるんですよ。仕事だけやっているとどうしても働いているときでも休んでいるときでも、仕事が中心の生活になってしまいがちですけど、好きなことをやることで仕事だけでは得られないメリハリが生まれるんですよね。

身体的には疲れることもあるけれど、精神的には充実しています。

―友一さんはどうでしょう?

yuichi
友一さん
僕もバランスのとり方という点では、シフト制の仕事の特性をうまく使って仕事と音楽を両立させています。職場の理解があるので、ありがたく思っています。

それとは別に、僕は20年くらい前に看護師の資格を取って、看護師として働きながら音楽を続けてきました。

その中で気づいたのですが、看護師の仕事と音楽に必要な、根底にある要素って似てるということ。コミュニケーション能力がないとどちらもできないんですよね。

看護師は患者さんの気持ちに、ミュージシャンとしてはリスナーの気持ちに寄り添うということが大切なんです。

―そういう意味では、看護師の仕事も音楽もやっていることは変わらないんですね。

yuichi
友一さん
かつてベートーヴェンが「すべての出来事は音楽につながっている」と言っていましたが、僕もその通りだと思うんです。看護師の仕事で経験したことが作詞や作曲、といった楽曲作りのネタになりますし。

だから仕事と音楽の両立って意外と苦じゃないんですよ。

お金を稼ぐ、ということももちろん仕事をする上で大切な理由ですが、それ以上に仕事上の経験が活きてくるので、仕事は続けていきたいと思っています。

今では”誰かのための音楽”に。お金よりも大切なもの

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―6月末には初のアルバム『REBORN』が完成し、さらに2度目となるブラジルへの遠征も控えているそうですが、今後本業から離れて音楽1本で活動していく予定はありますか?

atsushi
篤志さん
今後、そういったご縁があれば考えられなくはないですが、今のところはないですね。そもそもお金のために音楽をやっているという感覚がないので(笑)。
yuichi
友一さん
活動をしていく上で収益が出ることももちろんありますが、収益ありきで活動しているわけではありません。だから曲を書くときも「売れるか・売れないか」という視点ではなくて、自分たちが「やりたいか・やりたくないか」という視点で考えています。

―たしかに、お金が1番に来るとなかなかやりたい音楽との両立が難しくなってしまうかもしれませんね。

atsushi
篤志さん
そうなんです。

それこそ最初Treasure Gardenを始めたときは「ただ音楽をやりたい」という気持ちだけだったのですが、今はライブに来てくれたお客さんや、職場の方、知り合いに自分たちの歌を聞いてもらって「元気になったよ」と声をかけてもらうことが多くなってきました。

自分たちだけのための音楽だったのが、いつの間にかみんなのための音楽になってきたんです。

そうした声をいただけることが1番の原動力なので、聞いてくれる方のためにも自分たちがやりたいようにやっていこうと思っています。

―2度目のブラジル遠征も、ブラジルで聞いてくださる人がいらっしゃるからなのでしょうか?

yuichi
友一さん
そうですね、本当にありがたいです。

Treasure Gardenの楽曲では、歌謡曲的な要素をとても大切にしています。ブラジルでは今でも日本の歌謡曲が人気ですし、J-POPも人気があります。

そうした歌謡曲の要素や日本人らしさからか、たくさんの反響をいただいて今回2度目の遠征を決めました。

―最後におふたりのように、本業以外で何かを始めようとしている方にメッセージをいただけますか?

atsushi
篤志さん
僕の場合「とにかく歌をもう一度始めたい」と思って動いてみただけなんです。仕事と家との往復だった毎日が、音楽を始めることで変わり始めた。

そして今では自分だけじゃなく、少しずつでも誰かのためになりつつある。そこに大きな喜びを感じていますし、それだけでやり続けていく価値があると思うので、まずは興味のあることや好きなことを始めてみることが大切だと思います。

yuichi
友一さん
僕たちは音楽でお金をたくさん稼いでいるわけではないですし、成功しているとも全然思っていません(笑)。

それでも僕たちは少なからず、自分たちの好きなことを好きなようにやれています。僕らの職場の理解があってこそですが。

本業の仕事とは別に何かを始めることって、趣味の延長だと思うんで、好きなようにやりたいようにやっていれば楽しくできるんじゃないかと思います。

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