副業に興味がある人、やってみたい副業がある人は多いでしょう。しかし、副業をどうやって始めればいいのかわからず、最初の一歩が踏み出せない人は少なくありません。
本記事では副業はどうやって始めるのか、基本的なルールや職種の決め方、稼ぐコツについて解説します。まずは何のために副業をするのか、目的をハッキリさせることからスタートしましょう。
やってみたい副業で、月10万円以上稼げる副業については下記の記事でも詳しく紹介しています。
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副業はどうやって始める?
シンプルに年収を増やしたい人、収入源が一つでは心配な人など、副業を始めることを考えている人は多いでしょう。しかし、「副業ってどうやって始めるのだろう?」「会社にバレたらどうなるのだろう?」と、二の足を踏んでしまう人も多いはず。
まずは、副業を始める前に考えておきたい5つのポイントをチェックしましょう。
会社の就業規則をチェックする
副業をどうやって始めるか考える前に、まずは会社の就業規則をチェックしましょう。副業を禁止している会社や、禁止していないにしても、申告しなければならない会社や条件のある会社もあります。特に公務員は原則として副業禁止なので、始める前に上司に相談するようにしましょう。
「政府による副業解禁」という話題が世間を騒がせて久しいですが、これは「政府によるモデル就業規則が、副業を認めるものになった」だけです。すべての会社で副業が解禁されたわけではありませんので、注意しましょう。
目標を決める
副業をどうやって始めるか考える前に、副業をするうえでの目標を決めましょう。会社に勤めながら副業としてずっと続けるのか、いずれは副業を本業にして独立したいのかを考えます。
目標によって、副業への取り組み方や選ぶべき副業の職種も変わってきます。ずっと副業で続けるなら会社の仕事を優先すべきですが、いずれは本業にしたいのであれば、副業優先で考えた方がいいかもしれません。本業も副業も疎かにしてはいけませんが、気持ちのうえでの優先順位はつけておいた方が取り組みやすいでしょう。
副業にする職種を決める
副業をどうやって始めるのか考えながら、何を副業にするのか、職種についても少しずつ決めていきましょう。会社員が副業として取り組みやすいものは、主に次の3つです。
職種をどうやって決めるか、それぞれどのような仕事があるのかは、本記事の後半で解説しています。ひとまず、始めやすいのはフリーランス系の職種だと考えておきましょう。
副業に充てる時間を決める
副業をする時間をどうやって確保するのかも、ある程度、考えておきたいです。自分の生活スタイルや本業の就業時間を踏まえ、どの時間に副業をするのか決めておきましょう。
副業を始めてみたら、思うように作業が進まなかったり、計画していた時間では集中できなかったりといった問題も出てきます。実際にやってみて得られた「気付き」を活かし、副業に取り組む時間を調整しましょう。
すべての人に当てはまるわけではありませんが、次のようなことを意識すると、副業と本業を両立しやすいでしょう。
副業に取り組む時間は、本業の始業前に確保する
本業がフルタイムの場合、退勤後には心身ともに疲れているでしょう。これでは副業に集中できません。副業と本業では、副業の方が取り組む時間が短いことから、本業と比較して疲れは少ないことが多いでしょう。起床してすぐの「頭がフレッシュな時間帯」のうちに、副業を済ませてしまいましょう。
睡眠時間は削らない
副業の時間をどうやって確保しようか考えて、睡眠時間を削ろうとする人も少なくありません。
しかし、睡眠時間を削ってしまうと集中力や生産性が落ちてしまいます。稼働時間が増えても、成果が落ちてしまっては意味がないでしょう。無理やり時間をつくろうとするよりも、平日は「副業は1~2時間でおしまい」と割り切って、休日にまとまった時間を確保するのもおすすめです。
スキマ時間を徹底活用する
会社の通勤時間や休憩時間などのスキマ時間は、できるだけ副業に充てるという方法もあります。副業の稼働時間を増やすためでもありますが、副業へのモチベーションを下げないようにするためでもあります。
まとまった時間を確保して副業をしようとすると、「面倒くさい」「今は疲れているから」と、腰が重くなることもあります。
しかし、スキマ時間に少しやるくらいなら、そう面倒くさいと感じにくくなります。スキマ時間に副業に取り組むと、作業半ばの状態で開始することになるので、ゼロから作業をするよりも、途中から作業をする方が取り掛かりやすくなります。この取り掛かりやすさが、副業に対するモチベーションを高めてくれます。
開業届を準備する
副業をどうやって始めるか考えることと並行して、開業届を出す準備もしておきましょう。副業でも本業でも、継続して所得のある「自分のビジネス」を始めたら、1ヵ月以内に開業届を出さなければなりません。
開業届は最寄りの税務署で、申請書を提出するか、郵送もできます。ただ、開業届には個人事業主の会社名のような屋号を書かなければならず、これは適当に決めたくないものです。副業をどうやって始めるか考えながら、どんな屋号にするかも考えておきましょう。
副業の職種はどうやって決める?
副業をどうやって始めるか考えつつ、どのような職種にするかも考えておきましょう。次の3つの観点を意識すると、職種を決めやすくなるかもしれません。
収入の種類で考える
副業の職種をどうやって決めるのか、まずは「収入の種類」を意識しましょう。収入には、大きく次の3種類があります。
労働所得
働いた分だけお金が得られる仕事です。会社員としての仕事はもちろん、副業ならライターやエンジニアなどのフリーランス系の職種がこれにあたります。
半不労所得
一見すると不労所得ですが、労働をやめると所得が下がったりなくなったりする仕事です。アフェリエイトのブログ運営や動画クリエイターなどの広告収入系、デイトレードのような投機系の職種がこれにあたります。
アフェリエイトのブログ運営や動画クリエイターも、更新頻度が落ちればファンは減っていくでしょう。同じだけの所得を得続けるには、メディアを更新し続けなければなりません。中長期保有の投資は別として、デイトレードのように頻繁な取引が必要な投機も、労働をやめれば収入がなくなってしまいます。
なお、「半不労所得」は記事の内容をわかりやすく伝えるための造語であり、明確な定義のある言葉ではありません。
不労所得
労働をやめても収入が減らない、もしくは作業がほとんど必要ない仕事です。印税や歌唱税、ネットワークビジネスのような権利収入、不動産運用や投資信託などで得る利益がこれにあたります。
労働所得や半不労所得で「不労所得を得るための種銭」を増やし、少しずつ不労所得の割合を増やしていくのも良いでしょう。
本業や趣味とのシナジー効果を狙う
副業の職種をどうやって決めればいいのかわからなくなったら、本業や趣味で何をしているのか、見つめなおしましょう。本業や趣味とのシナジー効果がある仕事なら、副業の収入が増えるのも早いですし、本業でのキャリアアップにもつながりやすいです。
わかりやすい例でいえば、IT企業に勤める人がエンジニアやプログラマーの副業を始めたり、本業デザイナーがスキルを活かしてデザインの副業を始めたりするケースが挙げられます。
本業とシナジー効果のありそうな副業がない、本業とは別なことがしたいという人は、趣味に目を向けてみましょう。
「読書が好き」「貴金属や天然石に詳しい」という人なら、その分野でのせどりがしやすいでしょう。「趣味で手芸を続けている人」なら手作りアクセサリーの販売、「イラストが好きな人」なら企業からイラストの仕事を請け負ったり、個人向けにSNSアイコンを描いたりするといった副業ができるかもしれません。
気になるものはとりあえず挑戦してみる
副業の職種をどうやって決めようかと悩み続けるよりも、気になったものをとりあえずやってみるのがおすすめです。
どんなことでも、やってみなければ向き・不向きはわかりません。例えば趣味でブログを書き続けていた人には、ライターの副業が向いているように思えます。しかしライターは、ブロガーと違って好きなように記事を書けません。依頼されたテーマに沿った記事を書かなくてはいけないからです。今まで自由に書いていた分、かえって窮屈に感じてしまうなら、ほかの職種を選んだ方がいいかもしれません。
できそうなもの、興味のあるものを見つけたら、まずは小さく始めてみましょう。しばらくやってみて「向いていない」と感じたら、次に行けばいいのです。
会社員が副業を始めるなら、どのような職種がおすすめ?
副業の職種をどうやって選べば良いかわかっていても、どのような職種があるのか知らなければ、選びようがありません。会社員の副業には、次のような職種がおすすめです。
フリーランス系
「何でもいいから、とりあえず副業を始めたい」「特定のスキルがある」という人には、フリーランス系の副業がおすすめです。フリーランス系の職種は広告収入系や投資系と異なり、仕事をした分は確実に稼げます。
広告収入系
「はじめは稼げなくてもいいから、将来的に大きく稼ぎたい」「時給換算したときの最高額が高い方がいい」という人には、広告収入系の副業がおすすめです。軌道に乗るまではあまり稼げませんが、一度うまくいくと、大きな収入が入るようになります。
フリーランス系と異なり、時給換算したときの上限もほぼありません。フリーランス系の仕事だと作業した分しか収入も発生しませんが、広告収入系は作業量に関係のない、完全な成果報酬型の仕事です。
例えば動画クリエイターなら、チャンネルのファンが増えるほど視聴回数も増え、収入元となる広告の再生回数も上がっていきます。
投資系
「働かなくてもお金が入ってくる仕組みが欲しい」「今やっている副業とは別に、もう一つ収入源が欲しい」という人には、投資系の副業がおすすめです。それなりの元手はかかりますし、リスクもありますが、労働時間が少ないというメリットがあります。
知識と経験が求められるため勉強する時間は必要ですが、次のようなものは作業や情報チェックに費やす時間が少なくて済むため、副業としても取り組みやすいです。
ただ、デイトレードのような「投機」はこまめな情報チェックが欠かせないため、時間も注意力も割かれます。副業にはあまり向かないでしょう。
副業はどうやって稼ぐ?
副業を始めても、すぐに数万円~十数万円が稼げるわけではありません。すぐに稼げるケースもありますが、たいていはスキルアップを繰り返し、少しずつ収入を増やしていくことになります。
思っていたように稼げないからといって、副業をすぐにやめてしまえば、いつまで経っても稼げるようにはなりません。
どうやって稼げるようになるのか、次のポイントを意識しながら副業に取り組みましょう。
スキルの上がらない職種を選ばない
収入アップを目指すうえでもっとも大切なのは、スキルの上がらない職種を選ばないことです。誰がやっても同じような結果になる仕事、誰が作業しても同じくらいの時間がかかる仕事を選んではいけません。
例えばスキル不要のデータ入力や、昇給のあまり見込めないアルバイトなど、時間を切り売りするような仕事は避けた方がいいでしょう。
ただ、これらの仕事は「手っ取り早くお小遣いを稼ぎたい」というケースには向いています。
月収よりも時給換算で考える
収入アップを目指すなら、副業の月収ではなく、時給を重視しましょう。その月に働いた時間と稼いだ金額を計り、「月収÷稼働時間=時給」の計算式で、自分の時給を把握するのです。
時給が上がるほど、同じ稼働時間でもたくさんのお金を稼げます。ある程度の金額を稼げるようになったら、今やっている副業の時間を減らして新しい副業を始めたり、スキルアップのための勉強をしたりするのも良いでしょう。
確定申告をきちんとする
副業の所得が年間20万円を超えたら、毎年2月16日~3月15日(土日祝日の場合はその次の平日)の間に確定申告をしなければなりません。青色申告で確定申告をすれば、経費や青色申告による控除で所得を減らし、その分、税金を減らすこともできます。
稼ぐお金を増やすだけでなく、経費や青色申告をうまく使って、出て行くお金も減らしましょう。
こちらの記事では、個人事業主が確定申告するメリットなどを解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/15418/
副業を始める前に、目標を決めよう
副業を始める前に、何のために副業をするのか、まずは目標を決めましょう。
「とりあえず収入を増やしたい」「不安定な時代だから、収入源はいくつか確保しておきたい」「いずれは独立して、副業を本業にしたい」など、目的は人によりさまざまでしょう。目的がハッキリしていれば、将来の目標も立てやすくなります。
例えば「とりあえず収入を増やしたい人」や「複数の収入源を確保したい人」なら、本業のスキマの限られた時間で、どれだけ稼げるかが目標になるでしょう。
「いずれは独立して、副業を本業にしたい人」なら、副業の月収額だけでなく、その職業でのキャリアアップも考えなければなりません。
副業をどうやって始めるかも大切ですが、その前に、何のために副業をするのか考えましょう。
<文/赤塚元基>