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収入よりもやりがいの”安定”を。「英雄になる」ために、ある男が選んだパラレルワークの道

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あなたが人生をかけて達成したい目標はなんですか?

この問いに即答できる人は、大人でもそう多くないと思います。

「僕、小さい頃から”英雄”になりたかったんですよ。」

インタビューの冒頭、株式会社ワールドスケープ代表取締役CEO・海保けんたろーさんは、その問いに子どものような笑顔で答えていました。

海保さんが経営する株式会社ワールドスケープは、アーティスト支援サービス「Frekul(フリクル)」の運営、人の好みをAIが理解して、未知の音楽を聴かせてくれる「Lumit(ルミット)」など、音楽に関する様々なサービスを展開しています。

実は海保さんは元々プロのミュージシャンで、現在もドラマーとして活躍しています。経営者でありながら現役ドラマー。まさに二足のわらじを履いて活躍する海保さんに今回、自身のパラレルキャリアについて、そして今の世の中に対して感じることをお聞きしました。

全ては英雄になるため。その目的のためにドラマーと経営者を選択している海保さんは、一体何を見つめているのでしょうか。

プロフィール:海保けんたろー

ドラマー / 株式会社ワールドスケープ代表取締役

1981年生まれ東京出身。
高校入学とともにドラムを始め、22歳からプロとしての活動を開始。
「キマグレン」「ハシグチカナデリヤ」「SONALIO」など数々のアーティストのサポートドラマーやバンドメンバーとして活躍する。

2011年には、音楽業界を変革するためのIT企業・株式会社ワールドスケープを設立。
音楽活動支援サービス「Frekul」や、音楽発見アプリ「Lumit」の開発運営を行っている。

現在は音楽活動と会社経営を並行しつつ活動中。
将来の夢は英雄になること。

ビジネス経験ゼロのバンドマンが起業!?プロの世界でぶつかった、音楽業界の壁

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―プロとして活躍するバンドマンだった海保さんですが、現在は経営者としても活躍していらっしゃいます。どのような経緯で現在の立ち位置になったのか、まずは海保さんの経歴について簡単に教えてください。

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海保けんたろーさん(以下、海保さん)
はい、たしかにキャリアが飛びすぎていて何がどうなって今のキャリアになったのか謎ですよね(笑)。簡単に説明します。

僕は小さい頃から有名人になりたい、ビッグになりたいという夢がありました。この夢は今現在も「英雄になりたい」という形であるんですが。

さて、そんなことを漠然と考えていた学生時代、好きだった女の子がドラムを叩いていたんです。その影響でドラムを叩き始めたんですが、だんだん上手になってくると「このドラムというスキルを使って、有名になれるんじゃないか?」と思ったわけです。

それで高校卒業後、ずっとドラマーとして活動していました。自分のバンドもやりつつ他のバンドのサポートやアルバイトもして生計を立てていました。そして2009年、念願叶ってデビューを果したんです。

―有名になりたい、という思いを実現するためにデビューするという選択をしたんですね。

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海保さん
はい、まさにその通りです。僕の場合「プロのドラマーになる」「バンドで飯を食ってく」という考えよりも「英雄になりたい」という思いが先にあったんです。

だからデビューは、そのための足がかりになると思いました。

しかし事務所に入ったものの、CDが売れなかったんですよ。テレビのタイアップを取ってCDが売れたとしても、契約上アーティスト側に入ってくる取り分があまりにも少なすぎる。

自分の周りのミュージシャン仲間に話を聞いてみたら、やっぱりみんな給与をまともにもらえていない人たちが多かった。その時に思ったんです。「ああ、この音楽業界のビジネスモデルそのものに無理があるんだな」って。

お金をきちんと稼げない状況をどうにかしようと、メンバーと話し合ったんです。ちょうど、事務所に入ってから2年程経った頃でした。

そこで「ミュージシャンがもっとお金を稼げる、こんな機能があるサービスがあったらいいのに」ってアイデアが出て、そんなサービスを探してみたんですがどこにもなかった。

「ならいっそのこと、自分たちで作ってしまおう!」と自分たちで作り上げたのが”Frekul”であり、弊社”ワールドスケープ”なんです。

ドラマーでいることも経営者でいることも、全ては「英雄になる」という目標のため。

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―バンドからいきなり起業とは、また大胆な方向転換ですね…!それまでにビジネス経験があって、そこから起業した、というわけではないんですよね?

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海保さん
はい。アルバイトはやっていましたけど、それまでは本当にバンドしかやってこなかったですし当然、ビジネス経験ゼロからのスタートでしたね。

―ビジネス経験がある方でも起業はいろいろ試行錯誤をして、満を持して起業する、という方が多いと思います。なぜそんなすぐに起業をしようと思ったのでしょうか?

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海保さん
逆にビジネス経験がなかったからすぐに起業できたということもあるかもしれませんが、むしろ僕にとってこの起業は、めちゃくちゃチャンスだと思っていたんですよ。

デビューしても”有名になる”という目標を達成するどころか、日々の暮らしでさえ怪しくなってきている現状で、この起業のアイデアを形にして成功させれば、お金や集客に困っているミュージシャンを助けることができるじゃないですか。

その時僕は「これはめちゃくちゃ英雄感出てるぞ…!イケるぞ!」とワクワクしていましたね。

―やはり「英雄になる」という目標が第1にあったんですね。

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海保さん
そうですね。だから僕の行動の全ては、英雄になるために起こしていると言っても過言ではありません。先程も言いましたが、英雄になるためにドラマーになりましたし。

それが今度は「サービスを立ち上げて会社を経営すること」に変わっただけなんです。いずれにせよ「英雄になるために」という目的からはズレていないですし、一貫しています。

―経営者になった今でも、ドラマーとしての活動は続けているんですよね。それはなぜなんでしょうか?

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海保さん
単純にドラムが好きで音楽が好きという理由もありますが、今の会社ではミュージシャンをターゲットにしたサービスを展開しています。

なので、まずは僕自身がミュージシャンであり続けて「このサービスってほんとに使えるのかな? 役に立つのかな?」と自問自答するようにしています。

ミュージシャンでありながら経営者をやることは、一見してかけ離れているように見えるかもしれませんが、実はとても密接に関わり合っているんですよね。

起業のリスクは想像以上に低い!「収入の安定」と「やりがいの安定」、どちらを選ぶ?

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―さて昨今、パラレルキャリアについてメディアなどで大きく取り上げられていますが、これからパラレルキャリアを選択していこうという人たちに対して、何かアドバイスをいただけますか?

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海保さん
パラレルキャリアを選択することは手段に過ぎません。結局のところ、自分がどういう人生を送っていきたいのか、どういう人になりたいのか。この問いにどのように答えるのかは人それぞれだと思うんですよね。

僕の場合、その問いの答えは「英雄になること」だった。英雄になるために、ドラマーになって経営者にもなった。目的を達成させるためには、2本のプロジェクトを同時に走らせていた方がいいと考えたんです。

だから結果として、パラレルキャリアという道を選びました。

もし、パラレルキャリアを選択すること自体を目的としている人がいるなら、一旦立ち止まってよく考えた方がいいと思います。

―たしかに、ただ漠然とパラレルキャリアを選択するというのは危険かもしれませんね。

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海保さん
そうですね。逆に自分の目的がしっかりと定まっていてブレない人は、どんどん挑戦するべきだと思っています。

実際はパラレルキャリアだったり起業だったりを選んだ方が幸せになる人って多いんじゃないかなと。

僕が普段からとても感じているのは、起業することって実はめちゃくちゃリスクが低いということです。

僕はビジネス経験ゼロで起業して、かれこれ7年経ちます。この7年で感じたのは、経営がうまくいかなくなっても、変な終わらせ方さえしなければ実際なんとかなります。

それにたとえ起業に失敗したとしても、今の日本においてそう簡単に餓死ってしないと思うんです。体さえ元気であればいつだって働くことができる。

そうした金銭的に自分のことを守ってくれる安全な鎖がたくさんあるのに、みんな「収入の安定」をとても重視するなあと感じています。

―起業に失敗しても、命が取られるわけじゃないですからね。

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海保さん
その通りです。人間はそう簡単に死なないと思うんです。

なら、もっと自分の本当にやりたいことをやる人が増えていってもいいんじゃないかなと思うんです。自分のやりたいことを仕事にするということは、たしかに最初は金銭的には我慢をすることになるかもしません。

しかし「やりがいの安定」は必ずあります。仕事自体が大変でも、自分を押し殺したりする必要がないから精神的には安定してくると思うんです。

―「収入の安定」と「やりがいの安定」のどちらを選ぶか、ということですね。

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海保さん
はい。今の世の中、どうしても収入だけの観点で「安定か」「不安定か」という2択を選ぶような風潮になってしまっているんじゃないかと感じています。

だからもっと「やりがいの安定」を選ぶ人たちが増えていってほしいなと、思っています。

そして「やりがいの安定」を選びつつも「収入の安定」も最低限は欲しい。そういう方にとって、どちらも実現できる可能性が高い選択肢の1つとして、パラレルキャリアがあると思うんです。

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「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズン。開業までのプロセスや想いを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリー。

菊地美由起さんプロフィール
岩手県の保育専門学校を卒業後、すぐに結婚。家事をこなしつつ、ファストフード店やコンピューター関連の仕事に従事。数年後、離婚を機に埼玉県へ移住した。1年ほどファストフード店と服飾店で経理として働いた後、総合病院に就職。9年後に退職し、乳幼児専門の保育園に正社員として就職。3年後、次女の結婚を機に、鎌倉に引っ越す。2017年3月末で保育園を退職し、4月7日に鎌倉市内にフランチャイズの託児所をオープンし、黒字化を目指し中。

――オープンして2カ月が過ぎましたね。利用者の登録状況はいかがですか?

じわじわと増えてきているように思いますが、今のところまだ約15名が利用してくださった程度。フランチャイズ本部のホームページから予約をいただくこともありますし、お店に見学にいらして、見学後そのまま利用してくださった方もいます。中には2回、3回とリピートしてくれた方もいるんです。問い合わせも増えてきてはいるのですが、まだまだこれからという感じですね。

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――では、お子さんを預かっていない時はどんな風に過ごしていらっしゃいますか?

託児所は朝9時からなので、8時30分には出社して、看板を出し、室内の気になるところを拭き掃除しています。それから、その日の予約状況をチェックしていますね。
あとは、室内を充実させるために時間を使っています。温かみのあるものを用意したいと思っているので、絵本のカバーで紙袋を作ったり、託児所内の飾りを手編みで作ったりしています。
この1カ月で本棚やおもちゃ、絵本などを増やしました。それから、受付スペースに置いている荷物入れの背面が、ちょうどこどもたちの遊ぶスペースになるので、背面にお絵描きができるように、大きなホワイトボードを貼ったのですが、これがすごくいいんですよ。描いた絵は水で簡単に消せるし、こどもたちにとっては壁のような大きさなので、夢中になって遊べるんです。

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――なるほど。ではオープンから1カ月はいろいろな準備に時間を使われていたんですね?

はい。でも実は開業準備をしながら、オープン直前まで保育園に勤めていたので、その疲れと、開業後なかなか経営が軌道にのらないという悩みで、気分的に少し落ち込んでいましたね。体調もすぐれなくて整体にも行ってみたのですが、なかなか回復できませんでしたし。育児にがんばるお母さんとこどもたちのために役立ちたいという思いで開業したのですが、そういった気持ちばかりが強く、自分の健康管理がおろそかになってしまっていました。
また、今の経営状況ではいけないと思いつつも、運営を手伝ってくれる娘も育児で忙しいだろうから、頼りすぎてはいけないと思ったり…いろいろ悩んでばかりいましたね。

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――フランチャイズ本部からのサポートはどうだったんですか?

開業前から“全面的にサポートする”と言っていただいていたので、私の方で期待しすぎていたところがありました。もちろん、こちらから連絡をすればサポートしてくださるとは思いますが…。本部の方も新店舗の拡大で忙しそうだし、私のやりたいことを見守ってくれているところもありましたので、遠慮してしまってどんなことをどこまで相談していいのかわからなくなり考え込んでばかりいました。“全面的にサポートする”という言葉の捉え方に、本部と私の中でズレがあったように思います。

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――それは大変でしたね。それで解決策は見つかりましたか?

はい。このままではこの先ずっと、不安を抱えたまま過ごすのではないかと思いましたね。だから、こちらから気になることは何でも発信していこうと気持ちを新たにしました。
それと、オープン1カ月を迎えるタイミングで、手伝ってくれている娘と今後について話し合いをして、2人だけで決意表明をしたんですよ。親子とはいえ、仕事を一緒にやっていくと決めた以上、期日を決めたことはお互いきちんと守ろう、お互いに助け合おうという感じです。娘にはSNSを使って今まで以上に販促や宣伝を強化してもらおうと思っています。それから開業準備をしていた時、娘に外部の方とのやりとりを任せたのですが、私よりそういう業務が向いていると感じたので、今後は近隣のお店や病院のあいさつまわりなどの営業に集中してもらうことにしました。
ほかにも開業前の研修でお世話になった近隣店舗の店長に連絡を取ったりもしました。社長の計らいで開業時期が近い店舗の店長数名とSNSでのグループ連絡網ができたので、これからはそういった人たちとも相談し合えるのではと思っています。

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――解決の糸口が見つかってよかったですね。SNS以外の販促はどんな状況でしょう。

はい。気持ちが軽くなりました。
SNS以外の販促は、ビルの1階入り口にチラシを置いています。フランチャイズで全店共通のものですが、毎日5枚程度、減っていくので、口コミでお店の存在が広がっていってくれたらいいなと思っています。鎌倉市観光協会にもチラシを置いてもらうことと、協会ホームページに託児所のバナーを貼ってもらうお願いをしました。協会の審査が通れば6月中に、そちらでもPRできそうなんです。いずれも有料なのですが、まずは知ってもらうことからはじめたいと思っています。

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――それでは最後に、これからの予定や抱負をお聞かせください。

まずはこの店舗を軌道にのせることが重要課題ですね。先日、逗子市役所や逗子市民交流センターにあいさつに行ってみたのですが、葉山や大船にも目を向けていきたいと思っています。どんどん広がって大船に2店舗目ができたら良いと思っています。夢はどんどん膨らんでいますよ。

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「-Season2-長期密着取材! 独立開業への道365日」シリーズ
次回の更新は、2017年6月30日(金)。
山梨県でフルーツゼリー店の開業準備をしている橋爪ご夫妻編(第7回)予定。
気になる物件に出合えた様子のご夫妻に詳細を直撃! お楽しみに!

更新日:2017/6/23
文:堀家かよ 撮影:吉原朱美




独立開業への道 365日 アンケート2

アンケートにご協力ください

以下の項目に当てはまるものにチェックを入れ、「送信する」ボタンをクリックしてください。







2017年6月23日

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NPO法人空家・空地管理センター/埼玉県所沢市
代表理事

上田 真一さん(32歳)

1984年、埼玉県生まれ。オハイオ州立大学卒業後、ベトナム大手旅行代理店に就職し、不動産事業の立ち上げに携わる。2010年、父親が経営する不動産会社に入社し、新規事業としてNPO法人空家・空地管理センターを設立。東京・埼玉を中心に1000軒を超える空き家に足を運び、管理、活用のノウハウを築く。15年、新宿に「空き家相談センター」を開設し、全国展開に向けて躍進中。著書『あなたの空き家問題』(日本経済新聞出版社)や講演を通じて、提言活動も積極的に行っている。

空き家ビジネスを通じて、この社会問題の深刻さを喚起していく。それが、根本的な解決につながる道となる

━ なぜ、空き家ビジネスを?

父が不動産会社を営んでおり、継ぐ前提で入社したのが28歳の時。それまでにも不動産業には携わってきたので、業界を取り巻く時代の変化は感じていました。人口減少による住宅需要の落ち込みや、不動産投資の市場縮小など、「このままいくとジリ貧になる」という危機感が、まずあったんですね。「何か新規事業を」と思って、不動産業を細分化し、分析してみると、明らかに衰退する市場、伸びる市場が見えてきたんです。

そこで注目したのが、空き家の急増。
なかでも放置された空き家は、危険性や景観の乱れなど深刻な問題を抱えていて、放っておけないと。住宅の専門知識を持ち、加えて司法書士、弁護士などの専門家や建築業界とのネットワークがある不動産業界が、先んじて取り組むべきビジネスだと考えたのです。

━ 空き家管理を始めた当初は、苦労もあったと聞いています。

管理に入った空き家の隣人から、「大変なシロアリ被害に遭った。どうしてくれるんだ」と延々クレームを聞かされたり、時には台風のなか、劣化した屋根が飛ばないよう必死で作業したりと、けっこうヘビーな案件が続きまして。今ならノウハウがありますけど、最初は「どこまでやるか」の線引きができていなかったから、心身共にきつかったですね。

現場では、空き家の所有者が抱える種々の問題にも直面します。よく「空き家なら売ればいい」と言われるんですけど、実際は、そんな簡単な話ではないんですよ。所有者間での権利関係が複雑、相続でもめる、遺品整理に時間がかかるなど、空き家を活用しようにもできない事情は多々あるのです。活動を続けて分かってきたのは、この問題を根本的に解決するには管理だけではダメで、所有者が抱える諸問題をサポートする体制づくりが重要だということです。

━ それで「空き家相談センター」を開設し、活動を広げてこられた。

「空き家を相続したが、どう対処すればいいのか」といった相談が急増するなか、それらを受け止める窓口って、ほとんどないのが現状です。手間も時間もすごくかかるビジネスなので、誰もやりたがらない。だからこそ、そこに着手する意義があるし、先々、市場も取れるだろうと考えています。

相談センターの窓口業務には、当社の資格試験である「空家空地管理士」に合格した人が就き、より具体的な相談となれば、各分野の専門家や、造園、建築などの協力会社につないであらゆる相談に応じています。でも、十分なスキルを持つ人材はまだ圧倒的に不足しているので、現在は、その育成に力を入れているところです。

━ 全国の放置空き家ゼロを目指して、今後はどのような活動を?

まずは、名古屋、大阪、福岡と、相談センターを順次開設していきます。地域のことを一番分かっているのは地場の不動産会社ですから、対応エリアの全国展開には、協力会社の拡大が必須になります。ただ、空き家ビジネスは、手間や時間からすれば収益性は低いので、「地域や困っている人の役に立ちたい」という思いがなければ続きません。いたずらな拡大ではなく、“質”を大切にしたいです。

あと、重要なのは啓蒙活動。空き家問題は、もはや人ごとではない事態なのですが、そういう意識を持つ人がまだまだ少ない。何となく現状放置すれば資産価値は下がるし、地域にも迷惑がかかる。あげく壊すとなれば、大量の産業廃棄物も出る。どこを取ってもいい話ではないでしょう。皆が当事者意識を持たないと、放置空き家をなくすことはできないんです。私たちの事業や情報発信が、社会を動かすきっかけになれば――そんな思いで走っている日々です。

2017年6月22日

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労働人口の約8割超が会社員である、日本。

ほとんどの人がいわゆる「雇われる生き方」をしている中で、「雇われない生き方」すなわち脱サラをして独立や起業を考えている人も数多くいらっしゃいます。

しかし、社会の少数派になることのリスク、そして養っていかなければならない家族への影響を考えるとなかなか1歩が踏み出せない。そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

今回お話をうかがったのは、墓石クリーニングサービス「アシストーン」の代理店に加盟し活躍されている、長尾和志さん。

長尾さんはあるきっかけで脱サラし、その後独立。現在では安定した利益を生み、アシストーンの関西地区スーパーバイザーにも任命されています。

「独立してから、自分の人生を他人任せにできなくなった。」―インタビュー中、長尾さんはにこやかに、そして真剣にそう語っていました。

自分の人生は自分で歩んでいきたい。そう思う人へ、長尾さんのストーリーを紹介します。

プロフィール:長尾和志さん
アシストーンメンテナンスサービスを運営。前職では飲食業に携わるが、親の介護が必要になり、拘束時間の長い飲食業界を退職。介護の後、独立を視野に動き始める。アシストーンで2014年8月に開業。お客さまを開拓し、順調に経営されている。

夢や目標は持てなくてもいい。フラットに仕事を選ぶために、偏見を持つな!

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―まず、長尾さんが独立されたきっかけを教えてください。

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長尾さん
私はこの仕事を始める前、25年ほど飲食の仕事をしていたのですが、飲食の仕事はとにかく拘束時間が長い。それでも自分と家族のために毎日働いていました。

そんなとき、私の父が倒れてしまいました。

父の余命はあと僅かでしたし、介護も必要だったのでなるべく側にいてあげたかったのですが、職業柄あまり時間を取ることができませんでした。

そこでいよいよ仕事を辞める決心をしたんです。

仕事を辞めたあと、しばらくは父の介護をしていました。そして父の最期を看取ってから新しい仕事を探し始めました。

―そして、アシストーンに出会ったんですね。

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長尾さん
はい。飲食としてのキャリアが長かったので、そちらの業界からのオファーもたくさんいただいていたのですが、父の件もあったので、これからの仕事は時間的な余裕があること、そして自分のペースでできることを大切にしました。

そんなことを考えているときに、『アントレ』のイベントに足を運んで出会ったのがアシストーンなんです。

―アシストーンの魅力はなんだったのでしょうか?

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長尾さん
時間的に余裕があり、自分のペースでできることはもちろんですが、それ以上に「ひとりで仕事ができる」というキーワードを元に考えていきました。

選択肢自体はハウスクリーニング、移動販売、コンビニ、お弁当屋、車のリペアなどさまざまだったのですが、そのキーワードで絞っていったらアシストーンが最後まで残ったんです。

―初めから墓石クリーニングをやりたい、という感じではなかったんですね。

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長尾さん
本音を言うとそうですね。加盟金の安さ、在庫が必要か、ロイヤリティの金額…。ビジネス的に考えてどの仕事が1番効率がいいか、そして収益が上げられるかで考えたので、この仕事を選んだのは結果論です。

「この仕事をやるんだ!」みたいな、夢とか目標ってなかなか持てない人も多いと思うんです。私も実はそのタイプなんですよね(笑)。

でも、だからこそあらゆる仕事に対して偏見がなかったんです。

仕事を選ぶ際にフラットな目線で判断することができるって、とても重要なことだと思うんですよね。

全国約2000~3000万基のブルーオーシャン。誰にも真似できない技術を披露して、確実に顧客を作る

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―さまざまな仕事からこの職種を選んで、現在はどうでしょうか?

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長尾さん
おかげさまで、てんてこ舞いの忙しさです(笑)。もう10日くらいずっと働いています。それでも雨の日は休んでいますし、時間に余裕を持ちながら仕事していますね。

もちろん最初からこんなに忙しかったわけではありません。石材店や広い霊園との付き合いも最初からあったわけではありませんし。

―どのように仕事を取ってきたんですか?

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長尾さん
もう営業あるのみですね。

といっても、むやみやたらなポスティングや飛び込み営業とかではないんですけど。

扱っている商材の性質上、実演が1番。どれだけ墓石がキレイになるか、それを実演していくんです。

個人のお客さまなら、私が実際に墓石をキレイにしているときに直接声をかけてくださる方もいらっしゃいます。

「何してるの?」から始まって、仕事の内容を説明すると「お兄ちゃん、ウチの墓石もやってや!」っといった具合です。

石材店や霊園も基本的には同じですね。たとえば石材店なら社長さんの親族のお墓を1台、ピカピカにして実演する。すると、腕を認めてくれることが多いんですよ。

ここで忘れてほしくないのは、私は別に元々墓石クリーニングに関するノウハウがあったわけではないこと。つまり、加盟してから研修を受けて経験を積めば、誰でもできるようになるんです。

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(上が施工前、下が施工後)

―未経験でもここまでキレイになるとはすごいですね。

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長尾さん
それからアシストーンのサービス領域は墓石だけではありません。

墓石同様、質の高い石もキレイにすることができます。たとえばホテルの廊下やパチンコ屋の床などといった大理石や御影石が使われている場所ならどこでも仕事ができます。

ほかにも、スーパー銭湯と契約して岩風呂をキレイにしているオーナーもいます。天然温泉を使っているお風呂だと、その成分がこびりついてしまうので、定期的な収入にもつながります。

要するに、仕事をする領域やマーケティングは、オーナーが自由に考える事ができるのです。

―墓石以外にもターゲットとなる領域はさまざまなんですね。

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長尾さん
はい。といっても墓石だけでも日本で約2000~3000万基。そしてこれから新しくお墓を立てようとする人が減っている中で、古い墓石をキレイにしたいという、墓石クリーニングの需要は確実に増えてきています。

きちんと営業をして、古い墓石をキレイにする、というだけで十分戦えると思っています。

ブルーオーシャンであるこの事業に魅力を感じて独立して、本当に良かったです。

自分の仕事に能動的になれる。それが独立のメリット

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―今、独立したときの自分を振り返って何か思うことはありますか?

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長尾さん
もっと早くからこの仕事を始めればよかったなと思っています。

正直な話、お金も前職時代よりもずっと多く稼いでいますし、自由なので時間のゆとりも取れます。何より会社員時代と比べて「やらされ感」がまったくありません。

「もっとこうしたほうがいいんじゃないか」「こういう宣伝の仕方や売り込み方ってあるよな」そんな風に自分が思いついたことを、能動的に即行動に移せます。これは会社員だとなかなか難しいですよね。

―組織で何かをするときは、基本的に自分だけの意志では動けないですからね。

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長尾さん
そうなんです。だから会社員をやっていると、自分の人生設計がどこか他人任せになっているなと感じたんです。

私は前職に25年も勤めていながら、自分の将来についてあまり考えたことがありませんでした。

周りには「5年この店で修行して、いつかは自分が家の食堂を継ぐ」「いつかは会社を辞めて自分の店を持ちたい」といった目標を持っていた人たちがいました。

でも私はそういうことは考えていなかった。「どうなりたいのか」という視点がないまま、ただ目の前の仕事をこなしてお金をもらう。その繰り返しを25年続けてきたんです。

そんな私でも、父の介護が原因で会社を辞めて、その後独立した。

夢や目標があったわけでもなく、最初の決め手こそはビジネス的な視点で仕事を選びましたが、今ではこの仕事は天職だなと思っています。

「お金を稼ぎたい」「時間の余裕を作りたい」…そんな自分の「やりたい」を実現するためにどうするべきか、何をするべきなのかを能動的に考えながら毎日働いています。

そしてこの仕事を通して「人から感謝される」ようになりました。やる前には知る由もなかったお客さまからの言葉が、こんなにもモチベーションを上げてくれるなんて思いもしなかったですね。

自分の仕事について考えなければならない状況を作り出せる。そしてやっていくうちに、もしくはやる前から夢や目標に沿って働くことができる。

これが独立のメリットです。正直、こんなに楽しいことはありません。

―最後に、独立を考えている人にアドバイスをいただけたらと思います。

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長尾さん
人生も仕事も、自分のことは自分で選択するようにしましょう。

「自分は何がしたいのか」それを考えて行動に移すこと。ただ目の前の仕事や環境に流されてしまうのはもったいないです。

私自身、そういう生き方を長年してきてしまったので…。

自分の人生を他人任せにせず、自分のことは自分で決める。そういった生き方はもちろん苦労をするかもしれませんが、絶対に後悔はしないはずです。

2017年6月21日

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