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個人事業主は確定申告で赤字を「損益通算」「損失の繰越控除」することができる

個人事業で利益が出たら、確定申告を行い、税金を納めなければいけません。

しかし、毎年利益が出るとも限らず、赤字となってしまう年もあるでしょう。

では、赤字の場合でも確定申告をする必要はあるのでしょうか。

今回は、個人事業で赤字となった場合の確定申告と、「損益通算」や損失の繰越控除についてご紹介いたします。

個人事業主は赤字でも確定申告をすべきなのか

個人事業主は赤字となった場合、確定申告を行う義務はありません。

赤字とは、売上金額から必要経費、さらに、基礎控除や社会保険料控除などの各種所得控除を引いて出た所得金額がマイナスの状態のことです。

例えば、当期(1月1日から12月31日まで)の売り上げが300万円で、事業に支出した費用が250万円、所得控除の合計額が100万円の場合、

300万円-(250万円+100万円)=▲50万円

となり、所得金額がマイナスになります。

赤字ならば確定申告を行う必要はありませんが、青色申告を行っている場合、赤字でも確定申告を行うことで、赤字を翌年度以降に繰り越すことが可能です。

これを損失申告と言います。

損失申告とは、事業で出た損失を他の所得と「損益通算」しても、控除しきれない場合に行う申告のことです。

損失申告を行うことにより、翌年以降3年に渡って損失を繰り越すことができ、損失分を利益から控除することができます。

白色申告の場合、繰り越しできる損失に制限がありますが、青色申告の場合、制限がありません。

「損益通算」とは

売り上げから必要経費を引いた所得が赤字のとき、他の黒字の所得と通算し、赤字と黒字を相殺することを「損益通算」と言います。

「損益通算」を行える所得は、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得の4つです。

例えば、個人事業からの収入だけでなく、不動産からの収入もある場合など、個人事業で赤字が出たときには、黒字である不動産所得と通算することができます。

このように、所得間で「損益通算」を行うことにより、税金を減らすことが可能です。

赤字の損失繰越とは

「損益通算」を行っても引ききれない損失を純損失と言います。

純損失が出た場合、損失申告を行うことにより、翌年度以降3年間に渡って繰り越すことができます。

純損失を繰り越すことにより、翌年度以降、黒字となった場合に、過去の赤字分を控除できるので、税金を減らすことが可能です。

例えば、当期100万円の赤字となった場合、確定申告を行うことで、100万円の赤字を翌年度以降に繰り越すことができます。

翌年度、150万円の利益が出たとしても、繰り越した100万円の赤字を控除できるので、所得金額は150万円-100万円=50万円となります。

赤字を繰り越していなかったら、150万円の所得に対し税金を支払うところを、損失繰越を行うことにより、所得金額が50万円となり、納税金額を減らすことができます。

ただし、繰り返しになりますが、青色申告と白色申告で繰り越すことができる純損失に制限があります。

白色申告の場合、繰り越すことのできる損失金額は、魚介類採取などの変動所得、災害による損失、および雑損失に限られます。

青色申告の場合には、純損失の金額すべてを繰り越すことが可能です。

また、青色申告を行っている場合、純損失の繰り越しを行わず、前年の所得税から還付を受ける「純損失の繰り戻し」の請求を行うこともできます。

「純損失の繰り戻し」を受けるためには、確定申告の際、「純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書」を提出し、前年の所得税額を再計算します。

まとめ

今回は、個人事業主は赤字となった場合でも確定申告を行う必要があるのか、「損益通算」や損失の繰越控除についてご紹介しました。

個人事業で赤字となった場合、他の所得と「損益通算」しても赤字の場合には、損失申告を行った方がよいでしょう。

赤字の場合には確定申告の義務もないため、面倒な手続きをしなくなりがちです。

しかし、将来利益が出た場合、節税のメリットがあります。

ぜひ活用してください。

PROFILE

ファイナンシャルプランナー 富田浩司

ゴールドマン・サックス証券などの勤務を経て2007年に富田FP事務所を設立。主に、子育て世帯のマネープランをテーマに、講演、執筆活動などを行い、金融リテラシー向上に努める一方、FP相談では本音で話し、本気でサポートするFPとして、多数の顧客から支持を得ている。
<コンサルティングの得意分野>
ライフプラン(マネープラン)、子育て・教育資金、長期分散投資、保険新規見直し、不動産購入・不動産投資、節約経費削減、法人税金対策

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