「正社員になれば安定収入が得られる」という常識が揺らぎ、先行きが見えない時代になりつつある現代。
フリーランスとして副業を始める人が増えています。
本記事では、会社員を続けながら休日などに副業をする「副業フリーランス」になるにはどうすればいいのか、収入アップ以外にどのようなメリットがあるのかを解説します。
“副業フリーランス”におすすめの8つの職種も紹介するので、副業を始めたいと思っている方は参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/45334/
副業とフリーランスの違い
2019年4月に施行された働き方改革(働き方改革関連法)により、働く時間や場所などを自由に選択できる社会となりつつあります。
また、働き方改革関連法には含まれていないものの、政府は「副業・兼業の解禁」を推奨しています。
2018年1月には厚生労働省より「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が発表され、同じタイミングで副業禁止規則がモデル就業規則から削除されました。
一方で、企業年金制度などを見直す企業が増えたことで、老後の蓄えなどを積極的に確保する必要も出てきました。
働き方改革が推進されることで、会社以外での時間の過ごし方やキャリア形成、資産形成がいっそう重要になっていくと考えられます。
また、コロナ禍を経て在宅勤務が増加したことで、労働者の副業への関心も高まりました。
こうした背景により、副業禁止の会社は少しずつ減少傾向にあります。会社員として働く傍らフリーランスになる人も増加しています。
では、最近よく耳にする「副業」と「フリーランス」はどのように違うのでしょうか。
本記事では、「副業」「フリーランス」それぞれの意味について解説します。
副業とは
副業とは、本業で企業と雇用契約を結びながら、空いた時間に別の仕事をして収入を得ることです。
そのため、常時雇用されている会社や自分で興した事業所など、自分の軸となる仕事以外のすべての仕事は「副業」となります。終業後や休日のアルバイト、クラウドソーシングで受注した仕事などはすべて副業です。
クラウドソーシングを使ったり、自分で営業して仕事を受注したりする人のことを「副業フリーランス」と呼びます。
フリーランスではあるものの、本業として本格的に事業を行っているわけではなく、あくまで副業として働いているのが特徴です。
フリーランスとは
フリーランスとは、会社や組織に属さず自分でビジネスをする人のことです。企業と雇用契約を結ばずに業務委託契約のみを結び、自由に仕事を行うのが特徴です。
業務委託契約による仕事を本業としている人は、フリーランスに当てはまります。
フリーランスと個人事業主は混同されがちですが、実際にこれら2つの働き方はとてもよく似ています。ただし、個人事業主はフリーランスのうち法人を設立せず、税務署に開業届を出している方を指します。
飲食業や小売業、士業などをフリーランスと呼ぶことはほぼなく、ライターやエンジニア、デザイナーなどの「1人でできる仕事をする人」がフリーランスに当たります。
最近ではWebディレクターやマーケター、コンサルティング業、講師など、さまざまな業種においてフリーランスとして活動する人が増えてきました。
ITの進化やDX(デジタルトランスフォーメーション)、人材不足、リモートワークの認知が広まったことなどにより、フリーランスは年々増えているといわれています。
以下の記事では個人事業主と自営業者・フリーランスの違いをご紹介しています。気になる方は読んでみてください。
https://entrenet.jp/magazine/16239/
副業フリーランスの6つのメリット
副業でフリーランスの仕事をすると、収入が増えます。ほかにも「ビジネスパーソンとしての可能性が広がる」「本業の生産性が上がる」などのメリットがあります。
本項では、副業でフリーランスをする6つのメリットをご紹介します。
それぞれのメリットについて、もう少し詳しく解説していきます。
収入が増える
最初にあげられるメリットが、収入の増加です。会社員としての給与に副業の収入がプラスされれば、生活にも余裕が出るでしょう。
フリーランスの収入アップは、会社員として昇給を目指すよりも比較的簡単です。仕事量を増やせばそれだけ収入が増えますし、スキルアップして単価が上がれば、仕事量はそのままでも収入を上げることができます。
仕事に慣れれば効率もよくなり、より多くの仕事をこなせるようになるでしょう。
ビジネスの可能性が広がる
“副業フリーランス”になる2つ目のメリットは、ビジネスパーソンとしての可能性が広がることです。副業で積み重ねた経験を生かして独立してもいいですし、副業で身に付けたスキルを本業に生かすのもいいでしょう。
フリーランスは実務だけでなく、仕事を請け負うための営業活動や経理などの事務作業も自分でしなければなりません。本業と副業が全く異なる業界・業種でも、フリーランスとして身に付けたコミュニケーション力や事務処理能力が今後に役立つでしょう。
本業の生産性が上がる
副業フリーランスになる3つ目のメリットは、副業をすることで本業の生産性が上がる可能性が高いことです。
副業をすると、本業ではできなかった経験を積んだり、新しいスキルを身に付けたりすることができます。ビジネスパーソンとしての能力が高まり、本業の生産性向上にも期待できるでしょう。
何よりフリーランスは個人事業主であり、一人のビジネスオーナーです。自分の事業をどう育てていくか、どのように集客し、顧客にどのような価値を提供するかなど、経営者としての視点で物事を考えるようになります。これは、会社員として働くだけではなかなか身に付かないスキルです。
本業でも経営者視点を活かして、会社役員と同じ目線で物事を考えたり、リーダーとしての才覚を発揮したりできるでしょう。また、こうした人材の育成が、中小企業庁が副業や兼業を推進する理由の1つでもあります。
参照:兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する調査事業研究会提言~ パラレルキャリア・ジャパンを目指して ~|中小企業庁(P.4より)
※リンクの遷移先はPDFファイルです。ダウンロードに大量の通信費がかかる可能性があります
独立・開業の足がかりができる
独立・開業の足がかりができるのも、副業フリーランスのメリットです。
フリーランスとして活動するためには、実務の他に営業や交渉、納品管理、経理など、会社員をしていると別部署の人が担当している業務もすべて自身で行う必要があります。
本業では行わないような業務や作業を、副業フリーランスとして学んでおくことで、独立のための基盤を整えられるのです。
また、フリーランスとして活動するうえで特に苦戦する事務手続きの1つである確定申告も、会社員をしながら実践で学ぶことができます。
将来的に独立や開業を考えているのであれば、副業フリーランスとして活動しておくことで、事業者として役立つ知識が得られるでしょう。
所得税を節税できる
所得税を節税できるのも副業フリーランスのメリットです。
副業フリーランスとして活動していると、本来であればただの支払いとして消えてしまうような費用も、経費に計上することで節税が可能です。
以下は、経費計上できる項目の一例です。
注意したいのは、何でも経費として計上できるわけではなく、あくまで事業を行ううえで必要な費用のみ経費計上できるという点です。
さらに、副業として片手間ではなく事業として本格的に取り組むのであれば、しっかりと日々の帳簿付けを行い、事業所得とすることも可能です。
事業所得とした場合、最大65万円控除が受けられる青色申告ができたり、損益通算という赤字の相殺ができたりするため、さらなる節税効果を実感できるようになります。
時間を有効活用できる
時間を有効活用できるのも、副業フリーランスの大きなメリットでしょう。
働き方が多様化している昨今、リモートワークや外出自粛等で在宅時間が増えた方も多いのではないでしょうか。
自宅にいる時間が増えると、意味もなくテレビを見続けてしまったり、用もないのにスマホを触り続けてしまったりと、ついだらだらと空き時間を過ごしてしまうものです。
そのような時間を副業に充てることで、時間を有効活用しつつ収入アップを見込めるようになります。
時間を有効活用できると、日々の幸福度やエンゲージメントが高まり、本業のモチベーションアップにもつながるでしょう。
下記記事では、スキルがなくてもでもフリーランスになれる方法や、独立前にしておくべきことを紹介しています。
https://entrenet.jp/magazine/39188/
在宅でできるおすすめの副業10選
副業フリーランスにはさまざまな職種があります。副業を始める際は、自分のスキルや目的に合った職種を選ぶことが大切です。
本項では、在宅で始められる10種類の副業をご紹介します。
副業1.Webライター
文章を書くのが好きだったり、専門的な知識があったりする方には、Webライターがおすすめです。
Webライターは、Webサイトやメルマガ配信用の記事を書いたり、広告のコピーを書いたりする仕事で、誰でも気軽に始めやすいのがメリットです。
求められるレベルの原稿が書けるようになるまでは難しいものの、すぐに始められることや、何か興味のある分野や専門知識があれば自分の知識や知見を存分に生かせるので、副業初心者におすすめです。
副業2.バックオフィス
近年はあらゆる業界の人材不足が深刻化している影響もあり、バックオフィス業務のニーズが高まっています。
秘書業務や経理、資料作成など担当領域が幅広いため、企業のニーズと自分の得意がうまくマッチングすれば、安定的な収入を得やすい職種といえます。
副業3.コールセンター
コールセンターやカスタマーセンターの架電業務のニーズも高く、さまざまな業界でオペレーターが求められています。
特に近年はDXの導入により、コールセンターやカスタマーセンターのコール業務を在宅でも行えるようになりました。
人と話すのが好きな方や、困っている人のサポートが得意な方におすすめです。
副業4.データ入力
データ入力も、副業として始めやすい職種です。
データ入力とは、顧客リストを作成したり経理事務に関わる書類の入力を代行したりする仕事です。タイピングの速度や正確さが求められますが、パソコンさえ使えれば誰でも始められるので、副業未経験の方におすすめです。
副業5.ブログ運営
ブログ運営は、もっとも始めやすい副業の一つといえるでしょう。
アフィリエイトに代表されるように、ブログに掲載した広告により広告収入を得るモデルが一般的です。
趣味のブログから始めてもいいですし、ニーズが高いジャンルを狙って戦略的に運営するのもいいでしょう。安定的な収入が得られるようになるまでに時間はかかるものの、本業の傍らで趣味の一環として始めやすいメリットがあります。
副業6.動画編集
YouTubeに代表されるように、近年はあらゆるSNSやWebマーケットにおいて動画市場が拡大しています。それに伴い動画編集者のニーズも高まっているため、安定した収入が得やすい職種といえます。
動画を編集するためのツールを導入したり、編集ツールを自在に操るスキルが必要だったりしますが、動画制作に興味がある方にとってはかなり現実的な選択肢といえるでしょう。
副業7.イラストレーター
イラストを描くのが好きな人は、特技を生かしてイラストレーターになるのもいいでしょう。
近年は企業からだけでなく、個人のSNS用アイコンを描く仕事を請け負う人も増えています。有名なイラストレーターでなくても、クラウドソーシングで手軽に仕事を探せるのがメリットです。
WebサイトやWeb広告などのデザインを手掛けるWebデザイナーを目指す選択肢もあります。
副業8.プログラマー・SE
キャリアチェンジを目指し、副業でプログラマーやSE(システムエンジニア)の仕事を始める人も多くいます。
IT化やDXの影響でプログラマーやSEのニーズが高まり続けているため、副業や独立・開業はもちろん、転職やキャリアステップにも役立つスキルといえるでしょう。
副業9.翻訳
複数の言語を操れるなら、翻訳業務がおすすめです。
特に近年は個人で越境ECを運営する人が増えているため、あらゆる言語において翻訳のニーズが高まっています。
翻訳は専門的なスキルが求められる職種なので単価が高く、高収入を得やすいのがメリットです。また、翻訳者を求めている企業や個人と翻訳者のマッチングを図るビジネスサービスもたくさんあるので、そうしたサービスに会員登録して手軽に集客できるのも強みといえるでしょう。
副業10.投資系
副業フリーランスとして活躍すれば、少しずつ収入が上がり、貯金など資産も増えていくでしょう。資産が増えたら投資系の副業もおすすめです。
投資はいわば、お金にお金を稼いでもらう方法です。情報収集や分析をする時間、損失などのリスクはありますが、投資ほど効率よくお金を増やす方法は他にないかもしれません。
副業でフリーランスになるときの5つの注意点
副業フリーランスにはメリットがある反面、リスクも伴います。本業に支障をきたしたり、副業フリーランスのメリットを享受できなかったりする可能性もあるので、きちんと準備してから始めましょう。
本項では、副業フリーランスを始めるときの5つの注意点をご紹介します。
それぞれの注意点について、もう少し詳しく解説していきます。
就業規則を確認する
副業を始める前に、本業における就業規則をきちんと確認しておきましょう。
国の方針で副業が推進され始めてはいるものの、まだまだ副業を禁止している会社が多いのが現状です。副業を解禁している企業でも、副業可能とする業種や期間などを限定しているケースがありますし、利益損失を防ぐために本業で知り得た情報を副業で利用できない場合もあります。
さらに、本業で知り得た機密情報を副業で活用した場合、会社に損害を与えたとして賠償責任を問われる可能性も。
「会社に黙っていれば、副業していることはばれないはず……」と思っている方は要注意です。
年末調整や確定申告などで副業が会社にばれる可能性がおおいにありますので、適切な手順を踏んで副業を始めるのがおすすめです。
副業の目的をハッキリさせる
副業を成功へ導くには、副業の目的をあらかじめハッキリさせておくことが大切です。
副業の目的は人それぞれですが、主に以下のような目的で始める方が多いのではないでしょうか。
収入アップが目的なら、なるべく単純な仕事や、本業とは真逆の仕事を選ぶのがおすすめです。本業と似ている仕事だと心身の負担が大きくなりがちですが、正反対の仕事なら気分転換にすらなり得るからです。
経営者視点を身に付けたいなら、少なくとも営業活動は自分で行いましょう。マーケティングやマネジメントなどを経験できる仕事だと理想的です。
また、独立・開業を目指すために副業を始めるなら、本業よりも副業優先で考えましょう。もちろん本業を疎かにするのはよくありませんが、「メインは副業」という気持ちで働くだけでも成長は早くなるはずです。
副業重視で進めていくなら、早寝早起きをして、出勤前の頭がよく働く時間帯といわれている朝などに副業の業務をこなすのがおすすめです。
自己管理を徹底する
フリーランスには、自己管理の徹底が欠かせません。
時間、体力、精神力など自分のキャパシティを把握し、本業も副業も無理なく進めていく必要があります。
副業フリーランスになりたての頃は、はやる気持ちが募ってつい仕事を入れすぎてしまいがちです。自分のキャパシティがわからなければ、どのくらいの仕事量を受注すべきなのかもわからないものです。
キャパシティを把握するには、副業の時給を計算するのがおすすめ。副業の収入と業務時間を記録し、時給換算してみましょう。副業に充てられる時間と時給がわかれば、どのくらいの仕事をこなせるかも自ずと見えてきます。
例えば時給1,000円の人が50時間を副業に充てられるなら、副業で請けられる仕事量は月5万円分までです。逆に5万円の業務をこなすために50時間かかったということであれば、時給1,000円で請け負うべき仕事かどうか、価格設定を検討してみるといいでしょう。
今後のスキルアップや人脈作り、キャリアアップにつながるようであれば、安価な案件でも請け負うメリットは多いかもしれません。しかし、収入アップが目的なら、条件のいい仕事を請け負ったり効率化を図ったりすることを検討してみましょう。
すべての責任は自分にあると肝に銘じる
フリーランスが何よりも忘れてはならないのが、「すべての責任は自分にある」という視点です。
サラリーマン時代のように、経験豊富で頼れる上司や、何かあっても助けてくれる同僚はいません。すべての業務を自分でこなし、決定しなければならないのです。
また、業界の変化や法改正など、情報を常に更新する必要もあります。必要であれば司法書士や弁護士などに相談しながら、何事にも常に先手を打てるよう自己研鑽に励みましょう。
開業届と確定申告の準備をする
副業でフリーランスになる際は、開業届と確定申告の準備も併せて行いましょう。
特に事業所得や不動産所得、山林所得のある事業を始めた人は、納税地を所轄する税務署に開業届を出さなければなりません。副業フリーランスの所得は事業所得にあたるため、開業届の提出が義務付けられています。
副業の年間所得が20万円を超えたら、確定申告もしなければなりません。ここでいう所得とは、総売上から経費を差し引いた金額のことです。
例えば売り上げが年間20万円でも、経費に5万円かかっていたら所得は15万円となり、確定申告をしなくても構いません。ただし、確定申告は不要でも、住民税の申告は必要です。
なお、「確定申告をすれば副業をしていることは会社にバレない」「住民税を自分で納めていれば会社に副業がバレない」といった情報がネットなどで散見されますが、誤りです。
副業をして収入が増えれば、住民税の金額が高くなります。住民税の確定金額は会社に通知されるため、副業を疑われる可能性があります。
もちろん、確定申告や住民税の申告をしないと脱税になるので、会社にバレたくないからといってこれらの申告をしないことは絶対にやめましょう。
こちらの記事では、会社員の副業について解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/27086/
参照:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁 令和4年分確定申告特集 申告の流れ、申告が必要な方|国税庁
副業におすすめの投資の種類や、不労所得の作り方は、こちらの記事も参考になります。
https://entrenet.jp/magazine/33487/
開業届の提出方法
開業届の提出方法には、税務署に直接提出する方法と、郵送で提出する方法、オンラインで申請する方法の3通りがあります。
本項では、開業届を提出するメリット・デメリットと併せ、開業届の提出方法について解説します。
開業届を提出するメリットとデメリット
開業届を提出することで、節税効果の高い青色申告を行うことができるようになります。青色申告では最大65万円の特別控除が受けられるため、高い節税効果に期待できます。
また、赤字を3年まで繰り越せるのも、開業届を提出した事業者のメリットです。赤字を繰り越すことで節税効果を高められるだけでなく、経営面における事業負担やリスクを管理しやすくなるといった恩恵があります。
その他、開業届を提出すれば、屋号で事業用の銀行口座を開設できるのもメリットの一つといえるでしょう。公私の銀行口座を分けることで資金管理がしやすくなりますし、顧客からの信用度向上にも期待できます。
開業届以外の申請書類
開業届を提出する際は、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)以外にマイナンバーカードが必要です。マイナンバーカードがない場合は、本人確認書類とマイナンバーがわかるものが必要です。
また、青色申告を行う場合は、青色申告承認申請書も併せて提出しておきましょう。
なお、開業届の提出に印鑑は不要です。
開業届の提出方法
開業届の提出方法には、税務署へ直接提出、郵送による提出、オンラインでの電子申告の3通りがあります。税務署に直接提出する場合と郵送で提出する場合は、開業届の用紙に必要事項を記入して提出します。
用紙は全国各地の税務署で無料にて交付してもらえるほか、国税庁のWebサイトからダウンロードすることも可能です。
オンラインで申告を処理する場合は、e-taxソフトなどの専用ソフトを利用します。
e-Taxソフトとは、あらかじめ用意されているフォーマットに沿って必要事項を入力するだけで、パソコン上で申告データの作成と送信を行える、国税庁が無料提供しているソフトです。
確定申告のやり方
副業の年間所得が20万円を超えた場合は、確定申告を行う必要があります。
本項では、確定申告に必要な書類や申請方法について解説します。
副業で確定申告が必要となる基準
本業の会社から給与を受けている場合、副業で年間20万円以上の所得を得ると確定申告が必要です。先述したように、所得とは収入から経費を差し引いた額のことです。
また、2箇所以上から給与を受けている場合は、年末調整されなかった給与の収入が20万円を越えると確定申告が必要です。この場合は所得でなく収入が判断基準となるため、注意が必要です。
白色申告と青色申告
確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。確定申告をするなら、必ずどちらかの方法を選択することになります。
白色申告は記入内容がシンプルなため、誰でも比較的簡単に申告できるのが特徴です。一方、青色申告は白色申告よりも厳密な会計帳簿が必要で、書類の作成には簿記の知識などが必要です。
しかし、最大で65万円の控除や、経費計上できる範囲が広いなどの優遇措置があるため、白色申告よりも節税効果がはるかに高いのがメリットです。
確定申告に必要な書類
白色申告をする場合は、確定申告書と収支内訳書を提出する必要があります。提出方法は開業届と同様、税務署へ直接提出する方法と郵送、電子申告の3通りです。
青色申告を行う場合は、55万円控除(最大65万円)と10万円控除のいずれかの優遇措置を選択できます。
55万円控除を受けるには、確定申告書(複式簿記)のほか青色申告決算書や賃貸対照表、損益計算書、第三表(事業所得に加え譲渡所得がある場合)、第四表(赤字で青色申告する場合)などの提出書類が必要です。
10万円控除を受ける場合は、確定申告書(単式簿記)のほか青色申告決算書や損益計算書、第三表(事業所得に加え譲渡所得がある場合)、第四表(赤字で青色申告する場合)などの提出書類が必要です。
確定申告の申請方法
確定申告に必要な書類の作成が完了したら、税務署の窓口で直接提出するか、郵送で提出するか、e-Taxソフトで電子申告するか、いずれかの方法で提出しましょう。
税務署の窓口で提出する際は、書類に不備がないかをその場で確認してもらえるのがメリットです。ただし、確定申告時期は税務署窓口が混雑するため、申告書の提出に相当な時間を割く必要があったり、予約が必要だったりするのがネックです。
郵送の場合、ポストに投函するだけで提出できるため、時間や手間がかからないのがメリットです。しかし、もし書類に不備があった場合、後から修正申告が必要になるなどのデメリットも。
また、確定申告書の控えを返送してもらう場合は、返送先を記載して切手を貼った返信用封筒を同封する必要があります。
e-Taxソフトを利用して電子申告する場合は、インターネットを通じて自宅から申告できるため、税務署へ赴いたり返信用封筒を用意したりする手間や時間がかかりません。また、添付書類の提出を簡略化できたり、還付金が早く受け取れたりといったメリットもあります。
ただし、電子申告をするにはあらかじめ利用者識別番号を取得しておいたり、電子証明書を発行したりといった準備が必要です。
それぞれのメリットとデメリットを比較し、自分に合った方法を選びましょう。
今は副業でなく「複業」の時代!会社に属しながらフリーランスになろう
今は先行きの見えにくい時代です。経済的な安定を考えても、ビジネスパーソンとしての将来を考えても、早めに副業を始めるのがおすすめです。
「セブンポケッツ」という言葉をご存知でしょうか。「7つの収入源があって初めて、経済的な安定が生まれる」という意味の、アメリカの富裕層のあいだで生まれた言葉です。
アメリカでは複数の収入源があるのは当たり前ですが、日本では未だに「会社の給与だけで生きていく」という考え方が主流です。
さすがにセブンポケッツを作るのは難しいかもしれません。しかし、会社の給与と合わせてせめて3つは収入源を作っておきたいところです。
脚が2本しかないイスは倒れますが、3本なら倒れません。
まずは会社の仕事と副業を、何か1つでも始めてみましょう。本業と副業2つの仕事に慣れてきたら、もう1つ新たなビジネスを始めるか、資産を貯めて投資をするのがおすすめです。今は「本業+副業」ではなく、複数の仕事をバランスよくこなす「複業」の時代なのです。
「でも、どのような複業をすればいいのかわからない……」という方は、副業として独立・開業もできるフランチャイズや代理店ビジネスが豊富に掲載されているアントレを、今すぐにご確認ください。
世の中にどのようなビジネスがあるのか、自分には何ができるのかを知れば、あなたのビジネスの世界は一気に開けるはずです。
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<文/ちはる>